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PHASE-19
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「相手、攻めてきませんでしたね」
僕と違って、ボリボリと強靱な牙で食べながら、ロウさんが僕に水の入った水筒を渡してくれる。
一礼して、森を覆う朝靄を見つついただく。胃の中に冷たい感じが走って、引き締まる思いだ。
「一人逃がしてしまった事で、僕たちのこの恰好も伝わってるでしょうから、相手は慎重になるでしょうね」
先手をやめて、後手の立ち回りを決め込まれると、こちらもやりづらい。
忍耐力の勝負になるだろう。
血気はやった方が負けると思う。まあ、これはどんな戦いの状況下でも一緒か。
焦れば負けるのは当然。如何に落ち着かせて、規律を守らせるためには、士気が高くなければならない。
――でも、士気が高すぎるのも欠点となるかも知れないと、小心者の僕は危惧する。
優勢な状況である僕たちの士気は高い、だからこそ、強気に出て、単純な攻め一辺倒になり、正面しか見えなくなると、横槍で足下をすくわれる形になるかもしれない。
勝ち気になっている方々を如何に押さえ込むかが、これよりは最優先になるだろう。
『パーシング・アルファ。アクシャイだ。おはようさん。さあ、全滅させて終わらせようぜ! オーバー』
心配していた矢先に好戦的な方が、全員を鼓舞してくれる。この鼓舞は迷惑だ。むしろ煽り行為だ。
案の定、耳元から余裕な発言が次々と届いてくる。
このまま力押しで勝てると、完全に思い込んでいる。
「皆さん、正念場です。有利だからこそ、気を引き締めましょう」
そう伝えると、皆、分かったと理解をする返答だけども、声に真剣さがない。
――――これが新兵なんだな。
相手も嘴の黄色い雛鳥なら、こちらもそうなんだよね……。
不死王さんの所では、サージャスさんとの一騎討ちにおいて、周囲の兵隊さんや、ホーリーさんは、即座に僕たちの前や横に立ち、脅威の排除がいつでも出来る姿勢だった。それに、真剣に戦いを目にして、分析していた。抜かりを見せる事はなかった。
それを経験させてもらっているから、僕はここで、余裕に染まる皆に、苛立ちを抱いてしまった。
分かってほしい。こちらに出来るという事は、相手にも出来るという事。そして、相手もそれを、理解をしている事。
有利になれば、そこに隙が出来ると考えるはずだ。相手よりも数が劣る時には、どの様に戦うべきかと、知恵を絞り始める。そして、冷静に動き、こちらを確実に狩りはじめるだろう。
逆転したら、こちらと、あちらの思考まで入れ替わったじゃあ話にならない。こんな時だからこそ、襟元を正そう。
――再度、注意喚起を出すけども、皆、やはり浮ついている。
「嫌な流れですね」
僕の気持ちを理解してくれたようで、ロウさんが目を細めて、眉間に皺を作って緊張した面持ち。
戦力が倍になって始めて互角って考え方になっていただきたいところ。
嘆息がこぼれるけど、とにかく鬱陶しがられてもいいから、しつこく言い続けなければ。
――――。
待つだけでは相手ももう乗ってこないと思う僕たちは、緑と一体になるつもりで、中腰や匍匐で静かに移動する。
定時連絡という方法も思いつき、各分隊に異常が発生していないか、報せ合った。
銃にも一手間を加える。
いかんせん、この銃の鉄の部分は煌めく銀色。少しの光でも反射してしまい、位置がばれる可能性も大きくなる。
なので、新月の暗闇の中、木の皮なんかを柔らかくして、銃に沿うように巻き付けて、結び固定した。
なんとも不格好だけども、おかげで光の反射は抑えられている。
相手にも同じような技法をされたら困るけども、今まで捕らえた方々の銃を見る限りではこの様な事はしていなかったので、このままそれを維持して欲しいと願いつつ、少しでも、反射する物が見えたら、全体に伝えるようにと指示を出した。
朝日が昇り始めたのか、鬱蒼とした森の中に木漏れ日が入り込んできた。それに合わせて朝靄が、すぅぅっ――と、消え去っていく。
今日を乗り切れば終われる。
自由だ。整備局員に戻れる。それを励みに頑張るんだ。ロールさんに許してもらって、今までの日常に戻るんだ!
小さな幸せの毎日に! 整備長の葉煙草と臭いさえ、郷愁の念として蘇ってくる始末。
『こちら、チャーフィー・アルファのティンクだ。俺――――この演習が終わったら、好きな子に告白しようと思うんだ』
おい、やめろ! なぜにそんな定型化にこだわる。そんな事を口にするなよ。僕は今までの日常が戻ってくる事を口にしないで、心で呟いたんだぞ。
それを、口にしちゃうと、どうなるか分かるのかい?
そして、周りもそれをはやし立てるな! 口にした兎の獣人のティンクさんが、調子に乗っているじゃないか――――。
『あ…………』
なんか、か細い声だったよ。
何が起こったか察しが付いたよ……。
――――フラグってあるんだな。
感心すらしてしまった。神が与えし定型化には……、
『敵襲!』
残った方が、ティンクさんに変わり代理で通信。でも、その人の悲鳴が聞こえると、ザーって音と共に、チャーフィー・アルファとの交信が途切れた……。
彼等がいた位置はポイントD。そこでロスト。
余裕を持って、定型化な台詞を口にするからこうなる。
一瞬で一分隊の損失と考えていい。
なんてこった、偵察分隊が一つ無くなるのは痛い。
耳が利く存在が、浮ついて、相手の動きを捕捉出来なかったのは、軍法会議ものですよ。
どうやられたんだ? 推測しろ。一瞬にして戦闘不能なんて早々出来るものなのか? お互いに新兵。力量も拮抗しているはず。それともアクシャイさんクラスの猛将が控えていたのか? いや、それは考えられない。龍人と並ぶほどの存在は然う然ういないそうだから。
抵抗も出来ないほどの早さで倒された。銃声もなかったから、接近されての制圧。そう考えれば、相手も隠蔽率を高くしての行動に出たと考えられる。
逃がした相手が、それを伝えれば、模倣もしてくるだろう。
派手に飛行して強襲なんて行動はもうない。
ゲリラ的な攻め方にシフトチェンジしてきたね。これは、追い詰められるな。こっちの浮ついた気分を取り除かない限り。
――――――。
時すでに遅しとはこの事なのか……。
偵察分隊の一つがロストしたと思った矢先に、支援分隊であるリー・ブラボーがやられた。またもや分隊丸ごとだ。待機場所はポイントB+。かなり入り込まれている。
今回も銃声は無し。最悪である。接近で容易く制圧されたとなれば、相手は僕たち以上に隠密戦が得意なのかもしれない。
「鹿狩りが、一瞬にして幻獣狩りに変わったニャ」
「ですね……」
余裕を見せた結果がこれだ。
これで彼我のベレー帽取得差は、わずか12対13の、一つの差にまで縮まってしまった。
僕と違って、ボリボリと強靱な牙で食べながら、ロウさんが僕に水の入った水筒を渡してくれる。
一礼して、森を覆う朝靄を見つついただく。胃の中に冷たい感じが走って、引き締まる思いだ。
「一人逃がしてしまった事で、僕たちのこの恰好も伝わってるでしょうから、相手は慎重になるでしょうね」
先手をやめて、後手の立ち回りを決め込まれると、こちらもやりづらい。
忍耐力の勝負になるだろう。
血気はやった方が負けると思う。まあ、これはどんな戦いの状況下でも一緒か。
焦れば負けるのは当然。如何に落ち着かせて、規律を守らせるためには、士気が高くなければならない。
――でも、士気が高すぎるのも欠点となるかも知れないと、小心者の僕は危惧する。
優勢な状況である僕たちの士気は高い、だからこそ、強気に出て、単純な攻め一辺倒になり、正面しか見えなくなると、横槍で足下をすくわれる形になるかもしれない。
勝ち気になっている方々を如何に押さえ込むかが、これよりは最優先になるだろう。
『パーシング・アルファ。アクシャイだ。おはようさん。さあ、全滅させて終わらせようぜ! オーバー』
心配していた矢先に好戦的な方が、全員を鼓舞してくれる。この鼓舞は迷惑だ。むしろ煽り行為だ。
案の定、耳元から余裕な発言が次々と届いてくる。
このまま力押しで勝てると、完全に思い込んでいる。
「皆さん、正念場です。有利だからこそ、気を引き締めましょう」
そう伝えると、皆、分かったと理解をする返答だけども、声に真剣さがない。
――――これが新兵なんだな。
相手も嘴の黄色い雛鳥なら、こちらもそうなんだよね……。
不死王さんの所では、サージャスさんとの一騎討ちにおいて、周囲の兵隊さんや、ホーリーさんは、即座に僕たちの前や横に立ち、脅威の排除がいつでも出来る姿勢だった。それに、真剣に戦いを目にして、分析していた。抜かりを見せる事はなかった。
それを経験させてもらっているから、僕はここで、余裕に染まる皆に、苛立ちを抱いてしまった。
分かってほしい。こちらに出来るという事は、相手にも出来るという事。そして、相手もそれを、理解をしている事。
有利になれば、そこに隙が出来ると考えるはずだ。相手よりも数が劣る時には、どの様に戦うべきかと、知恵を絞り始める。そして、冷静に動き、こちらを確実に狩りはじめるだろう。
逆転したら、こちらと、あちらの思考まで入れ替わったじゃあ話にならない。こんな時だからこそ、襟元を正そう。
――再度、注意喚起を出すけども、皆、やはり浮ついている。
「嫌な流れですね」
僕の気持ちを理解してくれたようで、ロウさんが目を細めて、眉間に皺を作って緊張した面持ち。
戦力が倍になって始めて互角って考え方になっていただきたいところ。
嘆息がこぼれるけど、とにかく鬱陶しがられてもいいから、しつこく言い続けなければ。
――――。
待つだけでは相手ももう乗ってこないと思う僕たちは、緑と一体になるつもりで、中腰や匍匐で静かに移動する。
定時連絡という方法も思いつき、各分隊に異常が発生していないか、報せ合った。
銃にも一手間を加える。
いかんせん、この銃の鉄の部分は煌めく銀色。少しの光でも反射してしまい、位置がばれる可能性も大きくなる。
なので、新月の暗闇の中、木の皮なんかを柔らかくして、銃に沿うように巻き付けて、結び固定した。
なんとも不格好だけども、おかげで光の反射は抑えられている。
相手にも同じような技法をされたら困るけども、今まで捕らえた方々の銃を見る限りではこの様な事はしていなかったので、このままそれを維持して欲しいと願いつつ、少しでも、反射する物が見えたら、全体に伝えるようにと指示を出した。
朝日が昇り始めたのか、鬱蒼とした森の中に木漏れ日が入り込んできた。それに合わせて朝靄が、すぅぅっ――と、消え去っていく。
今日を乗り切れば終われる。
自由だ。整備局員に戻れる。それを励みに頑張るんだ。ロールさんに許してもらって、今までの日常に戻るんだ!
小さな幸せの毎日に! 整備長の葉煙草と臭いさえ、郷愁の念として蘇ってくる始末。
『こちら、チャーフィー・アルファのティンクだ。俺――――この演習が終わったら、好きな子に告白しようと思うんだ』
おい、やめろ! なぜにそんな定型化にこだわる。そんな事を口にするなよ。僕は今までの日常が戻ってくる事を口にしないで、心で呟いたんだぞ。
それを、口にしちゃうと、どうなるか分かるのかい?
そして、周りもそれをはやし立てるな! 口にした兎の獣人のティンクさんが、調子に乗っているじゃないか――――。
『あ…………』
なんか、か細い声だったよ。
何が起こったか察しが付いたよ……。
――――フラグってあるんだな。
感心すらしてしまった。神が与えし定型化には……、
『敵襲!』
残った方が、ティンクさんに変わり代理で通信。でも、その人の悲鳴が聞こえると、ザーって音と共に、チャーフィー・アルファとの交信が途切れた……。
彼等がいた位置はポイントD。そこでロスト。
余裕を持って、定型化な台詞を口にするからこうなる。
一瞬で一分隊の損失と考えていい。
なんてこった、偵察分隊が一つ無くなるのは痛い。
耳が利く存在が、浮ついて、相手の動きを捕捉出来なかったのは、軍法会議ものですよ。
どうやられたんだ? 推測しろ。一瞬にして戦闘不能なんて早々出来るものなのか? お互いに新兵。力量も拮抗しているはず。それともアクシャイさんクラスの猛将が控えていたのか? いや、それは考えられない。龍人と並ぶほどの存在は然う然ういないそうだから。
抵抗も出来ないほどの早さで倒された。銃声もなかったから、接近されての制圧。そう考えれば、相手も隠蔽率を高くしての行動に出たと考えられる。
逃がした相手が、それを伝えれば、模倣もしてくるだろう。
派手に飛行して強襲なんて行動はもうない。
ゲリラ的な攻め方にシフトチェンジしてきたね。これは、追い詰められるな。こっちの浮ついた気分を取り除かない限り。
――――――。
時すでに遅しとはこの事なのか……。
偵察分隊の一つがロストしたと思った矢先に、支援分隊であるリー・ブラボーがやられた。またもや分隊丸ごとだ。待機場所はポイントB+。かなり入り込まれている。
今回も銃声は無し。最悪である。接近で容易く制圧されたとなれば、相手は僕たち以上に隠密戦が得意なのかもしれない。
「鹿狩りが、一瞬にして幻獣狩りに変わったニャ」
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余裕を見せた結果がこれだ。
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