69 / 121
3章 一線を越えても止まらない
16話 ひたすらイチャイチャ
しおりを挟む
日曜日の朝。萌恵ちゃんのキスで目を覚ますと同時に、身動きできないことに気付く。
深く考えずとも原因はすぐに理解できた。
私を絶対に離さないという意思表示かのように力強く、それでいて痛みをまったく感じない慈しみのある抱擁。
意図してか偶然か、腕だけは自由に動かせる。キスを続けながら、私の方からもギュッと抱きしめる。
「萌恵ちゃん、おはよう」
「おはよ~。んふふっ、真菜大好き~っ」
キスの合間に朝のあいさつを交わしたら、すぐさま再開。
唇や舌の感触、甘く熱い吐息を味わっていると、あまりの快感に脳が蕩けそうになる。
シンプルなキスの魅力も計り知れないけど、私たちはただ唇を重ねているだけではない。
口内の唾液を丸ごと交換するように舌を濃密に絡ませ、息継ぎのわずかな時間でさえも、相手の唇をペロペロと舐めたりして有効活用する。果てしなく淫靡にも思えるけど、純粋な想いが溶け合う至極清廉な行為だ。
***
いつもより長めに布団で過ごした後は、朝の支度を済ませて散歩に出発する。
玄関で腰を下ろして靴を履いていると、萌恵ちゃんが後ろからそっと抱き着いてきた。
あえて必要以上に時間をかけ、背中に伝わる温もりと柔らかさを堪能する。
「真菜~っ、大好きっ! 愛してるっ!」
玄関を出るや否や、私を昇天させかねない言葉を発しつつ腕に抱き着く萌恵ちゃん。
私も素直な気持ちを伝え、密着したまま足並みをそろえて歩き出す。
***
散歩も終盤に差しかかり、住宅街の中心部にある小ぢんまりとした公園の公衆トイレに足を運ぶ。
尿意を催したわけではない。切なそうに目を細める萌恵ちゃんに導かれるまま、同じ個室に入って鍵をかけた。
壁を背に立ち、狭い空間で萌恵ちゃんと向き合う。
さびれた雰囲気を感じさせるものの手入れが行き届いており、公衆トイレ特有の悪臭もない。
以前学校のトイレでキスした際の記憶が脳裏に浮かび、否応なく期待に胸が膨らむ。
「真菜、ごめんね。あたし……家まで我慢できそうにないっ」
ドンッと扉に手を突き立て、十数分ぶりに唇を奪われる。
ついさっきまで物音一つなかった場所も、いまはもう静寂とは無縁だ。
洗い息遣い、粘着質な水音、衣擦れや扉が軋む音。私たちのキスによって、この空間に様々な音がもたらされる。
こんな状況になって、平常心を保てるわけがない。
萌恵ちゃんは家まで我慢できないと言ったけど、おそらくいまの私は彼女以上に歯止めが利かなくなっている。
背中に手を回して抱き寄せ、体の前面を余さず密着させる。
散歩の休憩にしては少しばかり激しく、個室を後にする頃には二人とも肩で息をしていた。
この時点で、ハッキリと確信できる。今日はたまに訪れる、萌恵ちゃんがひたすら甘えてくる日だ。
起きてからいまに至るまで着替えとか洗顔とか様々な行動を経ているわけだけど、一度として萌恵ちゃんから離れていない。抽象的な意味ではなく、文字通りどこかしらの部位が常に触れ合っている。
***
帰宅してから真っ先に行動を起こしたのは、私の方だった。
先ほどのお返しとばかりに、靴を雑に脱ぎ捨てながら、廊下で萌恵ちゃんを優しく押し倒す。
普段からきれいに掃除している甲斐があり、余計なことを気にせず楽しめる。
体勢のおかげで、主導権はこちらにある。頬や額にキスの雨を落としてから、切なそうに震えるピンクの唇に自分のそれを重ね合せた。
口が自由になれば、それがどんなに短い時間であれ、愛を囁いてくれる。私も言葉と行動で自分の気持ちを示し、思う存分に濃密なひとときを楽しむ。
***
期待を遥かに上回る勢いで、この後ひたすらイチャイチャした。
