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緊張の糸
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*昨日投稿の8話(前話)ですが、最終稿ではない原稿を上げるミスがあったため、差し替えを行いました。
内容としては、状況の書き増しをしております。
読者の皆様には申し訳ありませんが、前話の確認をお願いいたします。
**********************
「歴史とかはなんとなくわかりました。ただ、私が聖女をするというのはよくわかりません。私は聖女として呼ばれましたけど、皆さんみたいに魔力?は持ってませんし」
「ああ、それなら別にいいんですよ。こちらの国での聖女の務めは王族の嫁になるということですから」
「え、は、はいぃ?」
い、今王族の嫁になるって言った?
「ああ、そうかその話もしてなかったね。我々魔族は力は強いけど血をつなぐ力が弱いんだ。その点人間は血をつなぐ力は強い。だから聖女を介してあっちに精霊を派遣する代わりにこちらに花嫁になる女性を差し出すんだ。まあ、今回はその必要もなく来ちゃったけどね」
「そういえばあっちはどうなったんですか?私、一応聖女だったし、今の話だとカミオ様が結界を張っているんですよね」
「ああ、もうその結界なら解いてあるぞ」
「ええ!それって結構まずいんじゃないですか」
「うーん、まあいいんじゃない?あっちのおバカさんももう少しお勉強してればこれくらいは分かっただろうにそれも分かんないようなおバカさんだったんだからさ。そのうち滅びる国だろうし、それがちょっと早まっただけだよ」
そうやってニコニコしながらお茶を飲む2人はどこか違う世界の人みたいだった。
「まあ、こちらに色々言って来たらその時はその時でちゃんと説明できるし、大丈夫だよ」
「お前が心配することじゃない」
「はあ、まあそれなら」
なんかまた情報過多で頭がパンクしそうだ。
「今日はここで泊まってもらって、明日魔公国に正式に入国してもらうことにしよう。
一応毒消しはしたけどなんか毒を盛られてるみたいだし、お風呂でも入ってゆっくりしておいで。
ああ、着替えならお風呂場の手前の部屋のクローゼットにあったはずだよ」
「え、もうそんな時間ですか」
「うん、そんな時間。人間はぼくら魔族より体が弱いからね。早く清めて、今日はゆっくり休みな」
時間が経つのが早い。
もうそんな時間なのか。
ていうか今毒盛られてるって言ってた?
なんで?いつ?
「だめだ、疲れて頭働かない」
さっき立ったときに感じた疲労と倦怠感は気のせいにできるものではなかったらしい。
心なしか、熱も少しあるような気がする。
緊張の糸が切れたら一気にガタが来た。
せめてお風呂に入ってからと思ったのに、部屋を出て、着替えを取りにクローゼットの部屋のドアに手をかけた瞬間、私の意識はぷつりと切れた。
内容としては、状況の書き増しをしております。
読者の皆様には申し訳ありませんが、前話の確認をお願いいたします。
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「歴史とかはなんとなくわかりました。ただ、私が聖女をするというのはよくわかりません。私は聖女として呼ばれましたけど、皆さんみたいに魔力?は持ってませんし」
「ああ、それなら別にいいんですよ。こちらの国での聖女の務めは王族の嫁になるということですから」
「え、は、はいぃ?」
い、今王族の嫁になるって言った?
「ああ、そうかその話もしてなかったね。我々魔族は力は強いけど血をつなぐ力が弱いんだ。その点人間は血をつなぐ力は強い。だから聖女を介してあっちに精霊を派遣する代わりにこちらに花嫁になる女性を差し出すんだ。まあ、今回はその必要もなく来ちゃったけどね」
「そういえばあっちはどうなったんですか?私、一応聖女だったし、今の話だとカミオ様が結界を張っているんですよね」
「ああ、もうその結界なら解いてあるぞ」
「ええ!それって結構まずいんじゃないですか」
「うーん、まあいいんじゃない?あっちのおバカさんももう少しお勉強してればこれくらいは分かっただろうにそれも分かんないようなおバカさんだったんだからさ。そのうち滅びる国だろうし、それがちょっと早まっただけだよ」
そうやってニコニコしながらお茶を飲む2人はどこか違う世界の人みたいだった。
「まあ、こちらに色々言って来たらその時はその時でちゃんと説明できるし、大丈夫だよ」
「お前が心配することじゃない」
「はあ、まあそれなら」
なんかまた情報過多で頭がパンクしそうだ。
「今日はここで泊まってもらって、明日魔公国に正式に入国してもらうことにしよう。
一応毒消しはしたけどなんか毒を盛られてるみたいだし、お風呂でも入ってゆっくりしておいで。
ああ、着替えならお風呂場の手前の部屋のクローゼットにあったはずだよ」
「え、もうそんな時間ですか」
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時間が経つのが早い。
もうそんな時間なのか。
ていうか今毒盛られてるって言ってた?
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「だめだ、疲れて頭働かない」
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心なしか、熱も少しあるような気がする。
緊張の糸が切れたら一気にガタが来た。
せめてお風呂に入ってからと思ったのに、部屋を出て、着替えを取りにクローゼットの部屋のドアに手をかけた瞬間、私の意識はぷつりと切れた。
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