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49.提案と刺客
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「放課後……!!」
「誰に言っているんですかアセーファ先生」
教室の入口に向かってカッと見開くアセーファに、今日の日直当番の生徒が呆れた眼差しを向けていた。
「またフィアーム先生が来るかもしれないじゃないですか……!」
「逃げなきゃいいのに……そんじゃバイバイー先生!」
「売買……!? 売られる!?」
「酷い勘違いですね!?」
「相変わらずだなあ」
「まあいつもこの時間にフィアーム副学長いるものね」
そんな会話の中、ロイ達もギルドへ向かおうかと準備を進めていた。
フィーシアが入口に目を向けながら苦笑していると、不意にフィアームが現れた。
「出たぁぁぁ!?」
【うるさいぞアセーファ先生。今日は先に教員室へ行ってくれ。私はロイ君達に用があるのだ】
「おや、どうしたんですか?」
「なんでアセーファ先生が聞くのさ……それで実際なにかあったんですか?」
【それは……ふむ、ここではなんだな。移動しよう】
フィアームの言葉になぜか近づいてきたアセーファが首を傾げ、ミトラがため息を吐いて質問をし直した。
すると彼は頷いてから、この場を移動すると示唆してきた。
ロイ達は顔を見合わせてからギルドへ急ぎたい気持ちを抑えてフィアームに着いていく。
副学長室へ到着すると、ひとまず立ったまま話を聞くことになった。
「どうして呼ばれたんですか?」
【ロイ君はともかく、他のメンバーがギルドに行くというのを聞いてな。もしこのまま続けるなら部として設立しないかと思ったのさ】
「部……!? いや、学生がするのはあまり良くないって……」
【確かにそうだ。だが、平民で冒険者志望の者なども居る。自己責任ではあるが、引率の教員が居ればいいのではないかと思ってな。実際、過去に希望者がいた】
ギルド部(仮)を作ってみようという試みらしいことを口にする。今後、そういう需要も出てくるのではとのこと。
「なるほど」
「本当のところは?」
フィーシアが納得した後、リアムが本当は? と尋ねる。するとフィアームはため息を吐きながら言う。
【流石に貴族の子が、親の許可があるとはいえ学院側が素知らぬ顔もできない。だからテリアがそうしようと言ったのだ】
「あー……」
「確かにロイやリアムが強いとはいえ、子供だけで放置している形になるか」
【逆に言えば、学院の外でなにをやっていても気にしなくていいのだが、ロイ君のように学生が出入りしているなら『自分も』となるだろう】
勝手にいく者も居るかもしれない。ギルドはもちろん弾くが、無駄な時間を使わされるため不満は起こるだろうと。
だから許可をするのであれば教員引率を軸にし、監視を兼ねてまとめた方がお互いいい関係になれる。
「教員は決まっているんですか?」
【なんでお前がいるのだアセーファ先生……いや、決まっていない】
そこで何故かついてきていたアセーファが勝手にお茶を入れながら尋ねてきた。
フィアームが呆れながら返すと、続けてリアムが口を開く。
「というか私と先輩は歴史研究部だからギルド部には入らないですよ?」
【まあ、そこはまだ決まっていないから保留だ。とりあえずギルド部、作ってみないか?】
「うーん……」
ロイは一通り話を聞いて、腕組みをして考える。正直なところ、この話はスルーしたいと考えている。
「(単純にお金が欲しいだけだからなあ俺って。魔物討伐が受けにくくなるのは避けたいんだけど――)」
「どうするの? もし部を作るなら色々援助するけど」
「僕もいいよ」
「……よし、ちょっと考えさせてください」
【そうか。まあ、教員も決まっていないし今日は話だけでもと思っていただけだからな。引き留めて悪かった】
「いえ! 悪くないとは思うんですが、やっぱり危険なので」
【こちらもルールは考えておくよ】
「また明日ねー」
【お前も教員室へ行くんだ……!!】
ロイの言葉にフィアームが理解を示していた。ついでにアセーファをしかりつける。そんなやり取りを苦笑しながらロイ達はギルドへ向かった――
◇ ◆ ◇
「あ、あの、ゴルドさん。どうしてギルドへ……?」
「あいつの後を追うためだ」
「ロイってやつのことですかい?」
一方そのころ、ギルドの近くにはゴルドと取りまきの二人が隠れていた。
サダが困惑しながら尋ねると、ゴルドは緊張な面持ちで答える。
ウガがロイのことかと聞いたところ無言で頷いた。
「マジでギルドに出入りしているのか……」
「ああ。最近はクラスメイト達を連れている」
「ひぇ……確かに強かったと思いますが、そこまでとは……」
取りまき二人は自分達には考えられないと身震いする。だが、ゴルドは二人へ言う。
