トリプルクラッシュ ～３つの星の時空を越えた運命～

第二部 エリミア編

81 原因

　宮殿にガルクとスミが空間移動でやって来た。今度は、フェーナの部屋の前に空間移動するようにした

「シュリオン！」

　二人が空間移動したら、フェーナの部屋からシュリオンが出てきたところだった

「ガルク・・・。見ろ！」

　シュリオンはガルクの服を掴み、部屋に入れた。スミも一緒に入る

「フェーナ・・・」

「フェーナちゃん！」

　ガルクもスミもフェーナを見て、その場に崩れた。部屋の床は赤く染まり、フェーナの胸には鋭利な物が突き刺さっていた。それを、数人の人間や機械達が必死に救命措置をしていた

「自殺を図ったらしい」

　シュリオンはガルクに言った

「自殺？フェーナが？」

「もし、俺の妻が自殺するような原因をお前が作っていたなら許さないからな！」

「僕が悪いと言いたいのか？！だいたい、貴様がフェーナの様子をよく観察してれば、未然に防げただろ！」

　また、兄弟ゲンカが始まりそうだった。しかし、スミが二人を引き離した

「やめなさい！こんな時に何してるの！」

　二人は喋るのをやめて、おとなしく救命措置が終わるのを待った

「自殺しようとするなんて、しかも自分を突き刺して・・・。フェーナちゃんは辛かったでしょうね。死のうとするときすら・・・」

「スミさん、それは僕も思いました。心は死にたいと思っていても、突き刺した痛みから体は再生をしようと思ってしまう。その再生を無理やり止めてまで、自分を突き刺したりするか？」

「何が言いたい？」

「自殺するなら、大抵の人間は、能力を大幅に使って、残りの能力がゼロに近い状態で自殺しようとするはずだ。フェーナが能力を使う場合、誰かが居たんじゃないのか？」

「肉体強化もあるだろ？」

「いや、恐らく使ってないな・・・。シュリオン、この部屋で何があったか見せろ」

「・・・」

「おい！見れるはずだろ？！早くしろ」

「あぁ。今、見てみる。すっかり、存在を忘れてたよ」

　シュリオンは操作して、過去の部屋の光景が見えるようになった

「フェーナが自殺する30分前までやれ」

「30分前？どうして」
　
「自殺しようと思ってから、人間は一回考えてから行うからだ。いわば、考えてる時間だ」

　シュリオンは言われた通り、フェーナの部屋の映像を自殺を図った30分前にした

「誰も部屋に居ないわ・・・」

　30分前は誰も部屋に居なかった

「早送り」

　シュリオンは映像を早送りした

「止めろ！」

　フェーナが部屋に入ってきたところで、ガルクが止めた

「その1分前から、見ていこう」

　シュリオン、ガルク、スミは映像を見始めた