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 その言葉に俺は顔が真っ赤になる。
   純粋に治療されていただけなのに浅ましく反応してしまうなんて。あまりにも恥ずかしすぎる。

「やだ、時雨さん……見ないで……」

「楽にしてあげる」

 時雨さんが屹立している俺の昂りをそっと握り締めて。
 節くれだった指でゆるゆるゆるゆる扱いていく。

「ぁっ、んぅ、しぐ、れさ……んっ」

    時雨さんに抱きつけない腕が、襲い来る快楽の波に飲まれまいとするように、指が白くなるほど必死でシーツをぎゅっと握って。

 すぐに先走りの液がこぼれてチュクチュクと音を立てる。
 俺はその恥ずかしさに顔を見られたくなくて、シーツを握りしめている方とは逆の腕で顔を隠した。

 すると時雨さんがその腕を解いて口付けてくる。
 舌を絡め取られながら扱かれ続け「んっ、ふ、ぅ」と口付けの合間から絶えず声が漏れる。次第に呼吸が苦しくなって時雨さんの胸を押すと、そっと口付けが解かれた。

「しぐ、れさ……イッちゃう……ぁっん」

「出していいよ」

    優しく囁かれて、吐精を促される様に上下する指の速度が増し、細いのに硬く節ばった指が鈴口を刺激すると俺はいとも簡単に陥落する。

 ビクビクッと腰を震わせて。

「ぁっ、出る……時雨さ……あぁっ、めっ、だめっ」
 
 叫ぶ様に声をこぼしながら震える肉竿から精が吐き出される。
 時雨さんが手の平に出された俺の白濁をペロリと舐めると、ティッシュを持ってきて昂りを拭ってくれた。そのままスウェットと下着を履かせられてぎゅっと抱きしめられる。

「ごめんね?」

 まだ肩で息をしている俺は何故謝られたのかわからなかった。

「な、んで?」

「一人で行かせてごめんね?」

 時雨さんが俺を抱きしめる腕に力を込めて。
 俺が悪いのに……何で時雨さんが謝るの?
 そう思ったら涙が止まらなかった。

「時雨さん……は?」

   時雨さんの下腹部を見ると微かに隆起しているのがわかって。俺はそっと手を伸ばそうとしたけれど、その手首を時雨さんが握って制した。

「僕はいいから。ゆっくりお休み」

   どこまでも優しい時雨さんの言葉に俺の頬に再び涙が伝って、時雨さんがそれを指で拭ってくれた。

   傷つけられた心なんて、身体なんて、全部時雨さんが癒してくれるんだ。だから俺はもう何も怖くなんかない。
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