上 下
47 / 47

47

しおりを挟む
 情交の後のまどろみの中、俺は時雨さんの温かい胸にぎゅっと抱き着いた。時雨さんが腕枕してくれている腕で肩を抱いてくれる。

「春?」

「お菓子、貰ってきてもいいけど、俺だけを見ててね? 時雨さん」

 その言葉に時雨さんがフッと笑った。
 俺の髪をサラサラと梳くように撫でる。

「僕は春しか見てないつもりだけど?」

「つもりじゃだめです!」

 頬を膨らませると、時雨さんがクスクス笑った。

「春しか見てないよ?」

「俺も時雨さんしか見てませんよ?」

 俺は時雨さんの胸の突起を指でぐるぐる弄った。
 時雨さんがそれを面白そうに見つめている。

「春、もしかして、もう一回したい?」

 時雨さんが俺の額にそっと口付ける。

「うん……もう一回」

「いつも春に無理させちゃうから一回で我慢してるけど、そんなこと言われたら僕、際限なく求めちゃうよ? 身体はまだまだ若いつもりだから」

 その言葉に俺の顔が真っ赤に染まる。
 自分で煽ったくせに、やっぱり時雨さんには適わない。

「何度でもして? 時雨さん」

 時雨さんが俺のこと治してくれたんだよ。
 救ってくれたんだよ。

 ねぇ、時雨さん、俺、今すごく幸せだよ。

                           - END -
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私のバラ色ではない人生

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:104,834pt お気に入り:5,052

【R18】お飾り妻は諦める~旦那様、貴方を想うのはもうやめます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,008pt お気に入り:461

処理中です...