俺の専属精神科医の治療法は身体!?

ちろる

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 朝、目覚めたら時雨さんにぎゅっと抱きしめられていた。
 まだ身体が怠くて、熱が取れていないんだなと思う。

 時雨さんが目を閉じて眠っていたので唇に指でそっと触れて、額に口付けてみた。すると時雨さんが目をパチッと開けて、俺の額に触った。

「まだ熱があるね。今日もゆっくり寝ているんだよ?」

「時雨さん、狸寝入りしてたんですか……?」

    俺は途端に恥ずかしくなって赤くなった顔を見られたくなくて時雨さんの胸に顔をうずめた。

「寝たふりしてたら何かしてくれるかな?   と思って」

 クスクス笑いながらベッドから降りた時雨さんが、またキッチンでお粥を作ってくれているのがわかった。やがてお茶碗とレンゲを持って来た時雨さんがベッドの傍に片膝をついて。

「はい、口開けて?」

 そう言うとフーフーしたお粥を俺の口内に放り込んだ。
 お粥を食べ終わると風邪薬を飲まされてベッドに横たえられ布団を被せられる。

 時雨さんが出勤する為の支度をしているのがわかって。
 俺はこんなこと言っちゃいけないんだとわかっていたけれど。

「時雨さん」と呼びかけてしまった。

「春、どうしたの?」

 ベッドに近付いてきてくれた時雨さんのセーターの袖口に手を伸ばし、ぎゅっと引っ張った。

「行かないで、時雨さん」

「春……」

 時雨さんが俺の額にフッと口付けを落とした。

「寂しいです」

「ちょっと待っててくれる?」

 そう言った時雨さんがスマートフォンでどこかへ電話をしている。
 電話を切るとまた俺の元へ戻って来た。

「時雨さん……?」

「今、院長に電話して体調不良でお昼までにしてもらったから、その間だけ待てる?」

 俺の瞳から涙が伝った。
 時雨さん、甘やかしすぎだよ。
 でもそれが、こんなにも嬉しいだなんて。
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