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落とし物を拾ったらヤンデレ公爵に執着されました
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「クラリス、こっちを向いて。どうして見てくれないんだい?」
「そ、そ、それはっ……恥ずかしいからですっ!ひゃあっ」
あぁ、まただわ。 またウィリアム・エドワーズ公爵様と関係を持ってしまった。
もう二度と関係を持たないと、ここを出て行こうと心に誓ったのに……あっ……そこはダメ……。
「恥ずかしいって、こんなにクラリスの身体は感じてるのに? ほら、見て、すごく濡れてる」
「いやぁ、そんなこと言わないで……」
ウィリアム様は、ご自分のものが入っている所を、いつも私に見せつけようとする。
色々恥ずかしすぎて、目をすぐ閉じる。
だって、だって、産まれたままの姿を見るのも、見られるのも、やっぱり恥ずかしいもの。これでも一応心は乙女なんだから。
「あぁ、すごくいい、クラリスは?どう?」
「いや……そういうこと……聞かないでください……恥ずかしい……」
「もう限界だ。ごめん、クラリス、もういきそうだ」
「あぁ……ウィリアムさ…ま…んんん!」
ただのしがない令嬢の私が、誰もが憧れるウィリアム公爵様と関係を持つなんて、誰が想像できただろう。私だって信じられない。
それに……なにより……すごく身体の相性がいい!
と言っても、今世ではウィリアム様以外と関係を持ったことはない。なのに、なぜ相性がいいのか分かるかというと、私には前世の記憶がある。
新卒で入社した会社がいわゆるブラック企業だった。
右も左も分からないながらも、がむしゃらに働き、いわゆる社畜と化していた。
サービス残業は当たり前、休日に呼び出されることも多々あった。 が、残業代は雀の涙程度。まだ支払ってくれているころは良かった。その内に要求はエスカレートしていき、休日出勤しているにも関わらずタイムカードをつけさせてくれなくなった。
機械が故障とか、現金で支給するから、とか調子のいいこといわれたけれど、要するに無償労働。 セクハラまがいのこともされても、怖くて声を上げれず。休むこともできなかった。
あの頃は、会社が世界だと思い込んでた。
無知って怖い。
心が蝕まれ病むのは当然で……。
ある日、ふらふらの状態でお風呂に入って足を滑らせて転倒し頭を打って死んだ……。
一人暮らしだったし、誰が発見したのかな。 全裸の状態を…… 。もう、最悪すぎるっ。
だからこそ、転生したのだと理解した時は嬉しかった。一応貴族令嬢だし、前世よりも胸もあるし、くびれもあるし、おまけに可愛い。
自分で言うのもなんだけど、ふわふわの柔らかい金髪に、ぱっちりとしたスミレ色の瞳。頬なんて、チーク塗っていないのに、ほんのりピンク色で血色もいい。
のほほんとした感じのお父様に、私そっくりなかわいいお母様。 ものすごくお金持ちとかではないけれど、そこそこの財力のあるタルコット伯爵家は、独身貴族からしたら優良物件。
政治的に中立だし、煩わしい派閥争いとは皆無。
今世では、相手を選び放題のイージーモードだわと息巻いていたのに、どうして、よりにもよって、ウィリアム様に目をつけられてしまったのか……。
ややこしい権力争いに巻き込まれるの嫌なのに。
まさか公爵様と関係をもつなんて。
ウィリアム様との出会いは、少し前に遡る一一。
この国の貴族は、王立学園に通うことが義務づけられている。
私も去年無事に卒業した。女性は卒業と同時か、もしくは1~2年以内に結婚するのが一般的だ。
私は卒業してから、1年くらいは、色々な方と交流してみて、結婚相手を決めようと思っていた。もちろん清い交流を。
せっかくだし、独身を楽しまなきゃ。
毎日沢山の釣書が送られてきたし、お父様も私の気持ちを尊重してくれていたし。
呑気なこと言ってないで、さっさと結婚しなさい!とその時の自分に喝を入れたいわ。
あの日は、在校生への講演を頼まれて、たまたま学園に赴いていた。
無事に講演を終えて、帰る時に、大きな噴水が目にはいった。
「あら?こんな所に噴水なんてあったかしら」
艶めかしい女性の彫刻や、筋骨隆々の肉体美を鑑賞できる男性の彫刻もある。
「いや、だめでしょう……学園の近くにこんなの置いたら」
と言いつつも、ちらちらと視線が向いてしまう。
気を取られていて、人の気配に気づかなかった。
「あっ!」
誰かにぶつかった拍子によろめいた。
チャリンと何かが落ちる音が聞こえる。
地面には小袋が落ちている。無意識に拾い上げると、キョロキョロと辺りを見回す。
「あの、誰か、落とし物ですよ」
先程ぶつかった人が落としたに違いない。
彫刻に気を取られていたから、どんな人か見ていない。
困ったわ……。
手にのせた小袋はゴツゴツとした感触がする。触った感じといい、この重さといい、硬貨が入っているのは間違いない。
こんなに……。落とし主も困るでしょうに。
落とし物を届けたとしても、この袋から持ち主が分かるかしら?
