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ここは俺に任せて先に行け!
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眼前には戸惑うミノタウロス、地には痙攣する変態貴族、俺の隣には怯えるマフユがいる。
ついさっきまでは変態貴族を侮蔑していたのに、ふと冷静になると途端に怯え始める。
「に、にげないと! でも……私たちだけでどうやって……」
マフユは剣の名家と謳われる変態貴族とミノタウロスを交互に見やっていた。
変態貴族なんて大嫌いだと豪語していたのに、なんとかして助け出そうとしているらしい。優しい性格なのがわかる。
だが、気負う必要はない。
「マフユ」
「なに!? 今考えてるのよ! こいつを2人で運んで、どうやってミノタウロスから逃げ出すか! そんな達観した顔で話しかけないで!」
すっかり混乱しているが、この事態は俺が仕組んだ結果だ。
マフユが絶望すればするほど、マッチポンプの真価が発揮される。そして、次に俺が放つセリフにも凄みを持たせられる。
「……もうおしまいよ、私たちは力を持たないただのギルド職員。このままミノタウロスに嬲り殺される運命なの……」
へなへなと座り込むマフユはすっかり意気消沈していた。
可哀想に。さぞ辛かろう。絶望しているに違いない。だが、それでいい。
そうでなければ意味がない。
マッチポンプの第二フェーズを始めよう。
「マフユ」
俺は改めて彼女の名を呼んだ。
「……なに?」
マフユは潤んだ瞳でこちらを見上げた。
「立てるか」
「う、うん……」
俺は強引にマフユの手を取った。
腰は抜けているようだが、まだ気概はあるらしい。
ふらふらと立ち上がってくれる。
話ができるならそれでいい。
「……あ、あんた、何するつもり……?」
マフユはこちらを見て息を呑んでいた。
何かを察したのか、俺の腕を両手で掴んで離してくれない。
どうやら俺が作り出した決死の表情を見て何かを察したらしい。
であれば、次に俺が言うことは決まっている。
「そこの男を連れて逃げろ」
迷わず伝えた。
「え?」
「——ここは俺に任せて先に行け!」
俺は威風堂々と言い放った。
ついに言えた。このセリフをずっと言ってみたかった。
「あんたは……アークはどうするのよ!?」
「やつは俺が食い止める。危険度調査でBランク冒険者の男爵貴族とギルド職員が死んだなんてなったら最悪だからな。他領地から研修に来たような人間ならいてもいなくても誰も気づかないだろ? ハルチエには上手く伝えておいてくれ。いいな?」
「アーク!」
「いいから早くしろ! 死んでからじゃ何もかも遅いんだぞ!」
「ッ! ア、アーク……」
マフユは目を剥いて歯を食いしばった。
俺の言葉にリアリティを感じたのか、失神する変態貴族の肩を取った。
彼女は亡くなった父に鍛えられたと言っていたので、大柄の男を1人背負うくらいは苦ではなさそうだ。
「早くしろ。ギルドに戻ったら増援を呼んできてくれ。それまで持ち堪える」
「絶対……絶対に生きるのよ……?」
「ああ、任せろ」
俺は端的に答えると、視線で早く行くよう促した。
「ごめんね」
マフユは最後に悲しげな顔で俺と目を交わすと、振り返ることなく駆け出した。
「さて……ようやく1人になれた。ここからは段取りが重要だな」
「ブモゥ!」
ミノタウロスはここまで静かに見守っててくれた。
多分、お漏らしをする変態貴族に圧倒されて動けなくなっていたのだろう。人間も魔物も、突然の奇行を目にした時は固まってしまうものだ。
「早く全てを済ませないとな」
俺はおもむろにミノタウロスとの距離を詰めた。
1歩ずつ、静かに歩みを進める。
ファイアブレストドラゴンを倒したことで妙な自信が芽生えたらしい。ミノタウロスを見ても怖くもなんともない。むしろ簡単に倒せる自信すら湧いていた。
「ブモゥ……! ブモブモ!」
ミノタウロスは近づく俺に威嚇していたが、その時点で既に勝負は決していた。
ヤツが唸りを上げるよりも先に、俺はヤツの後方に移動し終えており、瞬間的にうなじの辺りを殴りつけていた。
「……ブ……モゥ……?」
ミノタウロスは白目を剥いて倒れ伏した。
予想だにしない一撃を浴びたことで全身の力が抜けたのだろう。
割と本気で殴ってみたから痛いと思う。
やはりヤミノ・アクニンが持つ無意識的な潜在能力は凄まじいな。
「よし。あとは簡単だ」
俺は懐から注射器を取り出すと、そいつをミノタウロスの硬い皮膚にブッ刺した。
注射器の中には、ルナからもらった”パワードープ”というヤバい薬が入っている。
効果としては魔物の筋肉を増強させ、知性と理性を奪うというもの。
「ブブブモモモモモモッッ!!!!」
現にミノタウロスは釣り上げられた魚のように跳ね回って暴れている。
メキメキと音を立てて、元から筋肉質な肉体が更に大きくなっていき、ものの30秒足らずで1.5倍ほどの体躯にまで成長していた。
しかし、首を殴りつけたからまともに戦えるわけもなく、単に大きくなったデカブツが倒れ伏しているにすぎない状態だ。
残す作業はあと一手間で終わりだ。
「またな」
俺はミノタウロスにトドメを刺した。
そして、周囲の木々を意図的に荒らし、最後に口元のマスクを外してミノタウロスの上に残した。
あとは増援を呼んできたマフユがこの状況を見てどう解釈するのかに委ねられる。
「……俺は変態貴族の噂をばら撒くか。レイミーに頼んでおこう」
変態貴族の痴態を知れば誰もが幻滅することだろう。
これまでの煙たがられ具合も相まって、噂は良くも悪くも尾ひれを付けて加速するはずだ。
「楽しみだ」
俺はミノタウロスの死体を尻目に立ち去った。
こうして、ギルド職員アークの研修はたった2日で終わったのだった。
ついさっきまでは変態貴族を侮蔑していたのに、ふと冷静になると途端に怯え始める。
「に、にげないと! でも……私たちだけでどうやって……」
マフユは剣の名家と謳われる変態貴族とミノタウロスを交互に見やっていた。
変態貴族なんて大嫌いだと豪語していたのに、なんとかして助け出そうとしているらしい。優しい性格なのがわかる。
だが、気負う必要はない。
「マフユ」
「なに!? 今考えてるのよ! こいつを2人で運んで、どうやってミノタウロスから逃げ出すか! そんな達観した顔で話しかけないで!」
すっかり混乱しているが、この事態は俺が仕組んだ結果だ。
マフユが絶望すればするほど、マッチポンプの真価が発揮される。そして、次に俺が放つセリフにも凄みを持たせられる。
「……もうおしまいよ、私たちは力を持たないただのギルド職員。このままミノタウロスに嬲り殺される運命なの……」
へなへなと座り込むマフユはすっかり意気消沈していた。
可哀想に。さぞ辛かろう。絶望しているに違いない。だが、それでいい。
そうでなければ意味がない。
マッチポンプの第二フェーズを始めよう。
「マフユ」
俺は改めて彼女の名を呼んだ。
「……なに?」
マフユは潤んだ瞳でこちらを見上げた。
「立てるか」
「う、うん……」
俺は強引にマフユの手を取った。
腰は抜けているようだが、まだ気概はあるらしい。
ふらふらと立ち上がってくれる。
話ができるならそれでいい。
「……あ、あんた、何するつもり……?」
マフユはこちらを見て息を呑んでいた。
何かを察したのか、俺の腕を両手で掴んで離してくれない。
どうやら俺が作り出した決死の表情を見て何かを察したらしい。
であれば、次に俺が言うことは決まっている。
「そこの男を連れて逃げろ」
迷わず伝えた。
「え?」
「——ここは俺に任せて先に行け!」
俺は威風堂々と言い放った。
ついに言えた。このセリフをずっと言ってみたかった。
「あんたは……アークはどうするのよ!?」
「やつは俺が食い止める。危険度調査でBランク冒険者の男爵貴族とギルド職員が死んだなんてなったら最悪だからな。他領地から研修に来たような人間ならいてもいなくても誰も気づかないだろ? ハルチエには上手く伝えておいてくれ。いいな?」
「アーク!」
「いいから早くしろ! 死んでからじゃ何もかも遅いんだぞ!」
「ッ! ア、アーク……」
マフユは目を剥いて歯を食いしばった。
俺の言葉にリアリティを感じたのか、失神する変態貴族の肩を取った。
彼女は亡くなった父に鍛えられたと言っていたので、大柄の男を1人背負うくらいは苦ではなさそうだ。
「早くしろ。ギルドに戻ったら増援を呼んできてくれ。それまで持ち堪える」
「絶対……絶対に生きるのよ……?」
「ああ、任せろ」
俺は端的に答えると、視線で早く行くよう促した。
「ごめんね」
マフユは最後に悲しげな顔で俺と目を交わすと、振り返ることなく駆け出した。
「さて……ようやく1人になれた。ここからは段取りが重要だな」
「ブモゥ!」
ミノタウロスはここまで静かに見守っててくれた。
多分、お漏らしをする変態貴族に圧倒されて動けなくなっていたのだろう。人間も魔物も、突然の奇行を目にした時は固まってしまうものだ。
「早く全てを済ませないとな」
俺はおもむろにミノタウロスとの距離を詰めた。
1歩ずつ、静かに歩みを進める。
ファイアブレストドラゴンを倒したことで妙な自信が芽生えたらしい。ミノタウロスを見ても怖くもなんともない。むしろ簡単に倒せる自信すら湧いていた。
「ブモゥ……! ブモブモ!」
ミノタウロスは近づく俺に威嚇していたが、その時点で既に勝負は決していた。
ヤツが唸りを上げるよりも先に、俺はヤツの後方に移動し終えており、瞬間的にうなじの辺りを殴りつけていた。
「……ブ……モゥ……?」
ミノタウロスは白目を剥いて倒れ伏した。
予想だにしない一撃を浴びたことで全身の力が抜けたのだろう。
割と本気で殴ってみたから痛いと思う。
やはりヤミノ・アクニンが持つ無意識的な潜在能力は凄まじいな。
「よし。あとは簡単だ」
俺は懐から注射器を取り出すと、そいつをミノタウロスの硬い皮膚にブッ刺した。
注射器の中には、ルナからもらった”パワードープ”というヤバい薬が入っている。
効果としては魔物の筋肉を増強させ、知性と理性を奪うというもの。
「ブブブモモモモモモッッ!!!!」
現にミノタウロスは釣り上げられた魚のように跳ね回って暴れている。
メキメキと音を立てて、元から筋肉質な肉体が更に大きくなっていき、ものの30秒足らずで1.5倍ほどの体躯にまで成長していた。
しかし、首を殴りつけたからまともに戦えるわけもなく、単に大きくなったデカブツが倒れ伏しているにすぎない状態だ。
残す作業はあと一手間で終わりだ。
「またな」
俺はミノタウロスにトドメを刺した。
そして、周囲の木々を意図的に荒らし、最後に口元のマスクを外してミノタウロスの上に残した。
あとは増援を呼んできたマフユがこの状況を見てどう解釈するのかに委ねられる。
「……俺は変態貴族の噂をばら撒くか。レイミーに頼んでおこう」
変態貴族の痴態を知れば誰もが幻滅することだろう。
これまでの煙たがられ具合も相まって、噂は良くも悪くも尾ひれを付けて加速するはずだ。
「楽しみだ」
俺はミノタウロスの死体を尻目に立ち去った。
こうして、ギルド職員アークの研修はたった2日で終わったのだった。
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