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「とりあえず請け負うことにするけど、いくつか守ってもらうことがある」
「はい!」
「元気だけはいいなあ」
ワットとの会話が終わった後、そのまま応接室で話し合いの席を設ける形になった。フィーシアは剣術、魔法ともに普通というのは授業で知っている。
「基本的に俺が先頭に立つ。昆虫系の魔物に関してはフィーシアが戦っても良しとする」
「うんうん」
「で、ゴブリンかホブゴブリンと遭遇した場合はザグレブさんと一緒にすぐ現場を離れること」
「ゴブリン……最近、よく出没するって聞くけどやっぱりそうなんだ?」
「ああ。森の浅いところでも見かけたから、近くの草原までかなあ」
主にフィーシアとミトラのことをどうするか? そっちの方がメインとなる。リアムはバスレーを守る形にし、二人はロイが面倒を見るということになった。
「それじゃ依頼は達成できないんじゃない?」
「まあ、魔物退治というより、課外授業みたいにしようかと思っているんだ。依頼と言っても俺達が帰るころは大した依頼なんて残ってないから、雰囲気だけになると思う」
「あ、そういう感じなんだ。なら、ロイ君に剣術とかを教えてもらおうっと」
「まあ、それはそれでアリかな?」
依頼主のフィーシアが納得してくれたので一安心だと胸中で呟くロイ。
実際、難しい依頼は残っていないのが常なのでそれは見てもらえばわかるはずだと続けた。
「後はイレギュラーに対応できるようにするために馬車を改造するとかいい装備を持たせるとかかなあ……」
「それなら私が購入するから任せておいてくれ」
「お父様?」
「危険を減らすためには必要だろう。君たちにももちろん買い与える。明日、商人を呼ぶからもう一度ここへ来てくれ」
「い、いいんですか……? 結構かかると思いますけど……」
「私は商家から貴族に上がった者でな。金はある。もちろん真っ当なものだ。心配せんで大丈夫だよ」
「「「ありがとうございます!」」」
ワットは笑いながら大丈夫だと言い、その場に居た全員がお礼を言って今日のところは解散となった。
――そして翌日
「それじゃ行くわよみんな!」
「私、部長を呼んでくるわ」
「昨日と同じ場所ね!」
「ゆっくりでいいだろうに」
「でも僕、授業中ワクワクしてた」
――放課後になった瞬間、フィーシアが立ち上がって叫び、リアムがさっと教室を出て行った。
ロイは呆れたように笑うと、ミトラが照れながら答えていた。
「な、なんだ……?」
「ゴルドお疲れー。また明日な!」
「お、おう……。いや、ちょっと待っ――」
「ゴルド様、部活に行きましょう!」
いつもの四人が急いでどこかへ行くのを見てゴルドが目を丸くして驚いていた。
ロイはギルドに行くはずだと認識しているなので、どうしてなのか聞こうとした。
しかし、そこでサダとウガが迎えに来てその機会を失った。
「あ、ああ。あいつら……なにをしているんだ……?」
そんなゴルドの疑問をよそに、ロイ達は馬車のある場所へ向かう。
今日は分かっていたことなのでリアムもほぼ同時に集合した。
「本当にわたしもいいんですかね……」
「本はどこでも読めますから。たまには太陽の光を浴びましょう」
「魔物が出てくるところでゆっくり読めるとは思えませんけども!?」
「あはは、結構リアムさんも乗り気だねー」
「だなあ」
部長を連れて来ること自体、無茶するなと思いつつロイは背中を掻く。
リアムがいることで例の症状が出ているためだ。
「お揃いですね。では出発しましょう」
「お願いします」
リアムとは席をずらして座り、馬車はゆっくりと進む。
特に問題が起こることなく、フィーシアの屋敷へを到着した。
「戻りましたお父様!」
「おかえりフィーシア。仲間の商人を集めているぞ」
「お邪魔します」
入口でワットが待っており、そのまま庭の方へと案内してくれた。通された先の庭で、ロイ達は目を見開いて驚くことになる。
「これは……」
「凄いわね……」
「おおお……お宝……!?」
「やあ、フィーシアちゃんの友達かい。よろしく頼むよ」
そこにはたくさんの剣や鎧、杖にローブ、槍にダガー、盾といった装備品が所狭しと並んでいた。
ロイとリアムは記憶から魔剣といった物も知っているが、数が凄かった。
「うわあ、凄いねロイ君! 僕はどうしようかな? やっぱり魔法かなあ」
「こ、これは、スワンローブでは……? 汚れてもキレイになる魔法がかかっていて軽い魔法防御がかかっている……」
「ふうん、この剣いいわね」
「お、流石フィーシアちゃんだ。そいつは細身だけど切れ味と強度がいい」
「……素材は鋼かな? 鉄よりも全然いいやつだ」
「おお、おめえさんお目が高いねえ」
「ロイ、これ……」
「あんま近づくなって!? ……おお、いいなこれ……」
よく見れば貴重なものがいくつかあるなとロイとリアムは黙って物色を始めた――
「はい!」
「元気だけはいいなあ」
ワットとの会話が終わった後、そのまま応接室で話し合いの席を設ける形になった。フィーシアは剣術、魔法ともに普通というのは授業で知っている。
「基本的に俺が先頭に立つ。昆虫系の魔物に関してはフィーシアが戦っても良しとする」
「うんうん」
「で、ゴブリンかホブゴブリンと遭遇した場合はザグレブさんと一緒にすぐ現場を離れること」
「ゴブリン……最近、よく出没するって聞くけどやっぱりそうなんだ?」
「ああ。森の浅いところでも見かけたから、近くの草原までかなあ」
主にフィーシアとミトラのことをどうするか? そっちの方がメインとなる。リアムはバスレーを守る形にし、二人はロイが面倒を見るということになった。
「それじゃ依頼は達成できないんじゃない?」
「まあ、魔物退治というより、課外授業みたいにしようかと思っているんだ。依頼と言っても俺達が帰るころは大した依頼なんて残ってないから、雰囲気だけになると思う」
「あ、そういう感じなんだ。なら、ロイ君に剣術とかを教えてもらおうっと」
「まあ、それはそれでアリかな?」
依頼主のフィーシアが納得してくれたので一安心だと胸中で呟くロイ。
実際、難しい依頼は残っていないのが常なのでそれは見てもらえばわかるはずだと続けた。
「後はイレギュラーに対応できるようにするために馬車を改造するとかいい装備を持たせるとかかなあ……」
「それなら私が購入するから任せておいてくれ」
「お父様?」
「危険を減らすためには必要だろう。君たちにももちろん買い与える。明日、商人を呼ぶからもう一度ここへ来てくれ」
「い、いいんですか……? 結構かかると思いますけど……」
「私は商家から貴族に上がった者でな。金はある。もちろん真っ当なものだ。心配せんで大丈夫だよ」
「「「ありがとうございます!」」」
ワットは笑いながら大丈夫だと言い、その場に居た全員がお礼を言って今日のところは解散となった。
――そして翌日
「それじゃ行くわよみんな!」
「私、部長を呼んでくるわ」
「昨日と同じ場所ね!」
「ゆっくりでいいだろうに」
「でも僕、授業中ワクワクしてた」
――放課後になった瞬間、フィーシアが立ち上がって叫び、リアムがさっと教室を出て行った。
ロイは呆れたように笑うと、ミトラが照れながら答えていた。
「な、なんだ……?」
「ゴルドお疲れー。また明日な!」
「お、おう……。いや、ちょっと待っ――」
「ゴルド様、部活に行きましょう!」
いつもの四人が急いでどこかへ行くのを見てゴルドが目を丸くして驚いていた。
ロイはギルドに行くはずだと認識しているなので、どうしてなのか聞こうとした。
しかし、そこでサダとウガが迎えに来てその機会を失った。
「あ、ああ。あいつら……なにをしているんだ……?」
そんなゴルドの疑問をよそに、ロイ達は馬車のある場所へ向かう。
今日は分かっていたことなのでリアムもほぼ同時に集合した。
「本当にわたしもいいんですかね……」
「本はどこでも読めますから。たまには太陽の光を浴びましょう」
「魔物が出てくるところでゆっくり読めるとは思えませんけども!?」
「あはは、結構リアムさんも乗り気だねー」
「だなあ」
部長を連れて来ること自体、無茶するなと思いつつロイは背中を掻く。
リアムがいることで例の症状が出ているためだ。
「お揃いですね。では出発しましょう」
「お願いします」
リアムとは席をずらして座り、馬車はゆっくりと進む。
特に問題が起こることなく、フィーシアの屋敷へを到着した。
「戻りましたお父様!」
「おかえりフィーシア。仲間の商人を集めているぞ」
「お邪魔します」
入口でワットが待っており、そのまま庭の方へと案内してくれた。通された先の庭で、ロイ達は目を見開いて驚くことになる。
「これは……」
「凄いわね……」
「おおお……お宝……!?」
「やあ、フィーシアちゃんの友達かい。よろしく頼むよ」
そこにはたくさんの剣や鎧、杖にローブ、槍にダガー、盾といった装備品が所狭しと並んでいた。
ロイとリアムは記憶から魔剣といった物も知っているが、数が凄かった。
「うわあ、凄いねロイ君! 僕はどうしようかな? やっぱり魔法かなあ」
「こ、これは、スワンローブでは……? 汚れてもキレイになる魔法がかかっていて軽い魔法防御がかかっている……」
「ふうん、この剣いいわね」
「お、流石フィーシアちゃんだ。そいつは細身だけど切れ味と強度がいい」
「……素材は鋼かな? 鉄よりも全然いいやつだ」
「おお、おめえさんお目が高いねえ」
「ロイ、これ……」
「あんま近づくなって!? ……おお、いいなこれ……」
よく見れば貴重なものがいくつかあるなとロイとリアムは黙って物色を始めた――
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※小説家になろうにも掲載しています。
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