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1章 降り立った地
1話 スキル決め
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とりあえず、ステータスを割り振るか……いや、先にスキルを選んで、それに沿ったステータスにするか。
そう思い、物理攻撃欄のアクティブスキルの欄をタップする。すると、もっと細かくカテゴリーされたスキル一覧が表示された。
さて、どれにしようか。人間、選択肢があり過ぎると困るものだな。どれにしようか迷ってしまう。適当に読み流しながらスクロールしていた俺は、ふとあるスキルの所で手を止めた。そのスキルとは、【刀術】。説明には『刀型の武器を扱う技術。レベルが上がることによって、使用出来る技の精度や数、威力や扱える刀等が増える。また、【刀術】を扱うには、流派を1つ以上取得していないといけない』と書いてある。名前まんまの説明だな。だが、これは意外と使えそうだ。何より、刀を使ってみたい。何故ならカッコイイから。異論は認めん。という訳で、【刀術 Lv.1】を100SPで取得した。
取得すると、『【刀術 Lv.1】を入手した事により、刀術流派《無月妖真流》を入手しました』という画面が出てきた。いちいちゲーム臭い。それにしても、流派は【刀術】を取得したらランダムで獲得出来るのか。後でSPを使って流派を取得しなければと考えていたので、願ったり叶ったりである。
あと、スキルレベルを2にするにはSPがさらに50いるようなので、他のスキルやアイテムを見て上げるか決めよう。残りSPは2900となった。
それと……あと、魔法は使ってみたいな。折角の異世界だ。生きるのも大事だが、ロマンも求めたい。それに、【刀術】は近接戦闘用スキル。1人で放り出される可能性が高いので、どこに転移させられるか分からない今、遠距離用の攻撃手段も取っておいた方が良いだろう。そう思い、魔法スキルの欄を開く。
ん、魔術と魔法で別れているな。違いを見てみるとどうやら、魔術はMP消費量は少ないが魔術式を組み込む為に【魔力操作】のLvが3以上必要、魔法はMP消費量は多いが【魔力操作】のLvも1あればいいということらしい。威力は同等。ただ、術の展開方法が違うので、魔術耐性は魔法に、魔法耐性は魔術に対する耐性は無いらしい。ちなみに【魔力操作】を取得する為のSPは250。Lvを3にするならそこから50、100を足して400必要らしい。いや、高過ぎだろ。しかも【魔法】と【魔術】を覚える為には1種の属性を取得するだけでもそれぞれ100SPも必要だという。特に、時空魔法等のレアそうなもののは、取得するだけでも2000SPくらい必要なのに、使用条件が全属性魔法や魔術を習得しなければならないらしい……。まあそれはともかく。
【魔法】と【魔術】、どちらを取るか。単純にSPを考えると【魔法】の方がいい。だが、後々楽なのはMP消費量が少ない【魔術】の方だろう。
ちなみに、【魔力消費軽減】というスキルもあって、MP消費量を抑えることも出来るようだが、このスキルの必要SPは150。レベルを2にするなら50、3だとそれプラス50とSPのコストは【魔力操作】とそう変わらないのである。
これはもう、当人のセンスで変わるだろうな。俺はどちらかと言うとMP消費量を抑えたいので【火属性魔術 Lv.1】【雷属性魔術 Lv.1】を取得した。別に、魔術という言葉がカッコイイからとかいう理由ではない。ないったら無い。2属性取得したのは、単純に手数が多い方がいいと言う理由。
それと、この2つの魔術スキルを扱う為には【魔力操作 Lv.3】が必要なのでこれも取得した。残りSPは2200。さらに思わぬ幸運か、2種類の属性魔術スキルを取得した事によって【魔術耐性 Lv.1】も取得できた。なんとまあ有難い。出来れば、【魔力消費軽減】も欲しいが、残りSPが少し心配なので、後で余ったら取得するとしよう。
さて、これで近距離、遠距離どちらの攻撃方法も取得した訳だが……と、ふと思い出した。スキルがあるという事は、かの有名な奪う系スキルがあるのでは!?早速。ありそうなカテゴリーを探してみる。すると、ものの数分で見つけることができた。
【強奪】『他者からスキルを奪う事が出来る。但し、その対象はスキル保持者よりもレベルが同じかそれ以下の者のみ。成功確率は15%で、使用するには【解析 Lv.5】以上必要』
あ、ダメだわこのスキル。解析が5Lvも必要な上に必要SPは1500と来た。これは取得しない方がいいな。だがまあ、【解析】は取っておきたい。必要SPも取得するだけなら100で済む上に、ある程度は使える。+100してLvを2にすれば、もう少し詳しくわかる。そう考え、俺は【解析 Lv.2】を取得した。
考えが逸れた。耐性系スキルを見るとしよう。耐性系スキル一覧を見る。色々あるな。魔法と魔術の耐性スキルは属性で分けられてない。しかし、精神攻撃耐性や状態異常耐性系は細分化されているようだ。この名でも良くお世話になりそうなスキルはどれだろうか。【魔術耐性】はもう取得してあるから、【魔法耐性】を手に入れておくか。必要SPは100。平均的なコストである。特に持っておいて不便な事は無いので取得する。あと1つ、何か状態異常かもしくは精神異常に対する耐性が欲しいな。毒……は喰らわなければいいし、火は……そこまで必要じゃない。他の状態異常もそんな感じだ。
精神系の耐性スキルを入手するか。お、これなんかいいな。【精神耐性】。必要SPは例の如く100。精神攻撃に対する耐性らしい。
耐性スキルまで取ったところで残りSPを見てみると、残りSPは1800。制限時間はあと【2:12:09】。まだまだ時間はある。
次は防御系、もしくは回避系のスキルだな。俺は、取得するなら回避系、隠れる系のスキルの方がいいと思っている。別に防御系を取って、正統派に戦ってもいいが俺の性に合わん。それに、思わぬ強敵に出くわした時、いくら防御力が高くても一撃が重過ぎて即死するかもしれない。それよりかは、速度上昇系のスキルや隠密系のスキルを取って、強敵に見つからない、見つかっても攻撃を避けることに専念すれば生存確率も少しは高くなるだろう。
というわけで、回避系スキルを物色する。と言っても、取得できるものはあまり多くは無いのだが。
回避系とは少し違うが、【隠密】というスキルを見つけた。説明は『発動時、他者に見つかりにくくなる。また、気配も薄くなるので、【気配察知】などにも察知されにくくなる。使用するには、AGL60以上必要』必要SPは200。少し高めだが、なんとかなる範囲だ。俺は、AGLを60にし、このスキルを取得した。他の回避系スキルと組合わせれば、より生存率が上がるだろう。
出来れば【気配察知】も欲しいが……SPは200か。隠密と同じ……。どうしよう。まあ、そこまで優先順位は高くないので、【魔力消費軽減】同様、余ったらでいいか。
他は……【瞬速】を取得しよう。このスキルは瞬間的に速度が上昇する能力のスキルで、必要SPは100。隠密と合わせれば、ある程度の逃走手段は確保出来るだろう。というわけで、取得する。
これで、入手したスキルは10、残りSPは1500だ。意外と多くのスキルを入手出来たな。その代わり、全部Lvが低いが。
「あ、アイテムボックス見つけた」
誰かが呟く声が聞こえた。それを聞いたであろう人達は血眼になって半透明の画面をスクロールし始めた。恐らくはアイテムボックススキルを探しているのだろう。かく言う俺もその1人である。
完全に【アイテムボックス】を失念していた。あれば確かに便利である。何故忘れていたのか。自分を責め立てながら必死に探す。
あったあった、見つけた!
