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第31話 風呂、からの
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水浴び場にもくもくと湯気が広がる。
まるで銭湯にいるみたいだ。
お湯がひざ丈くらいまで溜まったので、できるだけ体を倒してお湯に浸かる。
体を洗いたいと思ったのだが、このお湯には体を綺麗にする効果があるらしい。
お湯自体もすぐに綺麗になるから、湯船の中でゴシゴシしても大丈夫なのだそうだ。
日本人としてはマナー違反をしているようで抵抗があるが、泡立ててゴシゴシせずに済むのは楽でいい。
あー生き返る~。
湯船に入ったのは久しぶりというほどでもないのに、一年ぶりくらいに感じる。
気持ちよくて、思わずはーっと声がでた。
隣に座り、同じく気持ちよさそうに息を吐いているシュロ先生を見ていると、一緒にお風呂に入るなんてイケナイことをしているような気分になってきた。
体に入っている模様も綺麗だなあ。
「これが気になる?」
チラチラと見ていると、オレの視線に気づいたシュロ先生が自分の体の模様を指さした。
「あ、はい。ジロジロ見てすみません。綺麗ですね!」
「これはね、毒とか麻痺を無効化するためのものなんだ。薬師だから、自分で試すことも多いからね。分析するための魔法も兼ねてるんだよ」
「へえ……すごいなあ……」
説明して貰ったことで思わずガン見してしまっていたら、「見過ぎ」と言われてしまった。すみません、つい!
「それで……何があったの? どうせリッカかスノウのことでしょ?」
「え、何で分かるんですか!?」
「いや、見てれば大体の人は分かってるでしょ」
呆れるように笑うシュロ先生に、オレって分かりやすいのかな? と軽くショックを受けながら話し始めた。
「実は——」
オレはリッカに言われたことや、自分が戸惑っていることを話した。
「へー。思ったより展開が早いね」
シュロ先生は少し熱くなったのか段に腰掛けた。
足だけお湯につけて軽くバタバタしている様子が可愛くて思わずぼーっとしてしまったが、ハッとして話を続ける。
「こうなるって予想していたんですか?」
「肉食系の獣人が執着するんだもん。そういうことでしょ」
なるほど、オレが分かりやすい人間だから状況が分かったのではなく、獣人の行動の傾向が分かっているから察することができたのか。
「チハヤ先生はスノウとリッカ、どっちがいい?」
「え、『どっちがいい』とかないですよ! っていうか、もしかして……スノウも番にしたいって意味で、オレのことを気に入ってるんですか?」
「そりゃあそうでしょ」
「えー……?」
何のモテ期だ?
二人のしっぽは魅力的だけど、どちらもオレより体格がいい男なんだよなあ。
好きか嫌いかで言えば、好きだけどさあ。
「オレは可愛い子が好きなので、シュロ先生の方がトキメキます」
正直にそう言うとシュロ先生は目を丸くした。
「あはは! ありがとう」
「シュロ先生は恋人はいるんですか?」
「……もしかして、ぼくのこと狙ってる?」
「あ、今のはシンプルに気になっただけです! すみません……!」
慌ててそう言うと、シュロ先生は「分かってるよ」と笑った。
「恋人はいないよ。この環境で恋人を作るのも難しくない?」
「オレの世界では生徒と教師が交際するのって倫理的に問題がある感じなんですけど、ここではどうですか?」
「倫理的に問題? そういう感じはないなあ。人間の学校ならあるのかもしれないけど。ここは基本獣人しかいないし、学校といっても堅苦しいところじゃないしね。まあ、僕は生徒には親心が湧くというか、みんな子どものように思えるから、恋愛対象にはならないけど」
「なるほど……」
「あ、でも、これはぼくの考えだから、チハヤ先生が生徒と付き合い始めても『子どもに手を出して』とか、『先生なのに』なんて思わないよ? チハヤ先生も生徒たちと同年代だしね」
シュロ先生に軽蔑されたら凹むどころでは済みそうにないので、そう言って貰えると嬉しい。
……って、リッカかスノウ――生徒と付き合うことになるパターンの心配はいらない……よな?
とにかく! オレのことはいったん置いて……!
生徒が恋愛対象にならないのなら、先生はどうだろう?
「シュロ先生は、シオン先生やキオウ先生とどうこうなった、とかないんですか?」
「あはは、それもナイナイ! 二人にはとても感謝してるけどね。そういう感情はないよ……今のところは」
……今のところ?
シュロ先生の恋愛事情を根掘り葉掘り聞きたくなってきたが……怒られるかな?
どんな人がタイプなのかくらいは聞いてもいいだろうか。
そんなことを考えていたら熱くなってきたので、オレも段のところに腰かけようと移動した。
「まあ、リッカやスノウについては難しく考えずに応えたいと思ったら応えて、嫌なら拒むでいいと思うよ」
「そうですかねえ……」
「急ぐ必要もないしね。決めるまではあしらっておけばいいよ」
おお……慣れている感じがかっこいい。
キラキラした目でシュロ先生を見ていると、水浴び場の扉が開いた。
誰か来た? とそちらを見ると、全裸のキオウ先生が立っていた。
か……体がすごい! ムキムキだー!
筋肉やら何やらもう全部たくましくてかっこいい!
いつも被っている帽子がないとワイルドな印象がしてそれもいい。
オレは目をキラキラさせたまま見惚れてしまった。
一方、キオウ先生の方は、オレたちを見て固まっている。
「あ、キオウ先生、いらっしゃい。すみません、お湯溜めてます。一緒にどうぞ」
「…………」
シュロ先生に話しかけられたキオウ先生だったが、無言のままそっと扉を閉めて消えた。
「あ、遠慮しないで~」
慌てたシュロ先生が、水を滴らせたまま走って迎えに行く。
オレは座ったまま、加勢して行くべきか迷っていたら、すぐに二人は戻ってきた。
キオウ先生は大人しくなすがままになっているが、太い腕をシュロ先生にぎゅっと捕まれて顔は強張っている。
極度の緊張、という感じに思わずオレは笑ってしまった。
「捕まえてきたよ~」
「おかえりなさい。キオウ先生も一緒にお話ししましょう!」
「…………」
オレたちに促され、間に座らされたキオウ先生は硬直したままだ。
バジリスクにでも石化されました?
少し可哀想になってきたけど、おもしろいで話を進める。
「オレたち、恋バナしてたんですよ。キオウ先生って恋人はいらっしゃるんですか?」
「ぼくも聞きたーい」
両側から「話して」という期待の目を向けられて、キオウ先生はしぶしぶ口を開いた。
「……そういうことに興味ありません」
「硬派~」
「まあ、長年一緒に先生をしているけど、浮ついた話は一切聞かないねえ。小動物系の獣人たちには人気があるのにね?」
「へえ~!」
たしかに体が大きくて強いから、アリスたちみたいな可愛い子にモテそうだ。……うん?
「…………」
また無言になったキオウ先生の様子を見ていたら、オレよりもシュロ先生と距離を開けようとしていることに気がついた。
顔を覗き込んで話しかけてくるシュロ先生から必死に顔をそらして、じわじわ離れている。
もしかするとキオウ先生がシュロ先生のことが好き、とかある?
好きな人の裸を見ると大変なことになるというか……。
あれ、もしかしてオレって今、めちゃくちゃお邪魔虫なのでは?
二人だけにするため、先に出た方がいい?
