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第一部 地球編
42 馬鹿と天才は紙一重
しおりを挟む「よし!宇宙船に乗り込むか。『フォルムチェンジ』」
ビーストソウルが鳥になった
「誰か代わって欲しいよ。『ビーストソウルの能力』」
レッドマジシャンも続けて、鳥になった
二人で、南極大陸の空を飛びながら、宇宙船を目指していた。途中、空を飛んでるエイリアンと、第二軍団の戦い。第六軍団の射撃を必死に避けながら目指した。宇宙船から、出てくるエイリアンとすれ違いで宇宙船内に入った二人は、変身を解いた
「体が軽い。ジャンプしたら天井に簡単に届きそう」
「じゃあ、私はステルス機能で行くから」
「僕はどうやって行けば?動物でも、エイリアン達に殺されるかもしれない」
「頑張って。人間だと、地球人だと思われないかも」
レッドマジシャンの姿が透明になった。ビーストソウルは仕方なく一人で走り始めた
「エドガー。宇宙船内に入った」
「よくやっ」
通信が途切れた
「エドガー聞こえる?コンピューター?」
コンピューターも無反応だ
エドガー達の本部でも、混乱していた
「コンピューター?」
「ダメです。落ちました」
「センス。繋げろ」
「レッドマジシャンにですか?」
通信機が使えなくなったレッドマジシャンの頭にセンスの声が響いた
「レッドマジシャン。センスです」
「どうしたの?大丈夫?」
「コンピューターがやられました」
「もしかして、敵の仕業?」
「恐らく。今からぴったり三十分後にトリックスターを送ります」
「了解」
本部では、エドガーが自分を殴ってた
「まずいぞ!A.C.T のコンピューターを機能停止にしやがった。今までの会話も聞かれてたかもしれない。情報伝達をセンスだけにやらせるのか?どうすればいい」
センスの覚醒後の能力は相手との脳内会話だった。しかし、通信機というものがある以上、使われることはなかった
「エドガー。言いたくはないですが、私の能力もそろそろ底をつきますよ。ずっと探知してましたから」
「センス。少し、休んで回復させろ」
「けど・・・」
「大丈夫だ。指令伝達は人にやらせる。だいぶ、指令が遅れるが。それを見越して、策をたてるのが仕事だ」
レッドマジシャンは宇宙船内を足音を立てず走ってた。透明なので、エイリアン達は気付いていない
「どこに向かえばいいの?」
広大な宇宙船内を走る浮遊してる板に飛び乗りながら考えてた
「指令室は・・・バリオンの船と造りが違う!」
そこから二十五分間、板に乗ったまま流されてると、板が急に動かなくなった
「えっ、止まった?故障?」
すると、後ろから声をかけられた
「誰もいないのに声がする。レッドマジシャン?」
レッドマジシャンが振り返るとビーストソウルが立っていた
「何で?」
透明化をレッドマジシャンが解いた
「ドアが開いてるところだけ移動してきた」
二人は、一番近くにある部屋の扉の前に行くと、ドアが自動で開いた。二人が恐る恐る入ると扉が施錠され、男性のエイリアンがいた。部屋の中は椅子や机がたくさん置いてある広い会議室のようだった
「お待ちしてましたよ。レッドマジシャンにビーストソウル」
男性のエイリアンは手をたたいた。すると、椅子と机が消えた
「すげぇ。あれが能力か?」
「いいえ、ビーストソウル。これは映像ですよ。本当に座れたり、触れますが」
「あなたはどうして名前を知ってるの?」
「私たちは能力者で、あなた達より技術が進んでます。あなた達、本陣の作戦会議は聞こえ。通信内容も筒抜け。あなたの透明化なんて、何の意味もない」
「けど、この船のエイリアンは無視してたわよ」
「私がそうさせたのです」
男はニコニコしてる
「意味が分からない」
「まぁ。大将さんに会えたからいいじゃん」
ビーストソウルは腰を落として構えた。レッドマジシャンは時計を見て、ボールを自分の横に落とした。すると、十秒後にトリックスターが現れた
「トリックスターですか。役者は揃いました。始めましょう」
「えっ!どういう状況?体軽っ!」
「トリックスター。すぐに本部に帰って!作戦丸聞こえ!」
トリックスターはビックリしたが、すぐに動いた
「『チェンジ』」
しかし、空間移動ができない
「この船の中で、空間移動をできなくさせました」
「やばっ!今、すげぇ弱いじゃん。『解』」
トリックスターは日本刀を取り出した
「良かった!こっちの能力は使える!」
「『トリックスターの能力』」
レッドマジシャンはブラスターを取り出した。広い会議室の中心にいる男を三人で囲んだ。ビーストソウルは牙を出し、手は爪が伸び、腕が肥大化した。そして、三人で攻撃を始めた。レッドマジシャンはブラスターを撃ち。トリックスターは刀で斬りかかり。ビーストソウルは体術で攻めた。しかし、どれも攻撃が当たらず、避けられる
「回避に無駄が無い!三人がかりよ!」
三人とも、動きを読んで攻撃してるのに、全て避けられる
「嘘だろ?重力が小さいから、動きがいつもより速いはずなのに」
体を反りながら、笑ってる男にビーストソウルは驚いてる
「こいつ。何の能力だ?」
「分からない。未来でも見てるみたい」
「そりゃ素晴らしい考察だ!誰でも出来る!」
「ごちゃごちゃ言わないで、呼吸合わせてやるよ!」
男は、スライムのようなものを取り出して握ると、大鎌になった
「もっと地球人は凄いと思ってました」
三人は笑い出した
「まるで、私達が雑魚みたいね」
「確かに。地球一の天才三人だからな」
「いや、ビーストソウル。天才ではなく馬鹿だろ」
「まぁ。馬鹿と天才は紙一重ということよ。いくよ!『三連携アサルト』」
トリックスターは閃光弾を投げた。部屋の中が、爆音と光に包まれる。しかし、エイリアンは平然としてる
「無意味」
ビーストソウルとレッドマジシャンも爆音と光を受けてるのに行動できてる。ビーストソウルは男に向かって高くジャンプした。男も大鎌をビーストソウルに向かって振った。その時、レッドマジシャンが日本刀を男に振り下ろした。男はそれに気付いて、体を反らすが、日本刀の刃が、男の皮膚をかすった
「銃はどこだ?」
「こっちだ。バーカ」
男がビーストソウルの方を見た。ビーストソウルの腕は、人間に戻っておりブラスターを持っている。ブラスターを撃つが、男も急いで回避したので、肩に一発当たった。その時、後ろからトリックスターが後方から殴りかかった。男は横に回転しながら避けた
「能力分かった?」
トリックスターの言葉にビーストソウルが反応した
「あいつ。未来を見ているんじゃない!確率を見てるんだと思う」
「確率?」
「例えば、殴りかかるにしても、僅かな動きから、どこを殴ろうとしてるか確率を考えて、避けてるんじゃないか?」
「ご名答。その通りですよ。斬りかかるにしても、どれくらいの確率で、どこの部分を斬るか見てるんです」
「コンピューターみたい」
また、レッドマジシャンは刀で斬りかかった。しかし、刃は相手にギリギリ届いてない。なので、男はその場から動かなかった
「『燕返し』」
レッドマジシャンは、刃を上に向け直し、振り下ろした瞬間に振り上げた。刃は男の胴体を斬りつけた
「いい能力だと思うわ。ただ問題もある」
「問題?」
「あなたよ。あなたは私達の動きを理解できてない。地球人を知らないし、地球人の馬鹿はもっと分からない」
「馬鹿じゃなくて、天才だろ?」
ビーストソウルはブラスターではなくいつの間にか、トリックスターの日本刀を持っている。トリックスターはブラスターになっている。男はやっと理解したらしい
「攻撃手段を戦いながら、変えてるのか」
トリックスターはブラスターを男に向かって投げた。ブラスターを投げられた男は、ブラスターを大鎌で斬った。すぐに、ビーストソウルが日本刀を投げた。男は、それを避けるが
「残念。お前に投げたんじゃない。スイッチ!」
男の向こう側にいたトリックスターに向かって、ビーストソウルは投げたのだ
「『封』」
トリックスターは日本刀が体に当たった瞬間閉じ込めた。日本刀をビーストソウルが投げるのと、同時にレッドマジシャンは素手で男に向かっていった。男はレッドマジシャンが向かってきてるのに気付き、大鎌でレッドマジシャンを斬った
「残念。攻撃にしても、相手がどう回避するか確率を見れるんですよ」
レッドマジシャンの両足の大腿部は切断されたが喋った
「馬鹿の戦いを知らないの?囮よ!」
レッドマジシャンが斬られた時に、後ろからトリックスターが躍り出た
「『解』」
トリックスターは手から爆弾を出した。出した瞬間に爆発するやつだ。レッドマジシャンに当たりそうになる直前にビーストソウルがレッドマジシャンの前に躍り出てた
「『幻獣への誘い』」
ビックフットの姿で盾となった。爆発が起きた瞬間に、レッドマジシャンは再生した
「いくら能力とはいえ、絶対に確率では分からないでしょ?理解できない動きを!」
「三人と戦おうと思ったお前も、相当な馬鹿だな」
「一人だけなら勝てたのに」
男は吹き飛んだところを再生し直した
「クソッ!」
ビックフットのビーストソウルが男の前に出て、男の大鎌の攻撃も受けながら、体術で応戦してる。男が大鎌を振った瞬間に、ビーストソウルは人間に戻ってしゃがんで避けた。ビーストソウルがしゃがんだら後ろにレッドマジシャンがブラスターを持って立っていた
「しゃがんで、後ろにいるお前が攻撃するのは分かってた!」
ブラスターを心臓めがけて撃つが、腕で防がれた。男は大鎌でブラスターを弾いた。そして、振り返り叫んだ
「そして!お前が本命なことも!」
後ろから、先ほどストックした日本刀で斬りかかってるトリックスターに叫んだ。日本刀の刃をトリックスターは振り下ろすのではなく下に落とした。男の視線は落とした刀にいった
「バーカ」
後ろから、ブラスターを弾かれたはずのレッドマジシャンが日本刀を取り出し、突き刺した。男は心臓を貫かれ、前に倒れた
「大将。馬鹿だったな」
その時、扉が開いた
「始末した?」
女が部屋に入ってきた
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