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ブートキャンプへようこそ♪
PHASE-03
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――――。
大の字で、倒れ込んでるのは僕だけだ。先に到着した方々は何事もない。余裕の談笑だ……。
僕に今できる事は、少しでも平らな場所で寝そべる事。
「さあ、始めようか」
僕の思いなんて知るかよ。と、ばかりに、百人長の声で整列。
「随分ときつそうだな。まだ、始まりもしてないのに」
どおやら僕は百人長に気に入られたようで、ことあるごとに不敵な笑みを交えて絡まれてくる。とりあえず、足に包帯を巻かせてもらいたいもんですけどね。
――移動開始。
何だろうか? この、アスレチック感が溢れる場所は。
子供が楽しむような感は全くないけどね――、この慈悲がない感じ。
眼前に入り込んでくる高い壁に、畑の畝のような形をしている場所もある。
畝の上には網がかけられていて、くぼみ部分は人一人が寝そべって通れそうな間隔。
でも、くぼみ部分は泥水に浸かっている。
「これより貴様等にはこの障害物を乗り越えてもらう」
嘘やん……。もう、無理だよ。
楽勝って、周りからは聞こえてくるけどね。これ、僕だけが酷だよ。
「もちろんの事、お前たちは魔法の使用を禁ずる。肉体のみだけで攻略してもらうからな」
その言葉に、笑いが起こる。魔法なんて使わなくてもこのくらい楽勝だってさ。使うような場がないとまで、口にしている方もいる。
僕なんて端から魔法なんて使えないから関係ないけどね。
「いいか、足に自信がある馬鹿共! 跳躍も禁止だ。飛行能力のある者は飛ぶな。地べたを駆けろ」
「うわ、面倒くせえ」
と、背後で呟く若い龍人さん。その言葉を聞き逃さなかった百人長は、
「なんだ? 栄えある龍人様は、トカゲの命令は聞き入れられないってか?」
いちいち、絡む時に一言多いよね。威圧をする為なんだろうけどさ。
龍人さん、その通りだよ。と、ばかりに挑発的に笑みを見せる。
亜人の中にも人間同様に、貴族、平民みたいなヒエラルキーが存在するようだ。龍人の方がリザードマンより上のようだね。
笑みには笑みで返す百人長。
――――次の瞬間、龍人さんは豪腕によって吹き飛ばされ、木の幹に叩き付けられた。
僕の平手とは大違いだ。一応、僕には慈悲があったんだな……。
「よし、腕立て百」
言われて、連帯責任で、フラフラになって立ち上がった後に、龍人さんを含めた四人が、腕立て開始。
拳の一撃で上下関係が決まったようで、龍人さんは黙って指示に従う。
「あの栄えある馬鹿な龍人様のおかげで分かったかもしれんが、お前たちは、魔法や、持って生まれた能力を使えなければ、ただのゴミだ。ここでは体力と知恵だけを使え。利便な物に頼るな。心根を鍛えろ」
いや、魔法も体力も無い僕はどうするのさ、
「それらを持たない、ゴミの中のクズは、命を使え」
はい……、了解であります…………。
「では、これよりマッドランを始める。各分隊、走れ!」
その発言をまっていたとばかりに、どこからともなく現れた屈強な方々が、整列している僕たちを囲むや、罵詈雑言を飛ばし始める。
それがとても嫌なので、泥濘で足が奪われながらも、走り出す――――。
第一ポイントというべき場所なのか、城壁を思わせる壁の前で足を止める。
垂らされたロープを掴み、普段の力を使用出来ない訓練生は、腕と足の力でよじ登っていく。無論、簡単にこなせる方もいれば、普段、魔法を主体として活動している方には難しいのか、滑り落ちて泥濘んだ地面に背中から叩き付けられている。
慣れない動きに、僕とは違って重りを付けている状態だから、更に大変そうだ。
また、この壁の嫌らしいところは、きつい傾斜になっていて、加えて、ウェットな泥が壁に付着している事だ。
足に踏ん張りがきかないので、強靱な体を持っている方々も足を滑らせて苦戦している。
「なんだ? お前の母ちゃんはケツがデカいのか? それに似ちまったか? ケツが重いか?」
と、滑り落ちる方に対して、屈強な体つきの獣人さんが罵声を飛ばす。
それに、耳を貸さないようにしながら立ち上がると、反対方向から新たな罵声を飛ばす方が参上。
徹底して、精神を攻め始める光景だ。
焦ってそこから抜け出そうとすればするほど、登る事が出来ずに、何度も落ちては、罵声を浴びせ続けられる。
「次!」
百人長にバシンっと尻を叩かれて、僕と分隊の三人が走る。
近くで見れば、高さを余計に感じてしまう。
「いけよ人間。食っちまうぞ!」
問題発言だぞ! いくら演習だからって、そんな事を言ったらいけないんだぞ。
獅子頭の獣人さんが、僕を眺めつつ、高圧的態度だ。
昔の魔族の方々は、こうやって人間を虐げていたのかなと、それを思わせる言動だ。
腹立つわ~。
「いくら何でも、言い過ぎ。カグラさんに言いますよ」
って、獅子の方の耳元でつい、呟いてしまった。
「え~…………」
っと、何とも弱々しい姿が返ってきた。整備局員だから、やりかねないと思ったのかも知れない。
「冗談です」
笑って、言ってあげる。
――――やめよう。これは卑怯だ。こんな事でカグラさんの名前を出してしまえば、カグラさんに失礼だし、ロールさんの耳に入れば、また怒られてしまう。
「よし、登れぇ」
獅子さん、立派な鬣が心なしか萎びてる。声も上擦ってしまった。申し訳ない事をした。【冗談です】って、笑顔での発言は、ある意味、脅しにも取られたかもしれない。
ごめんなさいね――――。
――そして、理解する。高圧的な態度は演じてるんだなと――――。
頑張って登ろう。下から獅子さんが何となく補助をしてくれているような気もするけども。いいですから、発言は僕が完全に悪かったんで……。
軽作業用の手袋でロープを掴むけども、先に使用した方々が原因で、泥が付着して、滑る滑る。
整備長に見せる反骨精神で何とか掴んで登るけども、手も滑れば足も滑る。僕よりも力がある方が滑り落ちるんだから、当然、僕も落ちるわけだ。泥濘んだ地面に体が落ちる。柔らかい地面でも、背中から落ちれば息が出来なくて苦しいし、痛い。
「大丈夫ですか!?」
ロウさんが手を差し出してくれる。
「ありがとうございます」
「いや~意外にこれ、難しいですね」
流石に立派な筋肉を持っていても、泥に掴む力を奪われて、中々に苦戦しているようだ。立派な勝色の毛並みが泥まみれだ。僕と一緒で、初手で登り切るのには失敗したみたいだ。
「早く来るニャ」
上を見上げれば、壁の上でシナンさんが手を振っている。軽量な体が有効的みたいだね。
僕も、周りに比べれば、軽量に含まれる。
もう一度だ!
大の字で、倒れ込んでるのは僕だけだ。先に到着した方々は何事もない。余裕の談笑だ……。
僕に今できる事は、少しでも平らな場所で寝そべる事。
「さあ、始めようか」
僕の思いなんて知るかよ。と、ばかりに、百人長の声で整列。
「随分ときつそうだな。まだ、始まりもしてないのに」
どおやら僕は百人長に気に入られたようで、ことあるごとに不敵な笑みを交えて絡まれてくる。とりあえず、足に包帯を巻かせてもらいたいもんですけどね。
――移動開始。
何だろうか? この、アスレチック感が溢れる場所は。
子供が楽しむような感は全くないけどね――、この慈悲がない感じ。
眼前に入り込んでくる高い壁に、畑の畝のような形をしている場所もある。
畝の上には網がかけられていて、くぼみ部分は人一人が寝そべって通れそうな間隔。
でも、くぼみ部分は泥水に浸かっている。
「これより貴様等にはこの障害物を乗り越えてもらう」
嘘やん……。もう、無理だよ。
楽勝って、周りからは聞こえてくるけどね。これ、僕だけが酷だよ。
「もちろんの事、お前たちは魔法の使用を禁ずる。肉体のみだけで攻略してもらうからな」
その言葉に、笑いが起こる。魔法なんて使わなくてもこのくらい楽勝だってさ。使うような場がないとまで、口にしている方もいる。
僕なんて端から魔法なんて使えないから関係ないけどね。
「いいか、足に自信がある馬鹿共! 跳躍も禁止だ。飛行能力のある者は飛ぶな。地べたを駆けろ」
「うわ、面倒くせえ」
と、背後で呟く若い龍人さん。その言葉を聞き逃さなかった百人長は、
「なんだ? 栄えある龍人様は、トカゲの命令は聞き入れられないってか?」
いちいち、絡む時に一言多いよね。威圧をする為なんだろうけどさ。
龍人さん、その通りだよ。と、ばかりに挑発的に笑みを見せる。
亜人の中にも人間同様に、貴族、平民みたいなヒエラルキーが存在するようだ。龍人の方がリザードマンより上のようだね。
笑みには笑みで返す百人長。
――――次の瞬間、龍人さんは豪腕によって吹き飛ばされ、木の幹に叩き付けられた。
僕の平手とは大違いだ。一応、僕には慈悲があったんだな……。
「よし、腕立て百」
言われて、連帯責任で、フラフラになって立ち上がった後に、龍人さんを含めた四人が、腕立て開始。
拳の一撃で上下関係が決まったようで、龍人さんは黙って指示に従う。
「あの栄えある馬鹿な龍人様のおかげで分かったかもしれんが、お前たちは、魔法や、持って生まれた能力を使えなければ、ただのゴミだ。ここでは体力と知恵だけを使え。利便な物に頼るな。心根を鍛えろ」
いや、魔法も体力も無い僕はどうするのさ、
「それらを持たない、ゴミの中のクズは、命を使え」
はい……、了解であります…………。
「では、これよりマッドランを始める。各分隊、走れ!」
その発言をまっていたとばかりに、どこからともなく現れた屈強な方々が、整列している僕たちを囲むや、罵詈雑言を飛ばし始める。
それがとても嫌なので、泥濘で足が奪われながらも、走り出す――――。
第一ポイントというべき場所なのか、城壁を思わせる壁の前で足を止める。
垂らされたロープを掴み、普段の力を使用出来ない訓練生は、腕と足の力でよじ登っていく。無論、簡単にこなせる方もいれば、普段、魔法を主体として活動している方には難しいのか、滑り落ちて泥濘んだ地面に背中から叩き付けられている。
慣れない動きに、僕とは違って重りを付けている状態だから、更に大変そうだ。
また、この壁の嫌らしいところは、きつい傾斜になっていて、加えて、ウェットな泥が壁に付着している事だ。
足に踏ん張りがきかないので、強靱な体を持っている方々も足を滑らせて苦戦している。
「なんだ? お前の母ちゃんはケツがデカいのか? それに似ちまったか? ケツが重いか?」
と、滑り落ちる方に対して、屈強な体つきの獣人さんが罵声を飛ばす。
それに、耳を貸さないようにしながら立ち上がると、反対方向から新たな罵声を飛ばす方が参上。
徹底して、精神を攻め始める光景だ。
焦ってそこから抜け出そうとすればするほど、登る事が出来ずに、何度も落ちては、罵声を浴びせ続けられる。
「次!」
百人長にバシンっと尻を叩かれて、僕と分隊の三人が走る。
近くで見れば、高さを余計に感じてしまう。
「いけよ人間。食っちまうぞ!」
問題発言だぞ! いくら演習だからって、そんな事を言ったらいけないんだぞ。
獅子頭の獣人さんが、僕を眺めつつ、高圧的態度だ。
昔の魔族の方々は、こうやって人間を虐げていたのかなと、それを思わせる言動だ。
腹立つわ~。
「いくら何でも、言い過ぎ。カグラさんに言いますよ」
って、獅子の方の耳元でつい、呟いてしまった。
「え~…………」
っと、何とも弱々しい姿が返ってきた。整備局員だから、やりかねないと思ったのかも知れない。
「冗談です」
笑って、言ってあげる。
――――やめよう。これは卑怯だ。こんな事でカグラさんの名前を出してしまえば、カグラさんに失礼だし、ロールさんの耳に入れば、また怒られてしまう。
「よし、登れぇ」
獅子さん、立派な鬣が心なしか萎びてる。声も上擦ってしまった。申し訳ない事をした。【冗談です】って、笑顔での発言は、ある意味、脅しにも取られたかもしれない。
ごめんなさいね――――。
――そして、理解する。高圧的な態度は演じてるんだなと――――。
頑張って登ろう。下から獅子さんが何となく補助をしてくれているような気もするけども。いいですから、発言は僕が完全に悪かったんで……。
軽作業用の手袋でロープを掴むけども、先に使用した方々が原因で、泥が付着して、滑る滑る。
整備長に見せる反骨精神で何とか掴んで登るけども、手も滑れば足も滑る。僕よりも力がある方が滑り落ちるんだから、当然、僕も落ちるわけだ。泥濘んだ地面に体が落ちる。柔らかい地面でも、背中から落ちれば息が出来なくて苦しいし、痛い。
「大丈夫ですか!?」
ロウさんが手を差し出してくれる。
「ありがとうございます」
「いや~意外にこれ、難しいですね」
流石に立派な筋肉を持っていても、泥に掴む力を奪われて、中々に苦戦しているようだ。立派な勝色の毛並みが泥まみれだ。僕と一緒で、初手で登り切るのには失敗したみたいだ。
「早く来るニャ」
上を見上げれば、壁の上でシナンさんが手を振っている。軽量な体が有効的みたいだね。
僕も、周りに比べれば、軽量に含まれる。
もう一度だ!
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