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柊子さんのお悩み その2
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出張後、予定時刻に帰宅した卓朗はヨレヨレだった。仕事モードの殺気だった気配はないが、睡眠不足で何もできませんと全身で訴えている。一応、おかえりなさいと声をかけたら、ただいまと返事はされたが、柊子と視線が合っているのか微妙なところだ。スーツケースを玄関に置いたまま、卓朗は洗面所に入り、手を洗ったのちにダイニングのソファで放心している。
洗濯物だけでも回収して、今から洗えば、暑い日差しですぐに乾くだろう。卓朗のスーツケースを脱靴場から玄関に、横にして上げたとき、卓朗が戻ってきた。
「それはそのままでいいから。後で俺が片づける」
言うと思ったが、これは卓朗の優しさからだ。
「まあまあ。疲れているでしょ。洗濯物だけ出させて。他はそのままにしておくから」
卓朗は納得したのか、していないけれど疲れから言う気が失せたのか分からないが、洗濯物はこの袋に全部入れてあると教えてくれたあと、「とりあえずシャワーだけ浴びて寝る。夕飯できたら起こして」と言い残しバスルームへ向かった。
手ぶらだ。
バスルームにタオル類は収納しているが、着替えは二人ともその都度持ち込んでいる。過去に一度だけ、着替えを持って入るのを忘れたらしい卓朗が、全裸のまま廊下を歩いているところに鉢合わせてしまったことがあった。忘れたということを責めるつもりはない。でもそういうとき、腰回りはバスタオルを捲いていてもよくない?と後で思ったが、鉢合わせた瞬間は頭が真っ白になっていたので、結局言えずじまいのままだ。柊子は卓朗の部屋に入り、彼の下着と寝間着を取って、ついでに部屋に冷房も入れておいた。バスルームを覗くと、彼はまだ風呂場のほうにいたので、脱衣場のフリースペースに下着と寝間着を置いた。
正直なことを言うと、実は柊子は卓朗の全裸をもう一度拝みたい。あのときは頭が真っ白になってしまったが、今になってもっとしっかり見ておけばよかったと後悔している。
しかし今日はちょっと困る。なので寝間着と下着を脱衣場に置いた。
赤裸々な事実を夫に公言する勇気をまだ持てていないが、卓朗を──男を知った柊子は、愛している夫が全裸でいるのを見てしまうと、多分困る。
彼がその気であるならそれにシレっと乗じるから困らない。しかし、本日の卓朗は海外出張から帰ったばかりで、疲労困憊の底にある。そんな状態の夫に、二週間ぶりに会えて恋しかった切なさを埋めてほしい、構ってほしい、からだが疼くから抱いてほしいと迫るのは完璧な鬼の所業だ。というわけで全裸の卓朗に遭遇してしまうと困る。
でも、卓朗が起きて、夕ご飯を食べたあと、ちょっと元気が戻ったら、くっついてキスするまでなら、許されるんじゃないかな。
柊子は下心で悶々としながら昼食を摂った。
卓朗は十八時少し前に起きてきた。もう少しで夕食ができると伝えると、彼はダイニングの、恩師の椅子に座り、柊子をじっと見ているようだ。
どこかおかしいのかしら、と柊子は考えつつも、溶き卵を鍋に入れた。
柊子は海外にいったことはないが、卓朗によると、地域にもよるが渡航一週間くらいで日本食が恋しくなるという。それをふまえ、日本食ぽい夕食メニューにした。卓朗は味噌汁を一口飲んだあと深く感動している。そんなにもか、と感心しつつ、柊子も夕食を食べ始めた。
卓朗の箸が止まった。どうしたのかと顔を上げると、彼は柊子と目があった瞬間、顔を伏せた。何事もなかったかのようにまた箸を動かしている。
さっきから、卓朗の挙動がいつもと違うような気がしてならない。柊子はまず自分の格好を見下ろした。特におかしいところはないと思う。
あ
柊子は固まった。
もしかして、夕食の下ごしらえを早々にし、卓朗が眠っているあいだに「念の為」シャワーを浴び、「念の為」下着のみ新しいものを身に着け、外装は同じで、さも「下心?そんなものはありません。予定通りの時間から夕食作りをはじめましたが?」という顔を装っているが、全部バレているのでは。
性欲剥き出しの妻に引いているのでは!?
柊子は内心汗をかきながら、表面はなるべく平静を装い、食べ終えた食器を食洗機に入れた。カフェインのないお茶を淹れ、卓朗に勧めると、彼はそれをゆっくりすすっている。それを見ていると、柊子も落ち着いてきた。
多分、下心はバレてない。
飲み終えた頃、卓朗は話しかけてきた。
柊子はちょっとむっとしている。
卓朗は柊子自身が自覚していないことを言い当て驚かされることもあるのに、どうしてこの話が彼には通じないのだろうと思うこともしばしばある。
今は後者だ。
好きな人と離れていて、やっと会えたら、嬉しい。そう伝えると、卓朗は驚いた顔をして「そういうことか」などという。今初めて、柊子の思いを理解したような顔をした。こういう表情の変化は分かりやすいのに。
伝わらないというもどかしさ、それに費やす時間、こんなことはどこにでもある。
柊子も、時々難しいお客さんに遭遇することもある。貴久に愚痴をこぼしたこともあり、彼も「わかるなあ~」としみじみうなずいていた。きっぱりと時間の無駄だと言えたりせず、後々誰もいないところで盛大にため息を吐いたりするのも日常茶飯事だ。どうにもならないときは、諦める、期待しない、流してしまえと自分に言い聞かせる。
ところが、その相手が、卓朗であると、伝わらないもどかしさと、なんとか伝えたいという努力さえ、徒労に終えたとしても、決してやめたくないのだ。
二人で費やした、喧嘩した時間さえ、思い出すと、嫌だったということでなく、そういうこともあったな、という懐かしさで収まる。
それが沁みるように心に入るときもあれば、激情となって卓朗にぶつけたくなることもある。
卓朗は、そういった柊子の激しい感情も、受け入れてくれる。
その確信は、一生続くのだろうか。続けばいい。続けたい。続けるための努力をしたい。
「好きな人と離れていて、その人が戻ってきたら、嬉しくない?」
「俺も嬉しい」
彼は、柊子の目を見て、応えた。
もう一歩、進んで、
「卓朗さんに甘えたいの。いい?」
卓朗はうんともすんとも言わなかった。柊子が手を取ると、彼はすんなり柊子に従った。ソファに座ってもらい、その真横、隙間なく陣取って、柊子は卓朗にひたりとくっついた。
気持ちいい。二週間、足りなかった何かが今、満たされつつある。切なさは消え、卓朗の隣という、柊子の一番安心できる場所にいる。
彼は柊子の家でもある。場所がどこであろうと、彼の隣が柊子の家だ。
ずっと彷徨い探していた、安住の地だ。
ふっと、無意識のうちに吐いた息に、卓朗が反応した。くすぐったかったのだろうか、ぴくりと僅かに動いただけなのに、柊子のからだはそれを劇的に受け取った。
卓朗さんがほしい。
抱いてほしい。
それを、言葉にしてしまってもいいのだろうか。慎みのない女だと、軽蔑されるだろうか。
今、全く性的でない話をしている。どうしてこんな話題になったのか分からない。話をしながら、柊子はふと顔を上げ、卓朗と視線を合わせた。
あ
彼も、私をほしがっている。目で、それを訴えながらも、私のことを待ってくれている。
それが分かり、柊子は衝動的に卓朗に口付けた。彼がいつもするように、唇で卓朗の口を開け、舌を挿し入れ、重ねる。香ばしい口付けだ。さっき、同じお茶を飲んだ、その薫り。
柊子は身を乗り出し、卓朗に完全にからだを預け、口付けに没頭した。生まれて初めて、自分から、淫らで甘いキスをしている。
からだが期待で疼いてぞくぞくする。
唇を離し、柊子は間近で卓朗を見つめた。
「卓朗さんに、触ってもいい?」
「どこでも好きに」
神は、荒ぶるときもあるけれど、大抵のことに寛大だ。
右手を、卓朗の胸に当てると、柊子と同じくらい、速く鼓動している。手をあてたまま、胸から腹部を越え、足の付け根辺りまで這わせ、止めた。
その先に、卓朗の、雄の象徴が、分かるほどに変化している。
指を伸ばし、恐る恐る撫でると、どくんと脈打った気がした。
柊子の手に、卓朗の手が重ねられた。押さえつけられ、柊子の手に、卓朗の分身の存在が鮮明に分かる。
「卓朗さん」
繊細な器官に触れているという怖さと、ヒトのからだの神秘への畏怖と、これまで、柊子のからだを何度か満たした愉悦への期待が混ざり合った。
だが、卓朗は目を伏せ、軽く首を振った。
「待ってくれ」
柊子は突然、冷や水を浴びせられたような気がした。
「ごめんなさい。やっぱり」
柊子は身を引こうとしたが、卓朗は柊子の手を離さなかった。
「そうじゃなくて……、ここだと、床に落ちかねないから」
そう言われれば、確かに。腑に落ちたところで、柊子は卓朗に手を引かれた。
俺のベッドに行こう。その言葉に素直に従い、柊子は引かれるまま、卓朗の後を追った。
卓朗は柊子をベッドに座らせたが、彼は立ったまま、寝間着を実に手早く脱ぎ捨て全裸になってしまった。その速さに驚いてしまい、唖然と見上げていたが、卓朗は柊子の傍に座り、スカートのファスナーを下ろすと、柊子をひょいと押し倒し、スカートを脱がしてしまった。
「……あ」
卓朗の動きが止まった。彼は柊子のショーツを凝視している。彼が何故そこに気を取られているのか気付いて、柊子は着ているブラウスのボタンを外した。少し上体を持ち上げ、ブラウスの袖を抜いてシーツの上に落としたとき、卓朗は柊子のキャミソールも脱がした。
ブラと、ショーツだけになった柊子を、卓朗は見下ろしている。
妻の今の肢体を、網膜に焼き付けたいのか、一ミリも視線を外さず。
洗濯物だけでも回収して、今から洗えば、暑い日差しですぐに乾くだろう。卓朗のスーツケースを脱靴場から玄関に、横にして上げたとき、卓朗が戻ってきた。
「それはそのままでいいから。後で俺が片づける」
言うと思ったが、これは卓朗の優しさからだ。
「まあまあ。疲れているでしょ。洗濯物だけ出させて。他はそのままにしておくから」
卓朗は納得したのか、していないけれど疲れから言う気が失せたのか分からないが、洗濯物はこの袋に全部入れてあると教えてくれたあと、「とりあえずシャワーだけ浴びて寝る。夕飯できたら起こして」と言い残しバスルームへ向かった。
手ぶらだ。
バスルームにタオル類は収納しているが、着替えは二人ともその都度持ち込んでいる。過去に一度だけ、着替えを持って入るのを忘れたらしい卓朗が、全裸のまま廊下を歩いているところに鉢合わせてしまったことがあった。忘れたということを責めるつもりはない。でもそういうとき、腰回りはバスタオルを捲いていてもよくない?と後で思ったが、鉢合わせた瞬間は頭が真っ白になっていたので、結局言えずじまいのままだ。柊子は卓朗の部屋に入り、彼の下着と寝間着を取って、ついでに部屋に冷房も入れておいた。バスルームを覗くと、彼はまだ風呂場のほうにいたので、脱衣場のフリースペースに下着と寝間着を置いた。
正直なことを言うと、実は柊子は卓朗の全裸をもう一度拝みたい。あのときは頭が真っ白になってしまったが、今になってもっとしっかり見ておけばよかったと後悔している。
しかし今日はちょっと困る。なので寝間着と下着を脱衣場に置いた。
赤裸々な事実を夫に公言する勇気をまだ持てていないが、卓朗を──男を知った柊子は、愛している夫が全裸でいるのを見てしまうと、多分困る。
