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トイレは絶好の隠れ場所1
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「ああぁぁぁ! どうしよう! 絶対に推しの武田君だわ!」
会社のトイレの個室で瑠璃子は思わず絶叫してしまう。しかし咄嗟に口を押さえて息を飲み込んだ。駄目だ、自分がオタクで腐女子なのは会社では秘密なのだから。そっとドアを開けて外を確認するが、誰もいないようだった。
「私が推しのアシスタントなのね。設定でいくと、これはモブよね……。どうすれば良いの? どうすれば……」
顔は先ほどから緩みっぱなしで、戻してもニヘッと笑みが溢れる。そんなとき、トイレのドアが開く音がした。
「ちょっと、営業二部二課の新しい課長、凄い男前よね~」
「さっきチラッと横を通ったんだけど、滅茶苦茶良い匂いがした!」
「独身? ねえ、独身? 二十代よね? え? 三十代? ウソー、若く見える」
「ウフフ、指輪はなかったわよ!」
女子社員が数名入ってきたようだ。早速、ハンターの目を光らせている。この会社は日本でも有数の一流商社であり、一般職女子社員は寿結婚を夢見ている者が多い。課長で独身、しかも男前ときたら、ハンターたちが反応するのも無理はない。
「歓迎会でアタックしちゃおうかな~」
――だ、駄目よ。推しの武田君の隣は木下君って決まっているの!
「貴方たち、休憩時間でもないのにこんな所でお喋りして……。今日中に仕上げないといけない仕事が残っているんじゃないの?」
瑠璃子は個室のドアを派手に開けて、化粧直しに必死な女子社員を見る。彼女たちは車内でも肉食系と言われている新人三人組。先ほどまでとは明らかに化粧は濃いめだ。
「は~い、わかりました~」
如何にも面倒くさそうに返事をした三人は、少し瑠璃子を睨むようにしてトイレから出て行く。
「本当に油断も隙もない……!」
目の前の鏡を見つめる瑠璃子は、フーっと大きく息を吐く。そしてグッと赤い眼鏡を指で上げて擦れを正す。
「推しの平穏を影から守るのがモブの仕事よ。絶対に武田君……いや、浮田課長の貞操はお守りしなければ! カプの相手、木下君が現れるまでは!」
瑠璃子は鏡に映る自分を見て決心するのだった。
会社のトイレの個室で瑠璃子は思わず絶叫してしまう。しかし咄嗟に口を押さえて息を飲み込んだ。駄目だ、自分がオタクで腐女子なのは会社では秘密なのだから。そっとドアを開けて外を確認するが、誰もいないようだった。
「私が推しのアシスタントなのね。設定でいくと、これはモブよね……。どうすれば良いの? どうすれば……」
顔は先ほどから緩みっぱなしで、戻してもニヘッと笑みが溢れる。そんなとき、トイレのドアが開く音がした。
「ちょっと、営業二部二課の新しい課長、凄い男前よね~」
「さっきチラッと横を通ったんだけど、滅茶苦茶良い匂いがした!」
「独身? ねえ、独身? 二十代よね? え? 三十代? ウソー、若く見える」
「ウフフ、指輪はなかったわよ!」
女子社員が数名入ってきたようだ。早速、ハンターの目を光らせている。この会社は日本でも有数の一流商社であり、一般職女子社員は寿結婚を夢見ている者が多い。課長で独身、しかも男前ときたら、ハンターたちが反応するのも無理はない。
「歓迎会でアタックしちゃおうかな~」
――だ、駄目よ。推しの武田君の隣は木下君って決まっているの!
「貴方たち、休憩時間でもないのにこんな所でお喋りして……。今日中に仕上げないといけない仕事が残っているんじゃないの?」
瑠璃子は個室のドアを派手に開けて、化粧直しに必死な女子社員を見る。彼女たちは車内でも肉食系と言われている新人三人組。先ほどまでとは明らかに化粧は濃いめだ。
「は~い、わかりました~」
如何にも面倒くさそうに返事をした三人は、少し瑠璃子を睨むようにしてトイレから出て行く。
「本当に油断も隙もない……!」
目の前の鏡を見つめる瑠璃子は、フーっと大きく息を吐く。そしてグッと赤い眼鏡を指で上げて擦れを正す。
「推しの平穏を影から守るのがモブの仕事よ。絶対に武田君……いや、浮田課長の貞操はお守りしなければ! カプの相手、木下君が現れるまでは!」
瑠璃子は鏡に映る自分を見て決心するのだった。
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