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妹の彼
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ある日、部活を終えて帰宅すると、玄関に男物のコンバースが揃えてあった。
「ただいま~ お腹すいた~」
冷蔵庫を開けて中を物色していると、
「あら、早希、 おかえり」
母がいつになくそわそわした様子でキッチンに入ってきた。
「ねぇ、誰か来てるの? 玄関に男物の靴があったけど?」
「美姫ちゃん、彼氏を連れてきたの。それがね、すっごいイケメンでびっくりしちゃって」
「ふーん、いいじゃない美男美女だったら。フフッ、お似合いのバカップルってやつね」
冷凍庫からアイスモナカを取り出してかじりつく。
「晩ご飯、ハンバーグでいいかしら。なんか緊張するわ~」
「はぁ? お母さん大丈夫? 」
確かに彼氏など今まで連れてきたことなどないのだから、そわそわする気持ちもわからないではないけれど、少し大げさすぎやしないだろうか。
「ねぇ、早希、悪いんだけど、トマトとブロッコリーを買ってきてくれないかしら」
「嫌よ、もう、疲れてるの。そんなのなくたっていいじゃないの。レタスはあるんでしょ?」
「レタスだけなんてカッコ悪いわよ。なんだかとっても育ちの良さそうな人なの。あんまり貧乏くさいところ見せたくないわ」
「見栄なんて張らないほうがいいわよ。どうせ続かないんだから。いつも通りの自然体が一番いいんだよ。相手だって、その方が楽なんだから」
「もう、いいわよ、自分で行ってくる!」
母はぷりぷり怒ってエプロンをはずすと、トートバッグをつかんで出て行った。
たかが彼氏でしょ。意味わかんない!
「ただいま~ お腹すいた~」
冷蔵庫を開けて中を物色していると、
「あら、早希、 おかえり」
母がいつになくそわそわした様子でキッチンに入ってきた。
「ねぇ、誰か来てるの? 玄関に男物の靴があったけど?」
「美姫ちゃん、彼氏を連れてきたの。それがね、すっごいイケメンでびっくりしちゃって」
「ふーん、いいじゃない美男美女だったら。フフッ、お似合いのバカップルってやつね」
冷凍庫からアイスモナカを取り出してかじりつく。
「晩ご飯、ハンバーグでいいかしら。なんか緊張するわ~」
「はぁ? お母さん大丈夫? 」
確かに彼氏など今まで連れてきたことなどないのだから、そわそわする気持ちもわからないではないけれど、少し大げさすぎやしないだろうか。
「ねぇ、早希、悪いんだけど、トマトとブロッコリーを買ってきてくれないかしら」
「嫌よ、もう、疲れてるの。そんなのなくたっていいじゃないの。レタスはあるんでしょ?」
「レタスだけなんてカッコ悪いわよ。なんだかとっても育ちの良さそうな人なの。あんまり貧乏くさいところ見せたくないわ」
「見栄なんて張らないほうがいいわよ。どうせ続かないんだから。いつも通りの自然体が一番いいんだよ。相手だって、その方が楽なんだから」
「もう、いいわよ、自分で行ってくる!」
母はぷりぷり怒ってエプロンをはずすと、トートバッグをつかんで出て行った。
たかが彼氏でしょ。意味わかんない!
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