「村人たちを追いかけて、実際になにをやっているか確認する。魔物と遭ったら戦闘になる。武器は……持っているな」
「「え!?」」
「っと、来たようだ。もう少し待つか――」
「誰に言っているんですかアセーファ先生」
教室の入口に向かってカッと見開くアセーファに、今日の日直当番の生徒が呆れた眼差しを向けていた。
「またフィアーム先生が来るかもしれないじゃないですか……!」
「逃げなきゃいいのに……そんじゃバイバイー先生!」
「売買……!? 売られる!?」
「酷い勘違いですね!?」
「相変わらずだなあ」
「まあいつもこの時間にフィアーム副学長いるものね」
そんな会話の中、ロイ達もギルドへ向かおうかと準備を進めていた。
フィーシアが入口に目を向けながら苦笑していると、不意にフィアームが現れた。
「出たぁぁぁ!?」
【うるさいぞアセーファ先生。今日は先に教員室へ行ってくれ。私はロイ君達に用があるのだ】
「おや、どうしたんですか?」
「なんでアセーファ先生が聞くのさ……それで実際なにかあったんですか?」
【それは……ふむ、ここではなんだな。移動しよう】
フィアームの言葉になぜか近づいてきたアセーファが首を傾げ、ミトラがため息を吐いて質問をし直した。
すると彼は頷いてから、この場を移動すると示唆してきた。
ロイ達は顔を見合わせてからギルドへ急ぎたい気持ちを抑えてフィアームに着いていく。
副学長室へ到着すると、ひとまず立ったまま話を聞くことになった。
「どうして呼ばれたんですか?」
【ロイ君はともかく、他のメンバーがギルドに行くというのを聞いてな。もしこのまま続けるなら部として設立しないかと思ったのさ】
「部……!? いや、学生がするのはあまり良くないって……」
【確かにそうだ。だが、平民で冒険者志望の者なども居る。自己責任ではあるが、引率の教員が居ればいいのではないかと思ってな。実際、過去に希望者がいた】
ギルド部(仮)を作ってみようという試みらしいことを口にする。今後、そういう需要も出てくるのではとのこと。
「なるほど」
「本当のところは?」
フィーシアが納得した後、リアムが本当は? と尋ねる。するとフィアームはため息を吐きながら言う。
【流石に貴族の子が、親の許可があるとはいえ学院側が素知らぬ顔もできない。だからテリアがそうしようと言ったのだ】
「あー……」
「確かにロイやリアムが強いとはいえ、子供だけで放置している形になるか」
【逆に言えば、学院の外でなにをやっていても気にしなくていいのだが、ロイ君のように学生が出入りしているなら『自分も』となるだろう】
勝手にいく者も居るかもしれない。ギルドはもちろん弾くが、無駄な時間を使わされるため不満は起こるだろうと。
だから許可をするのであれば教員引率を軸にし、監視を兼ねてまとめた方がお互いいい関係になれる。
「教員は決まっているんですか?」
【なんでお前がいるのだアセーファ先生……いや、決まっていない】
そこで何故かついてきていたアセーファが勝手にお茶を入れながら尋ねてきた。
フィアームが呆れながら返すと、続けてリアムが口を開く。
「というか私と先輩は歴史研究部だからギルド部には入らないですよ?」
【まあ、そこはまだ決まっていないから保留だ。とりあえずギルド部、作ってみないか?】
「うーん……」
ロイは一通り話を聞いて、腕組みをして考える。正直なところ、この話はスルーしたいと考えている。
「(単純にお金が欲しいだけだからなあ俺って。魔物討伐が受けにくくなるのは避けたいんだけど――)」
「どうするの? もし部を作るなら色々援助するけど」
「僕もいいよ」
「……よし、ちょっと考えさせてください」
【そうか。まあ、教員も決まっていないし今日は話だけでもと思っていただけだからな。引き留めて悪かった】
「いえ! 悪くないとは思うんですが、やっぱり危険なので」
【こちらもルールは考えておくよ】
「また明日ねー」
【お前も教員室へ行くんだ……!!】
ロイの言葉にフィアームが理解を示していた。ついでにアセーファをしかりつける。そんなやり取りを苦笑しながらロイ達はギルドへ向かった――
◇ ◆ ◇
「あ、あの、ゴルドさん。どうしてギルドへ……?」
「あいつの後を追うためだ」
「ロイってやつのことですかい?」
一方そのころ、ギルドの近くにはゴルドと取りまきの二人が隠れていた。
サダが困惑しながら尋ねると、ゴルドは緊張な面持ちで答える。
ウガがロイのことかと聞いたところ無言で頷いた。
「マジでギルドに出入りしているのか……」
「ああ。最近はクラスメイト達を連れている」
「ひぇ……確かに強かったと思いますが、そこまでとは……」
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