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美姫の告白
しおりを挟む「美姫、会ったことあるよ。駿くんの婚約者に」
「えっ、いつ? どこで?」
「駿くんと付き合ってた頃。駿くんのママに家に来るように呼ばれたの。だけど駿くんは夏期講習に行ってて家には居なかったの。それでママにね、駿くんはいま受験生で大変な時だから、駿くんのことを大切に思う気持ちがあるなら、もう会わないでって言われたの」
「美姫ちゃん!! ……じゃあ、それがお別れした理由だったの?」
「うん、それにね、駿くんにはもう婚約者がいるんだって。その時、その婚約者の女の子を紹介されたの。 とっても綺麗な女の子だった」
「………… 」
そうだったんだ。
確かに別れの理由には不自然なところがあった。
わたしにとって松岡くんは、完璧と言えるほどの男性だった。なのに婚約者がいながら、そのことを隠して美姫と付き合っていたなんて。
心底がっかりして、肌身離さずにいたネックレスを首からはずした。
失恋した時よりもショックだった。
ずっとこの思い出を、大切にして生きていこうと思っていたのに。
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