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胎動
PHASE-13
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「本当に復活されていたとは……混乱を来すつもりか?」
「何を言う。我は混乱など来たさん。我は義妹に会いに来ただけだ」
混乱はもう来たされております。貴男がこの整備局にダイナミック入室した時から。
「義妹? 何を訳の分からないことを? まあ、昔から貴男様は、訳が分からなかったですが」
おう、なんかカグラさんの見下したような目線での言いよう。ゾクリとしてしまいます。いい意味で。
叱られてみたいという感情が生まれてしまった。
「それで、御身の一部を封じていた、私の主が作りし兵仗は?」
「は? 知らんぞ」
「それを信じろと?」
「信じてもらわねば困る。知らんものは知らん」
やばい。素人の僕でもカグラさんが怒ってるのが分かる。キーンって感じの静けさが、一気に局内に走った。
白く細くて綺麗な指を動かすと、コキコキと骨の鳴る音だけが響いている。
「いやいや、まて、何をするつもりだ? 我は本当に知らんぞ」
焦ってるな。邪神でも、カグラさんは怖いのだろうか?
「では、開放した者達がそれを?」
「そんなことは知らん。だが、我を信仰しているのだ。忌々しい物として、うち捨てたのではないか? それに、それを手にしているのならば、我に伝えるだろう」
「どうだか……徳のある存在ではないでしょう」
グサリと刺したな~。ロールさんに断られて、カグラさんには辛辣な発言を受ける。
そんな、邪神の背中は煤けていた。
まあ、徳がないのは、大いに賛同ですけどね。妹に封じられるんだから。
ズンズン絶対躍進の、カグラさんに迫られて困っているご様子。
正直、怒気を纏っててもいいから、迫られたいと、羨ましがる僕がいる。
「なんなのだ……分かった、しばし待て」
そう言うと、朱肉のついた手で空間に円を描く。
所作で、ンダガランさんが以前使用した魔法と同じと推測出来る。
「あ……」
って、声に出したけども、時すでに遅かった。
空間に出来た暗闇の支配した穴から、最高神祇官のグラドさんが出て来る。
「なんでしょうか? 私、これから日課である、花壇のチューリップに水をやりに行くところだったんですが?」
邪教のトップとは思えない行動だな……。手に如雨露なんか持って…………。
まあ、僕も、サボテンに水をやる事を、朝一の日課としているから、親近感は湧く。
いきなり呼び出されたものの、ロールさんを見るや、〝女神様〟と跪き、祈りを捧げ始め、なぜここに炎竜王が? と、カグラさんの存在に身構えながらも、質問を受けたグラドさんは、邪神同様に知らないと口にした。
――最も厳重であると考えられていた、パンゲアの心臓。
それを奪取するために、グラドさん自らが、信徒を率いて動いたそうだが、封印塚を取り囲むように造られた神殿の中は、肩すかしをくらうほど、抵抗する者は少なかったそうだ。
いても駆け出しクラスの勇者たちによって編成されているのか? と、思えるくらいに脆弱だったそうだ。
封印塚への進入は更に容易で有り、心臓を手にする時も、兵仗はなく、あまりにも容易だったから、罠なのかと考え、本山に戻るまでは警戒を緩めなかったそうだ。
残りの封印塚も同様で有り、塚まわりには結界もなく、むろん各所にも邪神の一部に突き刺されていたであろう兵仗はなかったそうだ。
「その兵仗で刺されてないなら、封印はその時点で解除されてたんじゃないですか?」
気になってしまい、口を開いてしまった。
兵仗もなく、結界もないなら、邪神なんだから、一部だけでもどうにかなったりしないのかと思うのが当然だと思うんだけどね。
「無論可能だが。お前、我が妹の性悪さを理解しておらん」
性悪と耳にして、カグラさんが邪神を睨むと、それを避けるように明後日の方向に視線を向けてから話を続ける。
封印されていた神殿にあった壺的な物。あれが一番やっかいな物だったそうだ。
邪神と意思疎通が出来たのは、心臓を捧げたことで可能となったのだけども、その前の状態は、意思疎通はとれずとも、黒煙状の邪神自体には意志は存在していた。
意志さえあれば、一部を動かすことも本来ならば可能らしいのだが、あの壺、神通力と捉えればいいのか、それを遮断する作りになっていて、神殿自体にもそれと同じ工夫が施されていたそうだ。
なので、どれだけ意志を彼方の封印塚に飛ばそうが、届かなかった。
神殿内で、留まるだけだけ。その神通力が神殿内の寒さの原因だったようだ。
出来て、壺を震わせるくらいだったそうだ。
確かに震えてたね。それに恐怖してたよ僕……。
「一部には意志とかないんですか?」
「あるさ、これまた本来ならな。さっきも言ったであろう。我が妹は性悪だと」
性悪と言って、直ぐさまカグラさんと目線を合わせないように首を稼働させた。とても早かった。
――各部分に宿る意志自体も、全てを統合して壺の中に封じられたそうだ。
意志も届かない物に封じられたから、その意志で、彼方の一部を移動させる事も叶わず、一部が宿す意志も、全て一緒くたに壺に封じられ、彼方の一部は独立して動く事も出来ない。
よって、黒煙の元には自力でたどり着く事はない。
完全に、復活を否定された封印だったそうな。
つまりは、この邪神は、妹様に、相当に嫌われていたんだなと、容易に推測できんだね。
「何を言う。我は混乱など来たさん。我は義妹に会いに来ただけだ」
混乱はもう来たされております。貴男がこの整備局にダイナミック入室した時から。
「義妹? 何を訳の分からないことを? まあ、昔から貴男様は、訳が分からなかったですが」
おう、なんかカグラさんの見下したような目線での言いよう。ゾクリとしてしまいます。いい意味で。
叱られてみたいという感情が生まれてしまった。
「それで、御身の一部を封じていた、私の主が作りし兵仗は?」
「は? 知らんぞ」
「それを信じろと?」
「信じてもらわねば困る。知らんものは知らん」
やばい。素人の僕でもカグラさんが怒ってるのが分かる。キーンって感じの静けさが、一気に局内に走った。
白く細くて綺麗な指を動かすと、コキコキと骨の鳴る音だけが響いている。
「いやいや、まて、何をするつもりだ? 我は本当に知らんぞ」
焦ってるな。邪神でも、カグラさんは怖いのだろうか?
