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本編 雄花の章
第十話 恋の闇路
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「お通夜のあとで、お母さんは泣き叫んでた。なまじ顔に傷がつかなくて、最期の顔を見ることができたのが、辛さを強くしたかもしれない。骨上げのときも、残っていた骨……特に右側は損傷が激しくて、そこでも母は耐えられず泣いていた。私も、未だに立ち直れてない。ふと思い出したら辛くて、泣くこともある。そんな私が、警察官の奥さんになれると思えない……あんな思いはもういや」
俊は、あの底抜けに明るい菊野郁係長が、泣き叫ぶ姿を想像できなかった。菊野係長は職場で弱みを見せない。常に毅然と立っているような人だ。
勝手な想像に過ぎないが、菊野係長が常にそうしていられるのは、娘に──俊の見合い相手の存在に救われているのではないだろうか。
ただ、それと、今、俊が置かれている状況とは別の話だ。
「待ってくれ。あなたの言いたいことは分かる。俺も同じ目に遭ったら、冷静でいられないだろう……。でもな」
「分かってる、そんな事件に遭わなくても、何が起こるか、未来なんて誰にも分からないことは。……理屈じゃないの」
理屈ではないから。それを言われると、対話さえ拒絶されている気がする。
「俺が仕事を辞めて、別の安全な職についたら、あなたは俺と見合いを続けてくれるか?」
返答がない。
「あなたは昨日、俺に警察官を辞めるなと言った」
「ええ」
「何故」
こちらには、女は答えた。
「あなたは優しくて、洞察力も持ってる。胆力があって、正義感も強くて、自分の仕事に誇りを持ってるから……そんなあなたに、仕事を辞めてまで私を選んでって、私は、言いたくない。……あなたが、本心では警察官を辞めたいならともかく」
彼女の回答に何かが引っかかった。俊は眉をひそめた。
「じゃあ、俺が辞めたら見合いを続けてくれるかどうかは、何故、答えてくれないんだ?」
またも、女は黙り込んだ。膝の上で拳を握っている。何か耐えているような仕草だ。
ただ、俊も我慢をしている。根底にあるのは怒りだ。
何故、拒絶するのか。
「黙秘か?」
俊は挑発したが、女は昨日のように向かってこなかった。逡巡ののち、小さな声の反応があった。
「……私が言ったせいで、仕事を辞められたら、私の負い目になる。そんな形で一緒になったら禍根が残る」
「自分は悪者にはなりたくないってことか」
女は黙っている。おそらく図星だからだ。
理解できるとも。昨日、俊も同じ思考に至った。自分が警察官を辞め、彼女と結婚に至ったとしても、その先に穏やかな二人の生活は存在しないだろうと確信がある。
彼女に言い放った嫌味は、自分に返ってきた。全く以て冷静でいられない──そう自覚を持つだけの理性は、まだあった。
このときは。
しばらく待って、女はまた喋りだした。
「あなたには警察官を辞めないでほしい。……あなたは私の憧れでもあるから」
「憧れ?」
「私も、あなたのような警察官になりたいと思っていた」
「どうしてこちらに来なかったんだ?」
彼女は大きなため息をついた。
「警察官になって、その職を続けられる自信がなかった」
「お父上が殉職されたから?」
「……父が生きていたとしても、多分」
何なんだ。
どうしてここまで、彼女は自分を卑下するのだ。
何があったんだ。
どうして、それを俺に教えてくれないんだ。
もどかしい。俊が彼女に対して抱く感情は哀れと、怒りがある。どちらが優勢になるのか。俊にも読めなかった。
「もういい。あなたの言いたいことは分かるつもりだ」
「でしょう」
「そうじゃない」
いい加減にしろと叫びたかった。
自分を殴り続けるのはやめろと。
「あなたは自分を許してやるべきだ。あなたは、自分のことを臆病だと責めすぎている」
見た目では、女の反応はなかった。
「どうしてあなたは、私にそんなに優しいの」
声が上ずっていた。泣くのを我慢している声のようだ。
「あなたは傷だらけじゃないか。あなたも、そんな人間にむち打つことはしないだろう? まして、好意を抱いている相手に」
ふと、俊は彼女の手元に視線をやった。拳を握りしめ、堪えている。
何かを考えている。どう、言葉に出すかを思案している。
「私は最低の人間だから」
人の話を聞いていなかったのか?
俊は顔をしかめた。止めさせたいと、彼女の言を遮る前に、女は引き金を引いた。
「優しいあなたには、私みたいに臆病な女より、もっと相応しいひとがきっといる」
さっきまで、大雨の音を耳にしていた。
その音が、一瞬、消えた。
暗闇が、より一層増した。
奈落に落とされたように。
俊は立ち上がった。
泊内の言葉が蘇った。
──二度あることは三度あるぞ。
「それを決めるのはあなたじゃない、俺だ」
己は、五日、彼女の苦悩をなんとか少しでも和らげたいと思っていた。
全て無駄だった。
結婚したとしても、行く先は地獄だ。毎日毎日、この女に対し「君は悪くない、素晴らしい女性だ」と言い続けなければならない。
やってられるか。
「自分を卑下して断るのは、確かに楽だよなあ。自分に非があるからというフリをして、相手を勝手に持ち上げて、逃げるのに最適な捨て台詞だからな」
女は硬直したように動かなかった。
「生理的に受け付けないから会いたくないと、正直に言われた方が誠実だ。そうか。それを言う勇気すらないってことか」
なお、女は黙ったままでいる。言い訳もない。
俊は怒りを静めることができなかった。
「あなたの言う通りだ。確かにあなたは臆病だ。臆病で卑怯だ。卑怯で最低な女だ」
彼女の弁を三秒待った。女は動きもしなければ、話しもしなかった。固まった相手の前から去り、俊は洗面所に向かった。浴衣を脱ぎ、まだ生乾きの着物を身に着けていると、女が追ってきた。
「まだ乾いていない……」
こいつは優しい女じゃない。偽善者だ。
俊は自分にそう言い聞かせようとしていた。
俺は降りた。
面倒くさい女に、家庭まで鬱にされてたまるか。
それを許してくれる、気の長い男のところへ嫁げばいい。
自分以外の誰かの、こどもを好きなだけ産めばいい──俺以外の男の。
俊は歯ぎしりをした。
優しいうなじにある、爽やかな柑橘の香り。
俊の動きに合わせ、悦ぶ肢体。
ひたむきに、見合いの相手を想う心遣い。
おれのものだ。
俺以外の男に、あなたを抱かせたりするものか。
そうやって、自分を卑下し続け、誰にも相手にされなくなればいい。
「俺に話しかけるな。あなたの上っ面だけの親切を見せられるとイライラする」
一生、残る傷を抱えていればいい。
抱えていてほしい。
俺と一緒に地獄に堕ちてくれ。
「鍵は明日の朝、親父に渡す」
俊は大雨の元、帰路についた。
歩くうち、雨足が弱まってきた。傘が必要かどうかというほどになったころ、俊は独身寮の前まで戻っていた。ここまで戻り、さすがに俊の体にも冷えの感覚が生じ始めた。
寮を見上げ、立ち尽くした。頭は完全に冷えている。
さっきの、見合い相手との対話を思い出していた。
取り返しの付かないことをした。
翌朝早朝、俊は実家に戻り、菊野家の裏門の鍵を父に渡した。
「何日目だと思ってる」
父、高成の声は静かだった。相当の怒りが含まれている。
「俺が悪かった。四日目に、彼女を怒らせて、昨日、離れに鍵がかかっていた」
「良かったな、俊。お前の姉妹が全員嫁いでいて」
言葉を返せない。そのことにすら思い至らなかった。
この地の見合いには制約が多い。それを破ったなら、本人のみならず兄弟姉妹にも影響が出る場合があるというのに。
「そうでなければ絶縁状ものだぞ」
父は面倒くさそうに手を振った。帰れという意味だ。父も俊も、これから出勤せねばならない。仕事が待っている。
被害者の無念を晴らすため、加害者を裁く段階まで連れていかねばならない。
自分を罵倒するのはそのあとだ。
見合いから一月後、俊は同期の仲間から合コンに誘われた。
気分転換に、行ってみるかと思ったが、やめた。場を暗くして、俊のみならず他の、気のいい仲間の足さえ引っ張りそうな気がした。
連日、署と寮の往復でことが済んでいる。もちろん、仕事で外に出ることが多い。非番の日はひたすら竹刀を振っていた。
それでも彼女を思わない日がなかった。忘れられず、彼女に握ってもらっていると想像して自慰をした。射精後に胸が悪くなるほどの罪悪感があった。俺は一体、何をしているのかと。
それでも忘れられなかった。
俺はどうして、あんなことを言ってしまったのだろう。
彼女を傷付けるようなことを。
俊は、あの底抜けに明るい菊野郁係長が、泣き叫ぶ姿を想像できなかった。菊野係長は職場で弱みを見せない。常に毅然と立っているような人だ。
勝手な想像に過ぎないが、菊野係長が常にそうしていられるのは、娘に──俊の見合い相手の存在に救われているのではないだろうか。
ただ、それと、今、俊が置かれている状況とは別の話だ。
「待ってくれ。あなたの言いたいことは分かる。俺も同じ目に遭ったら、冷静でいられないだろう……。でもな」
「分かってる、そんな事件に遭わなくても、何が起こるか、未来なんて誰にも分からないことは。……理屈じゃないの」
理屈ではないから。それを言われると、対話さえ拒絶されている気がする。
「俺が仕事を辞めて、別の安全な職についたら、あなたは俺と見合いを続けてくれるか?」
返答がない。
「あなたは昨日、俺に警察官を辞めるなと言った」
「ええ」
「何故」
こちらには、女は答えた。
「あなたは優しくて、洞察力も持ってる。胆力があって、正義感も強くて、自分の仕事に誇りを持ってるから……そんなあなたに、仕事を辞めてまで私を選んでって、私は、言いたくない。……あなたが、本心では警察官を辞めたいならともかく」
彼女の回答に何かが引っかかった。俊は眉をひそめた。
「じゃあ、俺が辞めたら見合いを続けてくれるかどうかは、何故、答えてくれないんだ?」
またも、女は黙り込んだ。膝の上で拳を握っている。何か耐えているような仕草だ。
ただ、俊も我慢をしている。根底にあるのは怒りだ。
何故、拒絶するのか。
「黙秘か?」
俊は挑発したが、女は昨日のように向かってこなかった。逡巡ののち、小さな声の反応があった。
「……私が言ったせいで、仕事を辞められたら、私の負い目になる。そんな形で一緒になったら禍根が残る」
「自分は悪者にはなりたくないってことか」
女は黙っている。おそらく図星だからだ。
理解できるとも。昨日、俊も同じ思考に至った。自分が警察官を辞め、彼女と結婚に至ったとしても、その先に穏やかな二人の生活は存在しないだろうと確信がある。
彼女に言い放った嫌味は、自分に返ってきた。全く以て冷静でいられない──そう自覚を持つだけの理性は、まだあった。
このときは。
しばらく待って、女はまた喋りだした。
「あなたには警察官を辞めないでほしい。……あなたは私の憧れでもあるから」
「憧れ?」
「私も、あなたのような警察官になりたいと思っていた」
「どうしてこちらに来なかったんだ?」
彼女は大きなため息をついた。
「警察官になって、その職を続けられる自信がなかった」
「お父上が殉職されたから?」
「……父が生きていたとしても、多分」
何なんだ。
どうしてここまで、彼女は自分を卑下するのだ。
何があったんだ。
どうして、それを俺に教えてくれないんだ。
もどかしい。俊が彼女に対して抱く感情は哀れと、怒りがある。どちらが優勢になるのか。俊にも読めなかった。
「もういい。あなたの言いたいことは分かるつもりだ」
「でしょう」
「そうじゃない」
いい加減にしろと叫びたかった。
自分を殴り続けるのはやめろと。
「あなたは自分を許してやるべきだ。あなたは、自分のことを臆病だと責めすぎている」
見た目では、女の反応はなかった。
「どうしてあなたは、私にそんなに優しいの」
声が上ずっていた。泣くのを我慢している声のようだ。
「あなたは傷だらけじゃないか。あなたも、そんな人間にむち打つことはしないだろう? まして、好意を抱いている相手に」
ふと、俊は彼女の手元に視線をやった。拳を握りしめ、堪えている。
何かを考えている。どう、言葉に出すかを思案している。
「私は最低の人間だから」
人の話を聞いていなかったのか?
俊は顔をしかめた。止めさせたいと、彼女の言を遮る前に、女は引き金を引いた。
「優しいあなたには、私みたいに臆病な女より、もっと相応しいひとがきっといる」
さっきまで、大雨の音を耳にしていた。
その音が、一瞬、消えた。
暗闇が、より一層増した。
奈落に落とされたように。
俊は立ち上がった。
泊内の言葉が蘇った。
──二度あることは三度あるぞ。
「それを決めるのはあなたじゃない、俺だ」
己は、五日、彼女の苦悩をなんとか少しでも和らげたいと思っていた。
全て無駄だった。
結婚したとしても、行く先は地獄だ。毎日毎日、この女に対し「君は悪くない、素晴らしい女性だ」と言い続けなければならない。
やってられるか。
「自分を卑下して断るのは、確かに楽だよなあ。自分に非があるからというフリをして、相手を勝手に持ち上げて、逃げるのに最適な捨て台詞だからな」
女は硬直したように動かなかった。
「生理的に受け付けないから会いたくないと、正直に言われた方が誠実だ。そうか。それを言う勇気すらないってことか」
なお、女は黙ったままでいる。言い訳もない。
俊は怒りを静めることができなかった。
「あなたの言う通りだ。確かにあなたは臆病だ。臆病で卑怯だ。卑怯で最低な女だ」
彼女の弁を三秒待った。女は動きもしなければ、話しもしなかった。固まった相手の前から去り、俊は洗面所に向かった。浴衣を脱ぎ、まだ生乾きの着物を身に着けていると、女が追ってきた。
「まだ乾いていない……」
こいつは優しい女じゃない。偽善者だ。
俊は自分にそう言い聞かせようとしていた。
俺は降りた。
面倒くさい女に、家庭まで鬱にされてたまるか。
それを許してくれる、気の長い男のところへ嫁げばいい。
自分以外の誰かの、こどもを好きなだけ産めばいい──俺以外の男の。
俊は歯ぎしりをした。
優しいうなじにある、爽やかな柑橘の香り。
俊の動きに合わせ、悦ぶ肢体。
ひたむきに、見合いの相手を想う心遣い。
おれのものだ。
俺以外の男に、あなたを抱かせたりするものか。
そうやって、自分を卑下し続け、誰にも相手にされなくなればいい。
「俺に話しかけるな。あなたの上っ面だけの親切を見せられるとイライラする」
一生、残る傷を抱えていればいい。
抱えていてほしい。
俺と一緒に地獄に堕ちてくれ。
「鍵は明日の朝、親父に渡す」
俊は大雨の元、帰路についた。
歩くうち、雨足が弱まってきた。傘が必要かどうかというほどになったころ、俊は独身寮の前まで戻っていた。ここまで戻り、さすがに俊の体にも冷えの感覚が生じ始めた。
寮を見上げ、立ち尽くした。頭は完全に冷えている。
さっきの、見合い相手との対話を思い出していた。
取り返しの付かないことをした。
翌朝早朝、俊は実家に戻り、菊野家の裏門の鍵を父に渡した。
「何日目だと思ってる」
父、高成の声は静かだった。相当の怒りが含まれている。
「俺が悪かった。四日目に、彼女を怒らせて、昨日、離れに鍵がかかっていた」
「良かったな、俊。お前の姉妹が全員嫁いでいて」
言葉を返せない。そのことにすら思い至らなかった。
この地の見合いには制約が多い。それを破ったなら、本人のみならず兄弟姉妹にも影響が出る場合があるというのに。
「そうでなければ絶縁状ものだぞ」
父は面倒くさそうに手を振った。帰れという意味だ。父も俊も、これから出勤せねばならない。仕事が待っている。
被害者の無念を晴らすため、加害者を裁く段階まで連れていかねばならない。
自分を罵倒するのはそのあとだ。
見合いから一月後、俊は同期の仲間から合コンに誘われた。
気分転換に、行ってみるかと思ったが、やめた。場を暗くして、俊のみならず他の、気のいい仲間の足さえ引っ張りそうな気がした。
連日、署と寮の往復でことが済んでいる。もちろん、仕事で外に出ることが多い。非番の日はひたすら竹刀を振っていた。
それでも彼女を思わない日がなかった。忘れられず、彼女に握ってもらっていると想像して自慰をした。射精後に胸が悪くなるほどの罪悪感があった。俺は一体、何をしているのかと。
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俺はどうして、あんなことを言ってしまったのだろう。
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