六華 snow crystal 4

なごみ

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みじめな関係

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**彩矢**

今朝、申し送り前の連絡事項で看護師長から、沙織さんがしばらくの間、休職すると告げられた。


実家のお父さんの容態が良くないのと、自身の体調不良のためとのこと。


それはその通りで間違っていない。佐野さんからの説明と同じだ。


『彩矢ちゃん、それで……俺しばらくの間、沙織についてあげたほうがいいのかなと思って……。  彩矢ちゃん、待っててくれる?   俺、必ず戻るから、……絶対に戻るから』



今までずっと佐野さんが待っていてくれたように、今度は私が待つ番なんだ。


自殺未遂まで起こしてしまった沙織さんを、佐野さんが放っておけるはずないもの。



だけど………。


二人は今あのアパートで一緒に暮らしている。


自殺願望のある人を一人にしておけないという、佐野さんの気持ちはわからないではない。


怖くて一人ではいられないなどと、沙織さんに泣きつかれたなら尚更だ。


私には佐野さんを信じて待つことしかできない。


頭では理解しているのだ。だけど不安で押しつぶされそうになるこの気持ちを、どうしていいのかわからない。


二人がどんな暮らしをしているのだろうと思うと、それは嫉妬というよりも、ひどい悲しみをともなう失望だった。


沙織さんが鬱病なのだとすれば、それは簡単に回復できるようなものではないはずで、先行き不明な二人の関係が、どんどん深みにはまっていきそうで……。


裏切っている訳でもない佐野さんを責めることもできず、この悲しみと不安を一体どうやって乗り越えたらいいのだろう。






仕事を終え、更衣室で着替えてスマホを確認すると、LINEに佐野さんからのメッセージ。



『沙織、だいぶ落ち着いたみたいなんだ。少しくらいなら遅れて帰っても大丈夫だと思う。久しぶりに食事でもして帰らないか?』


佐野さんは、LINEトークなら毎日のようにくれる。私に気を遣っているのだろう。


理由はどうであれ、沙織さんと一緒に暮らしているのだ。私への申し訳なさと、佐野さん自身も落ち着かない不安を抱えているのかもしれない。


その気持ちはよくわかる。佐野さんの誠実さを疑っているわけでもない。


だけど私には心の広さというものが足りなかった。


『ごめんなさい。今日は子供たちに早く帰るって言ってきたから』



本当は逢いたいくせに……。


少しくらい遅れたって、母に電話を入れておけばすむことだった。


実家にいる子供たちは、母から晩ご飯を食べさせてもらい、特にストレスも感じずに遊びながら私の帰りを待つだけなのだ。



佐野さんに甘えたいのだ私は。


沙織さんのように……。



それができない悔しさで、むくれてしまっているのだ。


『そうか、残念だな。じゃあ、明日にしよう。彩矢ちゃんの好きなところへ連れていくから考えておいて』


『ごめんなさい。明日は用事があるので無理です』


更衣室で涙ぐみそうになり、慌ててロッカーを閉めて靴をはいた。


職員通用口を出ると自販機の前に佐野さんが立っていた。


笑顔を見せることができず、硬い表情でうつむいた。


「彩矢ちゃん、送るよ。それくらいならいいだろ?  いつもサッサと帰っちゃうから、ここで待ち伏せしてたんだ」


断る理由が見つけられない。


だけど、反発したい気持ちを消すことはできなかった。


「いいの、早くアパートへ帰ってあげて」


顔も見ずに視線をそらせて歩きだす。


「彩矢ちゃん、待って。怒らないでくれよ」


佐野さんに腕をつかまれた。


「やめて!  ここは病院よ。離婚してまだ一ヶ月なの。私には子供がいるのよ。変なうわさを立てられたくないわ」


「じゃあ、いつものように拾うから、地下鉄駅に向かって歩いていて」


佐野さんも少しムッとして、駐車場に停めてある車に向かって歩いていった。







地下鉄駅に向かって歩きながら、どうするべきかを考えた。


どうしようもなく我儘な自分がいて、前方に見えてきたコンビニへ入ってしまえと命令をくだす。


一方で、佐野さんだって板挟みになって苦しいのだ。別に二人の女の間で気持ちが揺れているわけではない。


沙織さんが落ち着くまでそばにいてあげたいと言っているだけではないか。


結局コンビニへ入ってしまい、そこで十分も時間を潰してから地下鉄駅へと向かった。


もしかしたら、まだ待っているかもと淡い期待を抱いたけれど、佐野さんの車は停車していなかった。いつまでも車道に停車などしていられるわけもない。


佐野さん、怒ったかな?



