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母に勝てるとでも?②
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「ナイトメアルって、まさかあのナイトメアル家の者だとでも言いますの!? 十数年前に突如姿を消して没落した、あのナイトメアル!?」
「うむ。で、今は息子や娘たちの母親だ」
サキュバス達の中でも優れた力を持ったナイトメアル家。しかも目の前に立つマーガレットがサキュバスクイーン種であることに、ドロテーアは打ち震えた。勝てるわけがないからだ。通常のサキュバス種が上位種であるサキュバスクイーン種に。
魔力の保有量、吸精のスピード、身体能力、そして夢の世界の操作。どの項目でも勝てない。
しかし、十数年前に力を誇った女王がなんだというのか。ドロテーアはあらん限りの魔力でこの夢の世界を崩壊させようとした。
「母親がなんだっていうのですの! こんな夢の世界、ちょっと魔力を反発させてやれば――。嘘、壊れない?」
「女王の世界がそう簡単に壊れるものか。で、お前はここに何をしに来た? 答えよ」
「そっ、そんなの話すと思いまして? ……ここに住む精剛の精を奪いに来たんですのよ! ……えっ、口が勝手に!?」
勝手に自分の口がしゃべりだしたことに驚愕し、ドロテーアははっとして口を押さえる。だがもう遅い。その目的を聞いたマーガレットの眼光が怪しい光を灯す。先程とは打って変わって、その姿にこの状況を楽しむ気配はない。
「ほほう? まぁサキュバスの考えることだ、そうなるよなぁ。金銭目当てであったのなら、軽くお仕置きして領の自警団に突き出して裁判で済むのであったが。では、罰の前にまず名乗れ。このクイーンたる妾が名乗ったのだ、お前も名乗ってもらおうか」
「ド、ドロテーア」
「ほうほうドロテーア。うん、ドロテーアか、少しの間だけ覚えておこう。ではどんな罰が良いかなぁ?」
うんうんとその名前を噛み締めながら頷き、マーガレットはどうしようかと視線をそらす。その一瞬の隙をつき、ドロテーアはその場からどうにかして逃げようと試みた。
「そんな罰なんて受けてられ――うっ、動けない?」
が、足と床を釘で固定されたかのようで、まったく足がいうことを聞かなかった。石のように固まっており、どれだけ力を込めようとしても動かない。
「妾の夢の中でただのサキュバスが動けるとでも? そして残念ながら数日間マスターがいなくてなぁ、吸精できなくて小腹が空いている。というわけで吸わせてもらうぞ、お前のエナジー」
今からお前を食うという宣言。まるで蛇に睨まれた蛙のように、ドロテーアは一歩も後ずさることができなかった。彼女の頬を冷や汗が流れ落ちる。
マーガレットはそんな彼女に歩み寄り、頬にそっと手を当てる。そしてがばりと彼女の頭を抱きしめるようにして、深いキスを乱暴に交わした。
「はむっ、ちゅぱっ……さぁ、力を抜け。なぁに、どうせ抵抗などできないのだ。んっ……」
「んむ!? んんー!」
歯茎をなぞり、歯を下でノックして口を開けるように命令する。さらに逃げる舌を口内で追い回す。そうこう楽しんでいる内に、急激な勢いでドロテーアの体に蓄えられているエネルギーが吸い取られていく。
サキュバスの技、『エナジードレイン』。粘膜を接触させ、生物の脆い所から生気を奪い取る技。大抵の生物は搾精と共になされるこの技に耐えることができない。サキュバスクイーンのマーガレットなら、その吸精のすさまじさはなおさらである。
がくりと膝から崩れ落ち、倒れ込むドロテーア。もはや彼女は、はぁはぁと激しく酸素を求めて呼吸することしかできなかった。
――嘘ですわ!? 体にあるエナジー、今のキスで全部吸われて……!?
とんでもない量のエナジーを一瞬で吸われた。今まで大事に貯めていた気力、精力、魔力もろもろが全て吸精された。
そして頭の片隅でふと考える。この女王を配下とするマスターとはいったい何者なのかと。
「ふぅっ、やはり同性の精はあまり美味しくないなぁ。で、お仕置きがこれだけだとでも思っているか?」
既に空っぽになったドロテーアは、ゴミのように見下されていた。腕を組んだマーガレットは、人差し指を伸ばしたり曲げたりして次の罰を考える。
「エナジー以上に、何を望むというんですの……」
もう逃げるだけの力が残っていないドロテーアの足に、何か柔らかい物が絡まった。足元に目をやってみると、吸盤やでこぼことした突起物を兼ね備えた数本の触手が絡まっていた。
じゅるりじゅるりと強く絡まったり弱くなったりして、彼女の足を粘液で濡らす。
「ひっ!?」
そして、その触手が出ている根元を彼女は見てしまった。狂気的で背徳的なその光景を。
背後に壁などない。あるのはぐちょぐちょと粘質的な音を立てる触手だらけの巨大な穴。後ろにあったはずのドアが消えてその穴となっており、ドロテーアの逃げ場は完全に失われた。
「やっ、やめて! こんなの嫌ですわ! あんなのに放り込まれたら、わたくし!」
「なぁに、現実の体がどうこうなるわけではない。では楽しんでくれ。この、数時間続く触手地獄を」
「は、あはは……」
まさか自分がこんなことになるなんて。いや、ありえない。これは夢だ、そう、夢だ。夢だ。
笑うことしかできない。夢を見せようと思っていたら見せられ、夜を支配するサキュバスなのに完全に支配され、完全に上下関係を解らせられた。
現実を受け入れられない一人のサキュバスは触手に衣服を全てはぎとられ、粘液がしたたり桃色の淫気を噴き出す穴に引きずり込まれていった。
「ははっ。この妾に、母に勝てるとでも? はははっ」
触手の穴の中からくぐもった喘ぎ声が木霊してきた。マーガレットはその声を聞いて、勝ち誇るかのように笑うのだった。
「うむ。で、今は息子や娘たちの母親だ」
サキュバス達の中でも優れた力を持ったナイトメアル家。しかも目の前に立つマーガレットがサキュバスクイーン種であることに、ドロテーアは打ち震えた。勝てるわけがないからだ。通常のサキュバス種が上位種であるサキュバスクイーン種に。
魔力の保有量、吸精のスピード、身体能力、そして夢の世界の操作。どの項目でも勝てない。
しかし、十数年前に力を誇った女王がなんだというのか。ドロテーアはあらん限りの魔力でこの夢の世界を崩壊させようとした。
「母親がなんだっていうのですの! こんな夢の世界、ちょっと魔力を反発させてやれば――。嘘、壊れない?」
「女王の世界がそう簡単に壊れるものか。で、お前はここに何をしに来た? 答えよ」
「そっ、そんなの話すと思いまして? ……ここに住む精剛の精を奪いに来たんですのよ! ……えっ、口が勝手に!?」
勝手に自分の口がしゃべりだしたことに驚愕し、ドロテーアははっとして口を押さえる。だがもう遅い。その目的を聞いたマーガレットの眼光が怪しい光を灯す。先程とは打って変わって、その姿にこの状況を楽しむ気配はない。
「ほほう? まぁサキュバスの考えることだ、そうなるよなぁ。金銭目当てであったのなら、軽くお仕置きして領の自警団に突き出して裁判で済むのであったが。では、罰の前にまず名乗れ。このクイーンたる妾が名乗ったのだ、お前も名乗ってもらおうか」
「ド、ドロテーア」
「ほうほうドロテーア。うん、ドロテーアか、少しの間だけ覚えておこう。ではどんな罰が良いかなぁ?」
うんうんとその名前を噛み締めながら頷き、マーガレットはどうしようかと視線をそらす。その一瞬の隙をつき、ドロテーアはその場からどうにかして逃げようと試みた。
「そんな罰なんて受けてられ――うっ、動けない?」
が、足と床を釘で固定されたかのようで、まったく足がいうことを聞かなかった。石のように固まっており、どれだけ力を込めようとしても動かない。
「妾の夢の中でただのサキュバスが動けるとでも? そして残念ながら数日間マスターがいなくてなぁ、吸精できなくて小腹が空いている。というわけで吸わせてもらうぞ、お前のエナジー」
今からお前を食うという宣言。まるで蛇に睨まれた蛙のように、ドロテーアは一歩も後ずさることができなかった。彼女の頬を冷や汗が流れ落ちる。
マーガレットはそんな彼女に歩み寄り、頬にそっと手を当てる。そしてがばりと彼女の頭を抱きしめるようにして、深いキスを乱暴に交わした。
「はむっ、ちゅぱっ……さぁ、力を抜け。なぁに、どうせ抵抗などできないのだ。んっ……」
「んむ!? んんー!」
歯茎をなぞり、歯を下でノックして口を開けるように命令する。さらに逃げる舌を口内で追い回す。そうこう楽しんでいる内に、急激な勢いでドロテーアの体に蓄えられているエネルギーが吸い取られていく。
サキュバスの技、『エナジードレイン』。粘膜を接触させ、生物の脆い所から生気を奪い取る技。大抵の生物は搾精と共になされるこの技に耐えることができない。サキュバスクイーンのマーガレットなら、その吸精のすさまじさはなおさらである。
がくりと膝から崩れ落ち、倒れ込むドロテーア。もはや彼女は、はぁはぁと激しく酸素を求めて呼吸することしかできなかった。
――嘘ですわ!? 体にあるエナジー、今のキスで全部吸われて……!?
とんでもない量のエナジーを一瞬で吸われた。今まで大事に貯めていた気力、精力、魔力もろもろが全て吸精された。
そして頭の片隅でふと考える。この女王を配下とするマスターとはいったい何者なのかと。
「ふぅっ、やはり同性の精はあまり美味しくないなぁ。で、お仕置きがこれだけだとでも思っているか?」
既に空っぽになったドロテーアは、ゴミのように見下されていた。腕を組んだマーガレットは、人差し指を伸ばしたり曲げたりして次の罰を考える。
「エナジー以上に、何を望むというんですの……」
もう逃げるだけの力が残っていないドロテーアの足に、何か柔らかい物が絡まった。足元に目をやってみると、吸盤やでこぼことした突起物を兼ね備えた数本の触手が絡まっていた。
じゅるりじゅるりと強く絡まったり弱くなったりして、彼女の足を粘液で濡らす。
「ひっ!?」
そして、その触手が出ている根元を彼女は見てしまった。狂気的で背徳的なその光景を。
背後に壁などない。あるのはぐちょぐちょと粘質的な音を立てる触手だらけの巨大な穴。後ろにあったはずのドアが消えてその穴となっており、ドロテーアの逃げ場は完全に失われた。
「やっ、やめて! こんなの嫌ですわ! あんなのに放り込まれたら、わたくし!」
「なぁに、現実の体がどうこうなるわけではない。では楽しんでくれ。この、数時間続く触手地獄を」
「は、あはは……」
まさか自分がこんなことになるなんて。いや、ありえない。これは夢だ、そう、夢だ。夢だ。
笑うことしかできない。夢を見せようと思っていたら見せられ、夜を支配するサキュバスなのに完全に支配され、完全に上下関係を解らせられた。
現実を受け入れられない一人のサキュバスは触手に衣服を全てはぎとられ、粘液がしたたり桃色の淫気を噴き出す穴に引きずり込まれていった。
「ははっ。この妾に、母に勝てるとでも? はははっ」
触手の穴の中からくぐもった喘ぎ声が木霊してきた。マーガレットはその声を聞いて、勝ち誇るかのように笑うのだった。
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