スキル一覧の『オプション』カテゴリーに【アイテムボックス】の文字が記載されているのを発見した。しかし。
【アイテムボックス】『3種類のものを100個まで収納することができるスキル。Lvを上げることによって、さらに収納できる種類、個数を増やす事ができる。収納魔法、収納魔術と違い、ノーコストで使用可能。必要SPは1600』
くっそぉぉおぉおおおお!!あと100SP足らない!なんで1600にした1500の方がキリがいいだろ1500にしろよ取得出来ねえじゃねぇかぁぁぁああああ!!
スキルをギリギリで取得出来ないと知った俺は思わず心の中で絶叫してしまう。
これがあればとても便利な上に最強だろうと思ったのだが……しかたn……しか……うん、仕方ない……な。あー、惜しすぎる。
だが、嘆いていても何も変わらない以上、諦めなければならない。そう思い、未練がましく何とも無しに【アイテムボックス】を見ながら少し上ににスクロールしなおす。
うむ……特にめぼしいものは無いな。アイテムボックス欲しかったけど。
スクロールを続けていると、『言語』と書かれたカテゴリーを見つける。
これを取っていなければ、その言語を書く事はおろか、読む事も聞くことも、話す事も出来ないという。危ねぇ……。タダで入手出来るわけではないのか。とも思ったが、冷静に考えればそんなお都合展開、現実である筈が無いのだ。というわけで、『言語』スキルの中で必要なのはどれか、見てみる。
【共通語】【アラネイラ語】【エランデスト語】【エルフ語】【ドワーフ語】etc.....
数多くの言語スキルがある。【共通語】は、現在最も使用されている言語の事らしく、エルフやドワーフ等の亜人種も使う事が出来るらしい。アラネイラ語や、エランデスト語等は、人類種の国それぞれの言語。エルフ語やドワーフ語などは単純にそれぞれの亜人種の言語だろう。
この中で取っておくべきスキルはどう考えても【共通語】スキルだろう。
必要SPは50。俺は、このスキルのLv3を取得した。理由は、3ないと困るから。それに関しては説明に次のように書いてある。
『Lv1の時、聞き取る事が出来る。Lv2では、話す事ができるようになる。Lv3では、読む事が出来るようになる。Lv4では、書く事が出来るようになる』
と書いてある。つまり、書く事はいいとして、読む事までは出来るようになっていた方がいい。いや、スキルレベルをあげた時のコストは低いし、4まで上げておくか。そう思いなおし、4に上げる。
「あ、【思考加速】見つけた」
なに!思考加速だと!?どうしても欲しかったスキルの内の1つじゃないか!なんで忘れていたんだろうか。
というか、さっきから忘れていた物の情報が耳に入ってくるな。これがご都合展開と言うやつだろうか?まあそれはともかく。
直ぐに【思考加速】がありそうなカテゴリーを探す。……うーん、見つからないな。何分探しただろうか。結構探し続け、やっと見つけた。あった場所は『精神系』カテゴリー。いやぁ、探した探した。だと言うのに、結局見つけたのは上の方だったのはショックだった。
【思考加速】『思考の回転速度を1.5倍する。これは、Lvに比例する。必要SPは300』
直ぐに取得する。これがあればある程度の思考猶予はある。絶対に取っておくべきだ。
さて、残りSPは1000。結構余ったな。これなら、アイテムを入手しても【魔力消費軽減】や【気配察知】を取得出来そうだ。
という事で、アイテム欄を開く。これもまた数多くのジャンルとカテゴリーに分類されているな。俺が欲しいのは【刀術】の為の刀なので、武器ジャンルの刀カテゴリーを開く。ずらりと刀の名前がアイテムの写真(?)と共に並んでいる。消費SPは50から1万までピンキリだ。
出来れば、リュックか鞄が欲しいし、スキルレベルも何個か上げたい。鞄とかは大体100SPもあれば足りるだろうか。スキルには500ほど使いたい。なので、使えるのは400……いや、300ぐらいまでだな。
消費SP300台の刀を探す……が。どれもステータス値が条件以上じゃないと使用出来ないようである。中には、スキルまで条件に入っているものもある。
むう、先にステータスを決定しないとダメか。
そう思い、物理攻撃欄のアクティブスキルの欄をタップする。すると、もっと細かくカテゴリーされたスキル一覧が表示された。
さて、どれにしようか。人間、選択肢があり過ぎると困るものだな。どれにしようか迷ってしまう。適当に読み流しながらスクロールしていた俺は、ふとあるスキルの所で手を止めた。そのスキルとは、【刀術】。説明には『刀型の武器を扱う技術。レベルが上がることによって、使用出来る技の精度や数、威力や扱える刀等が増える。また、【刀術】を扱うには、流派を1つ以上取得していないといけない』と書いてある。名前まんまの説明だな。だが、これは意外と使えそうだ。何より、刀を使ってみたい。何故ならカッコイイから。異論は認めん。という訳で、【刀術 Lv.1】を100SPで取得した。
取得すると、『【刀術 Lv.1】を入手した事により、刀術流派《無月妖真流》を入手しました』という画面が出てきた。いちいちゲーム臭い。それにしても、流派は【刀術】を取得したらランダムで獲得出来るのか。後でSPを使って流派を取得しなければと考えていたので、願ったり叶ったりである。
あと、スキルレベルを2にするにはSPがさらに50いるようなので、他のスキルやアイテムを見て上げるか決めよう。残りSPは2900となった。
それと……あと、魔法は使ってみたいな。折角の異世界だ。生きるのも大事だが、ロマンも求めたい。それに、【刀術】は近接戦闘用スキル。1人で放り出される可能性が高いので、どこに転移させられるか分からない今、遠距離用の攻撃手段も取っておいた方が良いだろう。そう思い、魔法スキルの欄を開く。
ん、魔術と魔法で別れているな。違いを見てみるとどうやら、魔術はMP消費量は少ないが魔術式を組み込む為に【魔力操作】のLvが3以上必要、魔法はMP消費量は多いが【魔力操作】のLvも1あればいいということらしい。威力は同等。ただ、術の展開方法が違うので、魔術耐性は魔法に、魔法耐性は魔術に対する耐性は無いらしい。ちなみに【魔力操作】を取得する為のSPは250。Lvを3にするならそこから50、100を足して400必要らしい。いや、高過ぎだろ。しかも【魔法】と【魔術】を覚える為には1種の属性を取得するだけでもそれぞれ100SPも必要だという。特に、時空魔法等のレアそうなもののは、取得するだけでも2000SPくらい必要なのに、使用条件が全属性魔法や魔術を習得しなければならないらしい……。まあそれはともかく。
【魔法】と【魔術】、どちらを取るか。単純にSPを考えると【魔法】の方がいい。だが、後々楽なのはMP消費量が少ない【魔術】の方だろう。
ちなみに、【魔力消費軽減】というスキルもあって、MP消費量を抑えることも出来るようだが、このスキルの必要SPは150。レベルを2にするなら50、3だとそれプラス50とSPのコストは【魔力操作】とそう変わらないのである。
これはもう、当人のセンスで変わるだろうな。俺はどちらかと言うとMP消費量を抑えたいので【火属性魔術 Lv.1】【雷属性魔術 Lv.1】を取得した。別に、魔術という言葉がカッコイイからとかいう理由ではない。ないったら無い。2属性取得したのは、単純に手数が多い方がいいと言う理由。
それと、この2つの魔術スキルを扱う為には【魔力操作 Lv.3】が必要なのでこれも取得した。残りSPは2200。さらに思わぬ幸運か、2種類の属性魔術スキルを取得した事によって【魔術耐性 Lv.1】も取得できた。なんとまあ有難い。出来れば、【魔力消費軽減】も欲しいが、残りSPが少し心配なので、後で余ったら取得するとしよう。
さて、これで近距離、遠距離どちらの攻撃方法も取得した訳だが……と、ふと思い出した。スキルがあるという事は、かの有名な奪う系スキルがあるのでは!?早速。ありそうなカテゴリーを探してみる。すると、ものの数分で見つけることができた。
【強奪】『他者からスキルを奪う事が出来る。但し、その対象はスキル保持者よりもレベルが同じかそれ以下の者のみ。成功確率は15%で、使用するには【解析 Lv.5】以上必要』
あ、ダメだわこのスキル。解析が5Lvも必要な上に必要SPは1500と来た。これは取得しない方がいいな。だがまあ、【解析】は取っておきたい。必要SPも取得するだけなら100で済む上に、ある程度は使える。+100してLvを2にすれば、もう少し詳しくわかる。そう考え、俺は【解析 Lv.2】を取得した。
考えが逸れた。耐性系スキルを見るとしよう。耐性系スキル一覧を見る。色々あるな。魔法と魔術の耐性スキルは属性で分けられてない。しかし、精神攻撃耐性や状態異常耐性系は細分化されているようだ。この名でも良くお世話になりそうなスキルはどれだろうか。【魔術耐性】はもう取得してあるから、【魔法耐性】を手に入れておくか。必要SPは100。平均的なコストである。特に持っておいて不便な事は無いので取得する。あと1つ、何か状態異常かもしくは精神異常に対する耐性が欲しいな。毒……は喰らわなければいいし、火は……そこまで必要じゃない。他の状態異常もそんな感じだ。
精神系の耐性スキルを入手するか。お、これなんかいいな。【精神耐性】。必要SPは例の如く100。精神攻撃に対する耐性らしい。
耐性スキルまで取ったところで残りSPを見てみると、残りSPは1800。制限時間はあと【2:12:09】。まだまだ時間はある。
次は防御系、もしくは回避系のスキルだな。俺は、取得するなら回避系、隠れる系のスキルの方がいいと思っている。別に防御系を取って、正統派に戦ってもいいが俺の性に合わん。それに、思わぬ強敵に出くわした時、いくら防御力が高くても一撃が重過ぎて即死するかもしれない。それよりかは、速度上昇系のスキルや隠密系のスキルを取って、強敵に見つからない、見つかっても攻撃を避けることに専念すれば生存確率も少しは高くなるだろう。
というわけで、回避系スキルを物色する。と言っても、取得できるものはあまり多くは無いのだが。
回避系とは少し違うが、【隠密】というスキルを見つけた。説明は『発動時、他者に見つかりにくくなる。また、気配も薄くなるので、【気配察知】などにも察知されにくくなる。使用するには、AGL60以上必要』必要SPは200。少し高めだが、なんとかなる範囲だ。俺は、AGLを60にし、このスキルを取得した。他の回避系スキルと組合わせれば、より生存率が上がるだろう。
出来れば【気配察知】も欲しいが……SPは200か。隠密と同じ……。どうしよう。まあ、そこまで優先順位は高くないので、【魔力消費軽減】同様、余ったらでいいか。
他は……【瞬速】を取得しよう。このスキルは瞬間的に速度が上昇する能力のスキルで、必要SPは100。隠密と合わせれば、ある程度の逃走手段は確保出来るだろう。というわけで、取得する。
これで、入手したスキルは10、残りSPは1500だ。意外と多くのスキルを入手出来たな。その代わり、全部Lvが低いが。
「あ、アイテムボックス見つけた」
誰かが呟く声が聞こえた。それを聞いたであろう人達は血眼になって半透明の画面をスクロールし始めた。恐らくはアイテムボックススキルを探しているのだろう。かく言う俺もその1人である。
完全に【アイテムボックス】を失念していた。あれば確かに便利である。何故忘れていたのか。自分を責め立てながら必死に探す。
あったあった、見つけた!