彼がその気であるならそれにシレっと乗じるから困らない。しかし、本日の卓朗は海外出張から帰ったばかりで、疲労困憊の底にある。そんな状態の夫に、二週間ぶりに会えて恋しかった切なさを埋めてほしい、構ってほしい、からだが疼くから抱いてほしいと迫るのは完璧な鬼の所業だ。というわけで全裸の卓朗に遭遇してしまうと困る。
でも、卓朗が起きて、夕ご飯を食べたあと、ちょっと元気が戻ったら、くっついてキスするまでなら、許されるんじゃないかな。
柊子は下心で悶々としながら昼食を摂った。
卓朗は十八時少し前に起きてきた。もう少しで夕食ができると伝えると、彼はダイニングの、恩師の椅子に座り、柊子をじっと見ているようだ。
どこかおかしいのかしら、と柊子は考えつつも、溶き卵を鍋に入れた。
柊子は海外にいったことはないが、卓朗によると、地域にもよるが渡航一週間くらいで日本食が恋しくなるという。それをふまえ、日本食ぽい夕食メニューにした。卓朗は味噌汁を一口飲んだあと深く感動している。そんなにもか、と感心しつつ、柊子も夕食を食べ始めた。
卓朗の箸が止まった。どうしたのかと顔を上げると、彼は柊子と目があった瞬間、顔を伏せた。何事もなかったかのようにまた箸を動かしている。
さっきから、卓朗の挙動がいつもと違うような気がしてならない。柊子はまず自分の格好を見下ろした。特におかしいところはないと思う。
あ
柊子は固まった。
もしかして、夕食の下ごしらえを早々にし、卓朗が眠っているあいだに「念の為」シャワーを浴び、「念の為」下着のみ新しいものを身に着け、外装は同じで、さも「下心?そんなものはありません。予定通りの時間から夕食作りをはじめましたが?」という顔を装っているが、全部バレているのでは。
性欲剥き出しの妻に引いているのでは!?
柊子は内心汗をかきながら、表面はなるべく平静を装い、食べ終えた食器を食洗機に入れた。カフェインのないお茶を淹れ、卓朗に勧めると、彼はそれをゆっくりすすっている。それを見ていると、柊子も落ち着いてきた。
多分、下心はバレてない。
飲み終えた頃、卓朗は話しかけてきた。
柊子はちょっとむっとしている。
卓朗は柊子自身が自覚していないことを言い当て驚かされることもあるのに、どうしてこの話が彼には通じないのだろうと思うこともしばしばある。
今は後者だ。
好きな人と離れていて、やっと会えたら、嬉しい。そう伝えると、卓朗は驚いた顔をして「そういうことか」などという。今初めて、柊子の思いを理解したような顔をした。こういう表情の変化は分かりやすいのに。
伝わらないというもどかしさ、それに費やす時間、こんなことはどこにでもある。
柊子も、時々難しいお客さんに遭遇することもある。貴久に愚痴をこぼしたこともあり、彼も「わかるなあ~」としみじみうなずいていた。きっぱりと時間の無駄だと言えたりせず、後々誰もいないところで盛大にため息を吐いたりするのも日常茶飯事だ。どうにもならないときは、諦める、期待しない、流してしまえと自分に言い聞かせる。
ところが、その相手が、卓朗であると、伝わらないもどかしさと、なんとか伝えたいという努力さえ、徒労に終えたとしても、決してやめたくないのだ。
二人で費やした、喧嘩した時間さえ、思い出すと、嫌だったということでなく、そういうこともあったな、という懐かしさで収まる。
それが沁みるように心に入るときもあれば、激情となって卓朗にぶつけたくなることもある。
卓朗は、そういった柊子の激しい感情も、受け入れてくれる。
その確信は、一生続くのだろうか。続けばいい。続けたい。続けるための努力をしたい。
「好きな人と離れていて、その人が戻ってきたら、嬉しくない?」
「俺も嬉しい」
彼は、柊子の目を見て、応えた。
もう一歩、進んで、
「卓朗さんに甘えたいの。いい?」
卓朗はうんともすんとも言わなかった。柊子が手を取ると、彼はすんなり柊子に従った。ソファに座ってもらい、その真横、隙間なく陣取って、柊子は卓朗にひたりとくっついた。
気持ちいい。二週間、足りなかった何かが今、満たされつつある。切なさは消え、卓朗の隣という、柊子の一番安心できる場所にいる。
彼は柊子の家でもある。場所がどこであろうと、彼の隣が柊子の家だ。
ずっと彷徨い探していた、安住の地だ。
ふっと、無意識のうちに吐いた息に、卓朗が反応した。くすぐったかったのだろうか、ぴくりと僅かに動いただけなのに、柊子のからだはそれを劇的に受け取った。
卓朗さんがほしい。
抱いてほしい。
それを、言葉にしてしまってもいいのだろうか。慎みのない女だと、軽蔑されるだろうか。
今、全く性的でない話をしている。どうしてこんな話題になったのか分からない。話をしながら、柊子はふと顔を上げ、卓朗と視線を合わせた。
あ
彼も、私をほしがっている。目で、それを訴えながらも、私のことを待ってくれている。
それが分かり、柊子は衝動的に卓朗に口付けた。彼がいつもするように、唇で卓朗の口を開け、舌を挿し入れ、重ねる。香ばしい口付けだ。さっき、同じお茶を飲んだ、その薫り。
柊子は身を乗り出し、卓朗に完全にからだを預け、口付けに没頭した。生まれて初めて、自分から、淫らで甘いキスをしている。
からだが期待で疼いてぞくぞくする。
唇を離し、柊子は間近で卓朗を見つめた。
「卓朗さんに、触ってもいい?」
「どこでも好きに」
神は、荒ぶるときもあるけれど、大抵のことに寛大だ。
右手を、卓朗の胸に当てると、柊子と同じくらい、速く鼓動している。手をあてたまま、胸から腹部を越え、足の付け根辺りまで這わせ、止めた。
その先に、卓朗の、雄の象徴が、分かるほどに変化している。
指を伸ばし、恐る恐る撫でると、どくんと脈打った気がした。
柊子の手に、卓朗の手が重ねられた。押さえつけられ、柊子の手に、卓朗の分身の存在が鮮明に分かる。
「卓朗さん」
繊細な器官に触れているという怖さと、ヒトのからだの神秘への畏怖と、これまで、柊子のからだを何度か満たした愉悦への期待が混ざり合った。
だが、卓朗は目を伏せ、軽く首を振った。
「待ってくれ」
柊子は突然、冷や水を浴びせられたような気がした。
「ごめんなさい。やっぱり」
柊子は身を引こうとしたが、卓朗は柊子の手を離さなかった。
「そうじゃなくて……、ここだと、床に落ちかねないから」
そう言われれば、確かに。腑に落ちたところで、柊子は卓朗に手を引かれた。
俺のベッドに行こう。その言葉に素直に従い、柊子は引かれるまま、卓朗の後を追った。
卓朗は柊子をベッドに座らせたが、彼は立ったまま、寝間着を実に手早く脱ぎ捨て全裸になってしまった。その速さに驚いてしまい、唖然と見上げていたが、卓朗は柊子の傍に座り、スカートのファスナーを下ろすと、柊子をひょいと押し倒し、スカートを脱がしてしまった。
「……あ」
卓朗の動きが止まった。彼は柊子のショーツを凝視している。彼が何故そこに気を取られているのか気付いて、柊子は着ているブラウスのボタンを外した。少し上体を持ち上げ、ブラウスの袖を抜いてシーツの上に落としたとき、卓朗は柊子のキャミソールも脱がした。
ブラと、ショーツだけになった柊子を、卓朗は見下ろしている。
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