7 / 18
7.次の日
しおりを挟む
次の日。
「お嬢様、荷物が届いていますわ」
「え、私あてですの?」
「はい」
従女が私の部屋にきて、そう告げてきましたわ。
傷物令嬢の私に荷物だなんて、一体どういうことでしょうか。
それに誰が送ってきたのでしょうか。
疑問がつきませんわ。
「とりあえず、その荷物をこちらに持てきてくださる?」
「はい」
従女に指示し、少し待っていると──
「よいしょ!」
「ほら、そこ!! 扉に擦れていますよ」
「あ、ごめんなさい!!」
5人の従女が、巨大な箱を持ってきましたわ。
人であれば5人くらいは軽々と入れそうなほど、巨大な箱。
そんな物が床に擦れ、扉に擦れ。
私の部屋に運ばれようとしていました。
「ちょ、ちょっとお待ちください!!」
「? どうかしましたか?」
「どうかしましたか……じゃないですわ!!」
「???」
なんでみんな、頭にハテナを浮かべていますの!!
こんなに巨大な箱が私の元に運ばれているのですから、少しは不信感を抱きなさい!!
そんな言葉を散らしていると、従女の1人がクスッと笑い出しましたわ。
「何がおかしいんですの?」
「そうですね、お嬢様。送り主を確認してもらえれば、私たちが違和感や不信感を抱かずにこの箱を運んだ理由がわかりますよ?」
「???」
今度は私が頭にハテナを浮かべますわ。
「それは一体……?」
「とりあえず、部屋に運びますね」
「あーッ!! 擦れていますわ!!」
私のお気に入りカーペットや扉。
その他もろもろを粉砕し、巨大な箱が私の部屋に入ってきました。
「あ、ああ。わ、私の部屋がズタボロに……」
「お嬢さま、きっと中身を確認していただければ、その怒りも冷めますわ」
「まったく、本当ですのね……?」
半信半疑のまま、送り主を確認いたしますわ。
「えっと……『ユヴィリティ・ファレト・グリーンズ』……って第一王子じゃありませんか!!」
この巨大な箱は、第一王子の贈り物ということになりますわ。
昨日婚約を申し出てくれたのに、こんな邪魔な箱を送ってくるだなんて……本当は昨日の熱烈な求婚は嘘だったてことですの……?
「悲しかったり、イラついたり……感情の波が激しいですわ……」
「お嬢様、中身を確認してください」
「……どうせ、ムカデやクモがビッシリと詰まっているんですわ。私への嫌がらせですもの、そうに決まっていますわ」
といいつつ、私は箱を開きます。
一縷の期待にかけて。
そして、箱が開かれた時、そこにあったのは──
「まぁ──綺麗ですわね」
そこにあったのは、箱いっぱいのギン花。
純白の花びらが並ぶ景色は、銀世界のようだということからついたお花ですけれど……。
「たしかに、綺麗ではありますわ。私もギン花は好きですし」
けれど。
「さすがに……これだけを送ってくるのは、少々鬱陶しいですわね」
部屋が壊れるほど大量に送ってきた花。
私も女ですから、殿方からのプレゼントは素直に嬉しいですわ。
ですけれど、さすがにここまでは必要ないですわ。
もっと常識の範囲内で、プレゼントして欲しかったですわ。
「明日……ちょっとクレームを入れてきましょうか」
青筋を立て、私は怒りに震えていましたわ。
「お嬢様、荷物が届いていますわ」
「え、私あてですの?」
「はい」
従女が私の部屋にきて、そう告げてきましたわ。
傷物令嬢の私に荷物だなんて、一体どういうことでしょうか。
それに誰が送ってきたのでしょうか。
疑問がつきませんわ。
「とりあえず、その荷物をこちらに持てきてくださる?」
「はい」
従女に指示し、少し待っていると──
「よいしょ!」
「ほら、そこ!! 扉に擦れていますよ」
「あ、ごめんなさい!!」
5人の従女が、巨大な箱を持ってきましたわ。
人であれば5人くらいは軽々と入れそうなほど、巨大な箱。
そんな物が床に擦れ、扉に擦れ。
私の部屋に運ばれようとしていました。
「ちょ、ちょっとお待ちください!!」
「? どうかしましたか?」
「どうかしましたか……じゃないですわ!!」
「???」
なんでみんな、頭にハテナを浮かべていますの!!
こんなに巨大な箱が私の元に運ばれているのですから、少しは不信感を抱きなさい!!
そんな言葉を散らしていると、従女の1人がクスッと笑い出しましたわ。
「何がおかしいんですの?」
「そうですね、お嬢様。送り主を確認してもらえれば、私たちが違和感や不信感を抱かずにこの箱を運んだ理由がわかりますよ?」
「???」
今度は私が頭にハテナを浮かべますわ。
「それは一体……?」
「とりあえず、部屋に運びますね」
「あーッ!! 擦れていますわ!!」
私のお気に入りカーペットや扉。
その他もろもろを粉砕し、巨大な箱が私の部屋に入ってきました。
「あ、ああ。わ、私の部屋がズタボロに……」
「お嬢さま、きっと中身を確認していただければ、その怒りも冷めますわ」
「まったく、本当ですのね……?」
半信半疑のまま、送り主を確認いたしますわ。
「えっと……『ユヴィリティ・ファレト・グリーンズ』……って第一王子じゃありませんか!!」
この巨大な箱は、第一王子の贈り物ということになりますわ。
昨日婚約を申し出てくれたのに、こんな邪魔な箱を送ってくるだなんて……本当は昨日の熱烈な求婚は嘘だったてことですの……?
「悲しかったり、イラついたり……感情の波が激しいですわ……」
「お嬢様、中身を確認してください」
「……どうせ、ムカデやクモがビッシリと詰まっているんですわ。私への嫌がらせですもの、そうに決まっていますわ」
といいつつ、私は箱を開きます。
一縷の期待にかけて。
そして、箱が開かれた時、そこにあったのは──
「まぁ──綺麗ですわね」
そこにあったのは、箱いっぱいのギン花。
純白の花びらが並ぶ景色は、銀世界のようだということからついたお花ですけれど……。
「たしかに、綺麗ではありますわ。私もギン花は好きですし」
けれど。
「さすがに……これだけを送ってくるのは、少々鬱陶しいですわね」
部屋が壊れるほど大量に送ってきた花。
私も女ですから、殿方からのプレゼントは素直に嬉しいですわ。
ですけれど、さすがにここまでは必要ないですわ。
もっと常識の範囲内で、プレゼントして欲しかったですわ。
「明日……ちょっとクレームを入れてきましょうか」
青筋を立て、私は怒りに震えていましたわ。
105
あなたにおすすめの小説
【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。
五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」
オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。
シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。
ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。
彼女には前世の記憶があった。
(どうなってるのよ?!)
ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。
(貧乏女王に転生するなんて、、、。)
婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。
(ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。)
幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。
最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。
(もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)
幼馴染の親友のために婚約破棄になりました。裏切り者同士お幸せに
hikari
恋愛
侯爵令嬢アントニーナは王太子ジョルジョ7世に婚約破棄される。王太子の新しい婚約相手はなんと幼馴染の親友だった公爵令嬢のマルタだった。
二人は幼い時から王立学校で仲良しだった。アントニーナがいじめられていた時は身を張って守ってくれた。しかし、そんな友情にある日亀裂が入る。
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
異母妹に婚約者の王太子を奪われ追放されました。国の守護龍がついて来てくれました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「モドイド公爵家令嬢シャロン、不敬罪に婚約を破棄し追放刑とする」王太子は冷酷非情に言い放った。モドイド公爵家長女のシャロンは、半妹ジェスナに陥れられた。いや、家族全員に裏切られた。シャロンは先妻ロージーの子供だったが、ロージーはモドイド公爵の愛人だったイザベルに毒殺されていた。本当ならシャロンも殺されている所だったが、王家を乗っ取る心算だったモドイド公爵の手駒、道具として生かされていた。王太子だった第一王子ウイケルの婚約者にジェスナが、第二王子のエドワドにはシャロンが婚約者に選ばれていた。ウイケル王太子が毒殺されなければ、モドイド公爵の思い通りになっていた。だがウイケル王太子が毒殺されてしまった。どうしても王妃に成りたかったジェスナは、身体を張ってエドワドを籠絡し、エドワドにシャロンとの婚約を破棄させ、自分を婚約者に選ばせた。
婚約破棄の夜の余韻~婚約者を奪った妹の高笑いを聞いて姉は旅に出る~
岡暁舟
恋愛
第一王子アンカロンは婚約者である公爵令嬢アンナの妹アリシアを陰で溺愛していた。そして、そのことに気が付いたアンナは二人の関係を糾弾した。
「ばれてしまっては仕方がないですわね?????」
開き直るアリシアの姿を見て、アンナはこれ以上、自分には何もできないことを悟った。そして……何か目的を見つけたアンナはそのまま旅に出るのだった……。
婚約破棄されたので、その場から逃げたら時間が巻き戻ったので聖女はもう間違えない
aihara
恋愛
私は聖女だった…聖女だったはずだった。
「偽聖女マリア!
貴様との婚約を破棄する!!」
目の前の婚約者である第二王子からそう宣言される
あまりの急な出来事にその場から逃げた私、マリア・フリージアだったが…
なぜかいつの間にか懐かしい実家の子爵家にいた…。
婚約破棄された、聖女の力を持つ子爵令嬢はもう間違えない…
【完結】「お前に聖女の資格はない!」→じゃあ隣国で王妃になりますね
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【全7話完結保証!】
聖王国の誇り高き聖女リリエルは、突如として婚約者であるルヴェール王国のルシアン王子から「偽聖女」の烙印を押され追放されてしまう。傷つきながらも母国へ帰ろうとするが、運命のいたずらで隣国エストレア新王国の策士と名高いエリオット王子と出会う。
「僕が君を守る代わりに、その力で僕を助けてほしい」
甘く微笑む彼に導かれ、戸惑いながらも新しい人生を歩み始めたリリエル。けれど、彼女を追い詰めた隣国の陰謀が再び迫り――!?
追放された聖女と策略家の王子が織りなす、甘く切ない逆転ロマンス・ファンタジー。
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる