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熱砂地帯の二王
PHASE-14
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「さあ、これで、カタッ苦しいのは終わりかな?」
別段、カタッ苦しくないだろうに、すぐ終わったでしょ。いちいち鼻につく語り方の生意気なお子様である。整備長が緊張でガチガチなぐらいだったよ。
「だから君さ、僕の事を子供扱いしないでよ。僕は君よりも遙かに歳刻んでるんだから」
すっごく、据わった目で睨まれてしまった。
本当に僕は直ぐに表情に出てしまうようだ。
「直ぐに顔に出ちゃうからね」
と、思っていた事を、ロールさんに言われてしまった。笑顔をこちらに向けながら、昨日の事はやっぱり怒ってないようだ。事故だったから、当然といえば当然。
今後もロールさんとは仲良く出来そうだ。
というより、裸を見られてしまっても怒られないって事は、これ、やっぱりいい関係になれるんじゃないだろうか。
「鼻の下伸びてるよ。たるんでるね。君」
ちびっ子が指摘。
気を引き締めてみるも、昨晩のロールさんのピンク色の部分が脳内に焼き付いていて、自然と表情が崩れてしまうようだ。
「なんなの? 君……」
魔王幹部の一人を、呆れさせてしまった一般人がここにいる。
――それは僕だ。
皮肉屋のちびっ子の発言など、僕の焼き付いた映像の前では無駄なものさ。
「本当に鼻の下が伸びてるね~」
ぐいっと、ロールさんに鼻を摘ままれる、
「何を思いだしてたのかな?」
あれ、なんだろう。笑顔なんだけども、なんか凄く怒気を感じるんだけども……。背後に感じるよ、とてつもないオーラを、
これ、やだ、怒ってるよね。
やっぱり、昨日の事、エンレージがマックスなようなんですが。
「痛い、痛いぃぃぃ」
ぎゅうっ~て、鼻を強く摘ままれる。涙が出て来る。
もげます、鼻がもげてしまいます。
「なんだよ? 何してんのロールちゃん」
「別に」
笑顔を向けてるけども、その背後の怒気に気付いたのか、整備長、明後日の方向に、体を向けちゃったよ。
もう、関知はしないってか! こういう処世術は本当に抜きん出た才能ですね。
「ごめんなさい。でも、わざとじゃなかったんです」
「それは分かってるけど、だからといって、嘘をついたり、思い出して、にやつくのは失礼だよね」
やばい! これは本気で怒っておられます。
なんてこった……。いままで積み上げてきた信頼が、音を立てて崩れていくようだ。
「すみませんでした。心いれかえて精進します」
平に謝るしかない。それしか選択肢がない。誠意を込めて謝罪すれば分かってくれるのがロールさんだ。
「どうしよっかな~」
痛い、さっきよりは痛くないけど、鼻を上下左右に動かさないでください。
――あれ? なんか楽しんでます?
「精進てどうするの?」
どうするのといわれましても、まだそれは検討中で有り、甚だ遺憾ではありましょうが、当方もこれより、再出発という事で、見守ってもらえませんでしょうか。
「なに、性根を鍛え直させたいの? 綺麗なお姉さん」
おいこら、ちびっ子。お前、僕より相当に年上なんだろう。だったら、ロールさんをお姉さん呼ばわりするなよ。なにを美人にだけ愛されキャラみたいな路線で行こうとしているんだ。
「そうなんです。ピート君を鍛えたいんですけどね」
いたずらじみてる口調だ。怒ってるというより、今は楽しんでいる感じですよ。ロールさん、サドな性格なんでしょうか?
僕としては、優しく怒られたいのですが……。
「だったら丁度良いよ。僕たちの演習に参加させてみれば?」
いやいや、一般人の素人が、魔王軍の演習なんかについて行けるわけないだろう。馬鹿なのかい? ちびっ子。
「いま、僕の事を馬鹿だと心で罵ったね」
なぜ、ばれる。
「直ぐに顔に出るんだから。駄目だよ~」
追い込んでるロールさん。
「これは鍛えないとね。キキ、いいよね?」
「私はかまわないぞ。ウィザースプーン殿が承諾するならな。強要はいかん」
頼れる良心。
――でも、その良心すらも断ち切ってくるロールさんの視線。ここで断れば、今後の関係には大きな溝が出来るのではないのだろうかと、そう思える視線だ。
頑張らないと、このままじゃ以前の約束である、休日を、ロールさん、カグラさん、ンダガランさんの美人様たちと一緒に過ごせる甘美なる時間が、白紙になってしまう!
やらなければ!
それに、あれでしょ? 演習っていっても僕は素人。それに整備局員だ。マイルドな体験コース的なものに決まっている。
足の水ぶくれだって健在だしな。あんまりにも酷いなら、僕はこの事を書類に纏めて抗議するからね。叙勲式なんか中止じゃい!
「頑張ります!」
「それでこそ、ピート君」
「お前、そこは断るべきだろう。面倒くさいぞ」
うるさい、整備長! 僕の昨日の状況を理解してない貴男に何が分かるのか。ここで、修正せねばならんのですよ。楽しき関係に!
「そう――受けるんだね…………ようこそ、ブートキャンプへ」
ブートキャンプってなに? キャンプするの? ブートって何なの? この森で野営的なのやれば良いの? 今現在も野営を体験してるけど?
なんで、ちびっ子は、三日月状の笑みを見せているのかな? 不気味だよ。可愛さなんてちっともないよ。母性をくすぐらないよ、そんな笑みじゃ。
――――――――。
ふぇ!? なに?
ここにいる方々と同じ服装に着替えさせられたよ。
――――――――。
ふぇ!? なに?
なんか整然と整列しているところに立たされているよ。しかも最前列に!
何これ、やだこれ――――――――。
別段、カタッ苦しくないだろうに、すぐ終わったでしょ。いちいち鼻につく語り方の生意気なお子様である。整備長が緊張でガチガチなぐらいだったよ。
「だから君さ、僕の事を子供扱いしないでよ。僕は君よりも遙かに歳刻んでるんだから」
すっごく、据わった目で睨まれてしまった。
本当に僕は直ぐに表情に出てしまうようだ。
「直ぐに顔に出ちゃうからね」
と、思っていた事を、ロールさんに言われてしまった。笑顔をこちらに向けながら、昨日の事はやっぱり怒ってないようだ。事故だったから、当然といえば当然。
今後もロールさんとは仲良く出来そうだ。
というより、裸を見られてしまっても怒られないって事は、これ、やっぱりいい関係になれるんじゃないだろうか。
「鼻の下伸びてるよ。たるんでるね。君」
ちびっ子が指摘。
気を引き締めてみるも、昨晩のロールさんのピンク色の部分が脳内に焼き付いていて、自然と表情が崩れてしまうようだ。
「なんなの? 君……」
魔王幹部の一人を、呆れさせてしまった一般人がここにいる。
――それは僕だ。
皮肉屋のちびっ子の発言など、僕の焼き付いた映像の前では無駄なものさ。
「本当に鼻の下が伸びてるね~」
ぐいっと、ロールさんに鼻を摘ままれる、
「何を思いだしてたのかな?」
あれ、なんだろう。笑顔なんだけども、なんか凄く怒気を感じるんだけども……。背後に感じるよ、とてつもないオーラを、
これ、やだ、怒ってるよね。
やっぱり、昨日の事、エンレージがマックスなようなんですが。
「痛い、痛いぃぃぃ」
ぎゅうっ~て、鼻を強く摘ままれる。涙が出て来る。
もげます、鼻がもげてしまいます。
「なんだよ? 何してんのロールちゃん」
「別に」
笑顔を向けてるけども、その背後の怒気に気付いたのか、整備長、明後日の方向に、体を向けちゃったよ。
もう、関知はしないってか! こういう処世術は本当に抜きん出た才能ですね。
「ごめんなさい。でも、わざとじゃなかったんです」
「それは分かってるけど、だからといって、嘘をついたり、思い出して、にやつくのは失礼だよね」
やばい! これは本気で怒っておられます。
なんてこった……。いままで積み上げてきた信頼が、音を立てて崩れていくようだ。
「すみませんでした。心いれかえて精進します」
平に謝るしかない。それしか選択肢がない。誠意を込めて謝罪すれば分かってくれるのがロールさんだ。
「どうしよっかな~」
痛い、さっきよりは痛くないけど、鼻を上下左右に動かさないでください。
――あれ? なんか楽しんでます?
「精進てどうするの?」
どうするのといわれましても、まだそれは検討中で有り、甚だ遺憾ではありましょうが、当方もこれより、再出発という事で、見守ってもらえませんでしょうか。
「なに、性根を鍛え直させたいの? 綺麗なお姉さん」
おいこら、ちびっ子。お前、僕より相当に年上なんだろう。だったら、ロールさんをお姉さん呼ばわりするなよ。なにを美人にだけ愛されキャラみたいな路線で行こうとしているんだ。
「そうなんです。ピート君を鍛えたいんですけどね」
いたずらじみてる口調だ。怒ってるというより、今は楽しんでいる感じですよ。ロールさん、サドな性格なんでしょうか?
僕としては、優しく怒られたいのですが……。
「だったら丁度良いよ。僕たちの演習に参加させてみれば?」
いやいや、一般人の素人が、魔王軍の演習なんかについて行けるわけないだろう。馬鹿なのかい? ちびっ子。
「いま、僕の事を馬鹿だと心で罵ったね」
なぜ、ばれる。
「直ぐに顔に出るんだから。駄目だよ~」
追い込んでるロールさん。
「これは鍛えないとね。キキ、いいよね?」
「私はかまわないぞ。ウィザースプーン殿が承諾するならな。強要はいかん」
頼れる良心。
――でも、その良心すらも断ち切ってくるロールさんの視線。ここで断れば、今後の関係には大きな溝が出来るのではないのだろうかと、そう思える視線だ。
頑張らないと、このままじゃ以前の約束である、休日を、ロールさん、カグラさん、ンダガランさんの美人様たちと一緒に過ごせる甘美なる時間が、白紙になってしまう!
やらなければ!
それに、あれでしょ? 演習っていっても僕は素人。それに整備局員だ。マイルドな体験コース的なものに決まっている。
足の水ぶくれだって健在だしな。あんまりにも酷いなら、僕はこの事を書類に纏めて抗議するからね。叙勲式なんか中止じゃい!
「頑張ります!」
「それでこそ、ピート君」
「お前、そこは断るべきだろう。面倒くさいぞ」
うるさい、整備長! 僕の昨日の状況を理解してない貴男に何が分かるのか。ここで、修正せねばならんのですよ。楽しき関係に!
「そう――受けるんだね…………ようこそ、ブートキャンプへ」
ブートキャンプってなに? キャンプするの? ブートって何なの? この森で野営的なのやれば良いの? 今現在も野営を体験してるけど?
なんで、ちびっ子は、三日月状の笑みを見せているのかな? 不気味だよ。可愛さなんてちっともないよ。母性をくすぐらないよ、そんな笑みじゃ。
――――――――。
ふぇ!? なに?
ここにいる方々と同じ服装に着替えさせられたよ。
――――――――。
ふぇ!? なに?
なんか整然と整列しているところに立たされているよ。しかも最前列に!
何これ、やだこれ――――――――。
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