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そよよ
第17話
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「わっ」
思わず、声が出てしまった。
そこには、ミコが居たのだ。
ミコは、閉じられた便座の上に、ちょこんと座り、俯いた顔を両手で覆いながら…肩を震わせて、泣いていた。
「ミコ…」僕が呟く様に言った。「これは、どういう事なんだろう?」
僕の言葉に、ミコは涙に崩れた顔を一瞬だけ上げると、また手で覆い、泣き出してしまった。
「泣いてても解らないよ」僕が言った。「こんなの…君らしくないよ。それに…泣きたいのはこっちの方なんだよ」
僕が言うと、ミコは、ごめんね、ごめんね、と何度も繰り返した。僕には、何故ミコが謝ってくるのか、理解ができなかった。
「落ち着いて、話してよ」
僕が言った。ミコは、両腕の袖で涙を拭いながら、小さく、うん、と言いながら頷いた。ミコは、ごめんね、キミを傷つけるつもりはなかったんだ、と言った。僕には、その言葉の意味が、やはり解らなかった。
「ミコは、僕の身に起こっている事を、何か知っているんだよね?」
ミコは、頷くと、また泣き出した。それから、声を出す代わりに、冷蔵庫の方を指さした。僕はそちらを振り返ると、冷蔵庫を開けた。まさか、死体でも入っているのではないか、と一瞬嫌な予感がしたが、特に、何も変化なかった。それから僕は、冷凍室を開けた。有香とアイスクリームを食べたので、製氷皿以外は何も見当たらなかった。ミコは、何を伝えようとしたのか…。
僕は、妙な胸騒ぎがして、部屋に戻った。それから、有香が座っていた辺りを見回した。床に、有香が食べたチョコレートアイスのカップが落ちていた…否…そんな…まさか…。
僕は、そのカップを拾い上げた。生暖かい温度と共に、柔らかい物を握った時の、ぐにゃ、とした感覚が指に伝わってきた。カップは…空いていない。中身が入ったままだ。
「そんな…」
思わず声が漏れた。有香は、間違いなくアイスクリームを食べた筈だ。だって、キスをした時に、チョコレートの香りがした。
僕は、自分のCD棚をひっくり返した。それから、有香から貰ったCDを探した。確かに、ここに並べた筈なのに…ない…。ない!
僕は、受け入れ難い事実が僕の身に起きている事を理解した。思わず…思わず、嗤い声が漏れた。ああ、人って、こういう時、本当に嗤うんだな、と思った。
「有香も…」僕は、誰に向けて言うでもなく、掠れた声で、言った。「有香も…僕が作り出したタルパだったのか…!」
僕は、急いでトイレに駆け戻った。けれど、そこにはもう、ミコの姿もなかった。
僕は、部屋中に響くくらいの大きな声で、何度も、ミコ、と呼んだ。けれど、ミコは姿を現さなかった。
僕は、PCからヘッドフォンを引き抜くと、自分の耳に当てた。それから、ミコ、と呼んでみたが、何も聞こえて来なかった。
こんな事って…。こんな事、あるか?
思わず、声が出てしまった。
そこには、ミコが居たのだ。
ミコは、閉じられた便座の上に、ちょこんと座り、俯いた顔を両手で覆いながら…肩を震わせて、泣いていた。
「ミコ…」僕が呟く様に言った。「これは、どういう事なんだろう?」
僕の言葉に、ミコは涙に崩れた顔を一瞬だけ上げると、また手で覆い、泣き出してしまった。
「泣いてても解らないよ」僕が言った。「こんなの…君らしくないよ。それに…泣きたいのはこっちの方なんだよ」
僕が言うと、ミコは、ごめんね、ごめんね、と何度も繰り返した。僕には、何故ミコが謝ってくるのか、理解ができなかった。
「落ち着いて、話してよ」
僕が言った。ミコは、両腕の袖で涙を拭いながら、小さく、うん、と言いながら頷いた。ミコは、ごめんね、キミを傷つけるつもりはなかったんだ、と言った。僕には、その言葉の意味が、やはり解らなかった。
「ミコは、僕の身に起こっている事を、何か知っているんだよね?」
ミコは、頷くと、また泣き出した。それから、声を出す代わりに、冷蔵庫の方を指さした。僕はそちらを振り返ると、冷蔵庫を開けた。まさか、死体でも入っているのではないか、と一瞬嫌な予感がしたが、特に、何も変化なかった。それから僕は、冷凍室を開けた。有香とアイスクリームを食べたので、製氷皿以外は何も見当たらなかった。ミコは、何を伝えようとしたのか…。
僕は、妙な胸騒ぎがして、部屋に戻った。それから、有香が座っていた辺りを見回した。床に、有香が食べたチョコレートアイスのカップが落ちていた…否…そんな…まさか…。
僕は、そのカップを拾い上げた。生暖かい温度と共に、柔らかい物を握った時の、ぐにゃ、とした感覚が指に伝わってきた。カップは…空いていない。中身が入ったままだ。
「そんな…」
思わず声が漏れた。有香は、間違いなくアイスクリームを食べた筈だ。だって、キスをした時に、チョコレートの香りがした。
僕は、自分のCD棚をひっくり返した。それから、有香から貰ったCDを探した。確かに、ここに並べた筈なのに…ない…。ない!
僕は、受け入れ難い事実が僕の身に起きている事を理解した。思わず…思わず、嗤い声が漏れた。ああ、人って、こういう時、本当に嗤うんだな、と思った。
「有香も…」僕は、誰に向けて言うでもなく、掠れた声で、言った。「有香も…僕が作り出したタルパだったのか…!」
僕は、急いでトイレに駆け戻った。けれど、そこにはもう、ミコの姿もなかった。
僕は、部屋中に響くくらいの大きな声で、何度も、ミコ、と呼んだ。けれど、ミコは姿を現さなかった。
僕は、PCからヘッドフォンを引き抜くと、自分の耳に当てた。それから、ミコ、と呼んでみたが、何も聞こえて来なかった。
こんな事って…。こんな事、あるか?
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