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驕った創造主
PHASE-1692【今までの経験からすれば】
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この場の面子と同様の手法を使った山賊たち。
現在は俺のギルドメンバーとなってくれているクラックリックも冒険者崩れとして山賊と行動していたっけ。
希少生物であったケーニッヒス・ティーガーを狙っていたけど、生息地であるクレトスにはワックさんとゴロ太もいた。
――ゴーレムとクリエイトを発動できるスクロール――山賊が所持していていい代物じゃないよな。
あの山賊たちの背後にはカイメラがいたんだろうか?
クラックリックにスクロールがどこ経由だったのかをちゃんと聞いとけば良かった。
まあ、あいつの場合、山賊と行動していた冒険者崩れってだけだから、正規のメンバーじゃない時点で聞いても知らないだろうけど。
それに俺が聞いていなくても、先生がその辺はきっちりと調べているはず。
報告が無い時点で有益な情報は得られなかったと判断していい。
でも山賊たちの裏にカイメラが暗躍していたという推測は当たっているかもな。
馬鹿息子のカリオネルの裏にもいた。
破邪の獅子王牙とも繋がっていた。
大小様々な裏社会と広く繋がり、ゴロ太の情報を得ようとしていたと考えるべきだろう。
「考え事も良いが、次が来るぞ」
「消耗戦って感じだけど、いけるか?」
「誰に言っている」
「最強様に」
「お前が私をそう思ってくれているのなら問題はないということだ」
格好いいね。
美しく、格好いい。
「俺もそうありたい」
今までは見ているだけだったが、気合いを入れて石の巨人達に驀地。
残火にブレイズを纏い、マラ・ケニタルにはウインドスラッシュ。
各強化ピリアで自分自身にバフを与えつつ跳躍。
残火による唐竹割りでまず一体。
ウインドスラッシュを纏わせての技であるスクワッドリーパーで乱れ斬り。
その横ではベルがただの剣技だけで石の巨人を斬っていく。
この差よ。
だがまあ、仕留めている事には変わりない。
「この二人……」
ようやく戦き始めてくれたな。
私兵たちの精神を削り取っていくだけの動きを見せつけるってのはいいね。
「そろそろ降伏します?」
「まだだ!」
空からのスクロールによるクリエイト。
安全圏と考えているであろう天井付近を飛ぶソドンバアム。
こちらとしては対応できないわけではないんだけども、まずは――、
「そちらの戦意を完全に削ぎ落としてやりましょう」
相手のスクロールが枯渇するまで圧倒的な実力差ってのを見せつけるだけ。
「デカい相手はさんざっぱら経験しているからな。挑むのに気圧されるってことはないんだよ!」
気迫からの斬撃。
「よい動きだ。天空要塞は良い経験になったな」
「だな。あそこの面子と戦って生き残れているからな。こんなのを相手に怪我の一つでも受けようものなら、強者であるクロウス氏たちの恥に繋がる」
「言うじゃないか。頼りになるよ」
「お、おうよ」
柔和な笑みのベルの方が敵よりもよっぽど俺の虚を衝いてくるね。
ご褒美の笑みをもらった事だし、更に励ませていただこう。
「どうしたガリオン動いてないぞ。疲れたか? 寄る年波には勝てないか?」
「なめんな小僧! まだまだ年波なんて感じた事もねえよ!」
ガチモードとばかりにオレンジ色のオーラアーマーを全身に纏ってのジグザク軌道による高速移動は、地上を走る稲妻の如し。
接近すればストーンゴーレムに拳の連打。
一撃見舞っていく度に石の体の表面を抉り破壊していく様は壮観。
「負けてられん!」
ジージーの動きも一段階上がる。
膂力に物を言わせての攻撃だけでなく、
「マッドメンヒル」
物理と魔法の複合戦闘スタイルへと変更。
尖塔を思わせる土の柱が地面から勢いよく生えれば、石の巨人の股間部から入って頭部を貫いての串刺し。
土であっても石の強度を上回る威力。
流石はジージーである。
こんな強者によく勝てたもんだよ俺。
俺とベルに触発された二人を目にして俺も更に触発される。
今まで以上に苛烈な動きへとギアを上げていく。
「さっきまでとは別人だ」
一人の私兵が俺の動きに驚嘆してくれる。
現状、ブーステッドを除く強化系ピリアを使用。
こうなった俺とこの場にいる面子で渡り合えるのはベルだけだ。
それ以外には負けてやらない! そんな気概の中で二振りの愛刀を振って振って振りまくる!
バフを盛りまくった現状の俺ならストーンゴーレムの動きはとろくさい。
天空要塞を経験していると、この程度なら本当に大したことない。
油断はしないけどね!
「――はいこれで終わり! おかわりスクロール持ってこいや! もしくは俺たちが使いたいからゴーレムとクリエイトの入ったスクロールをください!」
一般兵が前線でゴーレム召喚とかこれからの事を考えると大変に有り難いアイテムでもあるからね。
この地下施設にはそんなお宝も結構ありそうな気がする。
絶対に没収してやる!
「ほら、倉庫的な所から持ってきてもいいんですよ」
ザッと音を立てて一歩前へと出れば、合わせるように一歩後退の私兵たち。
胆力を削りきったようだな。
下がる姿からして、完全に打ち止めってところだ。
「続けますか? 私兵としての意地を見せるのもいいですが、まずストーンゴーレムを十体――しかもクリエイトを使用しているから実質、倍くらいの戦闘をこなして二十体以上を倒し、息も乱れていない俺たちと戦って勝てるイメージが湧くなら挑んでください」
「有利になった途端に饒舌だな冒険者」
「有利になった途端? 失礼な。徹頭徹尾こちらの有利は揺るいでいませんよ」
「……確かに……な……」
私兵の某殿、そこはすんなり認めるんですね。
現在は俺のギルドメンバーとなってくれているクラックリックも冒険者崩れとして山賊と行動していたっけ。
希少生物であったケーニッヒス・ティーガーを狙っていたけど、生息地であるクレトスにはワックさんとゴロ太もいた。
――ゴーレムとクリエイトを発動できるスクロール――山賊が所持していていい代物じゃないよな。
あの山賊たちの背後にはカイメラがいたんだろうか?
