堕天使様との恋は前途多難です!〜この恋は筋書きにありません!〜

明夏 向日葵

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堕天使様は溺愛系?

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「……スカーレット」
耳に触れながら囁くラファエルの声は、低く甘い。
そのまま唇が頬をかすめ、首筋へと降りていく。

「ラ、ラファエル様……っ! それ以上は、本当に心臓がもちませんわ!」
必死に抗議するスカーレットに、ラファエルは唇の端を上げて微笑んだ。

「ふふ……では聞こう。お前は――もっと甘やかしてほしいか?」

「な、な……!」
顔が一瞬で真っ赤になる。
「そ、それは……! ええと……ち、違……っ」
口ごもり、言葉が喉につかえる。

「答えないということは……望んでいる、ということだな?」
わざとからかうような声音。
ラファエルの紅の瞳が、愉しげに彼女を覗き込む。

「も、もうっ!!」
恥ずかしさに耐えきれず、スカーレットは勢いよくラファエルの胸に手を置く。
そして次の瞬間――彼の唇に、自らそっと口づけを落とした。

「……っ」
一瞬驚いたように目を見開くラファエル。
だがすぐに彼女の行動を噛みしめるように、目を細めて笑う。

スカーレットは唇を離すと、潤んだ瞳で彼を見上げた。
「私ばかり甘やかされていたら……おかしくなってしまいますわ。
私だって……ラファエル様を、甘やかしたいですわ」

その言葉に、ラファエルはたまらず彼女を抱きしめる。
「……お前ってやつは……どうしてそんなに俺を夢中にさせるんだ」
彼の胸に閉じ込められ、スカーレットはますます赤くなりながらも、そっと笑みを零した。
やがて彼は、彼女の耳元に唇を寄せて小さく囁いた。

「……もっと、甘やかしてほしい」

「えっ……?」
驚きに目を丸くするスカーレット。

ラファエルは彼女の肩に額を預け、まるで子どものように小さく息を吐いた。

「俺は……お前にばかり与えてもらっている。愛も、優しさも。
だから、もっと……俺に与えてくれ。お前の声も、笑顔も、温もりも……全部」

紅の瞳で見つめられ、スカーレットの胸は破裂しそうになる。
堕天使と呼ばれ、冷酷無慈悲と恐れられてきた彼が――こんなにも切実に、自分の甘やかしを欲しているなんて。

「ラ、ラファエル様……」
頬を真っ赤にしながらも、スカーレットは震える手で彼の頬を両手で包む。
「……でしたら、どうかこの私にいっぱい甘えてくださいまし」

そのまま、そっと彼の額に口づけを落とす。
「……! スカーレット……」
ラファエルの大きな体が、一瞬ふるえた。

「ふふ……可愛いところもあるのですわね」
思わず笑みを浮かべるスカーレットに、ラファエルは少しむくれたように眉をひそめる。

「可愛い……? 俺が?」
「ええ、とても」
「……なら、もっと可愛がってくれ。俺だけの聖女に」

再び強く抱き寄せられ、彼女は胸に押し潰されながら、 心臓がいくつあっても足りませんわ……! と内心悲鳴をあげるのだった。
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