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第4章 魔王軍再建と理解
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農園予定地の荒地は、まだ何もなかった。
乾いた土。
ひび割れた地面。
遠くで、風に揺れる草の音だけが聞こえる。
リュミエールとヴァルは、並んでその景色を見ていた。
「ここなら、水路も引ける。
魔力を抑えれば、人間の作物も育つはずよ」
淡々とした口調で、リュミエールは説明する。
「闇が強すぎる場所は避けて、
まずは穀物と果樹から始めましょう。
魔族の身体に合う品種も、選べるわ」
ヴァルは、黙って聞いていた。
「……ずいぶん、具体的だな」
「ええ。
人の国でも、農地計画は戦争と同じくらい重要だったもの」
その言葉に、ヴァルは小さく息を吐く。
「俺が人間の国へ攻め入った時も……
同じように考えていた」
視線は、荒地の向こうを見ている。
「このままでは、民が飢える。
狩りだけでは、持たない。
交易を求めても、拒まれた」
声に、怒りはない。
ただ、事実だけが並べられる。
「だから、奪うしかなかった」
リュミエールは、すぐには答えなかった。
代わりに、土に膝をつき、指先で地面に触れる。
乾ききった感触。
「……私ね」
顔を上げずに、言う。
「ずっと、考えていたの」
戦場で見た光景。
魔族の進軍の仕方。
無駄な破壊を避け、農地を焼かなかった理由。
「征服じゃない。
破壊でもない。
生きるための選択だったんだって」
立ち上がり、ヴァルを見る。
「あなたは――王だったから、
そうするしかなかったのね」
その言葉に、ヴァルの瞳がわずかに揺れた。
否定も、弁解もない。
ただ、一人の王として、
理解されたという事実だけが、そこにあった。
「……ああ」
短い返事だった。
だが、その一音には、
これまで誰にも向けられなかった感情が滲んでいた。
沈黙が、二人の間に落ちる。
敵として刃を交えた過去も、
聖女と魔王という立場も、
今は、遠い。
同じ視点で、
同じ責任を背負った者同士として。
二人は、荒地を見つめていた。
ここから始まる未来を、
それぞれのやり方で守るために。
世界を救った聖女は、
この時、はっきりと理解した。
――私は、
最初からこの人と、同じ場所を見ていたのだと。
乾いた土。
ひび割れた地面。
遠くで、風に揺れる草の音だけが聞こえる。
リュミエールとヴァルは、並んでその景色を見ていた。
「ここなら、水路も引ける。
魔力を抑えれば、人間の作物も育つはずよ」
淡々とした口調で、リュミエールは説明する。
「闇が強すぎる場所は避けて、
まずは穀物と果樹から始めましょう。
魔族の身体に合う品種も、選べるわ」
ヴァルは、黙って聞いていた。
「……ずいぶん、具体的だな」
「ええ。
人の国でも、農地計画は戦争と同じくらい重要だったもの」
その言葉に、ヴァルは小さく息を吐く。
「俺が人間の国へ攻め入った時も……
同じように考えていた」
視線は、荒地の向こうを見ている。
「このままでは、民が飢える。
狩りだけでは、持たない。
交易を求めても、拒まれた」
声に、怒りはない。
ただ、事実だけが並べられる。
「だから、奪うしかなかった」
リュミエールは、すぐには答えなかった。
代わりに、土に膝をつき、指先で地面に触れる。
乾ききった感触。
「……私ね」
顔を上げずに、言う。
「ずっと、考えていたの」
戦場で見た光景。
魔族の進軍の仕方。
無駄な破壊を避け、農地を焼かなかった理由。
「征服じゃない。
破壊でもない。
生きるための選択だったんだって」
立ち上がり、ヴァルを見る。
「あなたは――王だったから、
そうするしかなかったのね」
その言葉に、ヴァルの瞳がわずかに揺れた。
否定も、弁解もない。
ただ、一人の王として、
理解されたという事実だけが、そこにあった。
「……ああ」
短い返事だった。
だが、その一音には、
これまで誰にも向けられなかった感情が滲んでいた。
沈黙が、二人の間に落ちる。
敵として刃を交えた過去も、
聖女と魔王という立場も、
今は、遠い。
同じ視点で、
同じ責任を背負った者同士として。
二人は、荒地を見つめていた。
ここから始まる未来を、
それぞれのやり方で守るために。
世界を救った聖女は、
この時、はっきりと理解した。
――私は、
最初からこの人と、同じ場所を見ていたのだと。
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