もしかしたら探しに戻ってくるかもしれない。
ここに置いておく? うーん……。
どうしたものかと考えつつ、ふと目に入る彫刻。
そうだわ。この彫刻に置きましょう。
まぁ、普通の人ならじっくり見たりしないでしょ。でも、硬貨を落とした人なら必死に探しているだろうから、きっと隅々まで目を凝らすはずよ。
問題は女性像か男性像か、どちらに置くかだけど。
女性像は産まれたままの姿で、佇み、下腹部の下に片手を置いている。 手の上に小袋を引っ掛けられそうだ。
男性像も同じく産まれたままの姿。片腕を曲げて、上腕二頭筋を見せつけ、片膝を地面につけている。 小袋を置けそうな所は多々ある。
私は男性像に小袋を置くことにした。
「これで、よしっと。まぁ持ち主が取りにくるでしょう」
面倒事から解放されて、意気揚々と帰路につこうとした。
ガサッ、ガサッと葉っぱが擦れる音がする。
怖くなり、脱兎の如く駆け出した。
「ぶはっ」
後方から声が聞こえる。
怖い、怖い、なに? 笑い声?
やばい、やばい、足音が迫ってくる。
「ちょっーーっと、待って!」
「いやーーーーーーーー!」
背後から強い力で取り押さえられて、地面に転倒する。
けれど、地面に倒れる前にくるんと身体を反転させられて、目を開けると、男性の上に乗っていた。
「えー?あ、ごめんなさいっ、じゃなくて、離してください!」
男性の上から降りようとするも、かっちりとホールドされて動けない。
状況が理解できずにじたばたする私を、男性は宥めるように声をかける。
「いやぁ、驚かせてしまったね。こわがらないで」
パニックに陥りかけて、目を閉じてジタバタもがくことしかできない。
「あっ……」
くるんと身体が回転させられたかと思うと、男性にのしかかられた状態になる。
「んーー⁉︎⁉︎」
唇を奪われ、ぬるりと異物が押し入ってくる。
いや……
押しのけようとするも、力に敵わない。
なに……この感覚……
身体中が熱を帯びて、頭がぼーっとする。
もっと……。
気がつけば、自ら求めるように舌を絡ませる。
すごく気持ちいい……。
何度も何度も角度を変え、求め合った後、はっと我に返り目を開ける。
私を見下ろす黄金色の瞳。
きれい……。
まるで獲物をみつけた獣のように獰猛だけれど、不思議と怖くない。もっと自分を見て欲しくて、自分だけのものにしたくなるような、妙な感覚。
彼の瞳の中には、上気した顔の自分が映っている。私、今こんな表情をしているね。恥ずかしい。
サラサラと黒い髪が風で揺れる姿も素敵。
ん? 黄金色の瞳……
「王族の方⁉︎」
黒髪に黄金色の瞳は、王族特有の容姿だ。
どうして、こんな所に王族の方が。
「ははっ、私は、ウィリアム・エドワーズだ。
君はいったいどこのご令嬢だい? 私の唇を奪った責任はとってもらうよ」
エドワーズ……公爵様だわ。ウィリアム・エドワーズ公爵様といえば、国王の甥にあたり、とんでもない女たらしでキス魔だ。
国王の弟夫妻が亡くなったため、若くしてウィリアム様が爵位を継がれた、と聞いた覚えがあす。そんな雲の上のような方が、どうしてこんな所に?
「エ⁉︎ エ、エドワーズ公爵さま! そうとは知らず、とんだご無礼を!
も、も、申し訳ありません……ですが、どちらかと言うと奪われたのは私の方ですが」
「ウィリアム」
「え?」
「ウィリアムと呼んで」
「そう言う訳にはいきません……」
「呼んでくれないと投獄するよ」
「そんな横暴な!わ、分かりました、ウィリアム様」
「ぶはっ、それが君の素なんだね、面白いね、君、名前は?」
「申し遅れました。クラリス・タルコットと申します」
「あぁ、タルコット伯爵の令嬢か。婚約者はいるの? いたとしても問題ないけど。だってもう私達は、身体の関係を持ってしまったのだからね?」
「いやいやいや、何を言っているのか意味分かりませんし。身体のって、キスだけですよね?」
「クラリス、聞き捨てならないセリフだね。君は誰にでもキスをするのかい?普通は、恋人、婚約者、結婚相手とだけするものじゃないのかい?」
「それはっ、そうですけど……」
「その理屈でいくと、私たちはまだ結婚はしていないから、恋人か婚約者だよね? よろしく、クラリス」
「はぁ⁉︎ 飛躍しすぎですけどっ、公爵様と恋人だなんて恐れ多いです」
「ウィリアム」
「……ウィリアム様と、私とでは住む世界が違いすぎます! と、と、とにかく、私はこれで」
「世界ね~。いや、違わないかな。ねぇ、クラリス、今、どんな気分? さっきのキスだけでは満足できないんじゃない? 妙な感覚がしない?」
「な⁉︎ 」
「ははっ! 真っ赤になってかわいいね。図星だね?」
近い近いですっ、耳元で囁かれたら、耳が⁉︎
それに、ものすごく爽やかないい匂いがする。
もっと、近くに感じたい……
「きゃぁ⁉︎」
無意識に匂いを嗅いでおり、あろうことかウィリアム様に鼻をくっつけていた。
私はウィリアム様によって、かっちりと抱きしめられて、文字通り捕獲される。
「クラリスは積極的だね。でも、その気持ちはよく分かるよ。だって、私達は番だ」
「番?」
「あぁ、クラリスも番のことは知っているだろう? ただ一人の運命の相手だ」
「でも、番はおとぎ話の世界だけだと思っていました。私の両親も政略結婚ですし、周りで番を見つけた人などおりません」
「まぁ、番と出会えるのは奇跡みたいなものだからね。
番と出会えた者は、生涯、番のみを愛し、幸せになれるそうだよ。魔力も増幅するしね。
クラリス、不思議そうな顔をしているね? まぁ、今の時代では番を見つけ出そうとする者は、あまりいないからね。
けれどね、王族は番を見つけるものなんだよ。国の繁栄のためにね。王族が番と結ばれると、国に繁栄と安寧をもたらすんだよ。だから、番を見つけることが継承権にも影響する。
私は現在継承権第二位なんだけど、クラリスと結婚したら繰り上がるかもね。だって2歳年下の王太子フレデリックはまだ番を見つけてないからね。
うーん、毎日暗殺者が来るかもね、危ないから、とりあえず私の邸へ行こうか」
「ひゃぁ、ウィリアム様、お、お、おろしてくださいませ」
「だめだよ、大切な私の婚約者なんだから、ね」
情報過多すぎて、わけわからない。私はウィリアム様にお姫様抱っこされて、どこから現れたのか、用意された馬車へと乗せられた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(ウィリアム視点)
私は、エドワーズ公爵(国王の弟)家に産まれた。 国王夫妻にはまだ子供がいない為、私の王位継承権は第三位だった。
一位は空席、いずれ生まれる王太子のため、第二位は父、そして三位が私。
生まれる前から、一位が約束されていたフレデリックとは違い、私はいつも一位にはなれない存在だった。
国王は王妃を溺愛しているので、側妃はいない。そもそもこの国では王族は番と結ばれるのが常なので、側妃の概念はない。
だから、継承権の順位は、国王夫妻の子供とエドワーズ公爵家の子供によって争われる。
はずだったのだが……。
王妃が懐妊したと世間に公表された時期に、両親は不慮の事故により亡くなった。
私は王妃の手先によって、暗殺されたと思っている。
なぜなら、王妃は私がフレデリックより優秀なことが許せない、とことあるごとに面と向かって言ってくるからだ。
それだけではない。
フレデリックが生まれるまでは、私がこの国では唯一の王子だった。そのため、ありとあらゆる教育を受けた。
フレデリックが産まれたのは、私が2歳の時。その時には既に、読み書きもでき、簡単な魔法は使えていた。
「まぁ、ウィリアムは文字も読めるのね。いつか生まれる王太子に、教えてあげてね」
「もう魔法を使えるの? さすがウィリアムね、こんなに優秀なら、王太子の護衛もできるわね」
「まぁ、ウィリアムが描いたの? 素敵ね。王太子ならどんな絵を描くかしらね。楽しみね」
両親が亡くなり寂しかったこともあり、私は頻繁に王宮に出向いていた。
王妃に懐妊の兆しが見えないので、周囲は私を王宮に住まわせるべきだとの声もあった。
教えれたことはすぐに覚える。 学ぶことは楽しい。 身体を動かすことも。
何をやっても、すぐにできてしまう私。
あの頃は幼くて、家族に褒められたかった。
けれど、王妃の言葉にはいつも、王太子が含まれる。
まだ産まれてもいない王太子。
私には理解できなかった。
存在しない相手と比べられて、勝手に負かされている自分。
王妃がそんなだから、周囲も追従する。
だから、絶対に負けるものかと心に誓った。
実際フレデリックが産まれた時は、喜んだ。
これでやっと、目に見える相手と競えると。
だが、どんなに努力しても、私が認められることはないのだと痛感する。
フレデリックは私ほどではないが、優秀だ。
けれど、王位継承するためには番を見つける必要がある。
番って、どうやって見つけるんだ。
フレデリックは、頻繁に令嬢と夜会でダンスしたり、王宮に招いたり交流をして見つけようとしていた。
私は、そんな時間のかかることはしない。
なぜなら王族だけは、番を判別できる。
判別方法は千差万別。 匂いや、瞳をみたり、手で触れて分かる者もいる。 フレデリックは、まだ判別方法を見つけていないのだろう。
私は、見つけた。どうして分かるのかは上手く言えない。王族の血がそうさせるのだろう。
私は、キスで分かる。令嬢とキスをすると、何かを感じるのだ。キス魔と噂されるほど浮名を流したけれど見つからない。
いつしか馬鹿らしくなった。 そんなに国王になりたいのか、と。
大事にされてない国に、尽くす必要があるのかと。
もっと自分のために生きてみようと思った。
それなりに、何でもできるので、絵画ではなく彫刻を造ろうと思った。
人間のありのままの姿を模して、取り憑かれたように彫った。
我ながらよくできた。 ついでに魔法で水の枯れない噴水を造った。
達成感はあったものの、やはり虚しい。
誰かに見て欲しい。けれど、女性は見向きもしない。 男性には受けがいいが。
つまらない。
そのうちに、人間観察をするようになった。 例えばお金を目の前に落とす。
その時の人間の行動を見る。
キョロキョロと辺りを見回す者は、誰も見ていなかったらネコババする小心者の盗人だ。
堂々と持っていく大胆な泥棒、
騎士団へ届けに行くバカ正直な者、
周囲に声かけ自分では何も行動しない者、
まぁ、基本的に盗むか盗まないかを予想して、行動を観察していた。単なる暇つぶし
のつもりだった。
おや? 今日も誰か来た。 令嬢か。
どうせ目を逸らすだろう、とりあえず今日もやるか。
「あの、誰か落ちましたよ」
草陰に隠れて観察してみるか。
令嬢なら、騎士団へ届けるか、そのまま置いていくだろうな……⁉︎
ガン見してるのか。 何をしている?
私は令嬢が小袋を置く場所を見て吹き出した。
「ブハッ」
私の声を聞き逃げ出す令嬢。いや、淑女の格好じゃないだろう。 あんなに走る令嬢見たの初めてだし。
なにより、小袋を男性の股間に置く令嬢もいないだろう⁉︎
面白すぎ! 逃がさないよ!
「ちょーーーと待って!」
令嬢に触れた瞬間、ドクンと心臓が高鳴る。 この感覚はなんだ……
まさか……私は令嬢の唇に引き寄せられるように自分の唇を重ねた。
いい。
身体中の血管が脈打ち、下半身に熱がこもる。
この感覚は、番。
まさか、こんな風に見つけるなんてな。
もう、人間観察なんてどうでもいいな。
クラリスだけをずっと見ていたい。
予想外の行動をとる未知の生き物みたいだな。
もう、クラリスさえいたら、他はどうでもいい。
とりあえず、邸に連れて行こう。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(クラリス視点)
「難しい話は後にして、とりあえず私達の問題を解決しよう」
公爵邸に辿り着いて早々、ウィリアム様の部屋のベッドへと寝かされる。
お姫様抱っこから解放された途端、妙に物足りなさを感じる。
「……私達の問題?」
「あぁ、クラリス、今、身体がつらいだろう?私もだ。これは、番と出会った時に、誰もに起こる問題だ。まるで媚薬を盛られたように、興奮状態に陥る。だから、全部、私に任せて……なるべく優しくする」
「あっ! 待って……私達出会ったばかりなんですよ! いやぁ……あぁ……」
いつのまにかドレスの裾がたくしあげられて、太ももが露わににっていた。
軽く触られただけなのに、ぐっしょりと下着が濡れている感覚がする。
「じゃぁ、止める?こんなに濡れているけど」
妖艶な眼差しで私を見下ろしながら、ゆっくりと私の秘部を下着の上から触る。
「う……」
「ん? 何? 聞こえないかな」
秘部を触りながら覆い被さり、私の耳たぶを舐めはじめる。
「いやぁ、耳は……」
何、この感覚。鳥肌がたつ。
でも、気持ちいい
「やめないで……ください」
「分かった、クラリス」
「あぁ……ウィリアム様……」
耳を蹂躙されて、首筋に吸い付いてくる。
チクリとした感触がした後に、胸の先端が固くなる。
覆い被さっているウィリアム様の固いものが、太ももにコツコツと当たる。
首筋から胸元へとウィリアム様は舌を這わせていく。ドレスを脱がされて、ふっくらとした胸がウィリアム様によってもまれる。
優しく撫でるように触られたあと、次第に強く揉まれて、吸い付かれて、声が我慢できずに大きくなる。
「あっ!あっ!いやぁ……」
「あぁ、クラリス……このまま、足を広げていて」
「ちょっ!ウィリアム様⁉︎いやぁ!」
胸を吸い尽くしたウィリアム様は、あろうことか私の秘部に顔を埋める。
びっくりして見ると、私の足を手で広げて持ち秘部に吸い付くウィリアム様と目が合う。
ふっと艶めかしい眼差しを向けられて、恥ずかしくて目を逸らす。
「クラリス、こっちを見て、ね……」
「いや……」
「かわいい……だいぶ馴染んできたね。そろそろ指を入れるよ」
「あっ……」
ウィリアム様の指が触れるたびに、ぞわぞわとした変な感覚が襲ってくる。
気持ちいい……
「あぁ、こんなに蜜が溢れて、かわいい、クラリス……受け入れてくれるね?」
ウィリアム様は、指に絡みついた私の蜜を1滴も残すまいとするかのように唇に含む。
その仕草を見て、下腹部の奥が疼く。
「して……ください」
うずうずして我慢できなくて、ウィリアム様を求める。
ゆっくりと入ってきたウィリアム様のものは、固くて暑くて、大きい。
もう少し、もう少し、もっと、もっと、
あっ!
ググッと奥まで入った時にビクッと身体が反応する。
何……この感覚……こんなの知らない。
「クラリス……クラリス……」
ギシギシとベッドが軋む音がする。
「あぁ!…あぁ……」
「クラリス、もう私だけのものだよ!」
「んあーーーー!!」
絶頂を迎えた瞬間、生暖かい白濁の液が注ぎこまれた。
「ウィリアム様……今、もしかして……中に…」
出したのですか? と最後まで言葉を発することができずに、ぷつりと意識が途絶えた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(ウィリアム視点)
あぁ、クラリス欲望に任せてしまてごめんね。
タルコット伯爵には、邸に着いてすぐに報せたから安心して休んで。
温和な伯爵は、すぐに婚約を許してくれたよ。
このまま君は一生ここに居て構わないからね。
あぁ、国外に出てもいいんだけどね。
クラリスがいれば私はどこだって。
とりあえずフレデリックには、番を早く見つけろと急かすかな。
王妃にはクラリスに手を出したらフレデリックを潰すと釘をささないとね。
その代わり私は、王位に興味はないと伝えよう。
もう、ずっとここから出なくていいからね、クラリス
「そ、そ、それはっ……恥ずかしいからですっ!ひゃあっ」
あぁ、まただわ。 またウィリアム・エドワーズ公爵様と関係を持ってしまった。
もう二度と関係を持たないと、ここを出て行こうと心に誓ったのに……あっ……そこはダメ……。
「恥ずかしいって、こんなにクラリスの身体は感じてるのに? ほら、見て、すごく濡れてる」
「いやぁ、そんなこと言わないで……」
ウィリアム様は、ご自分のものが入っている所を、いつも私に見せつけようとする。
色々恥ずかしすぎて、目をすぐ閉じる。
だって、だって、産まれたままの姿を見るのも、見られるのも、やっぱり恥ずかしいもの。これでも一応心は乙女なんだから。
「あぁ、すごくいい、クラリスは?どう?」
「いや……そういうこと……聞かないでください……恥ずかしい……」
「もう限界だ。ごめん、クラリス、もういきそうだ」
「あぁ……ウィリアムさ…ま…んんん!」
ただのしがない令嬢の私が、誰もが憧れるウィリアム公爵様と関係を持つなんて、誰が想像できただろう。私だって信じられない。
それに……なにより……すごく身体の相性がいい!
と言っても、今世ではウィリアム様以外と関係を持ったことはない。なのに、なぜ相性がいいのか分かるかというと、私には前世の記憶がある。
新卒で入社した会社がいわゆるブラック企業だった。
右も左も分からないながらも、がむしゃらに働き、いわゆる社畜と化していた。
サービス残業は当たり前、休日に呼び出されることも多々あった。 が、残業代は雀の涙程度。まだ支払ってくれているころは良かった。その内に要求はエスカレートしていき、休日出勤しているにも関わらずタイムカードをつけさせてくれなくなった。
機械が故障とか、現金で支給するから、とか調子のいいこといわれたけれど、要するに無償労働。 セクハラまがいのこともされても、怖くて声を上げれず。休むこともできなかった。
あの頃は、会社が世界だと思い込んでた。
無知って怖い。
心が蝕まれ病むのは当然で……。
ある日、ふらふらの状態でお風呂に入って足を滑らせて転倒し頭を打って死んだ……。
一人暮らしだったし、誰が発見したのかな。 全裸の状態を…… 。もう、最悪すぎるっ。
だからこそ、転生したのだと理解した時は嬉しかった。一応貴族令嬢だし、前世よりも胸もあるし、くびれもあるし、おまけに可愛い。
自分で言うのもなんだけど、ふわふわの柔らかい金髪に、ぱっちりとしたスミレ色の瞳。頬なんて、チーク塗っていないのに、ほんのりピンク色で血色もいい。
のほほんとした感じのお父様に、私そっくりなかわいいお母様。 ものすごくお金持ちとかではないけれど、そこそこの財力のあるタルコット伯爵家は、独身貴族からしたら優良物件。
政治的に中立だし、煩わしい派閥争いとは皆無。
今世では、相手を選び放題のイージーモードだわと息巻いていたのに、どうして、よりにもよって、ウィリアム様に目をつけられてしまったのか……。
ややこしい権力争いに巻き込まれるの嫌なのに。
まさか公爵様と関係をもつなんて。
ウィリアム様との出会いは、少し前に遡る一一。
この国の貴族は、王立学園に通うことが義務づけられている。
私も去年無事に卒業した。女性は卒業と同時か、もしくは1~2年以内に結婚するのが一般的だ。
私は卒業してから、1年くらいは、色々な方と交流してみて、結婚相手を決めようと思っていた。もちろん清い交流を。
せっかくだし、独身を楽しまなきゃ。
毎日沢山の釣書が送られてきたし、お父様も私の気持ちを尊重してくれていたし。
呑気なこと言ってないで、さっさと結婚しなさい!とその時の自分に喝を入れたいわ。
あの日は、在校生への講演を頼まれて、たまたま学園に赴いていた。
無事に講演を終えて、帰る時に、大きな噴水が目にはいった。
「あら?こんな所に噴水なんてあったかしら」
艶めかしい女性の彫刻や、筋骨隆々の肉体美を鑑賞できる男性の彫刻もある。
「いや、だめでしょう……学園の近くにこんなの置いたら」
と言いつつも、ちらちらと視線が向いてしまう。
気を取られていて、人の気配に気づかなかった。
「あっ!」
誰かにぶつかった拍子によろめいた。
チャリンと何かが落ちる音が聞こえる。
地面には小袋が落ちている。無意識に拾い上げると、キョロキョロと辺りを見回す。
「あの、誰か、落とし物ですよ」
先程ぶつかった人が落としたに違いない。
彫刻に気を取られていたから、どんな人か見ていない。
困ったわ……。
手にのせた小袋はゴツゴツとした感触がする。触った感じといい、この重さといい、硬貨が入っているのは間違いない。
こんなに……。落とし主も困るでしょうに。
落とし物を届けたとしても、この袋から持ち主が分かるかしら?
