無双不可能な能力だって、世界を救うことくらいできますよ?

宇治を愛する抹茶

文字の大きさ
10 / 10
番外編

早霧との休日①

しおりを挟む
「そういえば、この前御島くんがデートしていたのを見かけたわね。あの時は楽しかった?」

事の始まりは瀧川さんのこの言葉だった。

「えぇぇぇぇっ!?なにそれ聞いてないよ~!?」

早霧さんが驚きの声をあげる。面倒くさくなりそうなので一応肯定はしておく。

「あぁ。まぁ相手は男だけどな」

しかし、どうやら俺は返答に間違ったようで、
「ホモだったのね…」
「由季くんはそっちの趣味が…」
などの声が聞こえてきた。

「違うからな!?ただ遊びに行っただけでそういうことは一切ないぞ!!」

焦りながら言ったのが余計に不信感を抱かせたらしく、二人が疑いの目で見てきた。気まずい雰囲気だったが、丁度いいところに真島先生が入ってきた。

「失礼するぞ。君たち、活動は捗っているかね?」

相変わらず気だるそうにしている。しかし今日少しだけ機嫌のいいように見えた。

「先生、それは何ですか?」

先生の持っている変な紙が気になったので聞いてみた。すると、やはり上機嫌なのか、俺の質問に即答してくれた。

「これはな…フフッ…明日公開の映画の前売り券だ!今回は特別に、通常千円のところを五百円で売ってやる。さぁ君たち、お金を私に!!!」

上機嫌ってこういうことなのか…。物欲の権化みたいなこの教師は、テンプレのように悪びれることもなく俺たちに金をせびる。だから俺たちもテンプレのごとく。

「あ、勝手に持ってくな、待て、待てぇっ!お願いだ、せめて三百…ああっ、お願いします!」

咄嗟に先生の手からチケットを奪い取ると、さっきまでの態度が嘘のように喚き出した。このチケットは早霧さんと瀧川さんにあげよう。
と思っていたのも束の間、瀧川さんが恐ろしいことを言った。

「これ、うちのお母さんが出てる映画じゃない。これなら私はいくらでもタダで見れるから、御島くんたちで見てきたら?」

よく見ると、【主演 瀧川エメラルド】と書いてある。結構有名な女優じゃないか!?恐るべし瀧川家。

「じゃあ由季くん、あたしたちだけで見に行こっか!」

俺がくだらないことを考えている間に、ラブコメのように展開が進んでいく。まぁ早霧さんなら特に嫌なこともないし、当然行くのだが。

「私も一緒に行っていいかしら?時間はメールで送るわ」

母親接待でいつでも行けるんじゃなかったのか、とツッコみたくなったが、正直二人きりは緊張してしまうので、そっちの方がいい。




「私の前売り券…私の前売り券…」
と部室の隅で泣いている人がいたが、そっとしておこう。
しおりを挟む
感想 4

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(4件)

金時草@なろう

書いたつもりが、送れてなかったのか……再度書き込み

ツイッターからきました。小説家になろうで連載しています。

早速読ませて頂きました。

主人公のスキルは「少しややこしい」ものですが、とても面白くなる要素があると思いました。
それを文字で書くのは大変かもしれませんが、地の文の分かりやすさを拝見する限り、問題無いと思います。

普段学園ものや能力ものは殆ど読まないので、すごく新鮮な印象を受けました。

これからも連載を頑張ってください。

2017.10.04 宇治を愛する抹茶

感想&ご指摘ありがとうございます!この場を借りてお礼を。

この手のお話を書くのはこの作品が初めてなので、そういってもらえると嬉しいです。
能力については、これからは説明ではなく描写から入っていこうと考えています。

今後もよろしくお願いします!

解除
津月あおい
2017.10.04 津月あおい

先に感想を書きにきてしまいました。

主人公が「人が選択した方と逆の選択肢を選んだ未来」という能力なのは面白いと思いました。
地味だけど使い方によっては凄い展開にもっていけそうです。

「宇賀さんが●●してしまったのに、そうではない未来を見て会話していた」というシーンは、一見複雑でしたが、あとから考えるととても不思議な現象で心に残る場面でした。
ただ、宇賀さん面白そうだったのに退場してしまったのがもったいない。

それと、最初の方の文章ですが、なにやら情報が多くてついていきづらかったです。

二話目からの、高校に入ってからの自己紹介場面もそうです。
各クラスメイトの能力もいっぺんに出されて、人物もたくさんでてくるし、正直誰が誰やらといった感じでした……。
人物が多い&設定が複雑であるときは、どのようなタイミングで情報を出していくかというのは難しいところです。
どちらかをしぼるといいのではと思いました。

そう言った意味では、早霧さんとのエピソードは彼女の人となりもわかるし、能力も知っていけたうまい描写の仕方でした。
丁寧に一話使って一人紹介する、くらいのほうが読者にやさしい気がします。

とりあえず感想は以上です。
今後ともがんばってください!

2017.10.04 宇治を愛する抹茶

感想&指摘ありがとうございます!まずは読んでくださったことにお礼を。

わかりにくい能力ばかりで大変読みづらかったかと思います。申し訳ないです。登場人物は、一人一人掘り下げていこうと思ったんですが、津月先生の言う通り、説明や展開についていけない部分が多々ありましたね…。今後の課題とさせていただきます。
宇賀さんについてですが、詳しくは言えませんが今後もう一度登場させてあげられればと思っています。ただ、話の展開的にももう少し後になってしまうので、忘れられないように所々で名前を出せたらなと。

長くなりましたが改めて読んでいただきありがとうございます!今後もよろしくお願いします!

解除
ひまり
2017.09.24 ひまり

名前は違うのですがまれ子です。早速読ませていただきました!月並みな言葉でしか感想を伝えることができないのですがどうかお許しください。

まず、設定がとても凝っているなと感じました!お話も1話の中にぎゅっと濃い内容が詰め込んであって読み応えがあり、展開も衝撃的な場面があり続きが気になって読んでいてわくわくしてしまいました(*´ー`*)
ネタバレになってしまうといけないので詳しいことは控えますが、とにかくえっ!?とびっくりするシーンがあってそこで一気に心を鷲掴みにされました!
登場人物もみんな個性があって素敵です。ちなみにわたしは叶芽ちゃんと浜村くんが好きです笑

長くなってしまってすみません!他にももっともっと書きたいことがあるのですがこれ以上長くなってしまうとさすがに申し訳ないので、今回はこの辺で失礼しますm(_ _)m

最後に、更新がんばってください!応援しています!

2017.09.24 宇治を愛する抹茶

まずは感想ありがとうございます!まだまだ未熟ですが作者・作品共に成長していきたいです!
すごい細かいところまで読んでくださって大変嬉しいです!!主人公の設定、凝ったのはいいんですが説明が上手くできなくて…笑
上手く伝えられない部分もあったと思いますがお褒めの言葉すごく光栄です!
最後に改めて本作を読んでくださって本当に感謝感謝です!!!!!頑張ります!!!!!

解除

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。