でも、今シュロ先生はオレの面倒をみてくれているから、出たら一緒に来ちゃうかもしれない。
だから、もう少し話をしようかな。
オレはキオウ先生のことをあまり知らないし、こうして三人でゆっくり話す機会は初めてなので色々聞いてみたいという気持ちもある。
「お二人とも、どうしてここの先生をすることになったんですか?」
「きっかけ、かあ。ぼくはシオン先生に誘われてだよ」
「俺もそうだ。昔助けて貰った恩があるから引き受けた」
キオウ先生にはスルーされるかもしれないと思ったのだが、ちゃんと答えてくれた。
恋バナじゃないから答えやすいのかもしれない。
「ねえ、その話してよ」
「知っているじゃないか……」
先生モードが解けているのか、いつもよりも親し気な二人のやり取りが新鮮だ。
「チハヤ先生は知らないでしょ。聞きたいよね?」
シュロ先生に聞かれたのでこくこくと頷くと、キオウ先生は仕方なさそうに話し始めた。
「冒険者をしながら護衛の依頼を受けていたときに、運悪く強い魔物が率いる群れに遭遇してしまって死にかけた。そのとき、たまたま通りがかったシオン先生が加勢してくれて生き延びることができたんだ」
「へえ!」
オレは正体を聞いているから強いということは何となく分かるけど、見た目だけなら物腰が柔らかくて『強い』というより『優しそう』だ。
「ちなみに、そのときぼくもいたんだよ」
「え、偶然三人が同時に出会ったってことですか?」
「ううん。ぼくはたまたま、シオン先生と一緒に行動していたときだったんだよね」
「あ、なるほど」
魔物と遭ったのは運が悪いけど、シオン先生とシュロ先生に出会えたと思うと運がよかったのかもしれない。
「薬師なのに誰よりも多く魔物を多く倒していて恐ろしかった」
「え」
「何か言ったー? ちょうど色々試したいものがあったから、ここぞとばかりに使わせて貰っただけだよ」
「魔物が倒れて行く様子を見て、とても楽しそうだった」
「人を変人みたいに言わないでくれる?」
ちょっとサイコパス? なシュロ先生の話も気になるけど、二人の様子の方が気になる。
やっぱり、オレが思っているより気軽に話す間柄のようだ。
キオウ先生も抱いていた印象よりも話しやすそうだし……。
裸で話すとより親しくなれるのかもしれない。
これから毎日このお風呂会をして欲しい。
「うん? 外が騒がしいね」
「?」
突然、シュロ先生とキオウ先生が同時に入り口の方を見た。
オレは何も聞こえなかった。
エルフと獣人は耳がいいのか?
「……生徒が来ているようだな。俺が見てこよう」
キオウ先生はそういうと先にあがっていった。
「ぼくたちも出ようか」
「そうですね」
少ししてからキオウ先生を追って脱衣所に入ると、入り口の方で揉める声がした。
キオウ先生が扉の向こうで対応しているようだ。
「お前たち、全員帰れ」
「いやー、肉食寮の水浴び場が壊れちゃって、ここで入らせてくださいよ」
「お願いしまーす」
「……大人しく帰った方がいいと思うけど」
注意するキオウ先生に口答えしているのはバリーで、ハウルはそれに乗っかり、ロンガンは申し訳なさそうにしている。
「あいつら、チハヤ先生が水浴びするのを見にきたのか?」
シュロ先生が呆れていると、新たな声が聞こえてきた。
「壊れてなんてないからな。すぐに肉食寮に戻れ!」
「チハヤに近づくな。絶対にここを通さないから」
リッカとスノウまで来ているのか、とオレとシュロ先生は思わず顔を見合わせて苦笑いだ。
「チハヤ先生と一緒に入ろうとしてバリーたちと、守ろうとした二人か。みんな馬鹿だねー」
「はは……」
バリーは嫌がらせするつもりでやってきたのだろうか。
シュロ先生の裸を見に来た確率の方が高い気がするが。
とにかく、オレたちは早く服を着ることにした。
シュロ先生に貰った部屋着に身に着ける。
オレは水色、シュロ先生は黄緑で色違いの上下だ。
ちょっと病院服っぽさはあるけれどシンプルでさわやかだし、着心地がよくていい。
脱いだ服もまとめて持つと、オレたちも水浴び場を出た。
「バリー、入りたかったらどうぞ」
「あーあ、シュロ先生もチハヤ先生も出てきちゃったじゃん」
シュロ先生がにこにこしながら話しかけると、バリーは残念そうにつぶやいた。
「あ、お湯を溜めてた? 体温上がって火照った肌と濡れた髪が色っぽいね」
「キモすぎる」
「ぶはっ」
バリーのセクハラおやじのようなセリフに速攻で率直な意見を言うと、シュロ先生がふきだした。
気のせいか、キオウ先生も笑いをこらえているように見える。
バリーは先生たちに笑われておもしろくなさそうな顔をしているが、お前の子分のハウルも後ろでこっそり笑ってるぞ。
「そんなに水浴びしたいなら、明日俺が川に連れて行ってやろう」
「あー……遠慮します。おやすみなさい」
「え!? ちょっと、置いて行くなんてひどいっす! 先生方、おやすみなさい!」
「お騒がせしました!」
先頭をきって逃走するバリーにハウルとトンガンがついて行った。
廊下を走っちゃだめだぞ。
「チハヤ、髪から見ずが垂れているよ」
バリーたちがいなくなって静かになったと思ったら、スッと隣にやってきたリッカがオレの髪に触った。
服の上にぽたぽたと水の雫が落ちる。
急いで出てきたのでちゃんと拭けていなかったようだ。
「触るな。俺が先生を部屋に送っていく、お前は帰ろ」
「それは僕の役目だ。お前が帰れ」
「お前たちも寮に戻って寝ろ」
キオウ先生が容赦なく二人の背中をぐんぐん押して、職員寮から追い出す。
「チハヤ!」
「先生!」
二人がオレに助けを求めているが、「守ってくれてありがとな、おやすみー」と手を振っておいた。
さすがに裸のときにバリーにちょっかいだされると困ったことになりそうだから助かったよ。
キオウ先生に追い出されながらも、お礼を言われて嬉しそうだった二人を見てちょっと可愛いと思ってしまった。
「ほだされてしまいそうな自分がちょっと怖いなあ」
それからシュロ先生たちとも別れ、自分の部屋に戻った。
机の上の鉢植えを見ると、双葉が少し大きくなっていた。
「お、この短時間で成長した?」
たまごちゃんの方は、『見た目の変化はないな』と見ていたら……。
——ゴトン
「おうっ、動いた」
しばらく見ていたら動きは止まったが、鉢植えもたまごちゃんも変化を見せている。
なんだか落ち着かない印象だ。
明日になったら、もっと変化があるかもしれない。
「またスキルをかけておくか」
『いたいのいたいの とんでいけ』と『みんなの いたいのいたいの とんでいけ』、そして『大きくなあれ 大きくなあれ』のフルセットをかけたあと、オレはベッドに入った。
※
翌朝。
——ズシン
「!?」
オレは頭を揺さぶられたような、大きな振動を感じて飛び起きた。
地震か!? と思ったのだが……部屋を見たらその気配はない。
でも、地震だったのなら、たまごちゃんが割れているかもしれない。
慌ててベッドを出て、机の上を確認したら……。
「え!?」
たまごちゃんに上から大きなヒビが入っていた。
これだけ大きなヒビだと近々割れそうだ。
本当に地震があった? それとも、普通に孵っているだけ!?
「チハヤ先生!」
混乱していると、ドアをノックする音とシュロ先生の声がした。
ちょうどいいところに……!
すぐに鍵を開けて招き入れると、真剣な顔のシュロ先生が聞いてきた。
「今の感じた!? 塔が出現したみたいだね」
まるで銭湯にいるみたいだ。
お湯がひざ丈くらいまで溜まったので、できるだけ体を倒してお湯に浸かる。
体を洗いたいと思ったのだが、このお湯には体を綺麗にする効果があるらしい。
お湯自体もすぐに綺麗になるから、湯船の中でゴシゴシしても大丈夫なのだそうだ。
日本人としてはマナー違反をしているようで抵抗があるが、泡立ててゴシゴシせずに済むのは楽でいい。
あー生き返る~。
湯船に入ったのは久しぶりというほどでもないのに、一年ぶりくらいに感じる。
気持ちよくて、思わずはーっと声がでた。
隣に座り、同じく気持ちよさそうに息を吐いているシュロ先生を見ていると、一緒にお風呂に入るなんてイケナイことをしているような気分になってきた。
体に入っている模様も綺麗だなあ。
「これが気になる?」
チラチラと見ていると、オレの視線に気づいたシュロ先生が自分の体の模様を指さした。
「あ、はい。ジロジロ見てすみません。綺麗ですね!」
「これはね、毒とか麻痺を無効化するためのものなんだ。薬師だから、自分で試すことも多いからね。分析するための魔法も兼ねてるんだよ」
「へえ……すごいなあ……」
説明して貰ったことで思わずガン見してしまっていたら、「見過ぎ」と言われてしまった。すみません、つい!
「それで……何があったの? どうせリッカかスノウのことでしょ?」
「え、何で分かるんですか!?」
「いや、見てれば大体の人は分かってるでしょ」
呆れるように笑うシュロ先生に、オレって分かりやすいのかな? と軽くショックを受けながら話し始めた。
「実は——」
オレはリッカに言われたことや、自分が戸惑っていることを話した。
「へー。思ったより展開が早いね」
シュロ先生は少し熱くなったのか段に腰掛けた。
足だけお湯につけて軽くバタバタしている様子が可愛くて思わずぼーっとしてしまったが、ハッとして話を続ける。
「こうなるって予想していたんですか?」
「肉食系の獣人が執着するんだもん。そういうことでしょ」
なるほど、オレが分かりやすい人間だから状況が分かったのではなく、獣人の行動の傾向が分かっているから察することができたのか。
「チハヤ先生はスノウとリッカ、どっちがいい?」
「え、『どっちがいい』とかないですよ! っていうか、もしかして……スノウも番にしたいって意味で、オレのことを気に入ってるんですか?」
「そりゃあそうでしょ」
「えー……?」
何のモテ期だ?
二人のしっぽは魅力的だけど、どちらもオレより体格がいい男なんだよなあ。
好きか嫌いかで言えば、好きだけどさあ。
「オレは可愛い子が好きなので、シュロ先生の方がトキメキます」
正直にそう言うとシュロ先生は目を丸くした。
「あはは! ありがとう」
「シュロ先生は恋人はいるんですか?」
「……もしかして、ぼくのこと狙ってる?」
「あ、今のはシンプルに気になっただけです! すみません……!」
慌ててそう言うと、シュロ先生は「分かってるよ」と笑った。
「恋人はいないよ。この環境で恋人を作るのも難しくない?」
「オレの世界では生徒と教師が交際するのって倫理的に問題がある感じなんですけど、ここではどうですか?」
「倫理的に問題? そういう感じはないなあ。人間の学校ならあるのかもしれないけど。ここは基本獣人しかいないし、学校といっても堅苦しいところじゃないしね。まあ、僕は生徒には親心が湧くというか、みんな子どものように思えるから、恋愛対象にはならないけど」
「なるほど……」
「あ、でも、これはぼくの考えだから、チハヤ先生が生徒と付き合い始めても『子どもに手を出して』とか、『先生なのに』なんて思わないよ? チハヤ先生も生徒たちと同年代だしね」
シュロ先生に軽蔑されたら凹むどころでは済みそうにないので、そう言って貰えると嬉しい。
……って、リッカかスノウ――生徒と付き合うことになるパターンの心配はいらない……よな?
とにかく! オレのことはいったん置いて……!
生徒が恋愛対象にならないのなら、先生はどうだろう?
「シュロ先生は、シオン先生やキオウ先生とどうこうなった、とかないんですか?」
「あはは、それもナイナイ! 二人にはとても感謝してるけどね。そういう感情はないよ……今のところは」
……今のところ?
シュロ先生の恋愛事情を根掘り葉掘り聞きたくなってきたが……怒られるかな?
どんな人がタイプなのかくらいは聞いてもいいだろうか。
そんなことを考えていたら熱くなってきたので、オレも段のところに腰かけようと移動した。
「まあ、リッカやスノウについては難しく考えずに応えたいと思ったら応えて、嫌なら拒むでいいと思うよ」
「そうですかねえ……」
「急ぐ必要もないしね。決めるまではあしらっておけばいいよ」
おお……慣れている感じがかっこいい。
キラキラした目でシュロ先生を見ていると、水浴び場の扉が開いた。
誰か来た? とそちらを見ると、全裸のキオウ先生が立っていた。
か……体がすごい! ムキムキだー!
筋肉やら何やらもう全部たくましくてかっこいい!
いつも被っている帽子がないとワイルドな印象がしてそれもいい。
オレは目をキラキラさせたまま見惚れてしまった。
一方、キオウ先生の方は、オレたちを見て固まっている。
「あ、キオウ先生、いらっしゃい。すみません、お湯溜めてます。一緒にどうぞ」
「…………」
シュロ先生に話しかけられたキオウ先生だったが、無言のままそっと扉を閉めて消えた。
「あ、遠慮しないで~」
慌てたシュロ先生が、水を滴らせたまま走って迎えに行く。
オレは座ったまま、加勢して行くべきか迷っていたら、すぐに二人は戻ってきた。
キオウ先生は大人しくなすがままになっているが、太い腕をシュロ先生にぎゅっと捕まれて顔は強張っている。
極度の緊張、という感じに思わずオレは笑ってしまった。
「捕まえてきたよ~」
「おかえりなさい。キオウ先生も一緒にお話ししましょう!」
「…………」
オレたちに促され、間に座らされたキオウ先生は硬直したままだ。
バジリスクにでも石化されました?
