101 / 121
4章 高校最初の夏休み
14話 ひんやり
しおりを挟む
布団に入った直後のひんやりとした感触は、この季節における楽しみの一つだ。
次第に体温によって浸食されていくので、いまのうちに全身で楽しんでおく。
「お昼に食べたたこ焼き、おいしかったね~」
「うん、すごくおいしかった。また食べようね」
今日は買い物のついでに、ショッピングモールのフードコートでたこ焼きを買って帰った。
当然ながら萌恵ちゃんの手料理には敵わないけど、リピートしたくなるおいしさであることは間違いない。
話しながら、布団の中でそっと手を重ねる。
そしていつも通り、ピッタリと体を寄せ合う。
萌恵ちゃんの体温を肌で感じられる幸せと喜びは、季節を問わず至上の一言に尽きる。
こうして何気なく肌と肌で触れ合えるのだから、ノースリーブのベビードールを購入してよかった。
「暑くない?」
「平気だよ~」
二人ともすでにじんわりと汗が滲み始めているけど、離れたいという意見はどちらからも出ない。
体感温度などを考えれば寝苦しいはずなのに、萌恵ちゃんと密着していると毎日ぐっすり眠れる。
実家にいた頃より睡眠の質が上がっていると感じるのは、おそらく錯覚ではない。
適度な涼しさが重要なのは確かだけど、私にとっては好きな人と一緒に眠れる満足感の方が重要なようだ。
「ホームセンターに売ってた冷感敷きパッド、そんなに高くなかったよね。買ってみる?」
「いいね~、賛成っ。ひんやり感が持続してくれるなら、いまよりもっと密着しても大丈夫だよねっ」
いまも密着しているとはいえ、ほんの少しだけ遠慮しているのも事実。脱水症状を避けるためにも、最低限の配慮はしなければならない。
敷きパッドの効果が期待通りなら、萌恵ちゃんの言う通り好きなだけ密着できる。
第三者が見たら、現状でも充分すぎるほど距離が近いんだろうけど。
「おやすみ」
「おやすみ~」
隣を向いて顔を見合わせ、おやすみのキスを交わす。
もう何度、萌恵ちゃんと唇を重ねただろう。夜空に浮かぶ星を数える方が、まだ簡単かもしれない。
だけど、キスの最中に感じる幸福と興奮はファーストキスのときからまったく色褪せず、唇を離した後にお互い照れてしまうのも変わらない。
この先もずっと同じように感じられたら、それはとっても素敵なことだと思う。
そんなことを考えながら、キスの余韻に浸りつつ眠りに就いた。
次第に体温によって浸食されていくので、いまのうちに全身で楽しんでおく。
「お昼に食べたたこ焼き、おいしかったね~」
「うん、すごくおいしかった。また食べようね」
今日は買い物のついでに、ショッピングモールのフードコートでたこ焼きを買って帰った。
当然ながら萌恵ちゃんの手料理には敵わないけど、リピートしたくなるおいしさであることは間違いない。
話しながら、布団の中でそっと手を重ねる。
そしていつも通り、ピッタリと体を寄せ合う。
萌恵ちゃんの体温を肌で感じられる幸せと喜びは、季節を問わず至上の一言に尽きる。
こうして何気なく肌と肌で触れ合えるのだから、ノースリーブのベビードールを購入してよかった。
「暑くない?」
「平気だよ~」
二人ともすでにじんわりと汗が滲み始めているけど、離れたいという意見はどちらからも出ない。
体感温度などを考えれば寝苦しいはずなのに、萌恵ちゃんと密着していると毎日ぐっすり眠れる。
実家にいた頃より睡眠の質が上がっていると感じるのは、おそらく錯覚ではない。
適度な涼しさが重要なのは確かだけど、私にとっては好きな人と一緒に眠れる満足感の方が重要なようだ。
「ホームセンターに売ってた冷感敷きパッド、そんなに高くなかったよね。買ってみる?」
「いいね~、賛成っ。ひんやり感が持続してくれるなら、いまよりもっと密着しても大丈夫だよねっ」
いまも密着しているとはいえ、ほんの少しだけ遠慮しているのも事実。脱水症状を避けるためにも、最低限の配慮はしなければならない。
敷きパッドの効果が期待通りなら、萌恵ちゃんの言う通り好きなだけ密着できる。
第三者が見たら、現状でも充分すぎるほど距離が近いんだろうけど。
「おやすみ」
「おやすみ~」
隣を向いて顔を見合わせ、おやすみのキスを交わす。
もう何度、萌恵ちゃんと唇を重ねただろう。夜空に浮かぶ星を数える方が、まだ簡単かもしれない。
だけど、キスの最中に感じる幸福と興奮はファーストキスのときからまったく色褪せず、唇を離した後にお互い照れてしまうのも変わらない。
この先もずっと同じように感じられたら、それはとっても素敵なことだと思う。
そんなことを考えながら、キスの余韻に浸りつつ眠りに就いた。
0
あなたにおすすめの小説
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる