トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

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第一部 地球編

51 ギフテッド (トリックスター目線)

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 俺は無能な劣等生が嫌いだ。だから、この世で一番嫌いなのは自分だ



 初めて、二人と喋ったのは入学式の次の日だ。その時、怖いと体が感じたのを覚えてる。理由は分からなかったが、体とは反対に心は強く興味を持った。ガキの僕ら三人は大人達から嫌われた。理由には心当たりがある



 レッドマジシャンの場合。頭がいい金持ちの子が通う私立の小学校の俺らは、一年生の三学期に割り算の授業をしていた。もちろん習い始めた俺らは、小数点の計算はなく。整数での問題を解かされていた

「は~い。じゃあ、黒板に書いた計算で割り切れるものはいくつありますか?解けた人から手を挙げてください」

 黒板に10問の割り算の式が書かれてる。すると、レッドマジシャンが先生が言い終わるのと同時に手を挙げた。僕は、まだ二問目までしか解けていなかったのに。どれも小学三年生の応用問題をレッドマジシャンは書き終わるのと同時に解いたらしい。ちなみにビーストソウルは爆睡中だ

「先生。全て割り切れます!」

 先生が、またお前かとめんどくさそうにレッドマジシャンを見てる

「割り切れる?あなたには、487÷16が、割り切れるの?」

 先生が馬鹿にするように、小学一年生のレッドマジシャンを見た

「487÷16は、30.4375になります」

 小数点なんか習ってないのに、小学一年生で、理解してる。先生は顔の表情がピリピリしてる

「教えてないわよね!周りに合わせなさい!」

「解け。と言われたから解きました」

 その後、教師への屁理屈を言ったことへの注意を、小学一年生のレッドマジシャンはさらに教師を見下した態度で対抗した。そこから、彼女は学校に教科書を持ってくることはなく、授業中に中高生の勉強を小二から始めてた



 ビーストソウルの場合。授業中は寝て、昼休みだけ起きて飯を食い。テストの内容がつまらなかったら寝ていた彼は、結構呼び出しをくらってた。だが、説教を聞くどころか、途中であくびをしたり、寝始めたり、帰ったりした。挙げ句、ランドセルの中身は弁当だけの時があった

「中身が弁当だけ?」

「それ以外、僕に必要ないだろ?」

「いや、せめて水筒は持ってこいよ!」

「ランドセル持ってきただけ、偉いと思えよ」

 僕との会話の途中で、弁当しか持ってこなかった事に、教師が気付き、呼び出しをくらったが、三分で教室に帰ってきた

「あれ?早くない?」

 俺がそう言うと、教師の怒鳴り声が廊下から聞こえてきた

「おい!まだ、話は終わってないぞ!」

 すると、廊下に顔を出したビーストソウルが叫んだ

「こっちは話が終わったんだよ!」

 これは、父親の呼び出しが、この後あった



 俺の場合。俺は単体で説教されたのは、少なかったが、ほぼ二人のせいで起こられていた

「今日も何でお前らは、遅刻したんだ?」

 二週間連続での遅刻はさすがに三人で怒られた

「若干、一名のせいですかね」

 レッドマジシャンは、ビーストソウルを見た

「僕?」

 ビーストソウルは自覚無いらしい。すると、レッドマジシャンが俺のことを小突いた

「僕と彼女は間に合ったんですけどね。彼が、待ち合わせの時間に来なくって」

「先に、来ればよかっただろ?」

「ですよね~。同じ事を彼女に言ったんですけど。彼女は、待ってこそ友達だ!と言うんで待ちました」

「お前は自分の意志が無いのか?」

 俺は首をひねった

「はぁ。お前ら、アリとキリギリスの話は知ってるよな」

「知ってるよ。帰るね」

 本当に帰ろうとするビーストソウルをレッドマジシャンと二人で必死に止める

「私たちが長くなるからやめて!」

「先生のありがたいお話を黙って聞こうじゃないか!」

 ビーストソウルは、二人の必死ぶりに帰るのをやめた

「あの話の教訓はなんだと思う?」

「アリは優しくない!」

 三人で同じ事を同時に言った

「違う。キリギリスのように、未来の事を考えずに生きてると、後々、後悔するって話だ!」

「あっそうなんだ。話は終わったね」

 レッドマジシャンがビーストソウルの腕を掴んだ。そして、俺を見て、どうにかしろと顔で言っている

「あー先生。僕は、キリギリスの方がアリより好きですね。アリは、今の時間を削って、エサを冬のために集めるが、それは好きな時に好きなことができません。逆にキリギリスは、今の時間を大事にして、人生を楽しんでいる。いつ死ぬか分からない人生を精一杯、自分のために生きている。カッコいいと思います!」

 その後、説教されてる部屋からビーストソウルが逃走した。教師が頭を抱えてから、追いかけていった

「お前ら、ここにいろよ」 

 俺ら二人にそう言い残しながら、出ていった

「帰るか」

「帰りましょう」

 次の日、また呼び出された



 学校行事は、さらに怒られていた。学校行事に、三人とも親は見に来ず。運動会なんて地獄でしかなかった。運動会の昼休みに、保護者の所で、みんなはお弁当を家族で食べるが、三人とも弁当はあったが、どこで食べればいいか小学一年生の俺らは分からなかった

「どこで食べる?」 

「本部で、食えば」

 俺が、先生達のいるテントを指差した

「そりゃ惨めな子達丸出しだ」 

「嫌よ。砂ぼこりがひどそう」

「じゃあ校舎内で食べる?」 

「教室は開いてないよ」

「開いてないなら、開ければいいんだ!」

 職員室に教室の鍵をもらいに行ったが、絶対に先生一人は居るはずなのに、トイレとかに行っているのか居なかった

「誰もいないじゃん」

「じゃあ、鍵もらうね!」

 ビーストソウルが誰もいない職員室に一応断りを入れた。教室の鍵を開けて、食べてると、先生が飛び込んできた

「お前ら、何してる!」

「弁当食べてました」

「どうやって、開けた!?」

「鍵というものを使いました」

「勝手に取ったのか!」

「一応、鍵もらうね!と言いました」

「お前ら、本当に小学一年生か?」

 先生は俺達三人の答えに、疲れてる。運動会の後日、校長室に呼ばれた



 小学二年生の時の林間学校はさらに怒られた。俺とビーストソウルは同じ部屋で、深夜みんなが寝ているところをビーストソウルに起こされた

「おい!起きろ!」

 ビーストソウルは俺をビンタして、無理矢理起こした

「何だ?朝か?」

「違う。深夜二時だ」

「おやすみ」

 目を閉じると、またビンタされた

「あいつに会いに行くぞ!」

「女子の部屋を夜這いする趣味は無いぞ」

「大丈夫だ。ロビー待ち合わせだから」

 ビーストソウルは生き生きしてる。いつも、寝てばかりなのに。部屋をひっそりと出た僕らは、少し暗い廊下を歩いてた

「いまから何すんだよ!」

「ここの旅館に卓球台があったから、遊ぶんだよ!」

 その時、足音が聞こえ、ライトの光に照らされた。見廻りの先生だ

「おい!またお前らか!こんな深夜に何してんだ?」

 ビーストソウルは無反応だ

「おい。聞いてんのか?」

 ビーストソウルはハッと体が動き、辺りを見回した

「ここは?何で廊下にいるんだ?」

「こっちが聞いてんだ」

「もしかして、僕って夢遊病だったの!?」

 ビーストソウルは俺の方を見た

「あーそうです。彼は夢遊病なんで、安全のために付き添ってました」

「小二にしては、面白い嘘だと思うが、無理があると思うぞ。そういえば、もう一人はどうした?」

「だから、夢遊病なんです。彼女はいませんよ」

 見廻りの先生は、彼女の部屋に確認しにいった

「本当に彼女は寝ていたな」

 どうやら、レッドマジシャンは異変に気がついたらしく。部屋にすぐに帰ったんだ。先生は、俺ら二人を部屋に連れ戻した

「夢遊病なんて、よく知ってたな」

「常識でしょ?」

「明日、説教な」



 一番、二人にビビったのは小四の時の学校のマラソン大会だ。五キロ走るのを一年~三年と四年~六年で分けて、走る行事だった。俺は、一般的に見れば足が速い方だったが、この学校では20位くらいだった。ビーストソウルとレッドマジシャンは、今まで三回の大会で毎回2位と3位だった。四年生になり、少しでも二人に近づきたくて、10位以内には入ることを心に決めた。毎日、数キロ走るトレーニングを行い、必死に努力した。そして、当日も必死に走り、9位でゴールした。急いで、二人に報告しようと捜して、駆け寄ったが、二人ともいつもより息切れがひどかった

「見て!9位だった!」

「そう。はぁはぁ。頑張ったね」

「二人は何位?」

「5位と6位」

  ビーストソウルが、自分と彼女を順番に指差した

「あれ?いつもより遅くない?やっぱり、高学年の方が速かった?いつもより疲れてるね」

「いや。高学年のせいじゃない。二人で脳内オセロしながら走ってた」

「えっ?なんて?」

「脳内オセロ!頭の中で、アルファベットと数字を言いながら、オセロしてたの!」

 その瞬間に思った。脳内オセロというハンデをつけられても、俺は二人に負けたのか?二度と、順位を自慢しなかった



 校長室に数えきれないほど呼ばれた俺らは、毎回同じ話をされた

「ここは、公立ではないから、周りに合わせられないならやめてくれていいぞ」 

「やめるか」

「やめて、違う私立に行きましょう」

 俺らは学校から問題児扱いをされていた



 その後、小四の三学期に、サンストーンとエイリアンの戦いで、A.C.T アクトに入れた。A.C.T アクトに入ってから思った。二人だけじゃなく、周りの人達も凄いと。唯一、スノーメロディーは自分と同じ感じがした。死ぬほど努力しても、周りには勝てない。だから、スノーメロディーが嫌いだ。自分の鏡を見てるようで、劣等生という自分のコンプレックスを、彼女は形にしたようなものだから。僕は一回でいいから、誰かに言って欲しい言葉がある

「凄いな~!敵わないよ。精一杯、努力してきたんだね」



 ギフテッドへの理解を込めて
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