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ブートキャンプへようこそ♪
PHASE-10
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百人長が手にして構える。
構える姿が、弩に似ていると思った。
引き金もあるし、真ん中当たりで折れているけど、形はそっくりだ。
――――見届けていると、
推測通り、鏃のような先端がある小さな筒を、銃と呼ばれた物の折れてる部分に挿入し、ガチャンと音を立てて、折れていた部分がくっつく。
木製部分を肩に当てて、金属の筒部分を、離れた位置にある的に向けている。
この時点で、これが武器だという事を完全に認識した。
百人長が引き金を引いた途端――。
ダァァァァァンって、耳を襲う大きな音と、筒の先端から白煙が少し上がる。
初めて見た僕たちの感想は、うるさいという事だけだ。その証拠に、皆、耳を一斉に塞いだ。
「的を見てみるといい」
なんとも得意げに、拇指で指さしている。
――――向けられた方向にある的は、先ほどまでの菱形の形を留めておらず、上部分が完全になくなっていた。
「これが銃だ。弩以上に威力があり、命中率に射程も勝る。そして――」
途中で、語るのをやめると、銃を真ん中から折り、先ほど挿入した小さな筒を取り出して、新しいのを入れて、またくっつける。
取り出した筒からは、鏃のような物がなくなっていた。あの部分が飛んでいったと推測する。
構えてから、大音を轟かせての二射目。
「次弾を撃つのが極端に早い。人間のウィザースプーンならこれが如何に凄いか分かるな?」
二の句の継ぎに、首肯で返す。
弩は通常の弓に比べて、威力も命中率も射程も上回る。訓練された兵が使う弓ならまだしも、普段、農耕なんかに携わっている人たちに弓を使えといっても、狙うのが難しい。
その点、弩は狙って引き金を引けば、素人でも練度の高い兵士の扱う弓とも互角以上の戦いが出来たりもする。
でも、欠点もある。
高い張力だ。
二射目を放つ為に、弦を引っ張り、矢を継ぐ為には相当の力を必要とする。勇者御一行や、魔王軍の方々なら問題ないだろうが、普通の人間ではそれも一苦労だ。
二射目を放つ前に接近されて倒されるなんて事もある。
でも、この銃は二射目を撃つための力も必要なく、その点でも弩の性能を上回る。問題と言えば、音だろうけども……。
「頭で思っているよりも、試してみろ」
ええ、僕から!? 何でもかんでも僕からだね……。
――――。
手にする。ずっしりとしている。
中折れの部分に筒――――、薬莢と言うそうだ。それを入れて、ガチンというまで、しっかりとくっつけて、木製の後床と呼ばれる部分を肩にしっかりとあてて、頬を後床に押しつけ、前床と呼ばれる部分を左手で握って、三点で固定して、狙いを菱形の的に向ける。
「撃鉄、起こせ」
の、台詞で、撃鉄と呼ばれる部分に拇指を当てて起こす。カチンという小さな音が不思議と、耳朶によく響く、そして、冷静さを与えてくれるような気がした。
――その手順を終えて、始めて引き金に指を軽く当てる。
百人長曰く、引き金は全ての準備を整えてから触れて良し! だ、そうだ。
それ以外では、怪我どころではすまない、取り返しの付かない事になる。と、強調された。
この、鬼の百人長がそう言うのだから、相当に危険なのだろう。
後床を固定する、肩と頬に力を入れ、前床を力みすぎない程度にしっかりと、そして強く握り、銃の上部にある照門を覗いて、先端にある照星が見えるところに的の中央を捉える。
一連の動作を終えると、
「よし撃て」
その低い声にしたがって、引き金を引く。
――――後床を支えている右肩が吹き飛んだのかと思うような衝撃と轟音と共に、的が飛散するのが見て取れた。
あまりの衝撃に、頭の中が真っ白になった。
「惚けるな、装填」
いつものような怒号ではなく、冷静な声の百人長。
その声に我に返って、銃を折って、薬莢を取り出し、二発目を入れる。
そこまで行ったところで、百人長が銃を僕から取ると、込めた弾を取り出して、台の上に置いた。
「この様に、一般的な人間でも簡単に二発目を撃てるわけだ。それと、初めてなのに的に当てるとは大したものだ。才能あるかもな」
装填までさせて、弩よりも優位だという事を皆に伝えた。
そして、始めて褒められたような気がする。
――だが、しかし、そんな事は問題じゃない。
「あの、訓練生としてではなく、整備局員として聞きます。これを使用して何を行おうと?」
「それは、ブートガイ、ジャイロスパイク。両氏に伝えている」
で、却下された。
こんなもんを巷で売らないでよね。
――――こんな代物を作るなんて、凄いなここの技術力。
「あの、この鉄製の鏃は、どうやって飛んでいるのです?」
僕の背後から、薬莢を手にしたロウさんが質問。それは皆が知りたかったところのようで、一斉に百人長へと目を向けている。
――――鉄製、正確には鉛だったが、その後方にある薬莢内部には、爆裂魔法を封じた魔石を砕いて粉にした物が詰まっているらしく、先端に発動印が彫られた撃鉄で衝撃を与えると、中のその粉が魔力反応を起こし爆発。
その勢いで鉛の弾を飛ばすという、以外とシンプルな構造だった。
弩と矢のセットを携帯するよりも軽く、それでいて、威力などは上回る。大音であろうとも、総合的には、弩は銃に太刀打ち出来ないだろう。
正に近代兵器といっても過言ではない代物を、壌獣王さんと風雷王のちびっ子が作り出したようだ。
正確には、制作したのは壌獣王さんの技術部門だそうで、ちびっ子は部品調達に協力しただけみたい。
流石は、大地系魔法の魔石を僕たち整備局から委託しているだけはある。
魔石開発の分野だけならば、王都の魔道開発局よりも進んでいるかも。
「よし、各自、射撃訓練を行え。絶対に撃つ時以外は、引き金に触れるな。弾が入っていなくてもだ。それ以上に、人に向けるなよ。向けたらその場で殺す」
こわ! だったら、触らせないでよ。
中には冗談半分で仲間に向けようとしてた方もいたけど、その発言で直ぐに台の上に置いて、直立の姿勢になった。
構える姿が、弩に似ていると思った。
引き金もあるし、真ん中当たりで折れているけど、形はそっくりだ。
――――見届けていると、
推測通り、鏃のような先端がある小さな筒を、銃と呼ばれた物の折れてる部分に挿入し、ガチャンと音を立てて、折れていた部分がくっつく。
木製部分を肩に当てて、金属の筒部分を、離れた位置にある的に向けている。
この時点で、これが武器だという事を完全に認識した。
百人長が引き金を引いた途端――。
ダァァァァァンって、耳を襲う大きな音と、筒の先端から白煙が少し上がる。
初めて見た僕たちの感想は、うるさいという事だけだ。その証拠に、皆、耳を一斉に塞いだ。
「的を見てみるといい」
なんとも得意げに、拇指で指さしている。
――――向けられた方向にある的は、先ほどまでの菱形の形を留めておらず、上部分が完全になくなっていた。
「これが銃だ。弩以上に威力があり、命中率に射程も勝る。そして――」
途中で、語るのをやめると、銃を真ん中から折り、先ほど挿入した小さな筒を取り出して、新しいのを入れて、またくっつける。
取り出した筒からは、鏃のような物がなくなっていた。あの部分が飛んでいったと推測する。
構えてから、大音を轟かせての二射目。
「次弾を撃つのが極端に早い。人間のウィザースプーンならこれが如何に凄いか分かるな?」
二の句の継ぎに、首肯で返す。
弩は通常の弓に比べて、威力も命中率も射程も上回る。訓練された兵が使う弓ならまだしも、普段、農耕なんかに携わっている人たちに弓を使えといっても、狙うのが難しい。
その点、弩は狙って引き金を引けば、素人でも練度の高い兵士の扱う弓とも互角以上の戦いが出来たりもする。
でも、欠点もある。
高い張力だ。
二射目を放つ為に、弦を引っ張り、矢を継ぐ為には相当の力を必要とする。勇者御一行や、魔王軍の方々なら問題ないだろうが、普通の人間ではそれも一苦労だ。