もしかして我儘な私は愛想をつかされたかも。


沙織さんよりも愛されているはずと自惚れていたことに気づき、少しあせりを感じた。


人の気持ちなど、ふとした事で簡単に変わってしまうものなのだ。


恋愛などといったものは特にそうだろう。


綺麗な沙織さんが、突如太刀打ちできないほどのライバルに思えて怖くなった。







「ただいま~!」


ふさぎ込んでしまいそうな気持ちを、吹き飛ばすかのように元気な声をだした。


「おかえり。彩矢、あなたの好きな海老グラタンを作ったのよ。今できたばかりだから」


「わ~   美味しそう!  いつもありがとう」


具だくさんのミネストローネもいい匂いがしている。


珍しく父も早く帰ってきていて、子供たちと晩ご飯を食べていた。


雪花はじぃじのお気に入りで、いつも膝の上に座らされている。


父が熱々のグラタンをふうふう冷ましながら、雪花に食べさせていた。


「ほら、雪花、熱いからな。火傷するなよ」


母に言わせると実の娘以上の可愛がり方なのだそう。


それは父が歳を取って人間として成長したからなのか。


あるいはすっかり慣れてしまった仕事への情熱がうすれたことによるものか。


それとも若い頃は興味を持てなかった子育てに、喜びを感じられるようになったのだろうか。


もしかしたら、父親のいないこの子たちを不憫に思ってのことかも知れない。


母には随分甘やかされたような気がするけれど、父からはその分厳しくされた。


その厳しさは私に、さほどの効果ももたらさなかったような気がするけれど。







「ただいま。雪花ちゃん、じいじに食べさせてもらってたの?」


雪花は食べることに夢中で、私の問いかけなど無視している。


私がいないことにも慣れたのだろう。それはとても助かることではあるけれど、以前のように切望されなくなった寂しさを感じた。


「ママ、おかえり! ねぇ、見て、保育園で描いたパパの顔。父の日が終わったから返してくれたの」


食事を終えていた悠李は、クレヨンで描いた潤一の似顔絵を自慢げに掲げた。


「……とっても上手に描けてる。パパびっくりするね。悠李は晩ご飯ちゃんと食べたの?」


「うん、食べたよ。ママ、パパは今度いつ帰ってくるの?」


父も母も神妙な顔つきで押し黙っていた。


「パパはいつ来れるかわからないの。もしかしたら前みたいにびっくりさせようとして、突然来るのかも知れないね」


いい加減なことを言って無駄な期待を抱かせるのは残酷なのだろうか。


だけど今はまだ悠李から、希望の光を無くしてしまいたくはなかった。


「ふーん、じゃあパパ明日来るかな?」


子供の時間感覚というのは大人とは違うのだろうか。


「……そうだね、明日かも?  もしかしたら来週かな?  来年かな?  」


早く佐野さんと暮らして、悠李の寂しさを埋めてあげたい。






いつものように食後は子供たちとお風呂に入り、歯磨きなどを終えて寝かしつける。


夜の九時もすぎたころ、やっと悠李も寝てくれた。


「来週の日曜は保育園の運動会でしょう。場所取りなんかはしたほうがいいのかしら? 」


母は私のかわりにそんな心配までしなければいけない。


保育園の運動会が、来週末に最寄り小学校のグラウンドを借りて行われる。


父親が見にきてくれない運動会。


悠李はまた悲しい思いをするのだろうな。


やはりどうしたって佐野さんには悠李のお父さんになってもらわないと。


どんなに時間がかかったとしても沙織さんには譲れない。


佐野さんを絶対に失うわけにはいかない。


寂しい運動会は今年で終わらせる。


帰り際、つれない返事をしてむくれたことを謝ったほうがいい気がして、佐野さんへLINEを送った。




『今日はごめんなさい。遼くんの立場を理解しようとは思ってるの。わかってるけど、だけど、どうしようもなく寂しくて……』


遼くんからすぐに返信が届いた。


『本当に申し訳なく思ってる。もっと他のやり方があったのかも知れない。だけど今更マンションへ帰れとは言えなくて、、ごめん。沙織は今、お風呂に入ってるんだけど、彩矢ちゃん、ちょっとの間抜け出せないかな? 』


『今日は実家にいるの。子供たち寝てるから、出ようと思えば行けるわ』


『実家なら車で五分もかからないな。ちょっとでいいから逢いたい。家のそばの公園で待ってる』


『わかったわ。じゃあ、ちょっとコンビニへ行ってくるって出かけるわね』


ネイビーのルームウェアではちょっと恥ずかしい気がしたけれど、めかしこむのも怪しまれそうな気がして、パーカーだけを上から羽織った。




「ちょっとコンビニへ行ってくる。アイスが食べたくなっちゃって」


お財布を持ち、テレビを見ていた母にそう告げてリビングを出ようとすると、


「冷凍庫に箱入りアイスがあるじゃないの」と言われる。


「ハーゲンダッツが食べたいの。外も気持ちよさそうだし」


「危ないわ。女が一人で夜出歩いたりするものじゃないわよ。じゃあ、お母さんも一緒に行ってあげるわ」


母はやれやれといった様子でソファから立ちあがった。


こんなとき、母の過保護は非常に迷惑だ。


「コンビニはすぐそこじゃないの、大丈夫よ。ちょっと雑誌の立ち読みもしたいから一人で行ってくるわ」


さっさと玄関に向かいサンダルを履いた。


「なにがハーゲンダッツよ。あなたはもう母子家庭なんですからね。贅沢なことは慎まないとやっていけなくなるのよ」


玄関までついてきて母はそんな小言で見送った。







澄みきった星空を見上げ、小走りで公園へ向かった。


遼くんに逢える。


悪さを覚えたばかりの高校生のような開放的な気分になり、胸が高鳴る。


公園の手前に佐野さんの車が停まっていた。


駆けていくと、佐野さんは車から降りて私を待っていた。


「彩矢ちゃん、逢いたかったよ、すごく」


駆けてそばまで行った私を強く抱きしめた。


照明も街灯もない暗い公園ではあったけれど、誰かに見られているような気がして、落ち着かなかった。


「遼くん、車の中に入ってもいい?」


「うん、」




狭い車内で引き寄せられるように夢中でキスをした。


遼くんが助手席のシートを倒し、私の顔にキスの雨を降らせる。


私たちはお互いにフリーで、しかも愛し合っているというのに、こんな風に隠れて逢わなければいけないのだ。


そんな思い通りにならない障害が、二人の心をいつも以上に燃え立たせているのだろうか。


飽きずに十分以上もそんな長いキスをかわしていたかもしれない。


だけど、さすがにこんな場所ではそれ以上のことはできず、起きあがってシートを元にもどした。




「……今日はごめんなさい。本当は遼くんにすごく逢いたかったの。でも素直になれなくて」


髪を手ぐしでととのえながら呟いた。


「謝らなくていいよ。悪いのは俺だから。彩矢ちゃんには本当に悪いと思ってる。だけど、どうしていいのかわからないんだ。沙織がまた変な気なんか起こしたらと思うと恐ろしくて……。せめて仲のいい友達でもいればいいんだけどな。頼れる家族も親類もなくて、全くのひとりぼっちなんだ、沙織は」



「沙織さん、もっと強い人なのかと思ってた。攻撃的だし、いつも一匹狼だし……」


少なくとも私よりはずっと強い人だろう。


「見せかけなんだ沙織の強さは。実際はすごく脆い。支えてくれる人が一人もいなくなってとうとう崩れたって感じだな。まわりのみんなが思うほど悪い奴ではないよ。ひどく不器用で可哀想なんだ……」


沙織さんを庇ってばかりいる佐野さんに少し苛立ちを感じた。そして、そんな心の狭い、嫉妬深い自分が情けなくなるのだった。


「じゃあ、そろそろ帰りましょう。沙織さんが待ってるんでしょう」


素直じゃない私はいつも心とは裏腹なことを言ってしまう。


「そうだな。じゃあ、家まで送るよ」


鈍感な佐野さんは、私の気持ちになど気づきもせず真に受けて、車のエンジンをかけた。


「私、アイスを買いに行くって家を出てきたの。だからコンビニでいいわ」


少し拗ねてうつむいた。


「あ、俺もコンビニに行ってくるって置き手紙してきたんだった。なにか買って帰らないとマズイな」


本当はもう少し一緒にいたかった。


今度の日曜は保育園の運動会があるから、見にきてねって、誘いたかったのに。





二人でコンビニに入り、私はハーゲンダッツのストロベリーをひとつだけ持ってレジへ向かった。


家族の分も買うべきかと思ったが、コンビニはかなり割高なので、スーパーで箱入りのハーゲンダッツを買ったほうがお得だ。


バラ売りを五個も買って帰ったら、もっと節約しなさいと母は言うに決まっている。


私の後ろに並んだ佐野さんのカゴには、スナック菓子と炭酸水、バニラとグリーンティのハーゲンダッツが入っていた。


佐野さんが買った二人分のアイスを見て、ひどく悲しい気分にさせられた。


これからアパートへ帰り、二人で仲良くアイスを食べるのだろう。


いつまでこんな関係に我慢していなければいけないのか。


沙織さんへの憐れみの気持ちなどすっかりなくなり、 妬ましい気持ちばかりが募った。





二人でコンビニを出た。


「じゃあ、彩矢ちゃん、また!」


軽く手をあげて微笑んだ佐野さんを無視して駆けだした。



家までの短い距離を泣きながら全力で走った。


遼くんのバカ!


涙をふいて実家の玄関ドアを開ける。


ふとロスにいる潤一のことを思い出した。


結婚前も結婚後も潤一からはしょっちゅうこんな思いをさせられた。


浮気相手と今頃はどうしているのだろうと、いつもそんな妄想に囚われては落ち込んでいた日々。


佐野さんだったら、そんな心配は絶対にしなくて済むだろうと思っていたのに……。





「ただいま」


泣き顔がバレないように、なに食わぬ顔をして母が座っているソファに腰をおろした。


「遅かったのね。すぐそこのコンビニだっていうのに、いつまでも帰らないから心配したわ」


母はテレビも楽しめないほど、落ち着かない気持ちで待っていたのだろうか。


「だから、雑誌を立ち読みしてたのよ。お母さんは心配のしすぎ」


コンビニの袋からアイスを取り出して蓋を開けた。


「あら、自分の分だけ買ってきたの? 」


母は呆れたように私を見つめた。


「えっ、お母さんも食べたかった?  言ってくれたら買ってきたのに」


「いつも子供のお世話をありがとうって買ってくるのが普通でしょう。気が利かないのね」


「じゃあ、半分あげるわよ」


スプーンでアイス半分に線を引いた。


「いらないわよ。気持ちのことを言ってるの。別にアイスなんて食べたくないわ」


母はむくれてソファから立ち上がり、洗面所のほうへ行ってしまった。


すっかり気分を台無しにされ、アイスはちっとも美味しく感じられなかった。


『うわーーーっ、白蟻っ!!  マジやば~い、この家!』


テレビから古い家屋を解体してリフォームする番組が流れていた。目の大きな若い女の子が土壁を蹴って大騒ぎしていた。


リモコンをつかみ、騒々しいその番組を消した。


佐野さんは今頃、沙織さんと仲良くアイスを食べているんだ。



……私はまるで愛人だ。


本当に沙織さんと別れてくれるのだろうか。


勝ち誇ったような笑みを浮かべた沙織さんの、意地の悪い顔が思い出された。


佐野さんは騙されているのかもしれない。


スマホの着信音が聞こえた。


佐野さんからのLINEだった。


『さっきはどうしたの?  なぜ急に駆けて行ってしまったんだい? 俺なにかまずいこと言った?』


心配をしてくれていたことに少し慰めを感じた。


『今、何してるの? さっきコンビニで買ったアイス、遼くんは何味を食べたの?』


私はどこまでもバカだ。そんなことを聞いてどうなるというのだろう。


『テレビをみてた。アイスは沙織が抹茶を選んだから、俺はバニラ』


遼くんはあまりに無邪気で正直すぎる。沙織さんとアイスを食べながら、楽しくテレビをみている光景が、ありありと現実味を帯びて目の前に広がった。


『嫌いよ、遼くんなんて、大っ嫌い!!』


返信をしてから電源を切り、ボロボロ泣きながら残りのアイスを食べた。


一人寂しく食べる私のストロベリーアイスは、すっかり塩味になってしまった。


……みんな、みんな、遼くんのせいなんだからね。























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