堕天使様との恋は前途多難です!〜この恋は筋書きにありません!〜

明夏 向日葵

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かけがえのない日常

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「……もうっ! ひどいですわ、ラファエル様」
顔を真っ赤にしたまま、スカーレットはぷいと顔を背ける。

「わたくしが病み上がりなのを分かっていて……あんな、あんなに深いキスをするなんて……!」

その仕草が可愛くて仕方なく、ラファエルは堪えきれずに小さく笑う。

「すまない。本当に……お前が可愛すぎてな。つい……我慢ができなかった」

「わ、わたくしをからかわないでくださいませ!」
「からかってなどいない。本気だ」
そう囁くと、ラファエルはスカーレットの頬に手を添え、親指で彼女の耳の下をそっと撫でる。

「……そんな顔をされると、抱きしめずにはいられなくなる」
そう言って、再び彼女を胸に引き寄せた。

スカーレットは抗議の言葉を飲み込むように小さな声で「……ずるいですわ」と呟く。
「何がずるい?」
「そうして甘やかされると……怒る気力もなくなってしまいますもの」

ラファエルは優しく微笑み、彼女の髪に口づけを落とす。
「それでいい。お前には怒るよりも……笑っていてほしい」

「……もう。ラファエル様は本当に……甘やかしすぎです」
頬を膨らませながらも、胸に顔を埋めるスカーレット。
そんな彼女を、ラファエルはまるで宝物のように抱きしめ続けた。ラファエルの胸に収まったまま、スカーレットはそっと顔を上げる。
その瞬間、ラファエルの紅の瞳と視線が絡み、息が詰まる。

「……スカーレット」
囁き声とともに、ラファエルは彼女の頬に口づけを落とす。
さらに髪を指先で梳きながら、その柔らかな赤髪に何度も唇を寄せる。

「ら、ラファエル様っ……! 髪なんて、そんなに何度も……!」
抗議の声は震えていて、押し返す力も弱々しい。

「お前の髪は、月明かりに照らされて宝石より美しい。触れているだけで落ち着く……愛おしくて仕方がない」
そう囁きながら、ラファエルは彼女の耳元に口づけを落とした。

「ひゃっ……!」
思わず跳ねるスカーレットの肩。
「ら、ラファエル様っ! 耳は、だめですわっ……!」

しかしラファエルは彼女の抗議を楽しむように、耳の後ろに唇を滑らせ、さらに低く甘い声で囁いた。
「……嫌なのか?」
「ち、違いますけれど……っ!」

頬を真っ赤に染め、胸の鼓動が今にも破裂しそうで、スカーレットは心の中で叫ぶ。
(だめですわ……! 堕天使と呼ばれた冷酷無慈悲な彼の本当の顔が、こんなにも溺愛系だったなんて……! 心臓がいくつあっても足りませんわ……!)

ラファエルはそんな彼女の混乱さえ愛おしげに見つめ、髪に、耳に、そしてまた頬に――惜しむことなく口づけを落とし続けた。

「お前を溺愛せずにいられると思うか?」
甘やかす声と無数の口づけに、スカーレットは抵抗も忘れて彼の胸に身を委ねてしまうのだった。
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