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おしどり夫婦の廣瀬さん
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しおりを挟む「行くぞー!」
少し歩いたところにある大きめの公園で、翼と海來が滑り台を滑っている。
お高いスーツのジャケットとネクタイも取り払って海來を膝に乗せて大の大人が声を上げて滑り台。
その様子を少し離れた木陰で写真に収めながら微笑ましく見守る。
こんなどこにでも居そうなお父さんが今年中に三ツ橋グループの社長付きの秘書になるなんて誰も分からないだろう。
いや、どこにでもいそうではないか。
オメガも希少だが、アルファもそこら辺にポンポンいる訳では無い。
そして顔立ちもそうだ。
以前、俺の誕生日に好きな服を着てもらって撮影をしたのだがとても楽しかった。
透といつか潤也さんと翼を並べて撮りたいなんて言いながら写真集もどきを遊びで作った。
その写真集は海來が大きくなったら見せてあげよう。
「まま!かくえぅぼ!」
ぼんやりしていると海來が駆け寄ってきて裾を引く。
「かくれんぼするの?、よぉしやろっか!」
「楓斗もやるのか。じゃあ俺が探すから海來と隠れててね」
「おっけー。海來、いこっか」
海來を連れて隠れ場所に選んだのは遊具の筒の中。
小さな遊具だし、長身な翼はなかなか入り込めないだろう。
「海來、しーだよ」
「しー?」
「パパに見つからないようにね」
海來を膝に抱えてギュッと抱きしめる。
子供体温温かい。カイロとかそういうのとは別の温かさも匂いも大好きだ。
「海來~、楓斗~どこだー」
どうやら筒の下辺りにいるらしい。
「ぱぱ!!ちた!」
「海來、しー」
一生懸命下にいる、と教えてくれる表情がほくほくしていて愛しい、可愛いが…見つかっちゃう。
「どこかな~」
筒の入口付近に翼の足が見える。
絶対あいつわかってる!!
あいつのニマニマした顔が目に浮かぶ。
楽しそうに、今にも飛び跳ね出しそうな海來をそっと離すと案の定入り口に走っていってしまった。
「ぱぱちた!!」
「え?…あ、見つかっちゃったなー。海來の勝ちだ!」
まさかの。
「まさかの展開だな」
「そうだね。海來には勝てないよ」
手を差し出してくれた彼の手を取り筒から抜け出して滑り台へ走っていった海來を慌てて追う。
「滑るよー」
「よし、来い!」
「突撃ー!!」
海來を抱いて滑り、下で待っていた翼の腕に二人で飛び込む。
動物園だって水族館だって、なんでもいい。みんなでいれたらどこだって楽しいんだよな、と2人を抱きしめた
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