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忘れられない
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翌日、将也さんんは昼過ぎまで起きてこなかった。義父と将平さんは市場に買い出しに行っている。将平さんの妻でわたしの一歳上の志津香さんは、義母と正月料理の仕上げをしている。志津香さんの子どもたちは祖母が相手をしていて、わたしは手持ち無沙汰だった。
「七海さん、将也起こしてきてくれる?」
「はい」
「将吾ね、夜六時着だって。後で将也と二人で迎えに行ってやって」
「はい、わかりました」
将也さんと二人で将吾さんを迎えに行くということに気まずさを感じたが、断る理由がなかった。
「ねえ、七海さん。うちの子達も連れてってくれる? 大祖母ちゃん、子守ばっかで疲れちゃうから、空港で少し遊ばせてきてもらえると助かるんだけど」
「わかりました」
わたしは志津香さんに頷くと、将也さんを起こしに部屋に行った。
ドアをノックしても返事はなく、何度か続けてノックしても反応はなかった。
「将也さん、開けますよ」
声をかけ、一呼吸置いてドアをそっと開ける。カーテンが閉められた薄暗い部屋の壁際に置かれたベッドに、将也さんははみ出さんばかりに布団にくるまり丸まっていた。
「将也さん」
ぐっすりと眠っているらしく、声をかけても身じろぎもしない。わたしはカーテンを開けた。明るくなった部屋に、将也さんは頭から布団をかぶった。
「将也さん、起きてください」
「も、ちょっと」
「ダメです、もうお昼ですから。早く起きてください」
「んだよ、カオルうるっせ……」
その言葉に、時が止まった。将也さんの元カノの名前だ。わたしと、声や姿形が似ているとリコさんが言っていたのを思い出す。将也さんは寝ぼけていて、わたしをカオルさんと間違えた、ということか。
「あ……、悪りぃ。おはよ」
将也さんが起き上がる。寝癖のついた頭はボサボサだ。
「もうおはようの時間じゃないです。お義母さんから、将吾さんを一緒に迎えに行ってって言われたんで、後でよろしくお願いします」
わたしはできるだけ冷静に用件を伝え、部屋を出た。
将也さんの部屋のドアを後ろ手で閉め、立ち止まる。
寝ぼけた将也さんの口から出た「カオル」さんの名前に動揺を隠せなかった。
将也さんが支度をしている間に、志津香さんから子どもたちの着替えやおやつを渡され、出かける準備をする。下の颯くんはまだ三歳だから、持っていく荷物が多い。
小さい子の面倒を見るのに多少の不安があったが、志津香さんから「お義兄さん、面倒見るのに慣れてるから大丈夫よ」と言われて少し安心した。子ども好きに見えない将也さんが、どんな風にこの二人とコミュニケーションを取るのか興味が沸いた。
子どもたちを車に乗せ、将也さんの運転で空港に向かう。将也さんは運転がうまかった。将吾さんも運転がうまいと常々感じるけれども、瞬間の判断力やハンドルさばきの滑らかさなどが、将吾さんよりもほんの少し勝っている気がした。
「将也ぁ、なんか聞きたい」
「何がいい?」
「ナナレンジャーの曲!」
「何それ」
「ナナレンジャー、将也くん知らないの?」
「知らね。オレが小さいときはやってなかったし」
将也さんはスマートフォンを出すと、姪の風花ちゃんに渡した。
「ちょっとこれで調べてかけて」
「えー、どうやんのかわかんない」
「わたしがやりましょうか」
わたしは風花ちゃんからスマートフォンを受け取り「ナナレンジャー」と検索した。
それらしいタイトルを見つけ、再生する。流れた曲に颯くんが「これこれ!」と嬉しそうに叫んだ。わたしは後ろに手を出した将也さんにスマートフォンを返すと、将也さんはカーステレオを操作し、スマートフォンと同期させた。
いい曲だなとわたしは思った。歌っているのは女性で、高音部も難なく出ている。ビブラートの掛け方も好みだった。