スキル一覧の『オプション』カテゴリーに【アイテムボックス】の文字が記載されているのを発見した。しかし。
【アイテムボックス】『3種類のものを100個まで収納することができるスキル。Lvを上げることによって、さらに収納できる種類、個数を増やす事ができる。収納魔法、収納魔術と違い、ノーコストで使用可能。必要SPは1600』
くっそぉぉおぉおおおお!!あと100SP足らない!なんで1600にした1500の方がキリがいいだろ1500にしろよ取得出来ねえじゃねぇかぁぁぁああああ!!
スキルをギリギリで取得出来ないと知った俺は思わず心の中で絶叫してしまう。
これがあればとても便利な上に最強だろうと思ったのだが……しかたn……しか……うん、仕方ない……な。あー、惜しすぎる。
だが、嘆いていても何も変わらない以上、諦めなければならない。そう思い、未練がましく何とも無しに【アイテムボックス】を見ながら少し上ににスクロールしなおす。
うむ……特にめぼしいものは無いな。アイテムボックス欲しかったけど。
スクロールを続けていると、『言語』と書かれたカテゴリーを見つける。
これを取っていなければ、その言語を書く事はおろか、読む事も聞くことも、話す事も出来ないという。危ねぇ……。タダで入手出来るわけではないのか。とも思ったが、冷静に考えればそんなお都合展開、現実である筈が無いのだ。というわけで、『言語』スキルの中で必要なのはどれか、見てみる。
【共通語】【アラネイラ語】【エランデスト語】【エルフ語】【ドワーフ語】etc.....
数多くの言語スキルがある。【共通語】は、現在最も使用されている言語の事らしく、エルフやドワーフ等の亜人種も使う事が出来るらしい。アラネイラ語や、エランデスト語等は、人類種の国それぞれの言語。エルフ語やドワーフ語などは単純にそれぞれの亜人種の言語だろう。
この中で取っておくべきスキルはどう考えても【共通語】スキルだろう。
必要SPは50。俺は、このスキルのLv3を取得した。理由は、3ないと困るから。それに関しては説明に次のように書いてある。
『Lv1の時、聞き取る事が出来る。Lv2では、話す事ができるようになる。Lv3では、読む事が出来るようになる。Lv4では、書く事が出来るようになる』
と書いてある。つまり、書く事はいいとして、読む事までは出来るようになっていた方がいい。いや、スキルレベルをあげた時のコストは低いし、4まで上げておくか。そう思いなおし、4に上げる。
「あ、【思考加速】見つけた」
なに!思考加速だと!?どうしても欲しかったスキルの内の1つじゃないか!なんで忘れていたんだろうか。
というか、さっきから忘れていた物の情報が耳に入ってくるな。これがご都合展開と言うやつだろうか?まあそれはともかく。
直ぐに【思考加速】がありそうなカテゴリーを探す。……うーん、見つからないな。何分探しただろうか。結構探し続け、やっと見つけた。あった場所は『精神系』カテゴリー。いやぁ、探した探した。だと言うのに、結局見つけたのは上の方だったのはショックだった。
【思考加速】『思考の回転速度を1.5倍する。これは、Lvに比例する。必要SPは300』
直ぐに取得する。これがあればある程度の思考猶予はある。絶対に取っておくべきだ。
さて、残りSPは1000。結構余ったな。これなら、アイテムを入手しても【魔力消費軽減】や【気配察知】を取得出来そうだ。
という事で、アイテム欄を開く。これもまた数多くのジャンルとカテゴリーに分類されているな。俺が欲しいのは【刀術】の為の刀なので、武器ジャンルの刀カテゴリーを開く。ずらりと刀の名前がアイテムの写真(?)と共に並んでいる。消費SPは50から1万までピンキリだ。
出来れば、リュックか鞄が欲しいし、スキルレベルも何個か上げたい。鞄とかは大体100SPもあれば足りるだろうか。スキルには500ほど使いたい。なので、使えるのは400……いや、300ぐらいまでだな。
消費SP300台の刀を探す……が。どれもステータス値が条件以上じゃないと使用出来ないようである。中には、スキルまで条件に入っているものもある。
むう、先にステータスを決定しないとダメか。
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