もしかしたら探しに戻ってくるかもしれない。
ここに置いておく? うーん……。
どうしたものかと考えつつ、ふと目に入る彫刻。
そうだわ。この彫刻に置きましょう。
まぁ、普通の人ならじっくり見たりしないでしょ。でも、硬貨を落とした人なら必死に探しているだろうから、きっと隅々まで目を凝らすはずよ。
問題は女性像か男性像か、どちらに置くかだけど。
女性像は産まれたままの姿で、佇み、下腹部の下に片手を置いている。 手の上に小袋を引っ掛けられそうだ。
男性像も同じく産まれたままの姿。片腕を曲げて、上腕二頭筋を見せつけ、片膝を地面につけている。 小袋を置けそうな所は多々ある。
私は男性像に小袋を置くことにした。
「これで、よしっと。まぁ持ち主が取りにくるでしょう」
面倒事から解放されて、意気揚々と帰路につこうとした。
ガサッ、ガサッと葉っぱが擦れる音がする。
怖くなり、脱兎の如く駆け出した。
「ぶはっ」
後方から声が聞こえる。
怖い、怖い、なに? 笑い声?
やばい、やばい、足音が迫ってくる。
「ちょっーーっと、待って!」
「いやーーーーーーーー!」
背後から強い力で取り押さえられて、地面に転倒する。
けれど、地面に倒れる前にくるんと身体を反転させられて、目を開けると、男性の上に乗っていた。
「えー?あ、ごめんなさいっ、じゃなくて、離してください!」
男性の上から降りようとするも、かっちりとホールドされて動けない。
状況が理解できずにじたばたする私を、男性は宥めるように声をかける。
「いやぁ、驚かせてしまったね。こわがらないで」
パニックに陥りかけて、目を閉じてジタバタもがくことしかできない。
「あっ……」
くるんと身体が回転させられたかと思うと、男性にのしかかられた状態になる。
「んーー⁉︎⁉︎」
唇を奪われ、ぬるりと異物が押し入ってくる。
いや……
押しのけようとするも、力に敵わない。
なに……この感覚……
身体中が熱を帯びて、頭がぼーっとする。
もっと……。
気がつけば、自ら求めるように舌を絡ませる。
すごく気持ちいい……。
何度も何度も角度を変え、求め合った後、はっと我に返り目を開ける。
私を見下ろす黄金色の瞳。
きれい……。
まるで獲物をみつけた獣のように獰猛だけれど、不思議と怖くない。もっと自分を見て欲しくて、自分だけのものにしたくなるような、妙な感覚。
彼の瞳の中には、上気した顔の自分が映っている。私、今こんな表情をしているね。恥ずかしい。
サラサラと黒い髪が風で揺れる姿も素敵。
ん? 黄金色の瞳……
「王族の方⁉︎」
黒髪に黄金色の瞳は、王族特有の容姿だ。
どうして、こんな所に王族の方が。
「ははっ、私は、ウィリアム・エドワーズだ。
君はいったいどこのご令嬢だい? 私の唇を奪った責任はとってもらうよ」
エドワーズ……公爵様だわ。ウィリアム・エドワーズ公爵様といえば、国王の甥にあたり、とんでもない女たらしでキス魔だ。
国王の弟夫妻が亡くなったため、若くしてウィリアム様が爵位を継がれた、と聞いた覚えがあす。そんな雲の上のような方が、どうしてこんな所に?
「エ⁉︎ エ、エドワーズ公爵さま! そうとは知らず、とんだご無礼を!
も、も、申し訳ありません……ですが、どちらかと言うと奪われたのは私の方ですが」
「ウィリアム」
「え?」
「ウィリアムと呼んで」
「そう言う訳にはいきません……」
「呼んでくれないと投獄するよ」
「そんな横暴な!わ、分かりました、ウィリアム様」
「ぶはっ、それが君の素なんだね、面白いね、君、名前は?」
「申し遅れました。クラリス・タルコットと申します」
「あぁ、タルコット伯爵の令嬢か。婚約者はいるの? いたとしても問題ないけど。だってもう私達は、身体の関係を持ってしまったのだからね?」
「いやいやいや、何を言っているのか意味分かりませんし。身体のって、キスだけですよね?」
「クラリス、聞き捨てならないセリフだね。君は誰にでもキスをするのかい?普通は、恋人、婚約者、結婚相手とだけするものじゃないのかい?」
「それはっ、そうですけど……」
「その理屈でいくと、私たちはまだ結婚はしていないから、恋人か婚約者だよね? よろしく、クラリス」
「はぁ⁉︎ 飛躍しすぎですけどっ、公爵様と恋人だなんて恐れ多いです」
「ウィリアム」
「……ウィリアム様と、私とでは住む世界が違いすぎます! と、と、とにかく、私はこれで」
「世界ね~。いや、違わないかな。ねぇ、クラリス、今、どんな気分? さっきのキスだけでは満足できないんじゃない? 妙な感覚がしない?」
「な⁉︎ 」
「ははっ! 真っ赤になってかわいいね。図星だね?」
近い近いですっ、耳元で囁かれたら、耳が⁉︎
それに、ものすごく爽やかないい匂いがする。
もっと、近くに感じたい……
「きゃぁ⁉︎」
無意識に匂いを嗅いでおり、あろうことかウィリアム様に鼻をくっつけていた。
私はウィリアム様によって、かっちりと抱きしめられて、文字通り捕獲される。
「クラリスは積極的だね。でも、その気持ちはよく分かるよ。だって、私達は番だ」
「番?」
「あぁ、クラリスも番のことは知っているだろう? ただ一人の運命の相手だ」
「でも、番はおとぎ話の世界だけだと思っていました。私の両親も政略結婚ですし、周りで番を見つけた人などおりません」
「まぁ、番と出会えるのは奇跡みたいなものだからね。
番と出会えた者は、生涯、番のみを愛し、幸せになれるそうだよ。魔力も増幅するしね。
クラリス、不思議そうな顔をしているね? まぁ、今の時代では番を見つけ出そうとする者は、あまりいないからね。
けれどね、王族は番を見つけるものなんだよ。国の繁栄のためにね。王族が番と結ばれると、国に繁栄と安寧をもたらすんだよ。だから、番を見つけることが継承権にも影響する。
私は現在継承権第二位なんだけど、クラリスと結婚したら繰り上がるかもね。だって2歳年下の王太子フレデリックはまだ番を見つけてないからね。
うーん、毎日暗殺者が来るかもね、危ないから、とりあえず私の邸へ行こうか」
「ひゃぁ、ウィリアム様、お、お、おろしてくださいませ」
「だめだよ、大切な私の婚約者なんだから、ね」
情報過多すぎて、わけわからない。私はウィリアム様にお姫様抱っこされて、どこから現れたのか、用意された馬車へと乗せられた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(ウィリアム視点)
私は、エドワーズ公爵(国王の弟)家に産まれた。 国王夫妻にはまだ子供がいない為、私の王位継承権は第三位だった。
一位は空席、いずれ生まれる王太子のため、第二位は父、そして三位が私。
生まれる前から、一位が約束されていたフレデリックとは違い、私はいつも一位にはなれない存在だった。
国王は王妃を溺愛しているので、側妃はいない。そもそもこの国では王族は番と結ばれるのが常なので、側妃の概念はない。
だから、継承権の順位は、国王夫妻の子供とエドワーズ公爵家の子供によって争われる。
はずだったのだが……。
王妃が懐妊したと世間に公表された時期に、両親は不慮の事故により亡くなった。
私は王妃の手先によって、暗殺されたと思っている。
なぜなら、王妃は私がフレデリックより優秀なことが許せない、とことあるごとに面と向かって言ってくるからだ。
それだけではない。
フレデリックが生まれるまでは、私がこの国では唯一の王子だった。そのため、ありとあらゆる教育を受けた。
フレデリックが産まれたのは、私が2歳の時。その時には既に、読み書きもでき、簡単な魔法は使えていた。
「まぁ、ウィリアムは文字も読めるのね。いつか生まれる王太子に、教えてあげてね」
「もう魔法を使えるの? さすがウィリアムね、こんなに優秀なら、王太子の護衛もできるわね」
「まぁ、ウィリアムが描いたの? 素敵ね。王太子ならどんな絵を描くかしらね。楽しみね」
両親が亡くなり寂しかったこともあり、私は頻繁に王宮に出向いていた。
王妃に懐妊の兆しが見えないので、周囲は私を王宮に住まわせるべきだとの声もあった。
教えれたことはすぐに覚える。 学ぶことは楽しい。 身体を動かすことも。
何をやっても、すぐにできてしまう私。
あの頃は幼くて、家族に褒められたかった。
けれど、王妃の言葉にはいつも、王太子が含まれる。
まだ産まれてもいない王太子。
私には理解できなかった。
存在しない相手と比べられて、勝手に負かされている自分。
王妃がそんなだから、周囲も追従する。
だから、絶対に負けるものかと心に誓った。
実際フレデリックが産まれた時は、喜んだ。
これでやっと、目に見える相手と競えると。
だが、どんなに努力しても、私が認められることはないのだと痛感する。
フレデリックは私ほどではないが、優秀だ。
けれど、王位継承するためには番を見つける必要がある。
番って、どうやって見つけるんだ。
フレデリックは、頻繁に令嬢と夜会でダンスしたり、王宮に招いたり交流をして見つけようとしていた。
私は、そんな時間のかかることはしない。
なぜなら王族だけは、番を判別できる。
判別方法は千差万別。 匂いや、瞳をみたり、手で触れて分かる者もいる。 フレデリックは、まだ判別方法を見つけていないのだろう。
私は、見つけた。どうして分かるのかは上手く言えない。王族の血がそうさせるのだろう。
私は、キスで分かる。令嬢とキスをすると、何かを感じるのだ。キス魔と噂されるほど浮名を流したけれど見つからない。
いつしか馬鹿らしくなった。 そんなに国王になりたいのか、と。
大事にされてない国に、尽くす必要があるのかと。
もっと自分のために生きてみようと思った。
それなりに、何でもできるので、絵画ではなく彫刻を造ろうと思った。
人間のありのままの姿を模して、取り憑かれたように彫った。
我ながらよくできた。 ついでに魔法で水の枯れない噴水を造った。
達成感はあったものの、やはり虚しい。
誰かに見て欲しい。けれど、女性は見向きもしない。 男性には受けがいいが。
つまらない。
そのうちに、人間観察をするようになった。 例えばお金を目の前に落とす。
その時の人間の行動を見る。
キョロキョロと辺りを見回す者は、誰も見ていなかったらネコババする小心者の盗人だ。
堂々と持っていく大胆な泥棒、
騎士団へ届けに行くバカ正直な者、
周囲に声かけ自分では何も行動しない者、
まぁ、基本的に盗むか盗まないかを予想して、行動を観察していた。単なる暇つぶし
のつもりだった。
おや? 今日も誰か来た。 令嬢か。
どうせ目を逸らすだろう、とりあえず今日もやるか。
「あの、誰か落ちましたよ」
草陰に隠れて観察してみるか。
令嬢なら、騎士団へ届けるか、そのまま置いていくだろうな……⁉︎
ガン見してるのか。 何をしている?
