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オンラインミーティングも地獄
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「オンラインミーティングという名の地獄」
PM 1:00 — 地方本部合同ミーティング開始
「それじゃあ、地方本部の定例ミーティングを始めるぞ」
鬼島リョウの声が響く。九州本部の鬼島は、本社の指示により地方本部全体の取りまとめ役も兼任していた。つまり、全国各地の地方本部の社畜たちを統括する役割だ。もちろん、その分の手当はない。
「今日は、各地方本部の自己紹介も兼ねて、現状報告をしてもらう。本社が“地方の働き方を統一する”とか言い出したからな」
「地方組の働き方、統一できる気がしませんけどね……」
「俺もそう思うが、上がそう言ってるんだ」
チカは遠い目をしながら、オンライン会議の画面を見つめた。画面には、各地方本部の代表者たちが並んでいる。
(この人たち、みんな異常な社畜なんだよな……)
PM 1:10 — 東北地方営業本部(元凶登場)
「おう、久しぶりだな、鬼島」
東北本部の黒瀬カイトが、飄々とした表情で画面に映る。鬼島の元バディにして、地方社畜の働き方を確立した張本人だ。
「黒瀬さん、相変わらず元気そうですね」
「ああ。こっちは相変わらず忙しいがな」
「それ、どの地方も同じじゃないですか?」
「違う違う。ウチは特にヤバい」
黒瀬の後ろでは、新田ソウタ(東北本部の部下)が魂の抜けた顔で座っていた。
「新田、大丈夫か?」
「……昨日の残業が引きずってます」
「お前、まだ耐性が足りないな」
「耐性をつける前提がおかしくないですか?」
PM 1:20 — 中部本部(“まとも”とは)
次に映ったのは、中部本部の中野タクマ。本社から「地方の中では一番まとも」と思われているが、実際は異常な仕事量をこなしている男だ。
「中野です。ウチは特に問題なく、業務を回しています」
「ほら、やっぱり中部本部はまともじゃん」
「表面上はな」
チカが思った通り、中野の表情はどこか疲れ切っていた。
「最近どうです?」
「鬼島さん、ウチ今、人手が減ってるんですよ」
「どこもそうだろ」
「でも本社は、『中部は優秀だから大丈夫』って……」
「それ、ただの丸投げでは?」
PM 1:30 — 関西本部(エネルギーだけは強い)
「まいど! 関西本部の浪速ゴウや!」
関西本部の浪速が、異常なテンションで登場した。営業成績はトップクラスだが、ブラック環境に何の疑問も持たない社畜である。
「関西は最近どんな感じだ?」
「めっちゃ仕事あるで!」
「つまり、普通にヤバいと」
「でもウチは関西のノリで乗り切ってるから大丈夫や!」
「……それ、本当に大丈夫なんですか?」
画面の隅では、関西本部の部下・大島カエデが深いため息をついていた。
「私はずっと思ってるんですけど……関西の働き方、狂ってません?」
「ツッコミ役がいてくれて助かるよ、大島」
「いや、助けてくださいよ」
PM 1:40 — 中国・四国 & 北陸(社畜を支える影の功労者)
「はい、こちら中国・四国本部の宮本ヨシコです」
「北陸の藤崎マリコです」
画面には、地方組のオアシス**“パートのおばちゃん”**たちが映った。
「鬼島くん、チカちゃん、大変やねぇ」
「うん……もう何が大変なのかもわからなくなってきました」
「まぁまぁ、無理しすぎたらアカンよ」
彼女たちの優しさに、地方の社畜たちは日々救われている。
「でも実際、鬼島さんが地方全体の取りまとめをするって、どうなんです?」
「正直、ムリだ」
「でしょうね」
PM 1:50 — 結論:地方組、普通にヤバい
全員の自己紹介が終わった頃、チカは改めて気づいた。
(……どの地方も普通にヤバい)
そして、そんな地方組の取りまとめをしている鬼島は——。
「鬼島さん、もしかして……地方本部の仕事、増えました?」
「ああ。本社から『地方の業務改善』ってことでな」
「つまり?」
「地方の仕事を本社が知らないだけで、何も改善されないまま俺の負担が増えた」
「地獄じゃん」
PM 2:00 — 終了(しかし終わりではない)
「じゃあ、次回のミーティングは本社の社長が視察に来るらしいから、その前に準備しておくように」
「え、社長が来るんですか!?」
「ああ。『地方の働き方を学びたい』とか言ってな」
「それって……また新しい無茶ぶりが増えるってことでは……?」
こうして、地方の社畜たちにさらなる負担がのしかかる未来が確定した。
— 終わり(そして、また仕事が増える)
PM 1:00 — 地方本部合同ミーティング開始
「それじゃあ、地方本部の定例ミーティングを始めるぞ」
鬼島リョウの声が響く。九州本部の鬼島は、本社の指示により地方本部全体の取りまとめ役も兼任していた。つまり、全国各地の地方本部の社畜たちを統括する役割だ。もちろん、その分の手当はない。
「今日は、各地方本部の自己紹介も兼ねて、現状報告をしてもらう。本社が“地方の働き方を統一する”とか言い出したからな」
「地方組の働き方、統一できる気がしませんけどね……」
「俺もそう思うが、上がそう言ってるんだ」
チカは遠い目をしながら、オンライン会議の画面を見つめた。画面には、各地方本部の代表者たちが並んでいる。
(この人たち、みんな異常な社畜なんだよな……)
PM 1:10 — 東北地方営業本部(元凶登場)
「おう、久しぶりだな、鬼島」
東北本部の黒瀬カイトが、飄々とした表情で画面に映る。鬼島の元バディにして、地方社畜の働き方を確立した張本人だ。
「黒瀬さん、相変わらず元気そうですね」
「ああ。こっちは相変わらず忙しいがな」
「それ、どの地方も同じじゃないですか?」
「違う違う。ウチは特にヤバい」
黒瀬の後ろでは、新田ソウタ(東北本部の部下)が魂の抜けた顔で座っていた。
「新田、大丈夫か?」
「……昨日の残業が引きずってます」
「お前、まだ耐性が足りないな」
「耐性をつける前提がおかしくないですか?」
PM 1:20 — 中部本部(“まとも”とは)
次に映ったのは、中部本部の中野タクマ。本社から「地方の中では一番まとも」と思われているが、実際は異常な仕事量をこなしている男だ。
「中野です。ウチは特に問題なく、業務を回しています」
「ほら、やっぱり中部本部はまともじゃん」
「表面上はな」
チカが思った通り、中野の表情はどこか疲れ切っていた。
「最近どうです?」
「鬼島さん、ウチ今、人手が減ってるんですよ」
「どこもそうだろ」
「でも本社は、『中部は優秀だから大丈夫』って……」
「それ、ただの丸投げでは?」
PM 1:30 — 関西本部(エネルギーだけは強い)
「まいど! 関西本部の浪速ゴウや!」
関西本部の浪速が、異常なテンションで登場した。営業成績はトップクラスだが、ブラック環境に何の疑問も持たない社畜である。
「関西は最近どんな感じだ?」
「めっちゃ仕事あるで!」
「つまり、普通にヤバいと」
「でもウチは関西のノリで乗り切ってるから大丈夫や!」
「……それ、本当に大丈夫なんですか?」
画面の隅では、関西本部の部下・大島カエデが深いため息をついていた。
「私はずっと思ってるんですけど……関西の働き方、狂ってません?」
「ツッコミ役がいてくれて助かるよ、大島」
「いや、助けてくださいよ」
PM 1:40 — 中国・四国 & 北陸(社畜を支える影の功労者)
「はい、こちら中国・四国本部の宮本ヨシコです」
「北陸の藤崎マリコです」
画面には、地方組のオアシス**“パートのおばちゃん”**たちが映った。
「鬼島くん、チカちゃん、大変やねぇ」
「うん……もう何が大変なのかもわからなくなってきました」
「まぁまぁ、無理しすぎたらアカンよ」
彼女たちの優しさに、地方の社畜たちは日々救われている。
「でも実際、鬼島さんが地方全体の取りまとめをするって、どうなんです?」
「正直、ムリだ」
「でしょうね」
PM 1:50 — 結論:地方組、普通にヤバい
全員の自己紹介が終わった頃、チカは改めて気づいた。
(……どの地方も普通にヤバい)
そして、そんな地方組の取りまとめをしている鬼島は——。
「鬼島さん、もしかして……地方本部の仕事、増えました?」
「ああ。本社から『地方の業務改善』ってことでな」
「つまり?」
「地方の仕事を本社が知らないだけで、何も改善されないまま俺の負担が増えた」
「地獄じゃん」
PM 2:00 — 終了(しかし終わりではない)
「じゃあ、次回のミーティングは本社の社長が視察に来るらしいから、その前に準備しておくように」
「え、社長が来るんですか!?」
「ああ。『地方の働き方を学びたい』とか言ってな」
「それって……また新しい無茶ぶりが増えるってことでは……?」
こうして、地方の社畜たちにさらなる負担がのしかかる未来が確定した。
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