「では、開放した者達がそれを?」
「そんなことは知らん。だが、我を信仰しているのだ。忌々しい物として、うち捨てたのではないか? それに、それを手にしているのならば、我に伝えるだろう」
「どうだか……徳のある存在ではないでしょう」
グサリと刺したな~。ロールさんに断られて、カグラさんには辛辣な発言を受ける。
そんな、邪神の背中は煤けていた。
まあ、徳がないのは、大いに賛同ですけどね。妹に封じられるんだから。
ズンズン絶対躍進の、カグラさんに迫られて困っているご様子。
正直、怒気を纏っててもいいから、迫られたいと、羨ましがる僕がいる。
「なんなのだ……分かった、しばし待て」
そう言うと、朱肉のついた手で空間に円を描く。
所作で、ンダガランさんが以前使用した魔法と同じと推測出来る。
「あ……」
って、声に出したけども、時すでに遅かった。
空間に出来た暗闇の支配した穴から、最高神祇官のグラドさんが出て来る。
「なんでしょうか? 私、これから日課である、花壇のチューリップに水をやりに行くところだったんですが?」
邪教のトップとは思えない行動だな……。手に如雨露なんか持って…………。
まあ、僕も、サボテンに水をやる事を、朝一の日課としているから、親近感は湧く。
いきなり呼び出されたものの、ロールさんを見るや、〝女神様〟と跪き、祈りを捧げ始め、なぜここに炎竜王が? と、カグラさんの存在に身構えながらも、質問を受けたグラドさんは、邪神同様に知らないと口にした。
――最も厳重であると考えられていた、パンゲアの心臓。
それを奪取するために、グラドさん自らが、信徒を率いて動いたそうだが、封印塚を取り囲むように造られた神殿の中は、肩すかしをくらうほど、抵抗する者は少なかったそうだ。
いても駆け出しクラスの勇者たちによって編成されているのか? と、思えるくらいに脆弱だったそうだ。
封印塚への進入は更に容易で有り、心臓を手にする時も、兵仗はなく、あまりにも容易だったから、罠なのかと考え、本山に戻るまでは警戒を緩めなかったそうだ。
残りの封印塚も同様で有り、塚まわりには結界もなく、むろん各所にも邪神の一部に突き刺されていたであろう兵仗はなかったそうだ。
「その兵仗で刺されてないなら、封印はその時点で解除されてたんじゃないですか?」
気になってしまい、口を開いてしまった。
兵仗もなく、結界もないなら、邪神なんだから、一部だけでもどうにかなったりしないのかと思うのが当然だと思うんだけどね。
「無論可能だが。お前、我が妹の性悪さを理解しておらん」
性悪と耳にして、カグラさんが邪神を睨むと、それを避けるように明後日の方向に視線を向けてから話を続ける。
封印されていた神殿にあった壺的な物。あれが一番やっかいな物だったそうだ。
邪神と意思疎通が出来たのは、心臓を捧げたことで可能となったのだけども、その前の状態は、意思疎通はとれずとも、黒煙状の邪神自体には意志は存在していた。
意志さえあれば、一部を動かすことも本来ならば可能らしいのだが、あの壺、神通力と捉えればいいのか、それを遮断する作りになっていて、神殿自体にもそれと同じ工夫が施されていたそうだ。
なので、どれだけ意志を彼方の封印塚に飛ばそうが、届かなかった。
神殿内で、留まるだけだけ。その神通力が神殿内の寒さの原因だったようだ。
出来て、壺を震わせるくらいだったそうだ。
確かに震えてたね。それに恐怖してたよ僕……。
「一部には意志とかないんですか?」
「あるさ、これまた本来ならな。さっきも言ったであろう。我が妹は性悪だと」
性悪と言って、直ぐさまカグラさんと目線を合わせないように首を稼働させた。とても早かった。
――各部分に宿る意志自体も、全てを統合して壺の中に封じられたそうだ。
意志も届かない物に封じられたから、その意志で、彼方の一部を移動させる事も叶わず、一部が宿す意志も、全て一緒くたに壺に封じられ、彼方の一部は独立して動く事も出来ない。
よって、黒煙の元には自力でたどり着く事はない。
完全に、復活を否定された封印だったそうな。
つまりは、この邪神は、妹様に、相当に嫌われていたんだなと、容易に推測できんだね。
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