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PHASE-05
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「で、どうするんです?」
「どうしようか……」
このままラゴットを調べるにしても、相手は玄人、しかも魔法使いや剣士なんかとなると、もし反撃なんてしてきた日には、警務局の方々では厳しい。
勇者にお願いするべきか。
「継続できます?」
「う~ん。あの申し訳ないんですが、ワギョウに用がありまして」
エルンさん一行も出たいのか。
勇者だからね。挑んでみたいよね。それを無理させて今後も継続させるのも、申し訳ないし。
フィットさんもその事が原因か、申し訳なさそうな表情だ。
元侍。現戦士。
刀剣を使用しての戦い方を好む方にとっては、ITADAKI-頂-は外せないイベントなのかもね。
これを逃せば十年後――。
十年は待ちたくないよね。
エルンさん達、クエストを受ける事は難しいといった感じだ。
いたたまれないのか、無口になってしまった。
「すいません。今回だって私の我が儘を無理に頼んでもらったのに。今後はこちらで対応してみます」
「危険です。先ほども言いましたが泳がせる程度で」
断った手前、危ない橋は渡ってほしくないようで、エルンさん語気を強めて、これ以上は首を突っ込むのは良くないと、ロールさんの考えを制する。
危険は避けてほしい。それに関しては、賛成なので、
「公開で調査クエストにでもします?」
報酬は、個人ではなく、国からの支払いになるだろうから、報酬としては秘匿もある個人のクエストに比べると、公である公開は支払われる金額は基本、少ない。
受ける人も限られてくるかもだろうけど、調査なら簡単だと、小遣い稼ぎでやってくれる方も出て来るだろう。
「公開はダメかな。信頼性の無い人だと、失敗した時に相手が身を隠すだろうし」
自分たちは信頼されてたんだなと、その発言を耳にした四人はまんざらでも無い表情だ。
確かに、調べを進めるなら、非公開で信頼出来る人たちにまかせるのがいいだろうけど、中々にそんな人材はいないよね。
知ってる方なら、サージャスさんとか、現在最強の勇者御一行の中のカルタさん。でも、どちらもワギョウに行くし、魔王軍に頼むってのもいいんだろうけど、人間じゃ無いからね。警戒されるよね。
「現状は監察が限界ですね」
「それがいいと思います。深く入らないで、警務局の方に取り締まってもらうのがいいでしょう」
ラゴットは、王都より北西のグルガル交易都市の中にある。
グルガルの警務局にお願いして、監視をしてもらうのがいいだろう。もちろん無理しない程度に。
不自然な動きをした時に、一気に公開クエストを開いて、一網打尽で良いでしょう。
相手が元戦士やら魔法使いとなると、警務局でもつらいからね。
玄人には玄人で。
グルガルの警務局に連絡を入れて、監視という事で、話は終えた。
――――。
「では、俺たちはこれで。くれぐれも、深く入り込まないでください」
くどいと思われてもいいとばかりに、念を押すエルンさん。
「ご心配ありがとうございます。では、ワギョウで合いましょう」
「へ? 来るんですか」
「はい、応援させてもらいます」
おい。応援してもらえるのが嬉しいからって、顔をほころばせるんじゃないよ。貴男はロールさんに対して毎度、毎度、紅潮しない。三人の美人さん達が、ふてくされてますよ。
まったく! ――では、僕はフィットさんと、サージャスさんを全力で応援させてもらいましょう。
四人を局前まで見送る。
本日はゆっくりと王都の宿で過ごして、明日、出発だそうだ。
僕としてはさっさと王都から立ち去ってもらいたいんですけどね。なんか、この方々がいると、やらかしそうで嫌ですから。
いるとしても、何もせずに、宿で静かにしててください。
――。
「じゃあ、グルガルの警務局に連絡いれてみるね」
「深入りだけはしないように伝えてくださいね」
「了解」
敬礼で返してきた。
元勇者一行の可能性のある者達が働いているラゴット。粗悪品のタリスマンを制作、販売。危険な存在である事は間違いない。
何かが起こる前に対応する事も大事だから、警務局の方々には無理せず頑張ってもらいたいところ。
――。
「なに、黄昏れてんだ」
ゲシリと、お尻を蹴られてしまった。
何とも、懐かしいじゃないですか。僕のお尻に蹴りを入れてくるなんて。
黄昏れてるんじゃない。格好付けて考えてただけです。
「働け。ほら」
貴男がやればいい事なんじゃないですかね。
新人にばかり仕事させないでさ。
整備長が手にしているパピルスの束を受け取る僕も僕だけどね。
断る勇気! NOと言える人間になりたいもんです。
――で、なんなのこの書類の量は?
――――何この内容…………。
イーロン。大陸北に位置する豪雪地帯にある街だ。
書類の内容は、イーロンの整備局からの助けてな内容が一割。イーロン住人からの苦情が九割のものだった……。
近隣の万年雪の山岳地帯であるロトト山脈は、魔王軍幹部である甲鎧王さんの支配下。
その、甲鎧王さんが非常に迷惑な行為を行っているそうで、配下の方々と雪中戦の訓練中の魔法の乱発で、雪崩が発生し、街と他をつなぐ街道が雪で塞がれ、物流がストップしてしまう事が多々あるそうだ。
今のところ、住人にも旅人にも人的な被害は出てないらしいけど、いつ出てもおかしくないと、戦々恐々だそうだ。
無論、抗議をし、それでも止めなかった事で、違反金まで発生しているのだけども、甲鎧王さんが支配するロトト山脈は、上質な鉄がとれ、生産と販売で、莫大な資金を有しているようで、違反金は即日支払われ、直ぐに、雪中戦を始めるという事らしい。
抗議すれば、違反金は支払っていると凄まれ、全くもって反省もしておらず、むしろ、脅してくるそうだ。
金さえ払えば問題ないだろ! と、何とも傲慢な方のようだな甲鎧王さん。
で、この書類を見る限り、王都の整備局に出張ってもらって、事を治めて欲しいとの事なんだけども、なぜに他の整備局は、困ったらこっちに回そうとするのか。なんとか自分たちで解決する努力を育んでいただきたい。
出張ばっかりで嫌なんですよ。まあ、ワギョウのは大いに楽しみなんだけども。
わざわざ寒いところには行きたくないよ。しかも、おっかないし。整備局員を軽く見ているから余計に怖い。
なんかあっても、お金で解決しそうだし。
貴族なんかに言い寄って、賄賂なんか流された日には、僕たちの局員としての権力なんて無いも同じ。
ああ……、これには関わりたくないから、そっと不要として、ゴミ箱にでも入れてしまおうかな――。
もみ消しの誕生の時であった――。
ごめんなさいね。
「何してるの?」
「整備長から受け取った書類を整理しようかと」
整理。ウソは言っていない。
「処分と整理は違うよ。曖昧な言葉の使用で、はぐらかそうとしてるのかな?」
ぐぬぬぬぬぬ……。
「これは、最近の甘えに対する処理なんです」
「甘え」
「だって見てくださいよ」
なんか、逆ギレ気味になってしまったけども、甘えは良くないと思う。
「うん。解決してもらわないと、私たちの体も一つだしね」
「でしょう。何のためにイーロンにも整備局があるんだって話ですよ」
よしよし。怒られないですみそうだ。
「でもね、実際こうやって困ってるんだし、協力はしないとね。ここが何かあった時に、協力してもらえるでしょ」
笑顔で言われると、頷くしか出来ないじゃないですか。
ちょっとまって、これ、頷いちゃったけど、行かなきゃ行けないの?
ヤアヤアヤアヤアヤア! 行きたくないですよ。
「今日の夜、ケーシ―さんの所でご飯一緒にどうかな? そこで、話し続けようか」
「はい、よろこんで!」
イヤッホォォォォォォォォォォォ! 最高だぜ!!
――――――――――――――――。
イヤッホォォォォォォォォォォォ! 極寒だぜ!!
「どうしようか……」
このままラゴットを調べるにしても、相手は玄人、しかも魔法使いや剣士なんかとなると、もし反撃なんてしてきた日には、警務局の方々では厳しい。
勇者にお願いするべきか。
「継続できます?」
「う~ん。あの申し訳ないんですが、ワギョウに用がありまして」
エルンさん一行も出たいのか。
勇者だからね。挑んでみたいよね。それを無理させて今後も継続させるのも、申し訳ないし。
フィットさんもその事が原因か、申し訳なさそうな表情だ。
元侍。現戦士。
刀剣を使用しての戦い方を好む方にとっては、ITADAKI-頂-は外せないイベントなのかもね。
これを逃せば十年後――。
十年は待ちたくないよね。
エルンさん達、クエストを受ける事は難しいといった感じだ。
いたたまれないのか、無口になってしまった。
「すいません。今回だって私の我が儘を無理に頼んでもらったのに。今後はこちらで対応してみます」
「危険です。先ほども言いましたが泳がせる程度で」
断った手前、危ない橋は渡ってほしくないようで、エルンさん語気を強めて、これ以上は首を突っ込むのは良くないと、ロールさんの考えを制する。
危険は避けてほしい。それに関しては、賛成なので、
「公開で調査クエストにでもします?」
報酬は、個人ではなく、国からの支払いになるだろうから、報酬としては秘匿もある個人のクエストに比べると、公である公開は支払われる金額は基本、少ない。
受ける人も限られてくるかもだろうけど、調査なら簡単だと、小遣い稼ぎでやってくれる方も出て来るだろう。
「公開はダメかな。信頼性の無い人だと、失敗した時に相手が身を隠すだろうし」
自分たちは信頼されてたんだなと、その発言を耳にした四人はまんざらでも無い表情だ。
確かに、調べを進めるなら、非公開で信頼出来る人たちにまかせるのがいいだろうけど、中々にそんな人材はいないよね。
知ってる方なら、サージャスさんとか、現在最強の勇者御一行の中のカルタさん。でも、どちらもワギョウに行くし、魔王軍に頼むってのもいいんだろうけど、人間じゃ無いからね。警戒されるよね。
「現状は監察が限界ですね」
「それがいいと思います。深く入らないで、警務局の方に取り締まってもらうのがいいでしょう」
ラゴットは、王都より北西のグルガル交易都市の中にある。
グルガルの警務局にお願いして、監視をしてもらうのがいいだろう。もちろん無理しない程度に。
不自然な動きをした時に、一気に公開クエストを開いて、一網打尽で良いでしょう。
相手が元戦士やら魔法使いとなると、警務局でもつらいからね。
玄人には玄人で。
グルガルの警務局に連絡を入れて、監視という事で、話は終えた。
――――。
「では、俺たちはこれで。くれぐれも、深く入り込まないでください」
くどいと思われてもいいとばかりに、念を押すエルンさん。
「ご心配ありがとうございます。では、ワギョウで合いましょう」
「へ? 来るんですか」
「はい、応援させてもらいます」
おい。応援してもらえるのが嬉しいからって、顔をほころばせるんじゃないよ。貴男はロールさんに対して毎度、毎度、紅潮しない。三人の美人さん達が、ふてくされてますよ。
まったく! ――では、僕はフィットさんと、サージャスさんを全力で応援させてもらいましょう。
四人を局前まで見送る。
本日はゆっくりと王都の宿で過ごして、明日、出発だそうだ。
僕としてはさっさと王都から立ち去ってもらいたいんですけどね。なんか、この方々がいると、やらかしそうで嫌ですから。
いるとしても、何もせずに、宿で静かにしててください。
――。
「じゃあ、グルガルの警務局に連絡いれてみるね」
「深入りだけはしないように伝えてくださいね」
「了解」
敬礼で返してきた。
元勇者一行の可能性のある者達が働いているラゴット。粗悪品のタリスマンを制作、販売。危険な存在である事は間違いない。
何かが起こる前に対応する事も大事だから、警務局の方々には無理せず頑張ってもらいたいところ。
――。
「なに、黄昏れてんだ」
ゲシリと、お尻を蹴られてしまった。
何とも、懐かしいじゃないですか。僕のお尻に蹴りを入れてくるなんて。
黄昏れてるんじゃない。格好付けて考えてただけです。
「働け。ほら」
貴男がやればいい事なんじゃないですかね。
新人にばかり仕事させないでさ。
整備長が手にしているパピルスの束を受け取る僕も僕だけどね。
断る勇気! NOと言える人間になりたいもんです。
――で、なんなのこの書類の量は?
