オラクル

kaoru

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第一章 碧玉

二十二話

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 教会の小屋に着くと、マーヤさんが、テーブルに食事を並べてるところだった。

「お帰りなさい。ちょうど出来たのところですよ。新しい神父様と案内人というククさんですか?アタシは、先…ジャスパー様の世話係のマーヤです。よろしくお願いしますね」

 帰ってきたワタシ達を見て、マーヤさんがこちらの答えを聞かずに挨拶をした。目線から言って、神父様とクク様を間違えてる様に思うんだけど…

「ジャスパー様の代わりとして派遣されたイアスといいます。今日から、よろしくお願いします」

「そして、こちらがフーの案内人として指名されたククさんです」

 マーヤさんは、驚いたように神父様とクク様を交互に見た。そして、クク様の方に顔を向けたままで「あれ、ああ、こちらが…、まぁー、ずいぶん綺麗なお人ですねぇ。どちらの方なんですか?」やっぱり勘違いしてたみたいだけど、その事は言わずに呟いた。

「北の生まれで。厳しい修行を積んで聖人になった方ですよ」

「はぁ…聖人なんて。話に聞くだけだと思っていたけど、本当に居るんですねぇ…魔術だけでなく、外見も人間離れしてるんですねぇ」

 聖人…父さんに聞いたことがある。この世界には、魔術に秀でた人の中で、ごく希に神の領域に達する事の出来る者がいて、その人を、聖人と呼ぶのだという。聖人になると、若さを保ったまま長生きすると言われているらしい。
 
 そうか、マーヤさんには、神様だと言えないからそういう事にしたのかな?…なんでなんだろう?何で、言ってはいけないのだろう?

「それより、マーヤさん、これも広げてくれないかい?」

「おやおや、なんだかいっぱい買い込んだようですね」

 先生と神父様が持つ包みを見てマーヤさんが、戸棚からお皿を何枚か出してきた。それを、見ながら神父様が、何やら詠唱し、さらっとした感じに包まれた気がしたら、神父様は、ニコリと笑いー

「外の汚れを取り除きました。美味しそうな香りで、お腹が空きましたのでね」

 と、片目を閉じた。
 先生が、ちょっと笑いながら私を下ろすと持っていた包みを渡された。それを持ってマーヤさんのところに行き「買ったのではなく、屋台の人達がセンベツだってくれたの」と手渡しすと、マーヤさんは「ああ、なるほどねぇ。じゃぁ、しっかり食べていきなよ」と手際よく皿に盛り付けてくれる。

「では、早速、席に着いていただきましょう。マーヤさん、すみませんが私達だけにしてもらえますか?」

 先生が、そう言ってマーヤさんに頭を下げると、マーヤさんは、大きく手を振りながら「分かってますよ。アタシは、一旦、家に帰りますから、港に行くときに声をかけて下さいな。イアス様、その後、どの程度手伝えば良いか相談いたしましょう。じゃぁ、失礼しますね」と、言って小屋から出ていった。
 
 

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