クラックリックにスクロールがどこ経由だったのかをちゃんと聞いとけば良かった。
まあ、あいつの場合、山賊と行動していた冒険者崩れってだけだから、正規のメンバーじゃない時点で聞いても知らないだろうけど。
それに俺が聞いていなくても、先生がその辺はきっちりと調べているはず。
報告が無い時点で有益な情報は得られなかったと判断していい。
でも山賊たちの裏にカイメラが暗躍していたという推測は当たっているかもな。
馬鹿息子のカリオネルの裏にもいた。
破邪の獅子王牙とも繋がっていた。
大小様々な裏社会と広く繋がり、ゴロ太の情報を得ようとしていたと考えるべきだろう。
「考え事も良いが、次が来るぞ」
「消耗戦って感じだけど、いけるか?」
「誰に言っている」
「最強様に」
「お前が私をそう思ってくれているのなら問題はないということだ」
格好いいね。
美しく、格好いい。
「俺もそうありたい」
今までは見ているだけだったが、気合いを入れて石の巨人達に驀地。
残火にブレイズを纏い、マラ・ケニタルにはウインドスラッシュ。
各強化ピリアで自分自身にバフを与えつつ跳躍。
残火による唐竹割りでまず一体。
ウインドスラッシュを纏わせての技であるスクワッドリーパーで乱れ斬り。
その横ではベルがただの剣技だけで石の巨人を斬っていく。
この差よ。
だがまあ、仕留めている事には変わりない。
「この二人……」
ようやく戦き始めてくれたな。
私兵たちの精神を削り取っていくだけの動きを見せつけるってのはいいね。
「そろそろ降伏します?」
「まだだ!」
空からのスクロールによるクリエイト。
安全圏と考えているであろう天井付近を飛ぶソドンバアム。
こちらとしては対応できないわけではないんだけども、まずは――、
「そちらの戦意を完全に削ぎ落としてやりましょう」
相手のスクロールが枯渇するまで圧倒的な実力差ってのを見せつけるだけ。
「デカい相手はさんざっぱら経験しているからな。挑むのに気圧されるってことはないんだよ!」
気迫からの斬撃。
「よい動きだ。天空要塞は良い経験になったな」
「だな。あそこの面子と戦って生き残れているからな。こんなのを相手に怪我の一つでも受けようものなら、強者であるクロウス氏たちの恥に繋がる」
「言うじゃないか。頼りになるよ」
「お、おうよ」
柔和な笑みのベルの方が敵よりもよっぽど俺の虚を衝いてくるね。
ご褒美の笑みをもらった事だし、更に励ませていただこう。
「どうしたガリオン動いてないぞ。疲れたか? 寄る年波には勝てないか?」
「なめんな小僧! まだまだ年波なんて感じた事もねえよ!」
ガチモードとばかりにオレンジ色のオーラアーマーを全身に纏ってのジグザク軌道による高速移動は、地上を走る稲妻の如し。
接近すればストーンゴーレムに拳の連打。
一撃見舞っていく度に石の体の表面を抉り破壊していく様は壮観。
「負けてられん!」
ジージーの動きも一段階上がる。
膂力に物を言わせての攻撃だけでなく、
「マッドメンヒル」
物理と魔法の複合戦闘スタイルへと変更。
尖塔を思わせる土の柱が地面から勢いよく生えれば、石の巨人の股間部から入って頭部を貫いての串刺し。
土であっても石の強度を上回る威力。
流石はジージーである。
こんな強者によく勝てたもんだよ俺。
俺とベルに触発された二人を目にして俺も更に触発される。
今まで以上に苛烈な動きへとギアを上げていく。
「さっきまでとは別人だ」
一人の私兵が俺の動きに驚嘆してくれる。
現状、ブーステッドを除く強化系ピリアを使用。
こうなった俺とこの場にいる面子で渡り合えるのはベルだけだ。
それ以外には負けてやらない! そんな気概の中で二振りの愛刀を振って振って振りまくる!
バフを盛りまくった現状の俺ならストーンゴーレムの動きはとろくさい。
天空要塞を経験していると、この程度なら本当に大したことない。
油断はしないけどね!
「――はいこれで終わり! おかわりスクロール持ってこいや! もしくは俺たちが使いたいからゴーレムとクリエイトの入ったスクロールをください!」
一般兵が前線でゴーレム召喚とかこれからの事を考えると大変に有り難いアイテムでもあるからね。
この地下施設にはそんなお宝も結構ありそうな気がする。
絶対に没収してやる!
「ほら、倉庫的な所から持ってきてもいいんですよ」
ザッと音を立てて一歩前へと出れば、合わせるように一歩後退の私兵たち。
胆力を削りきったようだな。
下がる姿からして、完全に打ち止めってところだ。
「続けますか? 私兵としての意地を見せるのもいいですが、まずストーンゴーレムを十体――しかもクリエイトを使用しているから実質、倍くらいの戦闘をこなして二十体以上を倒し、息も乱れていない俺たちと戦って勝てるイメージが湧くなら挑んでください」
「有利になった途端に饒舌だな冒険者」
「有利になった途端? 失礼な。徹頭徹尾こちらの有利は揺るいでいませんよ」
「……確かに……な……」
私兵の某殿、そこはすんなり認めるんですね。
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―――――――――
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