二射目を放つ前に接近されて倒されるなんて事もある。
でも、この銃は二射目を撃つための力も必要なく、その点でも弩の性能を上回る。問題と言えば、音だろうけども……。
「頭で思っているよりも、試してみろ」
ええ、僕から!? 何でもかんでも僕からだね……。
――――。
手にする。ずっしりとしている。
中折れの部分に筒――――、薬莢と言うそうだ。それを入れて、ガチンというまで、しっかりとくっつけて、木製の後床と呼ばれる部分を肩にしっかりとあてて、頬を後床に押しつけ、前床と呼ばれる部分を左手で握って、三点で固定して、狙いを菱形の的に向ける。
「撃鉄、起こせ」
の、台詞で、撃鉄と呼ばれる部分に拇指を当てて起こす。カチンという小さな音が不思議と、耳朶によく響く、そして、冷静さを与えてくれるような気がした。
――その手順を終えて、始めて引き金に指を軽く当てる。
百人長曰く、引き金は全ての準備を整えてから触れて良し! だ、そうだ。
それ以外では、怪我どころではすまない、取り返しの付かない事になる。と、強調された。
この、鬼の百人長がそう言うのだから、相当に危険なのだろう。
後床を固定する、肩と頬に力を入れ、前床を力みすぎない程度にしっかりと、そして強く握り、銃の上部にある照門を覗いて、先端にある照星が見えるところに的の中央を捉える。
一連の動作を終えると、
「よし撃て」
その低い声にしたがって、引き金を引く。
――――後床を支えている右肩が吹き飛んだのかと思うような衝撃と轟音と共に、的が飛散するのが見て取れた。
あまりの衝撃に、頭の中が真っ白になった。
「惚けるな、装填」
いつものような怒号ではなく、冷静な声の百人長。
その声に我に返って、銃を折って、薬莢を取り出し、二発目を入れる。
そこまで行ったところで、百人長が銃を僕から取ると、込めた弾を取り出して、台の上に置いた。
「この様に、一般的な人間でも簡単に二発目を撃てるわけだ。それと、初めてなのに的に当てるとは大したものだ。才能あるかもな」
装填までさせて、弩よりも優位だという事を皆に伝えた。
そして、始めて褒められたような気がする。
――だが、しかし、そんな事は問題じゃない。
「あの、訓練生としてではなく、整備局員として聞きます。これを使用して何を行おうと?」
「それは、ブートガイ、ジャイロスパイク。両氏に伝えている」
で、却下された。
こんなもんを巷で売らないでよね。
――――こんな代物を作るなんて、凄いなここの技術力。
「あの、この鉄製の鏃は、どうやって飛んでいるのです?」
僕の背後から、薬莢を手にしたロウさんが質問。それは皆が知りたかったところのようで、一斉に百人長へと目を向けている。
――――鉄製、正確には鉛だったが、その後方にある薬莢内部には、爆裂魔法を封じた魔石を砕いて粉にした物が詰まっているらしく、先端に発動印が彫られた撃鉄で衝撃を与えると、中のその粉が魔力反応を起こし爆発。
その勢いで鉛の弾を飛ばすという、以外とシンプルな構造だった。
弩と矢のセットを携帯するよりも軽く、それでいて、威力などは上回る。大音であろうとも、総合的には、弩は銃に太刀打ち出来ないだろう。
正に近代兵器といっても過言ではない代物を、壌獣王さんと風雷王のちびっ子が作り出したようだ。
正確には、制作したのは壌獣王さんの技術部門だそうで、ちびっ子は部品調達に協力しただけみたい。
流石は、大地系魔法の魔石を僕たち整備局から委託しているだけはある。
魔石開発の分野だけならば、王都の魔道開発局よりも進んでいるかも。
「よし、各自、射撃訓練を行え。絶対に撃つ時以外は、引き金に触れるな。弾が入っていなくてもだ。それ以上に、人に向けるなよ。向けたらその場で殺す」
こわ! だったら、触らせないでよ。
中には冗談半分で仲間に向けようとしてた方もいたけど、その発言で直ぐに台の上に置いて、直立の姿勢になった。
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