コミュ障じゃないボカロPが書いたラノベなんて読まない

ぼを

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わたしだって、セックスしたい

第11話

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 独りになると、頭が混乱した。今日、確かにミコは体を持ったタルパとして具象し、完全にオート化し、僕はその体温や重量まで感じられるようになった。少なくとも僕にとっては、ミコは完全に個別の存在、言ってしまえば他人の様に振る舞う存在として独立した、一人の年頃の女性だ。そして、彼女は僕とセックスする事を望んでいる。

 単純に、これをミコの他愛のない願望と捉えるのは危険だ。言うまでもなく、彼女の言葉は僕の言葉であり、彼女の願望は僕の願望だ。かといって、彼女とセックスする事が、短絡的に僕が適当な女性とセックスしたい、という事とそのまま結びつく訳ではない。これは、僕が自分の無意識の中で、セックスという行為をどう定義しているのか、という疑義の提起だ。セックスは、究極のダイアローグとでも言うのだろうか。

 僕は、初体験は人並みか、人より少し早かったかと思う。高校2年の頃、ひとつ下の後輩とだった。これは嘘偽りない本心だが、初めてセックスした時、2つの事を思った。ひとつは、女体の美しい輪郭線は、数多の芸術家をして、その曲線を如何に理想的に辿るかに人生を費やさせるに充分であること。もうひとつは、セックスでの快楽よりも先に、肌を寄せ合う事で感じた、自己存在の承認欲求の充足だ。言葉でのコミュニケーションでは到底及びもつかない、互いの存在肯定。生きていてもいいんだ、という満足感。少なくとも物心がついてから初めて、それを感じた。けれども、いつしか、セックスは如何に快楽を多く享受し、もし人生に於いて分泌したドーパミンの総量がそのまま幸福度の絶対値であるとしたら、正にそれを増加させる為の行為でしかなくなっていた。

 今、僕はまた、セックスをコミュニケーションの手段として再定義しようとしているのだろうか…。

 なんて難しい事を考えるまでもなく、僕が浴室から出ると、既にベッドの上に腰かけたミコが、早くしようよ、と囃し立ててきた。照れ隠しにしても酷い…。

「ああ~」ミコがわざと驚くように言った。「おっきくなってるね」
 僕は赤面しながら、手にしていたタオルで自分の陽物を隠した。
「いきなり居るとは思わなかったんだよ」僕が視線を逸らしながら言った。「トイレに入って行ったんだから、出るときもトイレから出てこればよかったのに」
「ごめんね」ミコが言った。「今度からそうするよ」

 僕はベッドの、ミコから少しだけ離れた所に腰かけた。
「あれ?」気づいて、僕が声を漏らした。「ミコは、服はそのままなんだね」
「あ」言われて、ミコは自分の体に視線をやった。「ほんとだ。なんで~?」
「裸になってるつもりだったの?」
 僕が訊くと、僕の瞳を覗き込むようにしてから、ミコは、うん、と首肯した。
「ちょっとお」ミコが言った。「裸になれないのは、キミの所為なんだからね」
「おいおい、それじゃ、なんでも僕の責任になってしまう」言ってから、「そうか、君についてはなんでも僕の責任か」と気づいた。
「あ~ん」ミコが両手をバタバタさせながら言った。「脱がしてよ~」
 解った解った。

 僕は、ミコの襟元に両手を延ばした。
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