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第五章 霊樹の森

第八十二話 潜入

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 アレクとルイーゼは、町外れからバラックのような建物の路地裏に回り、慎重に街に潜り込む。

 街は、店や工房といったものは無く、住居や倉庫といった建物が増えて大きくなっただけの原始的集落といった様子であった。

 意外にも、通りで活動している鼠人スケーブンの数は少なく、二人は予想外に簡単に街中まで進む。

 アレクが口を開く。

「やつら、意外に人数が少ないな・・・。鼠人スケーブンの繁殖力は旺盛で、人口が爆発的に増えたから帝国に攻めてきたと聞いていたから、もっと人数が居ると思ったんだけど・・・」

 ルイーゼが答える。

「何か、理由ワケがありそうね・・・。あの大きな神殿に行ってみましょ」

 二人は、街の中心にある神殿のような建物を目指して進む。








 路地裏を小走りで進んでいると、通りの角から武装した鼠人スケーブンの集団が現れる。

 アレクが小声でルイーゼに告げる。

「まずい! こっちに来る!!」

 敵感知スキルのあるルイーゼは、アレクの手を引いて近くの無人の建物の中に入る。

 建物の中で二人は窓際に屈むと、外の様子を伺いながら息を殺して身を潜める。

 武装した鼠人スケーブンの集団が二人が潜む建物の前を通り過ぎて行く。

 ルイーゼは、四つん這いになり、出入り口から建物の前を通過して行った鼠人スケーブン達の様子を探る。

 屈んでいるアレクの目の前に、四つん這いになったルイーゼのお尻があった。

 アレクはルイーゼのお尻に見惚れてしまう。

 ルイーゼのお尻は同年代の女の子のお尻に比べ、大きくて肉付きが良く、形も上を向いている安産型であった。

 多産が重宝されるアスカニアでは、ルイーゼのような『大きな安産型のお尻』は、『出産能力の高い、良い女の証』であった。

 アレクは、両手で目の前にあるルイーゼのお尻を掴むと、ルイーゼはビクンと驚く。

 ルイーゼが小声でアレクに抗議する。

「アレク! 驚かさないで!!」

「ゴメン」

 ルイーゼは元の方角を振り向くと、再び外の様子を伺う。

 アレクが右手の掌を上にして三本の指でルイーゼの秘所を割れ目に沿って撫で上げると、ルイーゼは敏感に反応し、思わず口から吐息が漏れる。

「はっ・・・ああっ・・・」

 ルイーゼは、服越しに陰核、尿道口、膣口、肛門と女性にとって一番敏感な所を撫でられ、下半身をガクガク震わせると、涙目でアレクに抗議する。

「感じちゃうじゃない! 今朝もしたのに・・・。・・・したくなったの!?」

 アレクとルイーゼは、今朝も性交していた。

 アレクはルイーゼに謝る。

「ゴメン。ルイーゼの可愛いお尻が目の前にあるんで、つい・・・」

 頬を赤らめ、膨れたようにルイーゼが呟く。

「もぅ・・・。エッチなんだから・・・」

 鼠人スケーブンの集団が通り過ぎて行ったことを確認した二人は、再び路地裏を神殿へと向かう。






 アレクとルイーゼは、神殿のような建物にたどり着く。

 神殿のような建物は、周囲を二メートルほどの木塀で囲まれていた。

 離れた物陰から正面入り口の様子を窺うと、二体の武装した鼠人スケーブンの警備兵が立っている。

 アレクがルイーゼにそっと耳打ちする。

「・・・さすがに正面から入るのは無理だろう」

 ルイーゼが答える。

「・・・裏へ回ってみましょう」

 二人は、路地裏の小道を神殿の裏口の方へ回る。






 二人が物陰から裏口の様子を窺うと、裏口にも見張りが立っていた。

 アレクがルイーゼに告げる。

「裏口にも見張りがいるな」

 ルイーゼが答える。

「壁を越えて入るしか、無さそうね」

「神殿の中に入る前に、小休止しよう」

「そうね」

 ルイーゼは、再び近くの無人の建物にアレクを連れて入る。






 小走りで街を抜けてきた二人は、建物の中で並んで座って小休止し、呼吸を整える。 

 アレクの傍らに座るルイーゼがアレクにキスしてくる。

「んっ・・・」

 キスし終えたルイーゼは、アレクの前に回ると、アレクのズボンと下着の前を開いて、アレクの男性器を掴み出す。

「・・・どうしたんだ? ルイーゼ?」

「アレク、溜まっているんでしょ? 神殿の中で変な気を起こさないように、口でするから・・・」

 そう言うと、ルイーゼはアレクの男性器に、舌を絡めるように舐めると口で吸い、口淫し始める。

「ルイーゼ・・・」

 アレクは、自分の男性器を咥えるルイーゼの頭を撫でる。

 ルイーゼの舌使いにアレクの男性器は直ぐに膨らんで固くなり、程なくアレクはルイーゼの口の中に射精する。

 ルイーゼは、脈を打って口の中に出されたアレクの子種を二回に分けて飲み込むと、アレクに微笑み掛ける。

「・・・ふふ。アレク。今朝、したばかりなのに、もうこんなに濃いのがたくさん・・・。凄いわ・・・」

 アレクは、悪びれた素振りも見せず、答える。

「まぁね」 

 アレクだけに限らず、父ラインハルトも、兄ジークも、帝室の男達は絶倫であった。






 射精し終えたアレクがルイーゼの頭を撫でながら周囲を見回す。

「この建物は、他とは違う造りだな・・・」

 アレクの言葉にルイーゼも周囲を見回す。

「倉庫みたいね。人の気配はしないわ」

 アレクは、自分の男性器を仕舞うと、奥の部屋を覗く。

 奥の部屋には、無数の物干し竿のような棒が張り巡らせてあり、そこには革紐で動物の肉をぶら下げて干してあった。

 床の上には木箱があり、木の実やら植物の実が無数に入っていた。

 アレクが呟く。

「どうやら、ここは鼠人スケーブン達の食糧庫か」

 ルイーゼが吊るされている干し肉を手で少し分けて奥を覗く。

「アレク、・・・干し肉の中に人の手足もある。捕まった人達はもう・・・」

「やつらに殺されたんだろうな。干し肉は逃げないし・・・」

 変わり果てた捕虜の姿にルイーゼは悲しげな顔をする。

 アレクは食糧庫の片隅に、干し肉を吊るすための長い革紐の束があるのを見つけ、手に取る。

「これと・・・これ」

 次に一メートル程の木片を拾うと、革紐を木片の端に縛りつける。

「良し。これを足場にして、木塀を越えよう」

 アレクは作った物をルイーゼに見せる。

「どう使うの?」

「まぁ、見てて」

 二人は建物を出て、神殿の木塀の前に行く。

 アレクは木塀に木片を立て掛けると、革紐を木塀の向こうへ投げ込む。

「先に行くよ」

 アレクはルイーゼにそう告げると、木片に足を掛けて木塀を乗り越え、神殿の敷地の中に入る。

「なるほどね」

 ルイーゼもアレクと同じようにして木塀を乗り越え、神殿の敷地に入る。

 ルイーゼが敷地の中に入ったのを見計らって、アレクは革紐を手繰り寄せ、革ひもを結び付けて足場にした木片を敷地の中に引っ張り込む。

「出る時もこれを使おう」

 アレクはルイーゼにそう言うと、木片を敷地の茂みの中に隠した。

 二人は、神殿の建物を探る。


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