1 / 47
1
しおりを挟む
まさか自分がこんなところに来るとは思わなかった。
でも、彼氏に浮気されてズタボロになった俺は夜も眠れなくなり、食も細くなった。
そう、俺、八神 春は今、精神科の前に佇んでいた。
予約は二週間前に取った。
どうやら人気のある病院の様で二週間先じゃなきゃ予約が取れなかったのだ。病院に入って、まずは受付で問診票を書かされる。
症状などを書くのみで、受診する理由を書く欄がなかったのが救いだった。
まさか男の俺が男に浮気されて捨てられたなんて、受付の綺麗なお姉さんにはとても見せたくない理由だったから。
ロビーには老若男女様々な人間がいた。
みんな、心に何か抱えているのだろうと思うと少しだけ救われる思いだった。自分だけが悩んでいるんじゃない、そう思わせてくれたから。
やがて診察室から「八神さん、どうぞ」と看護師に呼ばれて俺は診察室に入った。
先生は30代後半くらいの髪を少し茶色に染めた切れ長の瞳の、ともすれば冷たく感じられる外見をしていた。
きっとモテるんだろうな、と思わせる色香を漂わせている。
俺は手に汗をかいているのがわかった。
これから俺がする話は、きっとドン引きされてしまうだろうから。
でも、彼氏に浮気されてズタボロになった俺は夜も眠れなくなり、食も細くなった。
そう、俺、八神 春は今、精神科の前に佇んでいた。
予約は二週間前に取った。
どうやら人気のある病院の様で二週間先じゃなきゃ予約が取れなかったのだ。病院に入って、まずは受付で問診票を書かされる。
症状などを書くのみで、受診する理由を書く欄がなかったのが救いだった。
まさか男の俺が男に浮気されて捨てられたなんて、受付の綺麗なお姉さんにはとても見せたくない理由だったから。
ロビーには老若男女様々な人間がいた。
みんな、心に何か抱えているのだろうと思うと少しだけ救われる思いだった。自分だけが悩んでいるんじゃない、そう思わせてくれたから。
やがて診察室から「八神さん、どうぞ」と看護師に呼ばれて俺は診察室に入った。
先生は30代後半くらいの髪を少し茶色に染めた切れ長の瞳の、ともすれば冷たく感じられる外見をしていた。
きっとモテるんだろうな、と思わせる色香を漂わせている。
俺は手に汗をかいているのがわかった。
これから俺がする話は、きっとドン引きされてしまうだろうから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる