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✳︎✳︎✳︎
(だぁー! もう!なんなのよ! むかつく! むかつく! むかつく!うっとうしい! )
ツインテールの髪を振り乱し、手当たり次第に目についたものを投げつけている女性。可憐な容姿とは裏腹に、鬼のような形相を浮かべている。鬼気迫る様相に、本当に聖女であるのかと疑うレベルだ。
「わぁ⁉︎ イ、イリナ、やめてくれ! 危ないだろう! どうしたんだ、イリナ、落ち着くんだ!」
(もう、なんなのよ! なんなのよ! うっとうしい! どうして私がこんな生活をしないといけないのよ! 私は聖女なのよ! どうして王族でもなくなったこんな人と結婚しないといけないのよ! あんたなんか、見た目がいいだけじゃない!
第三王子殿下との婚約話はどうしてなくなったのよ! 王命ってなによ!認めない認めない! 私は聖女なんだから! もう、こっちに来ないで! )
「イ、イリナ、落ち着いてくれ! 僕がこんな姿になったせいで……」
レオナルドは車椅子に手をかけて、哀しげな表情を浮かべている。
(本当にそうよ!全部、全部、あんたのせい! )
「僕がユリアのグラスに毒を入れたせいで……きっと、神の怒りに触れたんだ……すまない……聖女であるイリナが声を失うなんて…全部僕のせいだ。イリナ……」
どんなに物を投げつけられようとも、怯むことなくレオナルドはイリナへ近づくために必死に車輪を回す。
赦しを請うように胡乱な目を向けられて、イリナはふと手を止める。
(そうだわ、あの女……、お姉様はどこに行ったの? あの儀式の後からどうもおかしいわ。 私に夢中だったはずの殿方達からは、手紙さえ届かないし。
巡礼に行かないと援助は打ち切ると国王は脅迫してくるし! あの、おいぼれ達のうるさいことったら、あーむかつわ!
あ、そうだわ! お姉様を探して連れ戻せばいいのよ。 声がでなくなったのもお姉様が何かしたのね? あはは、お姉様てば、嫉妬に狂ったのね? 大丈夫よ、元通りにすればいいんだから。お姉様、レオナルド殿下はお返ししますわ。もう、用無しよ。 私は第三王子殿下と結婚しますわ。
あはは)
「──イリナ? 機嫌が直ったの? 」
(触らないで!)
レオナルドの手を叩き落とし、イリナは不敵な笑みを浮かべて走り去った。
(ぶるぶると悪寒がする。何かしら?)
イリナは誰かの視線を感じて、周囲を見渡した。けれど、誰の姿も見当たらない。
(気のせいかしら? きっと興奮しているのね。うふ、そうだわ、いいことを思いついたわ。私ってば天才。待っていてね、お姉様♡)
✳︎✳︎✳︎
「あのー、どなたかいらっしゃいませんかー? お手紙でーす! こちらにユリア様はいらっしゃいますでしょうかー? あのー?」
バルコニーで、寂しさを紛らわすように読書をしていたユリアは、階下からの声に顔を上げる。
誰かしら?
ここにはだれも訪れることはないとカイルは言っていたけれど、おかしいわね。
不思議に思いながらも、本をテーブルに伏せると、階下へと急ぐ。
扉越しに声をかけると、ユリア宛の手紙を届けにきたという。
扉の下から手紙を差し入れてもらうと、急いで手紙に目を通す。
「ユリア、ここで待っている──カイル」
カイルからの手紙だわ。
歪な文字だけれど、筆跡はカイルだと思う。急いで書いたのかもしれない。
何かあったのかしら?
「あのー、お手紙読まれましたか?」
「きゃっ! あ、あの、この手紙をカイルから預かったのでしょうか? 」
手紙を置いて帰ったと思っていた人物の声に、思わず驚く。
「カイル様とおっしるかは分かりません。名前聞かなかったもので。
ただ、私はこの手紙をユリア様に渡すように頼まれまして、それで、その、ユリア様の案内も頼まれています。代金も、えらく奮発してくれまして、馬車を待たせていますが、どうされますか?」
え……?
扉の穴から、こっそりと外の様子を窺う。
扉の前には素朴な容姿の男性が立っている。
カイルがこんな伝言を頼むかしら?
「あの、あなたに手紙を預けた人の髪色は覚えていますか?」
「髪色ですか? えぇ、はい、銀髪でした。男性なのに思わず見惚れるような色男でした」
カイルだわ!
「あの、この手紙に書いてある場所まで案内お願いできますか?」
「えぇ、はい、もちろんですとも! ささ、早く、お待ちですので、足元に気をつけて、こちらの馬車です」
勢いよく扉を開けて、男性と共に馬車に乗り込んだ。
日差しがまぶしいわ
久しぶりに出かけることになったのに、その相手がカイルではなく見知らぬ人となんて、変な気分。
警戒していたのが申し訳ないくらいだった。呆気なく目的の場所に案内されて、何事もなく別れた。
「カイル?」
案内された場所は大きな広場だった。
色とりどりの花が綺麗に咲いており、デートを楽しんでいる人達もいる。
何度か呼びかけてはみたものの、カイルの姿は見当たらない。
あれは!
視界の隅に光を感じたので顔を向けると、男性の姿が見えた。輝くような銀色の髪、
あの後姿はカイルだわ!
「カイル!」
呼びかけながらその男性を追いかけると、男性が一人ではないことに気づく。
嘘でしょう……そんなはず……
(ちょっと、飲み物を持ってきてもらえる?)
ツインテールの髪の女性が、身振りでカイルに何かを伝えている。カイルは振り向くこともなく立ち去っていった。
「イリナ……どうして……ここに?」
ニタリと笑いながらイリナはズカズカと勢いよく近づいてくる。
殴られるかもと、身体を強張らせていると、手に手紙を置かれる。
顎を動かし睨みつけてくるイリナ
読めと言っているのね。
どんな暴言が書かれているのだろうかと、怖々と手紙に目を向ける。
─お姉様へ♡─
お姉様、許してあげます。
あの儀式でお姉様が私に呪いをかけたことを、心の広い私は許そうと思います。
だって、私は聖女だから、寛大でなくてはいけないでしょ?お姉様がよく言っていたものね。
私はお姉様がうらやましかっただけなのです。だから、お姉様の婚約者であるレオナルド殿下に近づきました。
とても反省しています。
だから、お互いリセットしましょう?
心配しなくても、あの儀式の後からは、レオナルド殿下とは関係をもってないわ。
清い関係なの。
それに、私、離婚して、カイル様と再婚しようと思うの。第三王子殿下との結婚も考えたけれど、やっぱり私にはふさわしくないと思うの。お姉様も、私が王家に嫁ぐのは心配でしょう? 聞き分けのよい妹をもってお姉様は幸せね。
それに、なにより、私達、愛し合っているの♡
信じられない?
カイル様は最近邸に戻っていないでしょ?
だって、ずっと私といるもの。
お姉様の身体では満足できないのですって。
じゃあね、
─イリナ─
「嘘よ! カイルがそんなこと言うはずない!直接確かめないと信じないわ!」
カイルがイリナと愛し合うはずない。だってずっとカイルは私だけを好きだったと言っていたもの。どんなにたくさんの男性がイリナに夢中になっても、カイルはイリナに見向きもしなかったわ。なのに……。
先程のイリナと腕を組んで歩いていたカイルの後ろ姿が目に焼き付いてはなれない。
カイルは浮気なんてしない……
嘘だと思うのに、邸にずっと戻ってこないことが引っかかる。
手紙を持つ手が震えている。
あれ……?
目元から涙が溢れて、ぽたぽたと手紙に染みを残していく。
確かめたい……
トントンとイリナに肩を叩かれて顔を上げる。イリナがカイルの立ち去った方向を指差している。
カイルがいるのね?
確かめなきゃ!
(だぁー! もう!なんなのよ! むかつく! むかつく! むかつく!うっとうしい! )
ツインテールの髪を振り乱し、手当たり次第に目についたものを投げつけている女性。可憐な容姿とは裏腹に、鬼のような形相を浮かべている。鬼気迫る様相に、本当に聖女であるのかと疑うレベルだ。
「わぁ⁉︎ イ、イリナ、やめてくれ! 危ないだろう! どうしたんだ、イリナ、落ち着くんだ!」
(もう、なんなのよ! なんなのよ! うっとうしい! どうして私がこんな生活をしないといけないのよ! 私は聖女なのよ! どうして王族でもなくなったこんな人と結婚しないといけないのよ! あんたなんか、見た目がいいだけじゃない!
第三王子殿下との婚約話はどうしてなくなったのよ! 王命ってなによ!認めない認めない! 私は聖女なんだから! もう、こっちに来ないで! )
「イ、イリナ、落ち着いてくれ! 僕がこんな姿になったせいで……」
レオナルドは車椅子に手をかけて、哀しげな表情を浮かべている。
(本当にそうよ!全部、全部、あんたのせい! )
「僕がユリアのグラスに毒を入れたせいで……きっと、神の怒りに触れたんだ……すまない……聖女であるイリナが声を失うなんて…全部僕のせいだ。イリナ……」
どんなに物を投げつけられようとも、怯むことなくレオナルドはイリナへ近づくために必死に車輪を回す。
赦しを請うように胡乱な目を向けられて、イリナはふと手を止める。
(そうだわ、あの女……、お姉様はどこに行ったの? あの儀式の後からどうもおかしいわ。 私に夢中だったはずの殿方達からは、手紙さえ届かないし。
巡礼に行かないと援助は打ち切ると国王は脅迫してくるし! あの、おいぼれ達のうるさいことったら、あーむかつわ!
あ、そうだわ! お姉様を探して連れ戻せばいいのよ。 声がでなくなったのもお姉様が何かしたのね? あはは、お姉様てば、嫉妬に狂ったのね? 大丈夫よ、元通りにすればいいんだから。お姉様、レオナルド殿下はお返ししますわ。もう、用無しよ。 私は第三王子殿下と結婚しますわ。
あはは)
「──イリナ? 機嫌が直ったの? 」
(触らないで!)
レオナルドの手を叩き落とし、イリナは不敵な笑みを浮かべて走り去った。
(ぶるぶると悪寒がする。何かしら?)
イリナは誰かの視線を感じて、周囲を見渡した。けれど、誰の姿も見当たらない。
(気のせいかしら? きっと興奮しているのね。うふ、そうだわ、いいことを思いついたわ。私ってば天才。待っていてね、お姉様♡)
✳︎✳︎✳︎
「あのー、どなたかいらっしゃいませんかー? お手紙でーす! こちらにユリア様はいらっしゃいますでしょうかー? あのー?」
バルコニーで、寂しさを紛らわすように読書をしていたユリアは、階下からの声に顔を上げる。
誰かしら?
ここにはだれも訪れることはないとカイルは言っていたけれど、おかしいわね。
不思議に思いながらも、本をテーブルに伏せると、階下へと急ぐ。
扉越しに声をかけると、ユリア宛の手紙を届けにきたという。
扉の下から手紙を差し入れてもらうと、急いで手紙に目を通す。
「ユリア、ここで待っている──カイル」
カイルからの手紙だわ。
歪な文字だけれど、筆跡はカイルだと思う。急いで書いたのかもしれない。
何かあったのかしら?
「あのー、お手紙読まれましたか?」
「きゃっ! あ、あの、この手紙をカイルから預かったのでしょうか? 」
手紙を置いて帰ったと思っていた人物の声に、思わず驚く。
「カイル様とおっしるかは分かりません。名前聞かなかったもので。
ただ、私はこの手紙をユリア様に渡すように頼まれまして、それで、その、ユリア様の案内も頼まれています。代金も、えらく奮発してくれまして、馬車を待たせていますが、どうされますか?」
え……?
扉の穴から、こっそりと外の様子を窺う。
扉の前には素朴な容姿の男性が立っている。
カイルがこんな伝言を頼むかしら?
「あの、あなたに手紙を預けた人の髪色は覚えていますか?」
「髪色ですか? えぇ、はい、銀髪でした。男性なのに思わず見惚れるような色男でした」
カイルだわ!
「あの、この手紙に書いてある場所まで案内お願いできますか?」
「えぇ、はい、もちろんですとも! ささ、早く、お待ちですので、足元に気をつけて、こちらの馬車です」
勢いよく扉を開けて、男性と共に馬車に乗り込んだ。
日差しがまぶしいわ
久しぶりに出かけることになったのに、その相手がカイルではなく見知らぬ人となんて、変な気分。
警戒していたのが申し訳ないくらいだった。呆気なく目的の場所に案内されて、何事もなく別れた。
「カイル?」
案内された場所は大きな広場だった。
色とりどりの花が綺麗に咲いており、デートを楽しんでいる人達もいる。
何度か呼びかけてはみたものの、カイルの姿は見当たらない。
あれは!
視界の隅に光を感じたので顔を向けると、男性の姿が見えた。輝くような銀色の髪、
あの後姿はカイルだわ!
「カイル!」
呼びかけながらその男性を追いかけると、男性が一人ではないことに気づく。
嘘でしょう……そんなはず……
(ちょっと、飲み物を持ってきてもらえる?)
ツインテールの髪の女性が、身振りでカイルに何かを伝えている。カイルは振り向くこともなく立ち去っていった。
「イリナ……どうして……ここに?」
ニタリと笑いながらイリナはズカズカと勢いよく近づいてくる。
殴られるかもと、身体を強張らせていると、手に手紙を置かれる。
顎を動かし睨みつけてくるイリナ
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心配しなくても、あの儀式の後からは、レオナルド殿下とは関係をもってないわ。
清い関係なの。
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それに、なにより、私達、愛し合っているの♡
信じられない?
カイル様は最近邸に戻っていないでしょ?
だって、ずっと私といるもの。
お姉様の身体では満足できないのですって。
じゃあね、
─イリナ─
「嘘よ! カイルがそんなこと言うはずない!直接確かめないと信じないわ!」
カイルがイリナと愛し合うはずない。だってずっとカイルは私だけを好きだったと言っていたもの。どんなにたくさんの男性がイリナに夢中になっても、カイルはイリナに見向きもしなかったわ。なのに……。
先程のイリナと腕を組んで歩いていたカイルの後ろ姿が目に焼き付いてはなれない。
カイルは浮気なんてしない……
嘘だと思うのに、邸にずっと戻ってこないことが引っかかる。
手紙を持つ手が震えている。
あれ……?
目元から涙が溢れて、ぽたぽたと手紙に染みを残していく。
確かめたい……
トントンとイリナに肩を叩かれて顔を上げる。イリナがカイルの立ち去った方向を指差している。
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