「ねぇ将也くん、将吾兄ちゃんの飛行機まで時間あるんでしょ」
「ああ」
「風花カラオケ行きたいな」
「でもママから空港で遊んで、って言われてるぞ」
「カラオケがいい! 将也くんの歌も聴きたい!」
「あ、あの、近くにあるか探しましょうか」
「いいけど、颯もカラオケでいいか?」
「いいよ! そしたらナナレンジャー歌う!」
わたしは慌てて空港の近くのカラオケを検索した。幸いなことに数軒見つけることができ、一時間だけ、と約束してカラオケをすることになった。
カラオケ店に入ると、颯くんと風花ちゃんは大はしゃぎで早速操作を始めた。その手慣れた様子に、最近の子どもは機器への対応力が高いなぁと感心した。
「颯、何歌う?」
「んーとね」
考えている間にも風花ちゃんは次々に曲を入れていった。ふと上げた目が合う。
「七海お姉ちゃん、何歌う?」
「わたしはいいよ、一時間しかないから二人で歌って」
「でも七海お姉ちゃんの歌も聴きたい」
「いいって」
そんなやり取りをしている間に、一曲目が始まった。マイクを奪い合うように歌う二人を、微笑ましい気持ちで見る。いつか将吾さんとの間にも子どもができたら、こんな風に過ごすこともあるのだろうか。
「あれ、これ英語の曲だ。将也くん歌って」
「やだよ」
「じゃあ七海お姉ちゃん歌って」
突然マイクを渡された。曲は、かなり古いロックだけれども映画か何かの主題歌になった曲で、今でも耳にすることは多い。何よりも、動画サイトで見ていた将也さんのバンドで、カオルさんがカバーしていた曲だった。
自然と口が開いた。何度となく繰り返し見た、カオルさんの歌い方が脳内で再生される。
彼女の、癖のある発声や節回しも自然に覚えていて、何も考えずとも自然に彼女を真似した歌い方になった。
将也さんが振り返った。驚いたように目を見開き、口元は何かを言いたげだった。
わたしは、その野生的で強い目の光に縫い留められたように思いながら、歌い終えた。
「七海お姉ちゃん上手!!」
風花ちゃんが拍手する。颯くんが「次ぼくー!」と言ってマイクを握る。将也さんは複雑そうな表情を浮かべると、わたしから目を逸らした。
カラオケを終えて空港に移動した後も、将也さんはなにも言わなかった。遊具コーナーで颯くんと風花ちゃんが遊んでいるのを見ながら、わたしは、どうしてカオルさんの歌い方を真似してしまったのかと後悔した。
カオルさんの歌い方も癖も、とても格好良いと思っていた。できることならカオルさんのような自信のある人でありたい、こんな風に歌いたい、と思っていたほどだ。
とはいえ、将也さんの前で元カノの歌い方を真似するなんて、許されることではない。
「将也さん」
「七海ちゃん」
意を決して声をかけたら、将也さんも同時にわたしに声をかけた。
「どう、ぞ」
「ん」
将也さんは、颯くんと風花ちゃんの方を見ながら問いかけてきた。
「歌い方、変えたんだ」
「……え?」
「さっきの、カラオケでさ。オーディションの音源もレコーディングのときも、ああいう歌い方じゃなかったな、って思って」
なんと答えればいいのか。リコさんからは「将也に言わないで」と口止めされていたから、カオルさんが歌っている動画を見て覚えたとは言えない。わたしが黙っていると、将也さんは続けて喋った。
「……昔、あんな歌い方するシンガーがいてさ。メジャーデビュー目前で歌えなくなって。歌、やめちまったんだけど。なんつーか、思い出しちまってさ」
「はい」
「元気かな……とかさ。まぁ、そんだけの話」
将也さんの横顔は、その人のことを思い出しているからか、心ここにあらずという感じで、少し切なそうに眉根が寄っていた。
わたしは、心の中で将也さんに問いかけた。
その人のこと、どう思っているんですか?
今でも好きなんですか?
その人は今、どこで何をしているんですか?
歌えなくなったのは、どうしてですか?
聞きたいことはたくさんある。でも、どれを何から聞けばいいのか。そもそも聞いていい内容なのかもわからない。
「将也ぁ! おしっこぉぉ!」
颯くんが遊具から走ってくる。
「危ねぇから走んな!」
将也さんは颯くんに声をかけると、振り向いた。
「颯をトイレに連れてくから、風花のこと見てて」
「はい」
聞きたいことを胸の奥に飲み込み、わたしは遊んでいる風花ちゃんの様子をぼんやりと見守った。
将吾さんの乗った飛行機が到着する時間が近づいた。トイレから戻ってきた颯くん、将也さん、それに風花ちゃんと到着ロビーに移動する。
飛行機は定刻どおりに着き、たくさんの帰省客の中から将吾さんを見つけた。周りと比べて頭ひとつ飛び抜けているし、存在感があって目立つ。将吾さんもすぐにこちらに気づき、大きく手を振ってくれた。
「しょーごっ」
颯くんが駆けて将吾さんに飛びつくと、将吾さんはしっかりと抱き上げた。
「将吾お帰り」
「兄貴、ありがとな。七海もありがとう」
将吾さんは片手で颯くんを抱き上げ、反対の手で風花ちゃんの頭を撫でている。その様子を見て、わたしは将吾さんが案外子ども好きだということを知った。
「車、こっちな。荷物持つから貸して」
将也さんは将吾さんのキャリーバッグを持つと先頭を歩き始めた。その後ろに颯くんを抱っこした将吾さん、風花ちゃん、最後にわたしが続く。
駐車場に着くと運転席に将也さんが座る。颯くんと風花ちゃんが将吾さんと一緒に後ろに乗りたいというので、わたしは仕方なく助手席に座った。
「七海ちゃん、好きな曲かけていいよ」
「はい、ありがとうございます」
将也さんに渡されたスマートフォンを操作し、適当にプレイリストを選ぶ。車が走り始めると、颯くんは遊び疲れからかすぐに寝てしまった。将吾さんと風花ちゃんも段々口数が少なくなり、気がつくと眠ってしまっていた。
静かな車内に若干の居心地の悪さを感じ、なにか話そうと口を開きかけたとき、将也さんが話しかけてきた。
「うち、賑やかだろ」
「あ、はい、そうですね」
「七海ちゃんは兄弟いるんだっけ」
「うちは兄が一人です。まだ結婚してないので独身で」
「実家住まい?」
「いえ、一人暮らししてます。っていっても、実家の目と鼻の先なんですけど」
「へぇ」
将也さんが振る話題に答えつつも、わたしは将也さんにカオルさんのことを聞きたい気持ちを持てあましていた。
カオルさんがどんな人で、どこに引かれたのか。いつから付き合っていて、将吾さんと揉めたのはどうしてなのか。
わたしはそっと後ろを振り返った。将吾さんは眠っている。聞くなら今しかない。
「あの、今朝起こしに行ったときに寝ぼけて「カオル」って言ってましたけど、もしかして彼女さんですか」
「あー……カオルは……うん、昔付き合ってた。もう、別れて何年になるかな」
「まだ、好きなんですか」
将也さんはキッとブレーキを踏んだ。何か怒らせるようなことを言ってしまったか、と焦ったけれども、信号が赤になっただけだった。
信号待ちの間、将也さんは何も言わなかった。わたしは、祈るような気持ちで信号が変わるのを待った。
ぱっと信号が青に変わり、将也さんはアクセルを踏んだ。
「……まだ好きかっていったら、そういう意味で好きってのはないけど。どうしてるかなってのは、ときどき思う」
寝ぼけたときにとっさに名前が出てしまうなんて、まだ好きだという証拠ではないか。そう思ったけれども、口にすることはできなかった。
「眠かったら寝ていいよ。まだ時間かかるから」
「ありがとうございます」
窓外の雪と灰色の空に目を向ける。将也さんは、本当はまだカオルさんのことが忘れられないんだろうなと思うと、胸がきゅうっと締め付けられたように苦しくて、わたしはそっと曇ったガラスを指で擦った。
実家に着くと、将也さんはぐっすり眠ったままの颯くんを抱き上げて家に入った。
将吾さんは寝ぼけ眼の風花ちゃんをお姫様抱っこして家に上がり、わたしは将吾さんの荷物を持って入った。
「おかえり」という声にほっと気持ちが和む。
「将吾、ここ座って! お父さん、ビール足りてる?」
「将平、もうちょっとそっち行ってよ、将吾さん座れないじゃない」
「風花は将吾くんの隣!」
「あれ? 颯は?」
「奥の部屋に寝かしてきた。すっげぇぐっすり寝てる」
「あらあら、後でおにぎり作っとくかねぇ」
家族の会話の中で、わたしはほんのわずかな疎外感を感じた。でも、これはきっとそのうち消えていくのだろうと思う。ゆくゆくは志津香さんのように、義母たちと対等に、実の娘のように振る舞っていけるだろう。
「七海、こっち」
将吾さんが、風花ちゃんが座った反対側を指差す。家族全員での食事と歓談。テレビの音量が大きい。
お酒も入り、声が大きくなる義父や将平さんのかけあいに、風花ちゃんの笑い声や途中で泣きながら起きてきた颯くんの声に、わたしら軽い頭痛を感じた。
「七海、顔色悪い。大丈夫か」
将吾さんの手が額に触れ、そのひんやりとした感触が気持ち良くてわたしは目を閉じた。
「ちょっと頭痛い」
「熱はないみたいだけど、部屋行って休んでるか」
「あ……」
「片付けなら私とお義母さんいるし、将平にも手伝ってもらうから大丈夫よ。休んできたら」
「ありがとうございます」
横から志津香さんにも言われ、わたしは素直に甘えることにした。
静かな客間に布団を敷き、パジャマに着替えて横になる。常夜灯だけにした部屋で天井を見ていると、だんだん眠気が襲ってきた。
腰に巻きつく腕の感触で目が覚めたのは、うとうとし始めてからどのくらい時間が経った頃だったのか。一瞬、自分がどこにいるのかわからなかった。
「将吾、さん?」
一組しか敷いていない布団の中、将吾さんがわたしの腰に抱きついていた。
「将吾さん、今何時?」
「夜中」
「え、もうそんな時間?」
わたしは慌てて起き上がろうとしたけれども、将吾さんに制された。
「もうみんな寝たよ」
「ほんと?」
「将平と兄貴と、三人で飲んでて将平が先に潰れてさ。志津香ちゃんに将平任せて、さっきまで兄貴と飲んでた」
「飲みすぎだよ」
「たまにだからさ」
将吾さんがふふ、と笑う。その柔らかな笑い方に、将吾さんが実家でリラックスしているのだとわかる。
「昨日、ごめんな。初めての実家なのに一人で来させちゃって」
「大丈夫。気にしてくれてありがとう」
お布団もう一組敷こうよ、と言おうとした唇に、将吾さんの唇が重なった。
優しく食まれながら深く重ねられる唇。いつもは甘くて優しくて、蕩けそうな感触にうっとりするほど大好きなキス。それなのにわたしは、昨晩の、将也さんとのキスを思い出していた。
双子といえども別の人間だから、キスの仕方も当然異なる。将也さんのキスは、何故だか胸がぐっと詰まるような感じがある。切なくて、少し悲しさを感じる。そして、吐息も、舌の感触も、唇の少し乾燥した感じも、唾液の味すらも好みだった。将也さんとのキスは「女が開く」という感覚があった。
将吾さんのキスは優しくて、どこまでも柔らかく受け止めてくれる。官能を刺激されるだけでなく、安心感もあり、無条件で委ねられる。
どちらがいいと比較できるものではない。どちらもそれぞれの良さがある……そこまで考えて、わたしはハッとした。
将吾さんとキスをしているのに、昨夜の将也さんとのキスを思い出しただけでなく、比較までしている。
自分に対して後ろめたさを感じながらそっと将吾さんから唇を離した。将吾さんはわたしの頭をしばらく撫でると、そのまま寝入ってしまった。
一人分の布団に二人で眠るのはさすがに狭く、わたしは新しくお布団を引き直して、横になった。
元旦は、新年の挨拶もそこそこに北海道を発ち、羽田から東京駅へ移動する。そして今度は北陸新幹線でわたしの実家がある群馬へと向かう。将吾さんは終始社交的で、わたしの両親からの受けも良かった。
「正直心配したけど、いい人で良かったわ」
台所で母を手伝っていると、こそりと母が呟いた。
「いきなり結婚前提なんていうから、だまされてるんじゃないかってお父さんと言ってたのよ」
「まぁ、そう思うよね」
「お兄も心配してさ、変なやつだったら絶対別れさせるって言うてたけど」
祝い箸を渡されて、テーブルに並べる。将吾さんは父、兄と酒を飲みながらテレビを見て、世間話をしている。
「七海には勿体ないくらいのいい人ね」
母の言葉が、胸の奥のどこかにほんのかすかに引っかかる。でも、それに気づかないように「うん、わたしもそう思う」と、答えた。
「式場とか見に行くときは、母さんも付き合うから言ってね」
「え、いいよ。出てくるの大変だし」
「でも向こうさんは北海道でしょ? こっちがしっかりやっとかないと申し訳ないから」
「まだ、結婚式どうするとか全然決めてないし。将吾さん、仕事忙しいから」
「そう。でも、結婚するっていうことでいいのよね」
「なんで」
「結婚前提で同棲、って言われたのにいざ具体的な話が進まない、って……ねぇ」
母の言葉は最もだ。結婚前提で付き合ってほしいと言われ、同棲までしているのに将吾さんからは具体的な行動が何一つない。
きっと仕事が忙しくて余裕がないからだろう。だからといって自らあれこれと取り組むのも少し違う気がしている。
「結婚するつもりがあるなら、入籍が先でもうちは全然構わんのよ」
「うん」
「あー、でも向こうのお家にはご挨拶早めに行かないとね。北海道っていつまで雪あるのかしら」
わたしは、母の言葉に曖昧に返事をしながら、頭の片隅で考えた。将吾さんのことは大好きだし愛している。彼に大切にされていることも実感できている。
けれども、この、前に進めない感じはなんなのだろう。自分から結婚式に向けて行動をする気持ちが今ひとつ起きない。
ふと、将也さんのことが頭を掠めた。将吾さんとするキスとは違う、わたしをどこまでも「オンナ」にしてしまう将也さんのキス……。
わたしは軽く頭を振り、その考えを追い出した。わたしは将吾さんと結婚する。将也さんは関係ない。
けれども、何度追い払ってもあの日のキスを、将也さんの熱く、鋭い瞳の光を、触れたときの電気が流れたようにビリビリとするショックを思い出しては、中心が疼くのを感じていた。
「七海さん、将也起こしてきてくれる?」
「はい」
「将吾ね、夜六時着だって。後で将也と二人で迎えに行ってやって」
「はい、わかりました」
将也さんと二人で将吾さんを迎えに行くということに気まずさを感じたが、断る理由がなかった。
「ねえ、七海さん。うちの子達も連れてってくれる? 大祖母ちゃん、子守ばっかで疲れちゃうから、空港で少し遊ばせてきてもらえると助かるんだけど」
「わかりました」
わたしは志津香さんに頷くと、将也さんを起こしに部屋に行った。
ドアをノックしても返事はなく、何度か続けてノックしても反応はなかった。
「将也さん、開けますよ」
声をかけ、一呼吸置いてドアをそっと開ける。カーテンが閉められた薄暗い部屋の壁際に置かれたベッドに、将也さんははみ出さんばかりに布団にくるまり丸まっていた。
「将也さん」
ぐっすりと眠っているらしく、声をかけても身じろぎもしない。わたしはカーテンを開けた。明るくなった部屋に、将也さんは頭から布団をかぶった。
「将也さん、起きてください」
「も、ちょっと」
「ダメです、もうお昼ですから。早く起きてください」
「んだよ、カオルうるっせ……」
その言葉に、時が止まった。将也さんの元カノの名前だ。わたしと、声や姿形が似ているとリコさんが言っていたのを思い出す。将也さんは寝ぼけていて、わたしをカオルさんと間違えた、ということか。
「あ……、悪りぃ。おはよ」
将也さんが起き上がる。寝癖のついた頭はボサボサだ。
「もうおはようの時間じゃないです。お義母さんから、将吾さんを一緒に迎えに行ってって言われたんで、後でよろしくお願いします」
わたしはできるだけ冷静に用件を伝え、部屋を出た。
将也さんの部屋のドアを後ろ手で閉め、立ち止まる。
寝ぼけた将也さんの口から出た「カオル」さんの名前に動揺を隠せなかった。
将也さんが支度をしている間に、志津香さんから子どもたちの着替えやおやつを渡され、出かける準備をする。下の颯くんはまだ三歳だから、持っていく荷物が多い。
小さい子の面倒を見るのに多少の不安があったが、志津香さんから「お義兄さん、面倒見るのに慣れてるから大丈夫よ」と言われて少し安心した。子ども好きに見えない将也さんが、どんな風にこの二人とコミュニケーションを取るのか興味が沸いた。
子どもたちを車に乗せ、将也さんの運転で空港に向かう。将也さんは運転がうまかった。将吾さんも運転がうまいと常々感じるけれども、瞬間の判断力やハンドルさばきの滑らかさなどが、将吾さんよりもほんの少し勝っている気がした。
「将也ぁ、なんか聞きたい」
「何がいい?」
「ナナレンジャーの曲!」
「何それ」
「ナナレンジャー、将也くん知らないの?」
「知らね。オレが小さいときはやってなかったし」
将也さんはスマートフォンを出すと、姪の風花ちゃんに渡した。
「ちょっとこれで調べてかけて」
「えー、どうやんのかわかんない」
「わたしがやりましょうか」
わたしは風花ちゃんからスマートフォンを受け取り「ナナレンジャー」と検索した。
それらしいタイトルを見つけ、再生する。流れた曲に颯くんが「これこれ!」と嬉しそうに叫んだ。わたしは後ろに手を出した将也さんにスマートフォンを返すと、将也さんはカーステレオを操作し、スマートフォンと同期させた。
いい曲だなとわたしは思った。歌っているのは女性で、高音部も難なく出ている。ビブラートの掛け方も好みだった。
「ねぇ将也くん、将吾兄ちゃんの飛行機まで時間あるんでしょ」
「ああ」
「風花カラオケ行きたいな」
「でもママから空港で遊んで、って言われてるぞ」
「カラオケがいい! 将也くんの歌も聴きたい!」
「あ、あの、近くにあるか探しましょうか」