深く考えずとも原因はすぐに理解できた。
私を絶対に離さないという意思表示かのように力強く、それでいて痛みをまったく感じない慈しみのある抱擁。
意図してか偶然か、腕だけは自由に動かせる。キスを続けながら、私の方からもギュッと抱きしめる。
「萌恵ちゃん、おはよう」
「おはよ~。んふふっ、真菜大好き~っ」
キスの合間に朝のあいさつを交わしたら、すぐさま再開。
唇や舌の感触、甘く熱い吐息を味わっていると、あまりの快感に脳が蕩けそうになる。
シンプルなキスの魅力も計り知れないけど、私たちはただ唇を重ねているだけではない。
口内の唾液を丸ごと交換するように舌を濃密に絡ませ、息継ぎのわずかな時間でさえも、相手の唇をペロペロと舐めたりして有効活用する。果てしなく淫靡にも思えるけど、純粋な想いが溶け合う至極清廉な行為だ。
***
いつもより長めに布団で過ごした後は、朝の支度を済ませて散歩に出発する。
玄関で腰を下ろして靴を履いていると、萌恵ちゃんが後ろからそっと抱き着いてきた。
あえて必要以上に時間をかけ、背中に伝わる温もりと柔らかさを堪能する。
「真菜~っ、大好きっ! 愛してるっ!」
玄関を出るや否や、私を昇天させかねない言葉を発しつつ腕に抱き着く萌恵ちゃん。
私も素直な気持ちを伝え、密着したまま足並みをそろえて歩き出す。
***
散歩も終盤に差しかかり、住宅街の中心部にある小ぢんまりとした公園の公衆トイレに足を運ぶ。
尿意を催したわけではない。切なそうに目を細める萌恵ちゃんに導かれるまま、同じ個室に入って鍵をかけた。
壁を背に立ち、狭い空間で萌恵ちゃんと向き合う。
さびれた雰囲気を感じさせるものの手入れが行き届いており、公衆トイレ特有の悪臭もない。
以前学校のトイレでキスした際の記憶が脳裏に浮かび、否応なく期待に胸が膨らむ。
「真菜、ごめんね。あたし……家まで我慢できそうにないっ」
ドンッと扉に手を突き立て、十数分ぶりに唇を奪われる。
ついさっきまで物音一つなかった場所も、いまはもう静寂とは無縁だ。
洗い息遣い、粘着質な水音、衣擦れや扉が軋む音。私たちのキスによって、この空間に様々な音がもたらされる。
こんな状況になって、平常心を保てるわけがない。
萌恵ちゃんは家まで我慢できないと言ったけど、おそらくいまの私は彼女以上に歯止めが利かなくなっている。
背中に手を回して抱き寄せ、体の前面を余さず密着させる。
散歩の休憩にしては少しばかり激しく、個室を後にする頃には二人とも肩で息をしていた。
この時点で、ハッキリと確信できる。今日はたまに訪れる、萌恵ちゃんがひたすら甘えてくる日だ。
起きてからいまに至るまで着替えとか洗顔とか様々な行動を経ているわけだけど、一度として萌恵ちゃんから離れていない。抽象的な意味ではなく、文字通りどこかしらの部位が常に触れ合っている。
***
帰宅してから真っ先に行動を起こしたのは、私の方だった。
先ほどのお返しとばかりに、靴を雑に脱ぎ捨てながら、廊下で萌恵ちゃんを優しく押し倒す。
普段からきれいに掃除している甲斐があり、余計なことを気にせず楽しめる。
体勢のおかげで、主導権はこちらにある。頬や額にキスの雨を落としてから、切なそうに震えるピンクの唇に自分のそれを重ね合せた。
口が自由になれば、それがどんなに短い時間であれ、愛を囁いてくれる。私も言葉と行動で自分の気持ちを示し、思う存分に濃密なひとときを楽しむ。
***
期待を遥かに上回る勢いで、この後ひたすらイチャイチャした。
10
あなたにおすすめの小説
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる