終わったらバカンスに行くんだ！〜幻想に終わる社畜の夢〜

有給取得推奨

「有給取得を推奨します！」（ただし、空気を読め）

AM 9:00 — 本社からの“素敵な”お知らせ

「鬼島さん、**“有給取得を推奨します！”**ってメールが来てますよ！」

📩 【本社からの通達】
📩 「社員の皆さん、働き方改革の一環として、有給を積極的に取得してください！」
📩 「自由に申請して、しっかりリフレッシュしましょう！」

「おお、これはついに……！ 私のバカンスが……！」

「……そう思うだろ？」

「（え、またですか？）」

AM 10:00 — 実際に有給申請してみる

「よし、鬼島さん、思い切って来月に有給を取ります！」

PCを開いて、有給申請フォームに入力するチカ。

「……どの日にするんだ？」

「金曜日にして、三連休でバカンスに行きます！」

📩 【上司からの返信】
📩 「その日は繁忙期だから、別の日にしてくれない？」

「……え？」

AM 11:00 — 他の日も試してみる

「じゃあ、繁忙期じゃなさそうな日を選べば……」

📅 水曜日に申請！
📩 「週の真ん中は、業務の調整が大変だからやめてくれ」

📅 月曜日に申請！
📩 「週の始まりは何かと忙しいからダメだ」

📅 木曜日に申請！
📩 「翌日の引き継ぎが大変だから無理だな」

「……じゃあ、いつならいいんですか？？？」

PM 1:00 — 有給取得は“自由”です（建前）

「鬼島さん、これってつまり……“空気を読め”ってことですよね？」

「ああ、**“自由に取っていい”とは言ってるが、“取っていいとは言っていない”**んだ」

「（それ、全然自由じゃない……）」

PM 3:00 — 有給取得率100%のカラクリ

「でも、うちの会社、**“有給取得率100%”**ってホームページに載せてましたよね？」

「……それな」

「え、どうやって？」

「**“強制的に年末に5日間まとめて休みを取らせる”**んだ」

「（それって“有給を取った”って言えるの！？）」

PM 5:00 — 同僚のつぶやき

「……先月、有給申請した新人の新田くん、結局休めなかったですよね」

「ああ、“この日は忙しいから”って5回申請を却下されてたな」

「で、最後は**“君はまだ新人だから、有給は早いんじゃないか？”**って言われて……」

「（そんなルール、どこにもないんですが？？）」

PM 6:00 — そして、休めないまま

「鬼島さん……私、バカンスに行ける日、来ますか？」

「……有給は自由に取れる。でも“取れる”とは言っていない」

「（つまり、“休みは取れない”ってことですね……）」

📩 【本社からのメール】
📩 「有給取得率向上のため、皆さん積極的に休んでください！」

「……鬼島さん、これ、取れるものなら取ってみろって意味ですかね？」

「……知らん。」

— 終わり（そして、有給は“幻”のまま）