「いいけど、颯もカラオケでいいか?」
「いいよ! そしたらナナレンジャー歌う!」
わたしは慌てて空港の近くのカラオケを検索した。幸いなことに数軒見つけることができ、一時間だけ、と約束してカラオケをすることになった。
カラオケ店に入ると、颯くんと風花ちゃんは大はしゃぎで早速操作を始めた。その手慣れた様子に、最近の子どもは機器への対応力が高いなぁと感心した。
「颯、何歌う?」
「んーとね」
考えている間にも風花ちゃんは次々に曲を入れていった。ふと上げた目が合う。
「七海お姉ちゃん、何歌う?」
「わたしはいいよ、一時間しかないから二人で歌って」
「でも七海お姉ちゃんの歌も聴きたい」
「いいって」
そんなやり取りをしている間に、一曲目が始まった。マイクを奪い合うように歌う二人を、微笑ましい気持ちで見る。いつか将吾さんとの間にも子どもができたら、こんな風に過ごすこともあるのだろうか。
「あれ、これ英語の曲だ。将也くん歌って」
「やだよ」
「じゃあ七海お姉ちゃん歌って」
突然マイクを渡された。曲は、かなり古いロックだけれども映画か何かの主題歌になった曲で、今でも耳にすることは多い。何よりも、動画サイトで見ていた将也さんのバンドで、カオルさんがカバーしていた曲だった。
自然と口が開いた。何度となく繰り返し見た、カオルさんの歌い方が脳内で再生される。
彼女の、癖のある発声や節回しも自然に覚えていて、何も考えずとも自然に彼女を真似した歌い方になった。
将也さんが振り返った。驚いたように目を見開き、口元は何かを言いたげだった。
わたしは、その野生的で強い目の光に縫い留められたように思いながら、歌い終えた。
「七海お姉ちゃん上手!!」
風花ちゃんが拍手する。颯くんが「次ぼくー!」と言ってマイクを握る。将也さんは複雑そうな表情を浮かべると、わたしから目を逸らした。
カラオケを終えて空港に移動した後も、将也さんはなにも言わなかった。遊具コーナーで颯くんと風花ちゃんが遊んでいるのを見ながら、わたしは、どうしてカオルさんの歌い方を真似してしまったのかと後悔した。
カオルさんの歌い方も癖も、とても格好良いと思っていた。できることならカオルさんのような自信のある人でありたい、こんな風に歌いたい、と思っていたほどだ。
とはいえ、将也さんの前で元カノの歌い方を真似するなんて、許されることではない。
「将也さん」
「七海ちゃん」
意を決して声をかけたら、将也さんも同時にわたしに声をかけた。
「どう、ぞ」
「ん」
将也さんは、颯くんと風花ちゃんの方を見ながら問いかけてきた。
「歌い方、変えたんだ」
「……え?」
「さっきの、カラオケでさ。オーディションの音源もレコーディングのときも、ああいう歌い方じゃなかったな、って思って」
なんと答えればいいのか。リコさんからは「将也に言わないで」と口止めされていたから、カオルさんが歌っている動画を見て覚えたとは言えない。わたしが黙っていると、将也さんは続けて喋った。
「……昔、あんな歌い方するシンガーがいてさ。メジャーデビュー目前で歌えなくなって。歌、やめちまったんだけど。なんつーか、思い出しちまってさ」
「はい」
「元気かな……とかさ。まぁ、そんだけの話」
将也さんの横顔は、その人のことを思い出しているからか、心ここにあらずという感じで、少し切なそうに眉根が寄っていた。
わたしは、心の中で将也さんに問いかけた。
その人のこと、どう思っているんですか?
今でも好きなんですか?
その人は今、どこで何をしているんですか?
歌えなくなったのは、どうしてですか?
聞きたいことはたくさんある。でも、どれを何から聞けばいいのか。そもそも聞いていい内容なのかもわからない。
「将也ぁ! おしっこぉぉ!」
颯くんが遊具から走ってくる。
「危ねぇから走んな!」
将也さんは颯くんに声をかけると、振り向いた。
「颯をトイレに連れてくから、風花のこと見てて」
「はい」
聞きたいことを胸の奥に飲み込み、わたしは遊んでいる風花ちゃんの様子をぼんやりと見守った。
将吾さんの乗った飛行機が到着する時間が近づいた。トイレから戻ってきた颯くん、将也さん、それに風花ちゃんと到着ロビーに移動する。
飛行機は定刻どおりに着き、たくさんの帰省客の中から将吾さんを見つけた。周りと比べて頭ひとつ飛び抜けているし、存在感があって目立つ。将吾さんもすぐにこちらに気づき、大きく手を振ってくれた。
「しょーごっ」
颯くんが駆けて将吾さんに飛びつくと、将吾さんはしっかりと抱き上げた。
「将吾お帰り」
「兄貴、ありがとな。七海もありがとう」
将吾さんは片手で颯くんを抱き上げ、反対の手で風花ちゃんの頭を撫でている。その様子を見て、わたしは将吾さんが案外子ども好きだということを知った。
「車、こっちな。荷物持つから貸して」
将也さんは将吾さんのキャリーバッグを持つと先頭を歩き始めた。その後ろに颯くんを抱っこした将吾さん、風花ちゃん、最後にわたしが続く。
駐車場に着くと運転席に将也さんが座る。颯くんと風花ちゃんが将吾さんと一緒に後ろに乗りたいというので、わたしは仕方なく助手席に座った。
「七海ちゃん、好きな曲かけていいよ」
「はい、ありがとうございます」
将也さんに渡されたスマートフォンを操作し、適当にプレイリストを選ぶ。車が走り始めると、颯くんは遊び疲れからかすぐに寝てしまった。将吾さんと風花ちゃんも段々口数が少なくなり、気がつくと眠ってしまっていた。
静かな車内に若干の居心地の悪さを感じ、なにか話そうと口を開きかけたとき、将也さんが話しかけてきた。
「うち、賑やかだろ」
「あ、はい、そうですね」
「七海ちゃんは兄弟いるんだっけ」
「うちは兄が一人です。まだ結婚してないので独身で」
「実家住まい?」
「いえ、一人暮らししてます。っていっても、実家の目と鼻の先なんですけど」
「へぇ」
将也さんが振る話題に答えつつも、わたしは将也さんにカオルさんのことを聞きたい気持ちを持てあましていた。
カオルさんがどんな人で、どこに引かれたのか。いつから付き合っていて、将吾さんと揉めたのはどうしてなのか。
わたしはそっと後ろを振り返った。将吾さんは眠っている。聞くなら今しかない。
「あの、今朝起こしに行ったときに寝ぼけて「カオル」って言ってましたけど、もしかして彼女さんですか」
「あー……カオルは……うん、昔付き合ってた。もう、別れて何年になるかな」
「まだ、好きなんですか」
将也さんはキッとブレーキを踏んだ。何か怒らせるようなことを言ってしまったか、と焦ったけれども、信号が赤になっただけだった。
信号待ちの間、将也さんは何も言わなかった。わたしは、祈るような気持ちで信号が変わるのを待った。
ぱっと信号が青に変わり、将也さんはアクセルを踏んだ。
「……まだ好きかっていったら、そういう意味で好きってのはないけど。どうしてるかなってのは、ときどき思う」
寝ぼけたときにとっさに名前が出てしまうなんて、まだ好きだという証拠ではないか。そう思ったけれども、口にすることはできなかった。
「眠かったら寝ていいよ。まだ時間かかるから」
「ありがとうございます」
窓外の雪と灰色の空に目を向ける。将也さんは、本当はまだカオルさんのことが忘れられないんだろうなと思うと、胸がきゅうっと締め付けられたように苦しくて、わたしはそっと曇ったガラスを指で擦った。
実家に着くと、将也さんはぐっすり眠ったままの颯くんを抱き上げて家に入った。
将吾さんは寝ぼけ眼の風花ちゃんをお姫様抱っこして家に上がり、わたしは将吾さんの荷物を持って入った。
「おかえり」という声にほっと気持ちが和む。
「将吾、ここ座って! お父さん、ビール足りてる?」
「将平、もうちょっとそっち行ってよ、将吾さん座れないじゃない」
「風花は将吾くんの隣!」
「あれ? 颯は?」
「奥の部屋に寝かしてきた。すっげぇぐっすり寝てる」
「あらあら、後でおにぎり作っとくかねぇ」
家族の会話の中で、わたしはほんのわずかな疎外感を感じた。でも、これはきっとそのうち消えていくのだろうと思う。ゆくゆくは志津香さんのように、義母たちと対等に、実の娘のように振る舞っていけるだろう。
「七海、こっち」
将吾さんが、風花ちゃんが座った反対側を指差す。家族全員での食事と歓談。テレビの音量が大きい。
お酒も入り、声が大きくなる義父や将平さんのかけあいに、風花ちゃんの笑い声や途中で泣きながら起きてきた颯くんの声に、わたしら軽い頭痛を感じた。
「七海、顔色悪い。大丈夫か」
将吾さんの手が額に触れ、そのひんやりとした感触が気持ち良くてわたしは目を閉じた。
「ちょっと頭痛い」
「熱はないみたいだけど、部屋行って休んでるか」
「あ……」
「片付けなら私とお義母さんいるし、将平にも手伝ってもらうから大丈夫よ。休んできたら」
「ありがとうございます」
横から志津香さんにも言われ、わたしは素直に甘えることにした。
静かな客間に布団を敷き、パジャマに着替えて横になる。常夜灯だけにした部屋で天井を見ていると、だんだん眠気が襲ってきた。
腰に巻きつく腕の感触で目が覚めたのは、うとうとし始めてからどのくらい時間が経った頃だったのか。一瞬、自分がどこにいるのかわからなかった。
「将吾、さん?」
一組しか敷いていない布団の中、将吾さんがわたしの腰に抱きついていた。
「将吾さん、今何時?」
「夜中」
「え、もうそんな時間?」
わたしは慌てて起き上がろうとしたけれども、将吾さんに制された。
「もうみんな寝たよ」
「ほんと?」
「将平と兄貴と、三人で飲んでて将平が先に潰れてさ。志津香ちゃんに将平任せて、さっきまで兄貴と飲んでた」
「飲みすぎだよ」
「たまにだからさ」
将吾さんがふふ、と笑う。その柔らかな笑い方に、将吾さんが実家でリラックスしているのだとわかる。
「昨日、ごめんな。初めての実家なのに一人で来させちゃって」
「大丈夫。気にしてくれてありがとう」
お布団もう一組敷こうよ、と言おうとした唇に、将吾さんの唇が重なった。
優しく食まれながら深く重ねられる唇。いつもは甘くて優しくて、蕩けそうな感触にうっとりするほど大好きなキス。それなのにわたしは、昨晩の、将也さんとのキスを思い出していた。
双子といえども別の人間だから、キスの仕方も当然異なる。将也さんのキスは、何故だか胸がぐっと詰まるような感じがある。切なくて、少し悲しさを感じる。そして、吐息も、舌の感触も、唇の少し乾燥した感じも、唾液の味すらも好みだった。将也さんとのキスは「女が開く」という感覚があった。
将吾さんのキスは優しくて、どこまでも柔らかく受け止めてくれる。官能を刺激されるだけでなく、安心感もあり、無条件で委ねられる。
どちらがいいと比較できるものではない。どちらもそれぞれの良さがある……そこまで考えて、わたしはハッとした。
将吾さんとキスをしているのに、昨夜の将也さんとのキスを思い出しただけでなく、比較までしている。
自分に対して後ろめたさを感じながらそっと将吾さんから唇を離した。将吾さんはわたしの頭をしばらく撫でると、そのまま寝入ってしまった。
一人分の布団に二人で眠るのはさすがに狭く、わたしは新しくお布団を引き直して、横になった。
元旦は、新年の挨拶もそこそこに北海道を発ち、羽田から東京駅へ移動する。そして今度は北陸新幹線でわたしの実家がある群馬へと向かう。将吾さんは終始社交的で、わたしの両親からの受けも良かった。
「正直心配したけど、いい人で良かったわ」
台所で母を手伝っていると、こそりと母が呟いた。
「いきなり結婚前提なんていうから、だまされてるんじゃないかってお父さんと言ってたのよ」
「まぁ、そう思うよね」
「お兄も心配してさ、変なやつだったら絶対別れさせるって言うてたけど」
祝い箸を渡されて、テーブルに並べる。将吾さんは父、兄と酒を飲みながらテレビを見て、世間話をしている。
「七海には勿体ないくらいのいい人ね」
母の言葉が、胸の奥のどこかにほんのかすかに引っかかる。でも、それに気づかないように「うん、わたしもそう思う」と、答えた。
「式場とか見に行くときは、母さんも付き合うから言ってね」
「え、いいよ。出てくるの大変だし」
「でも向こうさんは北海道でしょ? こっちがしっかりやっとかないと申し訳ないから」
「まだ、結婚式どうするとか全然決めてないし。将吾さん、仕事忙しいから」
「そう。でも、結婚するっていうことでいいのよね」
「なんで」
「結婚前提で同棲、って言われたのにいざ具体的な話が進まない、って……ねぇ」
母の言葉は最もだ。結婚前提で付き合ってほしいと言われ、同棲までしているのに将吾さんからは具体的な行動が何一つない。
きっと仕事が忙しくて余裕がないからだろう。だからといって自らあれこれと取り組むのも少し違う気がしている。
「結婚するつもりがあるなら、入籍が先でもうちは全然構わんのよ」
「うん」
「あー、でも向こうのお家にはご挨拶早めに行かないとね。北海道っていつまで雪あるのかしら」
わたしは、母の言葉に曖昧に返事をしながら、頭の片隅で考えた。将吾さんのことは大好きだし愛している。彼に大切にされていることも実感できている。
けれども、この、前に進めない感じはなんなのだろう。自分から結婚式に向けて行動をする気持ちが今ひとつ起きない。
ふと、将也さんのことが頭を掠めた。将吾さんとするキスとは違う、わたしをどこまでも「オンナ」にしてしまう将也さんのキス……。
わたしは軽く頭を振り、その考えを追い出した。わたしは将吾さんと結婚する。将也さんは関係ない。
けれども、何度追い払ってもあの日のキスを、将也さんの熱く、鋭い瞳の光を、触れたときの電気が流れたようにビリビリとするショックを思い出しては、中心が疼くのを感じていた。
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