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ずっと一緒

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 家に着いた二人はテレビの前のソファーに座り、ジッと互いを見つめ合う。少しの沈黙の後、ジェイが重い口を開く。


「俺の母さんが自殺したのは伝えたよな。母さんが命を絶ったのがクリスマスイブだったんだ……」


 鈴子はハッとした顔をして口元に手をやった。世の子供が一番楽しみにしていると言っても過言では無い日に、ジェイは母親を亡くしたのだ。それは想像に絶する悲しみだったろうと鈴子は言葉を失う。


「俺はその日は家の前の公園で一人で遊んでて、夕方に家に戻ると床に横たわる母さんが居たんだ。声をかけても返事をしなくて、顔は青白くて人形のようだった。母一人、子一人で米軍基地内の従業員向け住宅に住んでいた。近所付き合いも無かったんだ。俺はまだ幼くて、気が動転していて、どうすれば良いかも分からなかった。ただ、そこで母さんと居るしかなかったんだ……」


 その言葉を聞いて鈴子の目からポロポロと涙が溢れる。母親の亡骸を側に、ジェイは近所に助けを求めることも出来ずに、ただ佇むしかなかった。鈴子はその状況を想像してしまい、辛くて涙が止まらなくなったのだ。


「母さんの亡骸が朽ち果てていく様を、側でずっと見ていたよ。俺も食事が取れなかったから日に日に弱っていった。その内、隣の住人が異変に気がついて俺は助け出された。餓死寸前だったがな……」


 ジェイは煙草に火を付けて深く吸い込む。吐き出した煙はスーッと上へと登っていく。ジェイのクリスマスの思い出がこんなに辛い物だったのかと、鈴子はギューッと心が痛くなったように感じる。何も知らなかった鈴子は、ジェイを喜ばせようと身勝手に振る舞っていたのだろうかと、自分を激しく責めるのだった。


「……ジェイ。ごめんなさい。勝手なことをして、ジェイの気持ちも考えずに……」


 ジェイは鈴子の頭を撫でながら微笑む。その微笑みは少し暗かったが、その先に小さな光も垣間見える。ジェイの中で何かが変わろうとしているのかもしれない。


「あの日から何十年もクリスマスは嫌なものだった。けどな、今日は鈴子と一緒に出かけれて楽しかったよ……」


 きっとジェイの笑顔も言葉も嘘はないだろう。だだ、余りにも悲しすぎる出来事で、それを忘れてしまえる事など不可能なのかもしれない。必要なのは幸せな時間を、悲しい時間より多く過ごせば良いのだと鈴子は思うのだ。


「また来年も一緒にイルミネーションを見に行こう……」

「俺と一緒に? 来年も……。鈴子は俺と来年も一緒に居るのか?」


 いきなりの問いかけにビクッとした鈴子は、少し不安そうな顔を浮かべた。来年一緒にいたらいけないのかと、頭の中でジェイの言葉が繰り返される。どういうつもりでジェイが訪ねているのか分からない鈴子は、グッと押し黙ってしまった。


「なあ! 来年のクリスマスには、とっくにお前の刺青も完成しているぞ! それでも俺と一緒に居るって言うのか?」


 ジェイは鈴子の肩を掴んで揺すりながら鈴子に問いかける。その真剣な様子に鈴子は完全に萎縮してしまい、言葉が出てこないのだった。


「なあ、鈴子! どうなんだよ!」

「……ご、ごめぁ……ん、なさ……い。ジェイと……い……いっしょ……いたいです」


 ボロボロと涙を流す鈴子に驚いたジェイは、「驚かせてすまない」と告げるが、まだ鈴子の肩に手を乗せたままで、青い目をギラリと光らせていた。


「俺とこれから先、刺青が掘り終わっても、ずっと一緒に居てくれるんだな……」

「うん……。一緒がいい……、んぁ……!」


  ジェイは鈴子が最後まで言い終わるやいなや、鈴子の唇を奪い、激しく口内を貪る。そのまま食されてしまうのではと思うほどに、荒々しく唇を重ねるジェイ。キスをしながらでもジェイの青い瞳は鈴子をグッと見つめ、鈴子もそれに答えるように視線を合わす。


 ジェイの舌を伝って唾液を注ぎ込まれた鈴子は、うっとりとしながらそれを飲み込み、自分の唾液もジェイの口内に流していく。互いの唾液を交換し終わった唇は糸を引きながら離れていった。するとジェイの青い目が妖しく光り鈴子を絡め取る。蛇に身体を締め上げられるような仄暗い錯覚が一瞬鈴子を襲った。


「鈴子をもう離さない……。お前は俺だけのモノだ。誰にも渡さない! 俺の側から消えていかないでくれ……」


 ジェイの悲痛な願いは鈴子の心をつかみ取る。ジェイの生い立ちの背景を知っていれば、ジェイの異常な執着も理解出来る。それに鈴子も親に愛されず、他人に騙され酷い人生だった。しかしジェイだけはどんな鈴子でも受け入れて優しくしてくれる。


「うん……。何処にも行かない。ジェイの側が私の居場所だから。ずっと一緒……」


 もう一度互いの唇を重ね合わせた二人は、どちらからともなく互いの衣服を剥いでいく。キスをしている唇は離さずに、服を脱がし合う二人は、一秒でも早く交わりたくてしょうがないと言いたげだ。


 あっという間に一糸まとわぬ姿になった二人。ジェイは鈴子を素早く抱き上げてベッドに移動した。キングサイズのベッドの中央に鈴子を置き、その前に膝立ちになるジェイの男根は、既に戦闘態勢で臍まで反り立っていた。時折、ビクビクと太い血管が動き、禍々しい大きさのソレを更に巨大に見せる。


 ジェイは鈴子の両足を割って間に入り、M字型に開脚した鈴子の股の中心部に顔を近づけていった。既にしっとりと濡れている鈴子の蜜壺を愛おしそうに見つめるジェイが、「雌の匂いがしている」とニヤッと笑いながら鈴子に告げる。


 恥ずかしさで顔を真っ赤にしている鈴子は、プイッと横を向いて「……変態」と呟いたのだった。


 ジェイは自分の人差し指を口に咥えて唾液を絡めていく。その指を鈴子の卑裂に宛がい、鈴子の愛蜜に絡めながらズブリと卑肉に沈めていく。


「んぁ……!」


 鈴子は少し腰を浮かせてビクッと震えた。ジェイは右手の動きを速める。親指がグリグリと回転して赤い小さな真珠をひねり回していたかと思うと、あっという間に二本指がズブズブと蜜穴を貫き出す。肉壺内の上部にあるデコボコを擦るジェイの指は何かをグイグイと押していた。


「あひぃーーーー! あぁ……、んぁ!」


 鈴子の嬌声は絶え間なく室内にこだまするのだった。


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