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大学生編:未来の君と、過去の僕 ― 知らないことばかりの今を、君と選んでいく ―
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大学のキャンパス。
風間蓮と再会してから、もうすぐ1年が経とうとしていた。
あの成人式の日から、自然に連絡をとるようになって。
何度か会って、何度か笑って、
ふたりはいつのまにか、“また始まっていた”。
「ねえ、未来の旦那様は、予知夢とか見てないの?」
カフェの窓際で、冗談まじりに尋ねると、
蓮は苦笑して首をふった。
「ううん。もう、夢は見てない。全然」
──そう、あの頃の“魔法”は、もう使えない。
でも、それが寂しいとは思わなかった。
むしろ、今は自分で選んで、ふたりで歩いている気がする。
* * *
ある日、蓮が言った。
「……実は、前の大学、やめたんだ」
「えっ……」
「本当は別の進路に進むはずだった。でも、夢を見なくなってから、自分が何をしたいのか、ちゃんと考えてみたくなって。
……そしたら、君と同じ大学を受けてた」
その言葉に、胸がぎゅっとなる。
「じゃあ、私のために?」
「ちがうよ。……君のそばにいたかっただけ」
「……それを“私のため”って言うんじゃない?」
笑いながら、少し泣きたくなった。
君が未来を“知っていたから”じゃなくて、
“知らなくても、そばにいたい”と思ったから──
その選択が、あの頃よりもずっと、尊く感じた。
* * *
ふたりで図書館のテラスに出た帰り道、
夕陽のなかで、蓮がぽつりとつぶやいた。
「……最初に夢で見た君はね、
“たとえ未来が変わっても、あなたの言葉が私を変えた”って言ってたんだ」
「……そんなこと、言ってたの?」
「うん。たぶん、あれは未来の君じゃなくて、君の“願い”だったんだと思う」
私は、少し黙って、それから返した。
「……じゃあ、いまの私は、
“あなたと一緒にいるって、自分で決めた”って言えるようになりたいな」
蓮は静かに目を細めて、
「うん」とひとことだけ、答えた。
過去の夢が連れてきたのは、未来じゃなくて、
「この瞬間を選ぶ強さ」だったのかもしれない。
夢を見なくなったふたりは、
今日も“知らない未来”を、いっしょに選んで歩いていく。
──つづく。
風間蓮と再会してから、もうすぐ1年が経とうとしていた。
あの成人式の日から、自然に連絡をとるようになって。
何度か会って、何度か笑って、
ふたりはいつのまにか、“また始まっていた”。
「ねえ、未来の旦那様は、予知夢とか見てないの?」
カフェの窓際で、冗談まじりに尋ねると、
蓮は苦笑して首をふった。
「ううん。もう、夢は見てない。全然」
──そう、あの頃の“魔法”は、もう使えない。
でも、それが寂しいとは思わなかった。
むしろ、今は自分で選んで、ふたりで歩いている気がする。
* * *
ある日、蓮が言った。
「……実は、前の大学、やめたんだ」
「えっ……」
「本当は別の進路に進むはずだった。でも、夢を見なくなってから、自分が何をしたいのか、ちゃんと考えてみたくなって。
……そしたら、君と同じ大学を受けてた」
その言葉に、胸がぎゅっとなる。
「じゃあ、私のために?」
「ちがうよ。……君のそばにいたかっただけ」
「……それを“私のため”って言うんじゃない?」
笑いながら、少し泣きたくなった。
君が未来を“知っていたから”じゃなくて、
“知らなくても、そばにいたい”と思ったから──
その選択が、あの頃よりもずっと、尊く感じた。
* * *
ふたりで図書館のテラスに出た帰り道、
夕陽のなかで、蓮がぽつりとつぶやいた。
「……最初に夢で見た君はね、
“たとえ未来が変わっても、あなたの言葉が私を変えた”って言ってたんだ」
「……そんなこと、言ってたの?」
「うん。たぶん、あれは未来の君じゃなくて、君の“願い”だったんだと思う」
私は、少し黙って、それから返した。
「……じゃあ、いまの私は、
“あなたと一緒にいるって、自分で決めた”って言えるようになりたいな」
蓮は静かに目を細めて、
「うん」とひとことだけ、答えた。
過去の夢が連れてきたのは、未来じゃなくて、
「この瞬間を選ぶ強さ」だったのかもしれない。
夢を見なくなったふたりは、
今日も“知らない未来”を、いっしょに選んで歩いていく。
──つづく。
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