3 / 47
原因はお前にある
しおりを挟む
「昌代はなあ、お前とセックスするには金がいるって言ってなあ、風俗で働いてたんだぞ。健気じゃないか……。真面目に客に股を広げて奉仕して、それでも金が足りなくなって、ヤミ金から借りまくってなあ……。最後は店の金庫に手を出したんだ!」
ヒロトは「俺はそんな事、全く頼んでない!」と昌代を見るが、昌代はブルブルと震えるだけで何も答えなかった。
「昌代がこうなった原因はお前にあるんだぜ? 責任取って借金はお前にも肩代わりしてもらわないとなあ……」
「そ、そんな……! 無茶苦茶だ!」
顔面蒼白のヒロトはガクガクと震え出す。余りにも理不尽な提案だがヤクザが言うと、それが当たり前かのような錯覚を起こしてしまうのだ。
周りのヤクザ達が泣き崩れている昌代をベッドから引きずり下ろし、全裸のまま部屋から連れ出した。昌代は全てを諦めたように、黙ってヤクザ達に連行されて行く。これだけの騒ぎになっても、住民は全く外に出てこなかった。この安アパート近辺ではよくあることなのかも知れない。
残されたスキンヘッドの男は、スマートフォンを取り出して何処かに電話を掛けていた。
『 組長、昌代は確保しました。ええ、手筈通りに。それと……、男が一緒でした。はい、了解しました』
電話を切ったスキンヘッドの男はニタニタと笑いながらヒロトを見る。その不気味な表情を「な、何だよ!」と言いながら、ベッドの上で後退るヒロトは、何とも言えない恐怖を感じる。自分はいったいどうされるのかと。
「組長がお前を事務所に連れてこいだってよ。良かったなあ。面接に受かれば楽して借金返済できるかもな」
いやらしく舌舐めずりするスキンヘッドの男の顔を、震えながら見ているヒロト。そんな時に入り口から声がし、「おう、今行く」と振り返ったスキンヘッドの男をヒロトは押し飛ばした。
(今だ!)
ヒロトは部屋の窓を急いで開ける。全裸だろうがお構いなしだった。これを逃せば二度と逃げられないと思ったのだから。窓から飛び降りて走って逃げればとの一縷の望みを持って。
しかしガツンという音と共に、ヒロトの視界が急降下していった。ヒロトの視線の先には数人の脚が見えている。頭はズキズキと痛みを伴う音を立てていた。
「馬鹿かお前? 逃げられるとでも思ったか? 手間掛けさせるなよ……」
スキンヘッドの男の言葉を、意識朦朧の中で聞くヒロトは、ゆっくりと瞼を閉じていく。そんなヒロトを男達が担ぎ上げて部屋から出て行くのだった。
ヒロトは「俺はそんな事、全く頼んでない!」と昌代を見るが、昌代はブルブルと震えるだけで何も答えなかった。
「昌代がこうなった原因はお前にあるんだぜ? 責任取って借金はお前にも肩代わりしてもらわないとなあ……」
「そ、そんな……! 無茶苦茶だ!」
顔面蒼白のヒロトはガクガクと震え出す。余りにも理不尽な提案だがヤクザが言うと、それが当たり前かのような錯覚を起こしてしまうのだ。
周りのヤクザ達が泣き崩れている昌代をベッドから引きずり下ろし、全裸のまま部屋から連れ出した。昌代は全てを諦めたように、黙ってヤクザ達に連行されて行く。これだけの騒ぎになっても、住民は全く外に出てこなかった。この安アパート近辺ではよくあることなのかも知れない。
残されたスキンヘッドの男は、スマートフォンを取り出して何処かに電話を掛けていた。
『 組長、昌代は確保しました。ええ、手筈通りに。それと……、男が一緒でした。はい、了解しました』
電話を切ったスキンヘッドの男はニタニタと笑いながらヒロトを見る。その不気味な表情を「な、何だよ!」と言いながら、ベッドの上で後退るヒロトは、何とも言えない恐怖を感じる。自分はいったいどうされるのかと。
「組長がお前を事務所に連れてこいだってよ。良かったなあ。面接に受かれば楽して借金返済できるかもな」
いやらしく舌舐めずりするスキンヘッドの男の顔を、震えながら見ているヒロト。そんな時に入り口から声がし、「おう、今行く」と振り返ったスキンヘッドの男をヒロトは押し飛ばした。
(今だ!)
ヒロトは部屋の窓を急いで開ける。全裸だろうがお構いなしだった。これを逃せば二度と逃げられないと思ったのだから。窓から飛び降りて走って逃げればとの一縷の望みを持って。
しかしガツンという音と共に、ヒロトの視界が急降下していった。ヒロトの視線の先には数人の脚が見えている。頭はズキズキと痛みを伴う音を立てていた。
「馬鹿かお前? 逃げられるとでも思ったか? 手間掛けさせるなよ……」
スキンヘッドの男の言葉を、意識朦朧の中で聞くヒロトは、ゆっくりと瞼を閉じていく。そんなヒロトを男達が担ぎ上げて部屋から出て行くのだった。
1
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
学園一のスパダリが義兄兼恋人になりました
すいかちゃん
BL
母親の再婚により、名門リーディア家の一員となったユウト。憧れの先輩・セージュが義兄となり喜ぶ。だが、セージュの態度は冷たくて「兄弟になりたくなかった」とまで言われてしまう。おまけに、そんなセージュの部屋で暮らす事になり…。
第二話「兄と呼べない理由」
セージュがなぜユウトに冷たい態度をとるのかがここで明かされます。
第三話「恋人として」は、9月1日(月)の更新となります。
躊躇いながらもセージュの恋人になったユウト。触れられたりキスされるとドキドキしてしまい…。
そして、セージュはユウトに恋をした日を回想します。
第四話「誘惑」
セージュと親しいセシリアという少女の存在がユウトの心をざわつかせます。
愛される自信が持てないユウトを、セージュは洗面所で…。
第五話「月夜の口づけ」
セレストア祭の夜。ユウトはある人物からセージュとの恋を反対され…という話です。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
俺の体に無数の噛み跡。何度も言うが俺はαだからな?!いくら噛んでも、番にはなれないんだぜ?!
汀
BL
背も小さくて、オメガのようにフェロモンを振りまいてしまうアルファの睟。そんな特異体質のせいで、馬鹿なアルファに体を噛まれまくるある日、クラス委員の落合が………!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる