コミュ障じゃないボカロPが書いたラノベなんて読まない

ぼを

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わたしだって、セックスしたい

第12話

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 それから、上着のボタンを上から外そうとした…けれど、外れない。
「なんで?」僕が言った。「ボタンの感触はあるのに、外れない」
 どういう事だろう。何が原因だ? 単純に、タルパとはそういう物なのか、それとも、実は僕にその覚悟が出来ていないのか?

「とりあえず」ミコが言った。「キスしてみようよ」
「できるかな…」

 僕は、ミコの肩に両手を遣り、顔を引き寄せた。多分、僕の方からミコに体重をかけると、物理的に彼女の体をすりぬけて倒れこむ事になる。

 ミコの吐息を…感じる。
 僕らは、唇を重ねた。
 大丈夫。キスはできる。

 僕は、本当は誰にも聞こえない筈の、ちゅ、という音を立てながら、ミコとキスをした。ミコの頬が紅潮し、快感を感じているのが見て取れた。目がトロンとしている。

 僕は、そのまま彼女のスカートに手を入れ、ショーツの上からクリトリスを撫でた…つもりだった。
「…あれ?」僕が思わず言った。「何これ?」
「どうしたの?」ミコが、小さく喘ぎながら訊いてきた。「続けて欲しいな…」

 僕は、ミコのショーツの感触に、明らかにクリトリスとは違う物を感じた。
「ボカロ、って、そういう物なの?」僕が訊いた。「これって、何?」
 僕は、そのクリトリスと比較して明らかに大きな突起物を撫ぜながら、訊いた。

 ミコは、訝る様に自分のスカートをたくし上げ、股間に目を遣った。
「え?」ミコが言った。「何これ?」
 我に返って、ミコは自分のショーツをずらした。なんだ、自分でやれば裸になれるんじゃないか?

 ショーツの隙間から現れた物を見て、僕は言葉を失った。
「どういう事だ?」
 僕が呟く様に言った。
「え~! なんでなんで?」ミコが素頓狂な声を上げた。「なんでこんな物がついてるの?」

 つまり、ミコの股間には、ヴァギナの代わりに、あったのだ。男の陽物が。

「ちょっとお!」ミコが言った。「覚悟が足りないんじゃないの?」
 僕は茫然として、その理由を考えた。何故、彼女に陽物がついているのか。僕自身が、セックスを拒んでいるという事なのだろうか。それとも、彼女を抱くという事は、心理的には自分自身を抱くという事で、その象徴としてペニスがついているのだろうか…。
「え~ん」ミコがわざとらしく泣いた。「バカバカバカ!」
「いや…」僕が言った。「こればっかりは、本当にごめん」
「ちゃんと修正してよね。ボクは女の子なんだよ!」
 それは解ってるよ。
「本当にゴメン」僕は本心から謝った。「いつかきっと、ちゃんとセックスできるようにするから」
 ミコは、うう、と声を上げた。そして、暫く僕に対して、バカ、とか、変態、とか罵声を浴びせて来たけれど、最後には「きっとだよ、きっとセックスしようね」としおらしくなった。

 僕は服を着ると、PCに向かい、Cubaseを起動させた。
「歌っていいの?」ミコが訊いてきた。僕は首肯した。「じゃあ、いいかな」ミコが言った。「タイトルは、『わたしだって、セックスしたい』」
 そのままじゃないか、と突っ込もうかと思ったけれど、それが彼女の今のストレートな感情なのだろうから、やめた。
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