――――何この内容…………。
イーロン。大陸北に位置する豪雪地帯にある街だ。
書類の内容は、イーロンの整備局からの助けてな内容が一割。イーロン住人からの苦情が九割のものだった……。
近隣の万年雪の山岳地帯であるロトト山脈は、魔王軍幹部である甲鎧王さんの支配下。
その、甲鎧王さんが非常に迷惑な行為を行っているそうで、配下の方々と雪中戦の訓練中の魔法の乱発で、雪崩が発生し、街と他をつなぐ街道が雪で塞がれ、物流がストップしてしまう事が多々あるそうだ。
今のところ、住人にも旅人にも人的な被害は出てないらしいけど、いつ出てもおかしくないと、戦々恐々だそうだ。
無論、抗議をし、それでも止めなかった事で、違反金まで発生しているのだけども、甲鎧王さんが支配するロトト山脈は、上質な鉄がとれ、生産と販売で、莫大な資金を有しているようで、違反金は即日支払われ、直ぐに、雪中戦を始めるという事らしい。
抗議すれば、違反金は支払っていると凄まれ、全くもって反省もしておらず、むしろ、脅してくるそうだ。
金さえ払えば問題ないだろ! と、何とも傲慢な方のようだな甲鎧王さん。
で、この書類を見る限り、王都の整備局に出張ってもらって、事を治めて欲しいとの事なんだけども、なぜに他の整備局は、困ったらこっちに回そうとするのか。なんとか自分たちで解決する努力を育んでいただきたい。
出張ばっかりで嫌なんですよ。まあ、ワギョウのは大いに楽しみなんだけども。
わざわざ寒いところには行きたくないよ。しかも、おっかないし。整備局員を軽く見ているから余計に怖い。
なんかあっても、お金で解決しそうだし。
貴族なんかに言い寄って、賄賂なんか流された日には、僕たちの局員としての権力なんて無いも同じ。
ああ……、これには関わりたくないから、そっと不要として、ゴミ箱にでも入れてしまおうかな――。
もみ消しの誕生の時であった――。
ごめんなさいね。
「何してるの?」
「整備長から受け取った書類を整理しようかと」
整理。ウソは言っていない。
「処分と整理は違うよ。曖昧な言葉の使用で、はぐらかそうとしてるのかな?」
ぐぬぬぬぬぬ……。
「これは、最近の甘えに対する処理なんです」
「甘え」
「だって見てくださいよ」
なんか、逆ギレ気味になってしまったけども、甘えは良くないと思う。
「うん。解決してもらわないと、私たちの体も一つだしね」
「でしょう。何のためにイーロンにも整備局があるんだって話ですよ」
よしよし。怒られないですみそうだ。
「でもね、実際こうやって困ってるんだし、協力はしないとね。ここが何かあった時に、協力してもらえるでしょ」
笑顔で言われると、頷くしか出来ないじゃないですか。
ちょっとまって、これ、頷いちゃったけど、行かなきゃ行けないの?
ヤアヤアヤアヤアヤア! 行きたくないですよ。
「今日の夜、ケーシ―さんの所でご飯一緒にどうかな? そこで、話し続けようか」
「はい、よろこんで!」
イヤッホォォォォォォォォォォォ! 最高だぜ!!
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イヤッホォォォォォォォォォォォ! 極寒だぜ!!
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