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第三巻 Éternité
第10話「Éternité」②
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……あっ、キーリングと同じ箱。
「こっちが、本当の誕プレ」
「……開けていいの?」
「ん」
恐る恐る箱を開けると、中には透明の石がついた、繊細なシルバーピアスが入っていた。
「きれい……これ、シルバーっていうんだよね。なんだか冷たくて、すごく綺麗……」
「開けてすぐはつけられないけど、1カ月くらいしたら、これ着けろよ」
「ありがとう……一生大事にするね」
意を決して、セナ君の正面に座り、ピアッサーを差し出す。
「……じゃあ、開ける?」
「……!!お願いします……!」
向かい合って、そっと目を閉じる。
まるで儀式みたいだな……と、不思議な気持ちになる。
セナ君の指が耳に触れた。
「んっ」
いまビクッてしたしなんか変な声出ちゃったかも……ばれてないかな……
そういえば、耳元ですごい音がするって、友達が言ってたな……
“すごく痛かった”って言ってた友達もいれば、“全然平気だった”って言ってた子もいた。
ねぇ、セナ君。
私は、どっちなんだろう……
「私は……痛くても、セナ君となら大丈夫だよ?」
ふっと息を吐く気配がして、その直後……
バキッ!!!
耳元で、弾けるような音が響いた。
そっと目を開けて、指で触れてみる。
ピアスが……ちゃんと、ついてる。
「わ……すごい……!」
「……あー……ちょっと、休憩させて?」
そう言って、セナ君はふらっと立ち上がり、リビングを出ていった。
どうしよう……やっぱり無理させちゃったかな。
人の耳に穴を開けるなんて、好きでやる人いないよね……
心配になって、彼の後を追って、ドアをノックする。
「セナ君、大丈夫?」
「……あ、わり……ちょっと」
ドア越しに聞こえた声は、少しだけ掠れていた。
それに、なんだか……顔も赤かったような……
「……やっぱり嫌だったよね? ごめん、明日クリニックでやってもらおうか……?」
「や、ちが……大丈夫だから。座れよ。もう片方も、開けてやっから」
促されて、ベッドの端に腰を下ろす。
「じゃあ……お願いします」
再び、目を閉じる。
ギシッ、とベッドの軋む音がして、セナ君が膝をつく。
反対の耳に、また指が触れる。
「……!」
……また、ビクッとしちゃった。
触れてほしいような、でも触れられたくないような……
くすぐったい気持ちと、こそばゆい気持ちが混ざって、なんだかうまく呼吸できない。
さっき開けた方の耳は、じんわりジンジンしてる。
開ける場所を探してるのか、耳をそっとなぞられる。
くすぐったくて、思わず小さく笑ってしまった。
「ふふっ……」
「どした?」
「くすぐったくて……」
「あ、わり……」
ねぇ、セナ君。
さっきの「私は、痛くても……」って言葉、本心なんだよ……
きっと、どんな痛みも、セナ君となら乗り越えられるって思ってる。
バキッ!!!
また音がして、目をそっと開く。
すぐ目の前に、セナ君の顔。
こんな近くで見たの、初めてかもしれない。
「わ……凄い……!」
そっと、今つけたばかりのピアスに触れる。
「……跡、つけられちゃったみたいだね。少しだけ、大人になった気がする」
そう言った私に……
「~~~~~おっまえな……!!」
セナ君が突然、バタッとベッドに前のめりで突っ伏した。
「え? セナ君?? 大丈夫??」
「や……大丈夫だから。少し……うん……」
背中越しに聞こえた声は、なんだか情けなくて、でもあったかかった。
時計を見れば、もうすぐ22時を回る頃。
あと少しで、誕生日が終わってしまう。
……本当は、帰らなきゃいけないはずなのに……
今はただ、帰りたくないって、初めて思ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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アンサーストリート第10.5話「ピアスと痛み」は【明日夜】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
最終話記念で、表紙のセナを挿絵用にやまいもさんに描いていただきました。
本当に感謝です…!
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎Starlight Parade / 木風 やまいも
「こっちが、本当の誕プレ」
「……開けていいの?」
「ん」
恐る恐る箱を開けると、中には透明の石がついた、繊細なシルバーピアスが入っていた。
「きれい……これ、シルバーっていうんだよね。なんだか冷たくて、すごく綺麗……」
「開けてすぐはつけられないけど、1カ月くらいしたら、これ着けろよ」
「ありがとう……一生大事にするね」
意を決して、セナ君の正面に座り、ピアッサーを差し出す。
「……じゃあ、開ける?」
「……!!お願いします……!」
向かい合って、そっと目を閉じる。
まるで儀式みたいだな……と、不思議な気持ちになる。
セナ君の指が耳に触れた。
「んっ」
いまビクッてしたしなんか変な声出ちゃったかも……ばれてないかな……
そういえば、耳元ですごい音がするって、友達が言ってたな……
“すごく痛かった”って言ってた友達もいれば、“全然平気だった”って言ってた子もいた。
ねぇ、セナ君。
私は、どっちなんだろう……
「私は……痛くても、セナ君となら大丈夫だよ?」
ふっと息を吐く気配がして、その直後……
バキッ!!!
耳元で、弾けるような音が響いた。
そっと目を開けて、指で触れてみる。
ピアスが……ちゃんと、ついてる。
「わ……すごい……!」
「……あー……ちょっと、休憩させて?」
そう言って、セナ君はふらっと立ち上がり、リビングを出ていった。
どうしよう……やっぱり無理させちゃったかな。
人の耳に穴を開けるなんて、好きでやる人いないよね……
心配になって、彼の後を追って、ドアをノックする。
「セナ君、大丈夫?」
「……あ、わり……ちょっと」
ドア越しに聞こえた声は、少しだけ掠れていた。
それに、なんだか……顔も赤かったような……
「……やっぱり嫌だったよね? ごめん、明日クリニックでやってもらおうか……?」
「や、ちが……大丈夫だから。座れよ。もう片方も、開けてやっから」
促されて、ベッドの端に腰を下ろす。
「じゃあ……お願いします」
再び、目を閉じる。
ギシッ、とベッドの軋む音がして、セナ君が膝をつく。
反対の耳に、また指が触れる。
「……!」
……また、ビクッとしちゃった。
触れてほしいような、でも触れられたくないような……
くすぐったい気持ちと、こそばゆい気持ちが混ざって、なんだかうまく呼吸できない。
さっき開けた方の耳は、じんわりジンジンしてる。
開ける場所を探してるのか、耳をそっとなぞられる。
くすぐったくて、思わず小さく笑ってしまった。
「ふふっ……」
「どした?」
「くすぐったくて……」
「あ、わり……」
ねぇ、セナ君。
さっきの「私は、痛くても……」って言葉、本心なんだよ……
きっと、どんな痛みも、セナ君となら乗り越えられるって思ってる。
バキッ!!!
また音がして、目をそっと開く。
すぐ目の前に、セナ君の顔。
こんな近くで見たの、初めてかもしれない。
「わ……凄い……!」
そっと、今つけたばかりのピアスに触れる。
「……跡、つけられちゃったみたいだね。少しだけ、大人になった気がする」
そう言った私に……
「~~~~~おっまえな……!!」
セナ君が突然、バタッとベッドに前のめりで突っ伏した。
「え? セナ君?? 大丈夫??」
「や……大丈夫だから。少し……うん……」
背中越しに聞こえた声は、なんだか情けなくて、でもあったかかった。
時計を見れば、もうすぐ22時を回る頃。
あと少しで、誕生日が終わってしまう。
……本当は、帰らなきゃいけないはずなのに……
今はただ、帰りたくないって、初めて思ってしまった。
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※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎Starlight Parade / 木風 やまいも
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