鞍馬天狗に拐かされた私。~運命の番で神の子を孕める巫女ですって? それでも規格外は無理です!~

寺原しんまる

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「なんで隠す?」
「恥ずかしいものでしょ……。よくも知らない人に見せるものではないわ」
「俺はお前をよく知っている。それに、今から恥ずかしいなんて感情がなくなるくらい、お前を何度も抱くんやで? 裸で絡み合って何日も何日も。俺の子種が腹から溢れ出ても注ぎ込む。ずっと待ってたんや、この時を──」

 鞍馬の瞳が妖しく光る。珠音はその赤い瞳に囚われそうになったが、頭を左右に振り彼を睨み付けた。

「……私をずっと見ていたなら、どうしてお母さんとお父さんが亡くなったときに助けてくれなかったの? 私は要らない子扱いを受けて、親戚の家をたらい回しにされたわ。毎日辛かった」

 鞍馬の拘束が緩み、彼の手がそっと頬に触れる。そして額に優しく口づけされた。

「理(ことわり)を変えることはできない。神だからこそ、守らなあかん。お前の両親があの日、命が尽きるのは運命や……。お前が今日、俺に抱かれるのも運命」
「そんな……」

 両親が亡くなって不幸になったが、そんな現状に涙を流すより、その場から這い上がろうと珠音は努力をした。お陰で大学も奨学金で通えたし、一流出版社に就職もした。

 旅行雑誌部署に配属されようやく担当記事を持ち、これからというときに、この世界へ呼び込まれたのだが……。

 珠音は発作のように指を口に含む。ガリガリと爪を噛み出したが、その指を鞍馬がそっと口から引き離した。そしてその指に優しく唇を落とす。

「不安に思ことは何もない。お前を愛して愛し尽くしてやる。俺の愛に溺れてしまえ」
「む、無理よ……。人を愛するのには時間が掛るものだし――」
「本当にそう思うのか……? 違うやろ? お前の魂は気が付いてるで」

 鞍馬の手が珠音の心臓の上に重ねられた。そして何か知らない言葉を唱える。その言葉が終わるや否や、眩しい光が手から放たれた。珠音の心臓を射貫く光は電撃のように体内を駆け回り、最後に脳へと到達した。

「あぁぁぁ!」

 身体が熱く火照り、血液が沸騰したように感じる。下半身は熱をもってズキズキ痛み出していく。止めようと思っても、制御不能だ。

「なにを……したの?」
「なんにも変なことはしてへんよ。ただ、お前の魂に呼びかけただけや」

 本当にそれだけなのだろうか。身体が異常に火照っているのが分かる。子宮の中の何かがドクンと反応した。

「排卵が始まったな」
「えっ……?」

 珠音の生理周期は不順だ。だからいつ排卵だとか生理がくるとかハッキリしない。しかし、鞍馬がニヤリと妖しい笑みを浮かべている。確証があるのだろう。

「今日契れば子を孕む可能性が高い。さあ、俺を迎え入れろ!」
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