少し可哀想になってきたけど、おもしろいで話を進める。
「オレたち、恋バナしてたんですよ。キオウ先生って恋人はいらっしゃるんですか?」
「ぼくも聞きたーい」
両側から「話して」という期待の目を向けられて、キオウ先生はしぶしぶ口を開いた。
「……そういうことに興味ありません」
「硬派~」
「まあ、長年一緒に先生をしているけど、浮ついた話は一切聞かないねえ。小動物系の獣人たちには人気があるのにね?」
「へえ~!」
たしかに体が大きくて強いから、アリスたちみたいな可愛い子にモテそうだ。……うん?
「…………」
また無言になったキオウ先生の様子を見ていたら、オレよりもシュロ先生と距離を開けようとしていることに気がついた。
顔を覗き込んで話しかけてくるシュロ先生から必死に顔をそらして、じわじわ離れている。
もしかするとキオウ先生がシュロ先生のことが好き、とかある?
好きな人の裸を見ると大変なことになるというか……。
あれ、もしかしてオレって今、めちゃくちゃお邪魔虫なのでは?
二人だけにするため、先に出た方がいい?
でも、今シュロ先生はオレの面倒をみてくれているから、出たら一緒に来ちゃうかもしれない。
だから、もう少し話をしようかな。
オレはキオウ先生のことをあまり知らないし、こうして三人でゆっくり話す機会は初めてなので色々聞いてみたいという気持ちもある。
「お二人とも、どうしてここの先生をすることになったんですか?」
「きっかけ、かあ。ぼくはシオン先生に誘われてだよ」
「俺もそうだ。昔助けて貰った恩があるから引き受けた」
キオウ先生にはスルーされるかもしれないと思ったのだが、ちゃんと答えてくれた。
恋バナじゃないから答えやすいのかもしれない。
「ねえ、その話してよ」
「知っているじゃないか……」
先生モードが解けているのか、いつもよりも親し気な二人のやり取りが新鮮だ。
「チハヤ先生は知らないでしょ。聞きたいよね?」
シュロ先生に聞かれたのでこくこくと頷くと、キオウ先生は仕方なさそうに話し始めた。
「冒険者をしながら護衛の依頼を受けていたときに、運悪く強い魔物が率いる群れに遭遇してしまって死にかけた。そのとき、たまたま通りがかったシオン先生が加勢してくれて生き延びることができたんだ」
「へえ!」
オレは正体を聞いているから強いということは何となく分かるけど、見た目だけなら物腰が柔らかくて『強い』というより『優しそう』だ。
「ちなみに、そのときぼくもいたんだよ」
「え、偶然三人が同時に出会ったってことですか?」
「ううん。ぼくはたまたま、シオン先生と一緒に行動していたときだったんだよね」
「あ、なるほど」
魔物と遭ったのは運が悪いけど、シオン先生とシュロ先生に出会えたと思うと運がよかったのかもしれない。
「薬師なのに誰よりも多く魔物を多く倒していて恐ろしかった」
「え」
「何か言ったー? ちょうど色々試したいものがあったから、ここぞとばかりに使わせて貰っただけだよ」
「魔物が倒れて行く様子を見て、とても楽しそうだった」
「人を変人みたいに言わないでくれる?」
ちょっとサイコパス? なシュロ先生の話も気になるけど、二人の様子の方が気になる。
やっぱり、オレが思っているより気軽に話す間柄のようだ。
キオウ先生も抱いていた印象よりも話しやすそうだし……。
裸で話すとより親しくなれるのかもしれない。
これから毎日このお風呂会をして欲しい。
「うん? 外が騒がしいね」
「?」
突然、シュロ先生とキオウ先生が同時に入り口の方を見た。
オレは何も聞こえなかった。
エルフと獣人は耳がいいのか?
「……生徒が来ているようだな。俺が見てこよう」
キオウ先生はそういうと先にあがっていった。
「ぼくたちも出ようか」
「そうですね」
少ししてからキオウ先生を追って脱衣所に入ると、入り口の方で揉める声がした。
キオウ先生が扉の向こうで対応しているようだ。
「お前たち、全員帰れ」
「いやー、肉食寮の水浴び場が壊れちゃって、ここで入らせてくださいよ」
「お願いしまーす」
「……大人しく帰った方がいいと思うけど」
注意するキオウ先生に口答えしているのはバリーで、ハウルはそれに乗っかり、ロンガンは申し訳なさそうにしている。
「あいつら、チハヤ先生が水浴びするのを見にきたのか?」
シュロ先生が呆れていると、新たな声が聞こえてきた。
「壊れてなんてないからな。すぐに肉食寮に戻れ!」
「チハヤに近づくな。絶対にここを通さないから」
リッカとスノウまで来ているのか、とオレとシュロ先生は思わず顔を見合わせて苦笑いだ。
「チハヤ先生と一緒に入ろうとしてバリーたちと、守ろうとした二人か。みんな馬鹿だねー」
「はは……」
バリーは嫌がらせするつもりでやってきたのだろうか。
シュロ先生の裸を見に来た確率の方が高い気がするが。
とにかく、オレたちは早く服を着ることにした。
シュロ先生に貰った部屋着に身に着ける。
オレは水色、シュロ先生は黄緑で色違いの上下だ。
ちょっと病院服っぽさはあるけれどシンプルでさわやかだし、着心地がよくていい。
脱いだ服もまとめて持つと、オレたちも水浴び場を出た。
「バリー、入りたかったらどうぞ」
「あーあ、シュロ先生もチハヤ先生も出てきちゃったじゃん」
シュロ先生がにこにこしながら話しかけると、バリーは残念そうにつぶやいた。
「あ、お湯を溜めてた? 体温上がって火照った肌と濡れた髪が色っぽいね」
「キモすぎる」
「ぶはっ」
バリーのセクハラおやじのようなセリフに速攻で率直な意見を言うと、シュロ先生がふきだした。
気のせいか、キオウ先生も笑いをこらえているように見える。
バリーは先生たちに笑われておもしろくなさそうな顔をしているが、お前の子分のハウルも後ろでこっそり笑ってるぞ。
「そんなに水浴びしたいなら、明日俺が川に連れて行ってやろう」
「あー……遠慮します。おやすみなさい」
「え!? ちょっと、置いて行くなんてひどいっす! 先生方、おやすみなさい!」
「お騒がせしました!」
先頭をきって逃走するバリーにハウルとトンガンがついて行った。
廊下を走っちゃだめだぞ。
「チハヤ、髪から見ずが垂れているよ」
バリーたちがいなくなって静かになったと思ったら、スッと隣にやってきたリッカがオレの髪に触った。
服の上にぽたぽたと水の雫が落ちる。
急いで出てきたのでちゃんと拭けていなかったようだ。
「触るな。俺が先生を部屋に送っていく、お前は帰ろ」
「それは僕の役目だ。お前が帰れ」
「お前たちも寮に戻って寝ろ」
キオウ先生が容赦なく二人の背中をぐんぐん押して、職員寮から追い出す。
「チハヤ!」
「先生!」
二人がオレに助けを求めているが、「守ってくれてありがとな、おやすみー」と手を振っておいた。
さすがに裸のときにバリーにちょっかいだされると困ったことになりそうだから助かったよ。
キオウ先生に追い出されながらも、お礼を言われて嬉しそうだった二人を見てちょっと可愛いと思ってしまった。
「ほだされてしまいそうな自分がちょっと怖いなあ」
それからシュロ先生たちとも別れ、自分の部屋に戻った。
机の上の鉢植えを見ると、双葉が少し大きくなっていた。
「お、この短時間で成長した?」
たまごちゃんの方は、『見た目の変化はないな』と見ていたら……。
——ゴトン
「おうっ、動いた」
しばらく見ていたら動きは止まったが、鉢植えもたまごちゃんも変化を見せている。
なんだか落ち着かない印象だ。
明日になったら、もっと変化があるかもしれない。
「またスキルをかけておくか」
『いたいのいたいの とんでいけ』と『みんなの いたいのいたいの とんでいけ』、そして『大きくなあれ 大きくなあれ』のフルセットをかけたあと、オレはベッドに入った。
※
翌朝。
——ズシン
「!?」
オレは頭を揺さぶられたような、大きな振動を感じて飛び起きた。
地震か!? と思ったのだが……部屋を見たらその気配はない。
でも、地震だったのなら、たまごちゃんが割れているかもしれない。
慌ててベッドを出て、机の上を確認したら……。
「え!?」
たまごちゃんに上から大きなヒビが入っていた。
これだけ大きなヒビだと近々割れそうだ。
本当に地震があった? それとも、普通に孵っているだけ!?
「チハヤ先生!」
混乱していると、ドアをノックする音とシュロ先生の声がした。
ちょうどいいところに……!
すぐに鍵を開けて招き入れると、真剣な顔のシュロ先生が聞いてきた。
「今の感じた!? 塔が出現したみたいだね」
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しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
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見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
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