私は令嬢が小袋を置く場所を見て吹き出した。
「ブハッ」
私の声を聞き逃げ出す令嬢。いや、淑女の格好じゃないだろう。 あんなに走る令嬢見たの初めてだし。
なにより、小袋を男性の股間に置く令嬢もいないだろう⁉︎
面白すぎ! 逃がさないよ!
「ちょーーーと待って!」
令嬢に触れた瞬間、ドクンと心臓が高鳴る。 この感覚はなんだ……
まさか……私は令嬢の唇に引き寄せられるように自分の唇を重ねた。
いい。
身体中の血管が脈打ち、下半身に熱がこもる。
この感覚は、番。
まさか、こんな風に見つけるなんてな。
もう、人間観察なんてどうでもいいな。
クラリスだけをずっと見ていたい。
予想外の行動をとる未知の生き物みたいだな。
もう、クラリスさえいたら、他はどうでもいい。
とりあえず、邸に連れて行こう。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(クラリス視点)
「難しい話は後にして、とりあえず私達の問題を解決しよう」
公爵邸に辿り着いて早々、ウィリアム様の部屋のベッドへと寝かされる。
お姫様抱っこから解放された途端、妙に物足りなさを感じる。
「……私達の問題?」
「あぁ、クラリス、今、身体がつらいだろう?私もだ。これは、番と出会った時に、誰もに起こる問題だ。まるで媚薬を盛られたように、興奮状態に陥る。だから、全部、私に任せて……なるべく優しくする」
「あっ! 待って……私達出会ったばかりなんですよ! いやぁ……あぁ……」
いつのまにかドレスの裾がたくしあげられて、太ももが露わににっていた。
軽く触られただけなのに、ぐっしょりと下着が濡れている感覚がする。
「じゃぁ、止める?こんなに濡れているけど」
妖艶な眼差しで私を見下ろしながら、ゆっくりと私の秘部を下着の上から触る。
「う……」
「ん? 何? 聞こえないかな」
秘部を触りながら覆い被さり、私の耳たぶを舐めはじめる。
「いやぁ、耳は……」
何、この感覚。鳥肌がたつ。
でも、気持ちいい
「やめないで……ください」
「分かった、クラリス」
「あぁ……ウィリアム様……」
耳を蹂躙されて、首筋に吸い付いてくる。
チクリとした感触がした後に、胸の先端が固くなる。
覆い被さっているウィリアム様の固いものが、太ももにコツコツと当たる。
首筋から胸元へとウィリアム様は舌を這わせていく。ドレスを脱がされて、ふっくらとした胸がウィリアム様によってもまれる。
優しく撫でるように触られたあと、次第に強く揉まれて、吸い付かれて、声が我慢できずに大きくなる。
「あっ!あっ!いやぁ……」
「あぁ、クラリス……このまま、足を広げていて」
「ちょっ!ウィリアム様⁉︎いやぁ!」
胸を吸い尽くしたウィリアム様は、あろうことか私の秘部に顔を埋める。
びっくりして見ると、私の足を手で広げて持ち秘部に吸い付くウィリアム様と目が合う。
ふっと艶めかしい眼差しを向けられて、恥ずかしくて目を逸らす。
「クラリス、こっちを見て、ね……」
「いや……」
「かわいい……だいぶ馴染んできたね。そろそろ指を入れるよ」
「あっ……」
ウィリアム様の指が触れるたびに、ぞわぞわとした変な感覚が襲ってくる。
気持ちいい……
「あぁ、こんなに蜜が溢れて、かわいい、クラリス……受け入れてくれるね?」
ウィリアム様は、指に絡みついた私の蜜を1滴も残すまいとするかのように唇に含む。
その仕草を見て、下腹部の奥が疼く。
「して……ください」
うずうずして我慢できなくて、ウィリアム様を求める。
ゆっくりと入ってきたウィリアム様のものは、固くて暑くて、大きい。
もう少し、もう少し、もっと、もっと、
あっ!
ググッと奥まで入った時にビクッと身体が反応する。
何……この感覚……こんなの知らない。
「クラリス……クラリス……」
ギシギシとベッドが軋む音がする。
「あぁ!…あぁ……」
「クラリス、もう私だけのものだよ!」
「んあーーーー!!」
絶頂を迎えた瞬間、生暖かい白濁の液が注ぎこまれた。
「ウィリアム様……今、もしかして……中に…」
出したのですか? と最後まで言葉を発することができずに、ぷつりと意識が途絶えた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
(ウィリアム視点)
あぁ、クラリス欲望に任せてしまてごめんね。
タルコット伯爵には、邸に着いてすぐに報せたから安心して休んで。
温和な伯爵は、すぐに婚約を許してくれたよ。
このまま君は一生ここに居て構わないからね。
あぁ、国外に出てもいいんだけどね。
クラリスがいれば私はどこだって。
とりあえずフレデリックには、番を早く見つけろと急かすかな。
王妃にはクラリスに手を出したらフレデリックを潰すと釘をささないとね。
その代わり私は、王位に興味はないと伝えよう。
もう、ずっとここから出なくていいからね、クラリス
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